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3250.報道比較2018.1.25

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完全に仕事で失態を見せた安倍政権。事前に準備すれば、いくらでも穴はあった。代表質問にケチをつけるくらいなら、取材で政府・与党の問題を質す方がずっと効果的で本質的だ。みんな本来の仕事をして欲しい。

朝日新聞・社説
代表質問 目立つ首相の肩すかし

少子高齢化という「国難」を乗り越えるための「新たな国創り」を――。施政方針演説でそう訴えた安倍首相に、立憲民主党の枝野幸男代表は「お互いさまに支え合う社会」をめざす立場から質問した。例えば、生活保護費。一般の低所得世帯の生活水準に合わせて引き下げるという政府方針に対し、枝野氏は、フルタイムで働いても低い収入しか得られない人をなくすことに力を入れるべきだと指摘した。だが、首相は「一般低所得世帯との乖離を是正する」という従来の説明を繰り返した。財務省の佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長を国税庁長官に充てた人事について「適材適所」と言い切ったことだ。佐川氏は、森友学園の国有地売却問題をめぐり、財務省と学園の交渉記録を「廃棄した」と繰り返し国会で答弁した。その後、新たな記録文書の存在が明るみに出た。枝野氏は「徴税事務の信頼を守るために更迭すべきだ」と迫ったが、首相は問題視しない考えを明確にした。代表質問は26日まで。質問1回、答弁1回で、議論が深まりにくいのは確かだが、首相は施政方針演説で「あらゆる人にチャンスあふれる日本を、与野党の枠を超えてともに作ろう」と呼びかけたはずである。来週には一問一答形式の予算委員会が予定されている。言葉通り、野党の質問に正面から向き合う首相答弁を期待する、としている。

毎日新聞・社説
枝野、玉木両氏の代表質問 多弱なりの工夫がほしい

衆院本会議できのう各党代表質問が始まり、野党からは立憲民主党の枝野幸男代表と希望の党の玉木雄一郎代表が登壇した。枝野氏は質問の前半、待機児童問題や介護施設・サービス不足、生活保護基準の見直しなどに時間を割いた。暮らしや働く現場の声を重視する姿勢を示したかったと思われる。具体策の議論とともに首相の政治姿勢を真っ向からただしていくのが野党第1党代表の務めのはずだ。北朝鮮の核・ミサイル問題やトランプ政権下の日米関係に関して、ほとんど触れなかったのも残念だった。 一方、玉木氏はアベノミクスをはじめ安倍政権の政策実現状況を並べて「永遠の道半ばだ」と批判するなど、予想以上の対決姿勢を見せた。首相は今後の改憲論議では、与党の公明党だけでなく、希望との連携を期待していたはずだ。戦略が崩れた政治的な意味は小さくない。分裂して多弱化が一層進んでいる野党だ。今後、方針が一致する課題では、質問内容を含めて戦略的に協力していく工夫が必要だ、としている。

1か月ほどの時間を空けてのコメント。国会は現在、森友・加計学園がはじまった昨年に似た与党防戦状態。だが、その中心はスキャンダルではなく、法案のためのエビデンス資料の質の問題が発端だった。完全に仕事で失態を見せた安倍政権。事前に準備すれば、いくらでも穴はあった。代表質問にケチをつけるくらいなら、取材で政府・与党の問題を質す方がずっと効果的で本質的だ。みんな本来の仕事をして欲しい。

