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3256.報道比較2018.1.31

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最後に意見を述べた人民網と日経。疑心暗鬼は変わらない。これはまだ無理だろう。大きな事件でもなければ状況は変わりそうもない。それだけお互い、協力しなければならない必然がないのだろう。期待するのは尚早だ。

日本経済新聞・社説
日中の信頼醸成へ根気強く課題解決を

河野太郎外相が就任後、初めて中国を訪問し、李克強首相、王毅外相らと会談した。両国間の意思疎通は徐々に活発化している。李首相が来日する日本での日中韓首脳会談に向けた調整が始まったことを歓迎したい。世界2、3位の経済大国である隣国首脳が互いに訪問し、意見交換する枠組みは重要だ。両国民のメリットも大きい。安全保障面では北朝鮮の核・ミサイル問題が喫緊の課題である。カギを握る中国との意思疎通は重みを増す。気になるのは、中国の公船を運用する海警局が緊急時には軍の指揮下に入ると見られる点だ。海警は海上警備を担う武装警察が設立母体の一つである。改編前の武装警察は国務院(政府)の公安省と軍最高意思決定機関の中央軍事委員会から二重の指揮を受けていたが、運用主体は公安省だった。ところが今年から中央軍事委の直轄となり、軍トップの習主席が先に部隊旗を授与した。場合によっては習氏が直接、尖閣付近を航行する中国公船の指揮権を持つ可能性がある。日中間の信頼醸成は簡単ではなく、多くの障害がある。6年前には中国で多くの日本企業が反日デモの標的になった。今こそ障害を一つ一つ取り除きながら、根気強く地ならしをすべき時である、としている。

人民網日本語版
中日関係発展の正念場 (2018.1.30)

日本の河野太郎外相が27、28両日に招待を受けて中国を公式訪問した。新年早々の訪問で、河野外相にとっては就任以来初の訪中でもあり、中日間の働きかけ合いがことのほか注目された。両国は関係発展を促進する歴史的節目を重視。中日ともに「初心を忘れず」、平和友好条約締結40周年及び中国の改革開放40周年を契機に双方関係が新たな段階へ進む後押しをする考えを表明した。双方は、両国関係の改善・発展に対して上層部交流のリーダーシップを発揮するとし、新たな中日韓サミットの早期開催で同意するとともに、ふさわしい環境を整えるとした。だが中日関係改善の勢いは堅牢というわけではない。日本国内では依然保守勢力が中国の台頭を強く警戒し、中国を潜在的対戦相手と見ている。一部の者は日米同盟を強化し、同盟システムの構築をさらに進めることで、中国を戦略的に封じ込めると騒ぎ立ててる。日本の侵略の歴史を否認し、軍国主義の犯罪行為を洗い流そうと愚かにももくろむ極右勢力もいる。様々なマイナス要因が中日関係の発展を妨げ、両国民の感情を傷つけ、地域の平和と安定にも影響を与えている。2018年は中日関係が正常な発展の道に戻るチャンスの年であり、両国関係の発展は正念場にある。チャンスをしっかりとつかめるかどうかの鍵は、日本側が口頭での発言をどう実際の行動に移すかにある、としている。

毎日と読売が取り上げ、昨日は朝日と産経が取り上げたトピック。最後に意見を述べた人民網と日経。昨日の産経ほどではないが、疑心暗鬼は変わらない。これはまだ無理だろう。大きな事件でもなければ状況は変わりそうもない。それだけお互い、協力しなければならない必然がないのだろう。期待するのは尚早だ。

朝日新聞・社説
「森友」論戦 かわす政権、募る不信

森友学園への国有地売却問題をめぐる、衆院予算委員会での政府答弁である。象徴的なのは、財務省が「廃棄した」と繰り返した交渉関連記録が実在していたことだ。同省が否定してきた事前の価格交渉も、当事者間のやりとりが音声データに記録されていた。過去の一連の答弁は虚偽といわれても仕方あるまい。予算委で野党が、答弁を担当した佐川宣寿国税庁長官(前理財局長)の更迭を求めたのは当然だ。驚いたのは、麻生財務相が佐川氏を「適材適所」とかばったことだ。国会を欺くような答弁を重ねても、当の佐川氏も、上司の麻生氏も、そして首相も、誰ひとり非を認めず、謝罪せず、責任をとらない。安倍内閣の国会軽視、言論軽視は理解できない。時間が経てば、いつか国民は問題を忘れるだろう。官僚が用意した答弁を読み上げる首相や麻生氏の姿からは、そんな思いを感じざるを得ない。しかし、首相自身が真相究明の先頭に立ち、国民が納得できる説明責任を果たさない限り、問題は決して終わらない、としている。

毎日新聞・社説
安倍政権の緩みとおごり 謙虚の掛け声がむなしい

沖縄で相次いだ米軍ヘリのトラブルをめぐる野党の質問に「それで何人が死んだんだ」とヤジを飛ばし、松本文明副内閣相が更迭された。首相は「沖縄、国民の皆様に深くおわびしたい」と陳謝した。素早い更迭と首相の低姿勢は、市長選への影響を抑えたい意図も感じさせる。森友学園への国有地売却問題でも、強引に火消しを図ろうとする政府・与党の姿勢が目につく。昨年の通常国会では財務省の佐川宣寿理財局長(当時)が「事前に価格を提示したことはない」「交渉記録は廃棄した」と答弁していた。真相解明には佐川氏の国会招致が不可欠だが、与党は拒否し続けている。佐川氏は国税庁長官に就任して以降、記者会見にも応じていない。「数の力」で野党の質問時間を減らそうと躍起になるのも「森友隠し」が狙いではないか。「丁寧に、謙虚に」の掛け声がむなしく響く、としている。

