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3251.報道比較2018.1.26

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借金も税金も年金も、信任がすべてだ。モラルが維持できなくなれば、カネは回らなくなる。

朝日新聞・社説
財政再建 現実直視が出発点だ

主要国で最悪の財政をどう立て直すか。その目標と計画の土台となる中長期の財政試算を、内閣府がまとめた。試算では、実質で毎年度1・4~2・1%という高めの成長を続けた場合と、「巡航速度」の1%強の成長率で推移した場合という2通りを想定。借金に頼らずに政策経費をまかなえるかを示す基礎的財政収支(PB)が黒字になるのは、高めの成長の場合でも27年度とした。安倍政権はもともと、基礎的収支を20年度に黒字化するとしてきた。達成できなくなったのは消費増税分の使い道を教育などに広げることにしたからだというが、その前から経済成長と税収増頼みの財政運営は行き詰まり、達成は絶望的だった。同じ過ちを繰り返さないよう、首相は今度こそ現実を直視しなければならない。だが、早くも不安が募る。相変わらず成長頼みの姿勢が見えるからだ。ここは、もう一つの1%強の成長率を前提に、財政再建を論じるべきだ。その場合、基礎的収支は27年度でも8・5兆円の赤字が見込まれていることから目を背けてはならない。成長率を高める政策に知恵を絞りながら、財政面では過度な期待を捨て、慎重な見通しのもとで目標と計画を練るべきだ、としている。

産経新聞・社説
中長期の財政試算 説得力ある健全化計画を

内閣府の中長期的な財政見通しで、基礎的財政収支(PB)が黒字化する時期は2027年度になる。25年度としていた従来の試算より、2年ずれ込むということだ。試算の前提となる経済成長率などを下方修正したほか、安倍晋三首相が消費税増税の使途の一部を教育無償化などに充てると決めたためである。政府が政策的に高成長を目指すのは当然だが、財政健全化について手堅く検討する視点を失ってはならない。税収増に過度に期待すれば、歳出削減の地道な努力はおろそかになるだけだ。試算は、名目成長率が1%台後半で推移した場合、27年度の黒字化は達成できないとする結果も示した。これらを踏まえ、健全化計画を策定しなければならない。もとより、財政健全化の道筋は成長に伴う税収増と歳出削減、増税の組み合わせで決まる。そのバランスをいかに取るかについて、議論を尽くしてもらいたい、としている。

朝日と産経の意見が一致しながらも、追求にはまるで力がない。新聞は財政再建に飽きはじめているようにさえ見える。年金をもらう瀬戸際の世代と思われる新聞社の担当者は、年金生活者ほど財政再建が頓挫した時の痛みを味わうことを忘れているようだ。社会保障に守られている世代ほど、財政が苦しくなった時、真っ先に被害者になる。現役のうちに追求した方がいいはずだが、一生現役のつもりだろうか?

日本経済新聞・社説
受給年齢の拡大だけでは拭えぬ年金不信

百年安心をうたう年金改革法が成立した2004年を最後に、歴代政権は本格的な改革を避けてきた。支給水準引き下げへの高齢層の反発が強く、政権運営に打撃を受けるのがわかっているからだ。そうしたなかで年金をもらい始める年齢について70歳を過ぎても選べるようにする法案を厚生労働省は20年にも国会に出す意向だ。受給開始を基準年齢より先送りする場合、厚労省は1歳につき単価を約8%増やす。70歳まで有効な今のこの仕組みを、70歳を過ぎた人にも適用するのが大綱の考え方だ。内閣府が設けた会議(座長清家篤慶応大教授)が昨年10月にまとめた報告書で打ち出した。収入があり、長生きする自信がある人には朗報だ。逆にそう思わない人は、単価は減額されるが65歳より前にもらい始めればよい。足元では表面化していないが、将来にわたって年金財政が盤石とはいえない。現高齢者への標準支給額を示す所得代替率は、想定を大きく上回っている。支給水準を毎年小刻みに切り下げる制度を有効に機能させなかったツケだ。04年改革から10年以上たつ。本格的な改革に踏み出す時である、としている。

私ならどうするだろう?たぶん、どれだけ健康でも、8%なら信頼できない国家からなら先にもらう方がいいと思うだろう。今はそう感じない人たちも、国債の金利が上がり、日本国債の格付けが下がっても8%の上乗せに乗るだろうか?借金も税金も年金も、信任がすべてだ。モラルが維持できなくなれば、カネは回らなくなる。2年以内に、その信任が切れる気がしているのは私だけだろうか?

読売新聞・社説
代表質問 野党は憲法論議を回避するな

国の最高法規である憲法の改正を発議できるのは、国会だけである。各党は、その責任の重さを自覚し、建設的な議論を展開せねばならない。疑問なのは、憲法に自衛隊を明記すべきだという首相の重要な問題提起に対し、野党が正面から向き合っていないことだ。立憲民主党の枝野代表は、「国のかたち、理想の姿を語るのは憲法」という首相の発言を「特異な認識」と批判した。憲法は「主権者が政治権力を制限するルール」として、「定義」が違う以上、「議論できない」と主張した。希望の党の玉木代表は、地方自治に関する憲法改正案を示すと表明した。「意味のある憲法論議をリードしていく」とも語り、枝野氏との違いを打ち出したことは、前向きに評価できる。一部の憲法学者らは、今なお自衛隊の合憲性に疑問を唱えている。憲法に明確に位置づけることで、長年の自衛隊「違憲論」に終止符を打ち、憲法と現実の乖離を是正する意義は大きい。安保関連法は、最高裁判決や従来の政府解釈との論理的整合性を維持しており、違憲との批判は当たらない。民進党もそろそろ不毛な議論を卒業してはどうか、としている。