産経新聞・社説
首相の平昌出席 合意は変わりようがない

安倍晋三首相が、2月に韓国で行われる平昌五輪の開会式に出席する考えを明らかにした。北朝鮮に対する日米韓の連携を優先した形だ。首相は五輪出席に合わせ、文在寅大統領と首脳会談を行う予定だ。産経新聞のインタビューに答え、慰安婦問題の日韓合意で文政権が示した新方針に対し、「受け入れることはできない」と直接伝えると語った。鄭鉉栢女性家族相の発言にも耳を疑う。韓国紙のインタビューに慰安婦問題で対日圧力を強める考えまで示した。国際会議を米国などで開き「効果的に日本に圧力をかけねばならない」という。国際社会で互いに非難しないとした合意違反だ。合意破棄に等しいと首脳会談で厳しく指摘すべきだ。首相訪韓に対し、自民党の外交関係の会合でも見直しを求める意見が出るなど、批判と危惧があるのは確かだ。日韓合意を履行せず、北朝鮮の五輪参加で融和に前のめりの文政権に日本が妥協したと誤って受け取られかねない。同時期に訪韓する米国のペンス副大統領が開会式前に来日する。歩調を合わせ、北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させるのにいま必要なのは、圧力の強化であると文氏に説くべきだ、としている。

読売新聞・社説
首相平昌五輪へ 慰安婦合意の履行を求めよ

安倍首相が、2月9日の韓国・平昌五輪の開会式に出席し、文在寅大統領と会談する意向を表明した。首脳会談では、慰安婦問題の日韓合意に関する文政権の新方針の受け入れを拒否する考えを示したうえ、北朝鮮に対する圧力の最大化を再確認したいという。国家間の合意を一方的に見直すという国際常識に外れた文政権の新方針が発表されたばかりだ。日韓合意は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を明記している。だが、文政権は「真の問題解決にはなり得ない」と決めつけ、日本に「自発的な真の謝罪」などを期待すると発表した。与党からは、2020年東京五輪を控え、「政治とスポーツは切り離すべきだ」として、首相訪韓を支持する意見が出ていた。だが、「日本が新方針を容認するかのような、誤ったメッセージを送りかねない」との慎重論が多いことも忘れてはならない。国際社会は経済制裁を通じて北朝鮮に圧力をかけている。韓国が人道支援を再開することは圧力の効果を減殺してしまう。韓国は、関係国の共同行動に逆行する動きを慎まねばならない、としている。

私は安倍氏が平昌に行ったのか知らない。その報道を見た記憶もない。メディアに頻繁に登場したのは北朝鮮の国家主席の妹と言われる金与正氏だ。注目度の高さを求めて平昌行きを判断していたのではないのは判っている。だが、相手はずっとしたたかで、圧力一辺倒、アメリカ追従で日本の国益が適切に担保されているのかは議論された形跡はない。どうも日本政府は北朝鮮に関して、国民に考えさせないようにしている気がする。ここにも何か、政府にとっての不都合が埋もれている気がする。

日本経済新聞・社説
憲法に名記す習主席は真の政治改革を

中国は14年ぶりに憲法を改正し、「習近平思想」を書き込む。共産党の方針を受けて、3月に全国人民代表大会が決定する。世界第2位の経済大国で習近平国家主席への権力集中が一段と進む事態が、アジアと世界にどのような影響を及ぼすのか注意が必要だ。共産党規約に続き憲法にも個人名が入るのは、建国の指導者の毛沢東、「改革・開放」政策で経済成長に導いた鄧小平に続き3人目だ。習氏の地位は形の上では2先人に並んだ。前任と前々任の国家主席の胡錦濤、江沢民両氏を執政5年で抜き去ったことになる。この5年間、集権が進む傍らで、言論統制も一段と強まったのは看過できない。習政権が強調する法治は、民主主義国家の考え方とは全く異なる。憲法が全ての規則の上位にあり、これに基づき政治を進める「憲政」の考え方は、公式に論じることさえできない。中国では、1990年代から村長らを複数の候補者から一人一票方式で選ぶ「民主選挙」を実施してきた。共産党は、基層での選挙を徐々に大きな行政単位に拡大する方針を示していた。習政権では進んでいない。強い権限を手にした習氏は、今こそ新たな真の政治改革に踏み出すべきだ、としている。