事実確認はまだ不明だが、朝日の爆弾スクープがこんな陰湿な社説よりもずっと効果を示した。これが従軍慰安婦と同じ顛末なら、朝日は存続困難だろう。ただ、こんな無益な批判社説はいらない。朝日も毎日もすぐにやめるべきだ。

産経新聞・社説
「習思想」と憲法 個人独裁強化を懸念する

習近平国家主席の名を冠した「思想」を、国の指導理念として憲法に明記しようとしていることである。集団指導制では飽きたらず、現役指導者に権威や権力を集中させるものだろう。軍事、経済などあらゆる面で、覇権主義的に振る舞う21世紀の大国が、民主主義とかけ離れた政治体制を強化しようとしている。国際社会への多大な影響を懸念せざるを得ない。かつて中国が唱えた政治改革は、たとえ建前でも、人権状況の改善を含む段階的な民主化を想定した言葉だったはずだ。実際にやろうとしているのは、習氏への強権付与ではないか。もとより、自由や民主主義などの価値観を共有できる相手ではない。個人独裁下では、さらにその溝は広がると日本は認識し、牽制していかねばなるまい、としている。

あれだけの粛正をやったら、降りた途端に刺される。そんな都合を産経が知って言っているなら、産経は中国で蠢く贈収賄の大好きな権力者たちと大差ない。自分の保身か、本気の改革主義者かはわからないが、命がけなのは事実だ。それだけの粛正をやってでも達成したい未来は、確実にある。産経の思うような些少な話ではない。

読売新聞・社説
受動喫煙法案 健康被害防止へ実効性あるか

厚生労働省が、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の骨格を公表した。今国会に法案を提出し、20年までの施行を目指す。飲食店について、原則禁煙としつつ、喫煙専用室の設置を認めている。既存の小規模店では当面、「喫煙可」「分煙」などの表示を条件に喫煙を認める。面積150平方メートル以下などが想定される。法整備の動きが再開されたことは前進だ。防止策を義務化する意義は小さくない。問題は、健康被害がどれだけ解消されるかだ。世界保健機関(WHO)は、屋内全面禁煙以外は効果がないと指摘し、喫煙室の設置にも否定的だ。飲食店やバーを含めて屋内全面禁煙を法制化した国は約50に上る。医療関係者らは「規制が緩すぎる」と、今回案を強く批判する。国際オリンピック委員会とWHOは、「たばこのない五輪」を推進している。東京五輪を控え、日本が対策に消極的だと非難される事態は避けねばならない。日本では、自治体の条例などにより、屋外の喫煙規制が先行してきた。屋内禁煙化と一体的な受動喫煙防止策が求められる、としている。

こんな議論では、ー喫煙者の多い中国が、やがて日本を追い越して禁煙を達成するだろう。喫煙率がここまで下がっても、国会議員が抵抗する国。喫煙の話ではなく、権力政治の問題だ。最悪の品格だ。

Wall Street Journal
アマゾンやバークシャーなど3社、医療費削減目指し提携 (2018.1.31)

米アマゾン・ドット・コムと投資会社 バークシャー・ハザウェイ 、金融大手JPモルガン・チェースは30日、新会社を設立すると発表した。米国に多くの従業員を抱える3社が医療費の削減を目指して提携する。アマゾンがヘルスケア関連ビジネスにどんな野心を抱いているか不透明なため、業界には不安感が広がっている。アマゾンは調剤薬局サービスへの参入を視野に入れている。企業間(B2B)電子商取引サービスには医療関連製品を追加した。業界では昨年、ドラッグストアチェーン大手CVSヘルスが医療保険大手エトナを約690億ドル(約7兆5000億円)で買収することで合意している。以前から民主党を支持しているバフェット氏は、過去にも米国の医療費を批判し、国が医療保険を運営する「単一支払者制度」への支持を打ち出してきた。昨年のバークシャー年次株主総会では、ここ数十年で国内総生産(GDP)に対する医療費の割合が拡大した一方、税金の割合は縮小したと指摘した。バフェット氏は5月の年次総会で、医療費の増加は「どちらの党が与党であっても深刻化する社会問題だ」と指摘。また「米国の産業の国際競争力について言えば、世界とどんどん乖離していく最大の可変要因だ」と話した、としている。

こういうイノベーションが、アメリカは民間から起きる。だからあの国は成長する。国が動くかなど関係ないし、経済団体の存在も不要だ。日本の社説が求める国、行政、財界になど、誰も期待しないし、待つ気もない。先に動けば総取り。戦略を作ってリスクが取れる範囲なら、動く。金額の問題でも、社会構造の問題でもない。これができない限り、中国はアメリカを越える事はできない。本当のイノベーターは、自由を求めて海を渡るだろう。日本も同じだ。私はもう、期待さえやめた。景気回復がどこかから風が吹いてくるようなものだと思っている人たちと何ができるだろう?すべてに不可抗力という言い訳を使う人と組む必要があるだろうか?

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