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3254.報道比較2018.1.29

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日中関係を改善しようと徐々に両国が行動しはじめた。いい感触だ。

毎日新聞・社説
河野外相の中国訪問 好機逃さず対話に弾みを

日中平和友好条約締結40年の節目だからこそ、安定した両国関係を築く。河野太郎外相が年初に訪中したのはその第一歩だ。きのう河野氏は中国の王毅外相や外交トップの楊国務委員、李克強首相と相次いで会談した。王氏は「中日関係の改善と発展は両国の利益に合致する」と訪中を歓迎し、河野氏は「今年は全面的な関係改善を進めていく」と応じた。日本は中国が掲げる壮大な「一帯一路」に一定の協力をする意向だ。ただ、開放性や透明性への疑念があり、当面は第三国での事業展開など民間の後押しにとどまっている。軍事的な側面に警戒を示す声もある。朝鮮半島の非核化は日中両国の利益だ。そのためには北朝鮮に対する国連の制裁の完全履行が不可欠だ。こうした問題は首脳同士での確認が欠かせない。春に日本で日中韓首脳会談を行い、秋の安倍首相訪中、その後の習主席来日へとつなげる。着実な首脳往来の実現が重要だ、としている。

読売新聞・社説
日中外相会談 関係改善の流れをより確かに

河野外相が北京で中国の王毅外相と会談し、日中平和友好条約締結40年の今年、両国首脳の相互訪問を着実に進める方針で合意した。日中が「互いに協力のパートナーであり、脅威とならない」との基本精神も確認した。早期に日中韓首脳会談を日本で開き、李克強首相が初来日する。その後、安倍首相が訪中し、習近平国家主席の来日につなげる。そんな日程を想定している。北朝鮮の核問題に関して、両外相は、国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行することを確認した。河野氏は、北朝鮮の政策を変更させるために国際社会が圧力を強める必要性を力説した。河野氏は会談で、今月中旬に沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域に中国軍の潜水艦が進入した問題を取り上げ、再発防止を求めた。中国は、巨大経済圏構想「一帯一路」に関し、具体的な協力案件を示すよう日本に求めている。一帯一路には、中国が途上国の港湾などを軍事拠点化するという安全保障上の懸念がある。日本は、透明性が高く、第三国の発展や地域の安定に資する案件を慎重に見定めることが重要だ、としている。

日中関係を改善しようと徐々に両国が行動しはじめた。いい感触だ。中国の規模にすでに追いつけないと日本政府は悟っただろうか?技術で先行するのはあと5年。いまの経済成長のままなら、東京オリンピック後の日本は、中国をいまのアメリカと同じ規模で見るほど隔絶する。早めに関係改善を日本から打診した方がいい。

人民網日本語版
外交部、米朝が同じ方向に向かうことを希望 (2018.1.26)

中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は25日の定例記者会見で「米朝双方が同じ方向に向かい、現在生じた好機を捉え、対話による問題解決の方向で重要な一歩を踏み出すことを希望する」と表明した。現在、朝鮮半島情勢は貴重な緩和局面を生じている。中国側は、現在の南北連動の積極的な趨勢を続けていき、かつ適切な時期に朝鮮半島問題解決の政治対話に移すことが非常に重要だと考える。これと同時に、南北間の積極的な連動を適切な時期に米朝間の対話に移すことも非常に重要だ。結局のところ、朝鮮半島問題解決の鍵は2つの直接の当事者、つまり米国と朝鮮の手中に握られている。米朝双方が同じ方向に向かい、現在生じた好機を捉え、対話による問題解決の方向で重要な一歩を踏み出すことを希望する。現在、6カ国協議は困難や試練にぶつかっているが、われわれは各国が相互理解と相互尊重の精神を堅持し、知恵を発揮し、対話と交渉を通じて信頼を培い、共通認識を積み重ね、活路を議論しさえすれば、越えられない難関はないと信じる、としている。

北朝鮮と韓国の両方をコントロールして主導権を得ようとしていると見ていたが、「中国は何もできない」と無責任に逃げ出すような発言をした中国。この後、韓国は挑戦的な外交をはじめる。中国は自国が膨張することはできても、まだ世界全体を公正に保つリーダーを引き受ける気はないようだ。これでは覇権は無理だ。

朝日新聞・社説
TPPと米国 復帰へ保護主義見直せ

米国のトランプ大統領が、昨年1月の就任直後に離脱を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)について、復帰も含めて検討することを表明した。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での演説で、「すべての国の利益になるなら交渉を検討する」と語った。トランプ大統領の真意は、はっきりしない。TPP復帰に言及したものの、国際通商ルールより米国の利益を優先する保護主義的な考え方を捨てたとは言えないからだ。トランプ政権は今月、太陽光パネルや家庭用大型洗濯機の輸入が急増しているとして、通商法201条に基づく緊急輸入制限(セーフガード)を発動すると発表した。02年にブッシュ政権が発動して以来で、その時は世界貿易機関(WTO)が協定違反と認定した。今回も、大きな影響を受ける中国や韓国は強く反発している。安倍首相はトランプ大統領との緊密な関係を誇る。「米国第一」を見直すことこそがTPP復帰につながることを、粘り強く説くべきだ、としている。