読売の主張はもっともだが、いま、政府と与党は防戦一方だ。憲法を議論できる環境などまるでない。これで憲法議論になれば政府が攻勢に出られるだろうか?いや。野党が噛み合っていないのは、党略と自身の価値観が一致していないからだ。個々の意志で割れれば、むしろ自民党と公明党の亀裂の方が大きいだろう。憲法論が政党と政治家の心情の核心を突いたら、今よりおもしろいことになると思う。リトマス試験紙として憲法が機能するなら、どれだけ混乱しても日本にとっては良い経験になるだろう。

毎日新聞・社説
トランプ時代のダボス会議 保護主義に対抗できるか

今年もスイスのスキーリゾート、ダボスに世界のリーダーたちが集まった。世界経済フォーラムの年次総会、通称ダボス会議出席のためだ。今年のテーマは「亀裂の走る世界に共通の未来を築く」だそうだ。皮肉にも、亀裂の張本人であるトランプ氏が、米大統領として18年ぶりに参加し、最終日に演説するとあって、例年にない注目の高さである。大統領より先にダボス入りしたムニューシン財務長官は、米貿易にとってドル安が良いと述べた。米国製品の輸出競争力向上が狙いだが、これも輸入品の価格上昇を招き、消費者の不利益となるだろう。米国第一主義をけん制するように、ダボスに集まった他国の指導者らからは、保護主義やナショナリズムに反対する発言が相次いでいる。「世界からの孤立に、より良い未来はない。保護主義は解答にならない」と述べたのはドイツのメルケル首相だ。インドのモディ首相、カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領らも同様の発信をした。日本は自由貿易の恩恵を最大限享受してきた。これからも人口減少下で海外市場への依存度が高まる。保護主義には他国と連携し反対の声を上げねばならない、としている。

毎日が言うほど、ダボス会議は盛り上がっただろうか?振り返れば、今でも尾を引いているのはトランプ氏の演説よりは、ムニューシン氏のドル安容認のコメントだった。保護主義よりも、ドルが弱くてもいいと基軸通貨国の財務長官が言う時代の変化に、マーケットは株も債券も通貨も耳を疑った。毎日のセンスはワイドショーのようだ。パフォーマンスに目を奪われるべきではない。

人民網日本語版
崔大使 中米関係の現実に最も近いのは「パートナー」関係 (2018.1.25)

1月23日、崔天凱駐米国中国大使は米紙「USAトゥデイ」編集委員会と座談会を行うとともに、同紙のスタンバーグ社説主筆のテレビインタビューに応じ、中米関係、中国経済、朝鮮の核問題などについて質問に答えた。双方の共同の努力の下で、この1年間の中米関係は全体的な安定を維持するとともに重要な発展を遂げた。中米トップの交流は密接で、両国首脳は3回会談し、良好な作業関係を構築し、二国間関係の安定した発展のために重要な指導的役割を発揮した。これと同時に、中米は4つのハイレベル対話メカニズムを構築し、それぞれに第1回目の対話を行い、良好な効果を上げた。「パートナー」関係が中米関係の現実に最も近い。「パートナー」関係は共通の利益に対する認識に基づくものであり、中米には多くの共通利益があり、双方は互恵・協力を展開することを通じて利益を獲得することが可能だ。中国は米国と長期的で安定した良好な関係を築きたいと心から願っている。中国は朝鮮と韓国の国民が自分たちの願いを踏まえ、平和的で自主的な方法で統一事業を展開することを支持する。朝鮮半島の近隣国として、中国の関心はこの半島で戦争や混乱が起きてはならないということにある。そうなれば朝鮮・韓国両国の国民に損害が及ぶだけでなく、中国の国益にとっても深刻な脅威になる、としている。

Wall Street Journal
米国に戦術核兵器が必要な理由 (2018.1.24)

トランプ政権の核戦略の指針である「核戦略体制の見直し(NPR)」はまだ公表されていないが、早くも集中砲火を浴びている。この文書の草案が先週リークされると、米国が「新たな」核兵器を保有すべきだという提案に対し、批判勢力は一斉に反発した。中には米国の核能力を拡大する動きはドナルド・トランプ大統領の無謀な気性の表れであり、核戦争でわれわれ全員の命が危険にさらされるという指摘すらあった。報道では北朝鮮が核の脅威だとされるが、ロシアのもたらす戦略的課題はそれ以上に大きいだろう。ロシアはウクライナやシリア内戦に介入するなど攻勢を強めており、その戦略は核兵器に一段と大きく依存している。北大西洋条約機構(NATO)との全面戦争が起きた場合、たとえロシアが始めた戦争だとしても、核攻撃の「段階的縮小」を進める手はずになっている。すなわち、ウラジーミル・プーチン大統領は先に限定的な核攻撃を命じることで、米国がおじけづき、ロシアに有利な条件で戦いを終わらせるように仕向けるのだ。残念ながら、米国はこの戦略を確実にするために必要な戦術核兵器を持っていない。ロシアとは違い、米国は冷戦終了時に戦術核兵器の大半を廃棄した。約200発の自由落下爆弾は残っているが、それらは航空機で運ぶ必要があり、ロシアの最先端防空設備を突破することはまず考えられない。米国に必要なのは他の選択肢だ。つまり潜水艦発射式の小型核巡航ミサイルまたは弾道ミサイルである。まさに「核戦略体制の見直し」の草案が求めているものだ、としている。

いつもアメリカはロシアに、そしてイランに脅える。どれだけ大きくなっても中国を恐れたことはない。中国もアメリカと本気で火花を散らしたことはない。アメリカが貿易戦争を準備しはじめた。習氏はどこで引き下がるだろう?

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