毛沢東や鄧小平の政治を私は実体験として知らないが、天安門事件で何となく社会に緊張が走った時や、徐々に自由度を高めて中国に成長をもたらした鄧小平の政治の巧みさは理解している。まして、今でも台湾が中華民国として離れた場所に存在することや、文化大革命の悲惨さをしれば、毛沢東のカリスマ性は十分に理解できる。習氏は、そのふたりに並ぶだけの何をしたのか?私は、今のところの習氏の功績はまるで見えない。中国国内の汚職撲滅だろうか?いまの経済成長維持が習氏の功績とは…疑問符の方が多いはずだ。もし、習氏が中国を自由主義に似た中国の先進国としての人権のために権力を求めるなら、世界も国民もここまで眉をひそめはしない。むしろ習氏はプーチン氏のような圧制に向かいそうだ。それは中国にとって憲法を変えるほどのことなのだろうか?この憲法改正にも国民は不在だ。その軋みが、やがては習氏の足下を揺らす気がする。

人民網日本語版
共有の未来を創造し、世界経済を支える (2018.1.24)

中国の習近平国家主席は1年前、ダボス会議とジュネーブの国連欧州本部で「時代の責任を共に担い、全世界の発展を共に促進」「人類運命共同体の共同構築」と題する基調演説を相次いで行い、世界の広範な注目と共鳴を呼んだ。今年のダボス会議のテーマは、習主席の両演説のテーマの延長線上にあるといえる。中国は経済グローバル化に新たな理念を与えた。1年前、保守主義、ポピュリズム、保護主義、排外主義など「反グローバル化」の思潮が台頭し、世界が開放と閉鎖、協力と衝突、変革と守旧の選択に直面する肝要な時にあって、習主席はダボスと国連欧州本部を訪れ、中国が保護主義に旗幟鮮明に反対し、経済グローバル化のより包摂的であまねく恩恵を及ぼす方向への発展を先導することを、世界に向けて厳かに表明した。世界は1つの大家族だ。世界経済は互いに融け合い切り離せず、いかなる国、企業、個人も単独で国際舞台における様々な試練に対処することはできず、一致協力して、互恵・ウィンウィンの運命共同体を共同構築する必要がある。開放的、包摂的、均衡的、ウィンウィンの新型の経済グローバル化を築き、人類運命共同体を構築するという歴史の潮流を阻むことはできない、としている。

Wall Street Journal
ダボス会議でトランプ氏賞賛の声、財界首脳は政策を高く評価 (2018.1.24)

ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)出席のため集まった世界の財界首脳は、世界各地でビジネス寄りの政策が実施されることなどを背景に、世界経済の成長は向こう1年継続するとの見方を示している。広告大手WPPのマーティン・ソレル最高経営責任者(CEO)は「極度の楽観論が存在する」とし、「トランプ氏についてどのような見解を抱いていようとも、トランプ政権は心理面で顕著な変化をもたらしており、すでに極めて前向きだった経営陣の心理をさらに改善させた」と語った。また出席者からは、米国の税制改革が心理的に大きな追い風となっており、米企業がこれを受けて海外留保利益を本国に環流させ、米国内の投資を拡大すれば、当面は成長が継続するとの意見も聞かれた。また中国経済の成長の持続性やインドのナレンドラ・モディ首相が掲げる政策への自信が深まっており、世界経済は当面、バランスの取れた成長が続く可能性がある。カー氏は、中国経済が崩壊しないとの見方が出ており、「中国経済が一段と安定し、世界経済にもこれが浸透するだろう」と語った、としている。

トランプ氏が参加したことで、ダボス会議はその役割を終えるのではないだろうか。昨年、中国の習氏が登場し、徐々に政治に利用される場になりつつある。政治や権力とは異なるオピニオンを提唱するはずの場が、やがて金満な人たちの集まりになり、今では政治家のアピールの場と化している。これではダボス会議が提唱するビジョンを信じる人もいないだろう。

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