2日前に毎日が、 昨日は産経が触れた話題。経済紙の日経が無視している意味は不明だが、各紙の内容は似たものに落ち着いている。斬新さはないが、日本としての意見はトランプ氏の保護主義の発想には同意できないと一致している。河野氏の訪中の方が取り上げるに値する話題だと思うが、産経、日経も週末明けの緩い話題に留まっている。まだ緊張感が見えない。

産経新聞・社説
科学技術の危機 長期的な視野で立て直せ

全米科学財団が公表した科学技術の論文数(2016年)で、日本は06年の3位から6位に後退した。中国が米国を抜いて首位に立ち、日本はこの10年間にインド、ドイツ、英国に抜かれた。大隅良典さん(16年、医学・生理学賞)をはじめ、近年のノーベル賞受賞者の多くが、研究現場の疲弊を憂慮し、短期的成果主義の弊害を訴えてきた。内外の指摘を重く受け止め、科学技術立国の足元を立て直さなければ、日本に未来はない。科学技術政策には、目先の成果でなく人材育成に主眼を置いた長期的な視野が求められる。論文数の減少にとらわれて、拙速な施策に走ることは、厳に戒めなければならない。幼児や小学生に対する「大人になったらなりたい職業」の調査(第一生命保険)で、男の子では15年ぶりに「学者・博士」が1位になった。この子らが成人するころに科学技術に希望を持てる社会にするために今、何をすべきか。国、企業、そして国民がそれぞれの立場で考え、緊密に連携して取り組むことが大切だ、としている。

日本経済新聞・社説
化石燃料の持続可能な使い方を考えよう

エネルギー政策の長期的な指針である「エネルギー基本計画」に基づく見通しによれば、30年度時点でも1次エネルギーの75%、発電の56%を化石燃料でまかなう。基本計画に沿って太陽光や風力などの再生可能エネルギーを伸ばし、原子力発電所を再稼働させたとしても、当分は化石燃料がエネルギー供給の中心であり続ける。しかし、地球温暖化対策の道筋を定めたパリ協定が発効し、二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電には世界的に厳しい目が向けられている。環境対応を企業評価の尺度として重視する金融機関や投資家が、石炭火力への投融資から手を引く動きも広がる。石炭には価格競争力や潤沢な埋蔵量、産出地に偏りがないなどの利点がある。電力インフラの整備を急ぐ新興国には依然、根強い需要がある。簡単に放棄できない。現行のエネルギー基本計画によれば、石油は30年度でも最大の1次エネルギー源だ。石油には電気やガスに比べ持ち運びや保存がしやすい利点もある。調達や供給を安定させる重要性は変わらない、としている。

週末明けらしい話題に留まった産経と日経。問題提起の題材は誰もが気にする内容だが、マッチで火をつけただけの社説。心配になるだけの人騒がせな内容だ。

Wall Street Journal
割高な株式市場、それでも買いを入れるなら (2018.1.29)

世界経済が足元でどう変化したかという点を考察する必要がある。その答えは、世界各国で工場がほぼフル稼働の状況になったということだ。昨年10-12月期(第4四半期)に、米国と欧州連合(EU)の設備稼働率は金融危機以来、中国では2011年以来の高水準に達した。またシ資源価格は値上がり基調にあるが、2010年代の高水準はなお大幅に下回る。米原油相場はバレル当たり65ドルと、2011年につけたピークからはまだ約43%低い水準だ。中国は金融危機以降初めて、過剰生産能力の削減に本腰を入れ始めた。中国の鉱工業セクターの設備稼働率は昨年10-12月期に78%に達し、2011年以来の高水準をつけた。中国の工場が淘汰されたことで、物価は世界的に上昇している。欧米諸国の工場は、すでに景気が加速していることもあり、稼働状況は熱を帯びている。米供給管理協会(ISM)によると、同国の設備稼働率は2017年末時点で85.8%と、2005年以来の高水準にある。工業株が安くないのは間違いない。仮にドルが急落し、投機筋が資源相場にさらに流れ込む、または中国経済に想定以上の急ブレーキがかかる、貿易戦争が勃発するといった事態になれば、すべての目論見は外れる。とはいえ、ハイテク株は長らく割高な状況が続き、仮想通貨ビットコインや テスラ 、リチウムなどのバッテリー金属に対する極めて投機的な取引は足元でさえない。割高な水準でも買いを入れるなら、世界経済の体温上昇から恩恵を受けている銘柄を物色した方がいいだろう、としている。

この数日後、アメリカ株は大きく下げた。率では小さいが、規模が大きくなっただけ額は過去最大の1100ドル。これは暴落ではなく調整。暴落とは、半値近くまで下げることだ。20%にも満たない下落は、はじまりにもならない。事の発端は金利上昇。財政懸念が原因だ。それでもトランプ氏は貿易戦争をはじめるようだ。いよいよトランプ・ラリーがトランプ・ショックに変わるとの予想が、現実になりそうだ。

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