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3249.報道比較2018.1.24

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長期安定の安倍政権だからこそ、やって欲しい財政健全化。憲法などよりずっと重要で、国民どころか世界が注目する課題だ。今のところ、本気で取り組む印象はゼロ。キャッチフレーズだけで6年を過ごした政権ができると思っている人は少ない。

日本経済新聞・社説
今度こそ信頼できる財政健全化計画を

内閣府は、政府が今夏につくる新たな財政健全化目標の前提になる中長期の財政試算をまとめ、経済財政諮問会議に提示した。2019年度以降に歳出を抑制しないと、国と地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化の時期は、従来の25年度から27年度に2年遅れる。これは実質2%、名目3%超の成長が実現するケースで、低成長の場合は27年度でも8.5兆円の赤字が残る。首相は10%への消費税率上げを2度延期した。財政健全化の目標も何度も先送りすれば、日本の財政への信認がゆらぎかねない。新たな財政健全化の目標では、単にPB黒字化の時期を決めるだけでなく、その裏付けとなる社会保障などの制度面に踏み込んだ歳出改革策を盛り込むことが重要だ。高めの成長率見通しと超低金利の継続に頼るのではなく、実現可能な政策に裏打ちされた計画にすべきだ。財政健全化目標では、PB黒字化より、国・地方の債務残高の国内総生産(GDP)比の引き下げを重視すべきだとの声もある。日銀の金融緩和で金利を低く抑え続けて同比率を改善しようとするならば問題だ。歳出・歳入改革で財政再建を進めた結果として、同比率が下がるのが望ましい、としている。

読売新聞・社説
中期財政見通し 信頼に足る健全化試算が要る

政府は新たな財政試算を発表し、基礎的財政収支の黒字化を従来より2年遅い2027年度と見込んだ。政策経費を国債に頼らない予算編成が、それだけ遅れることを意味する。産業全体の生産性の伸びを、昨年7月時点の年2・2%から、1・5%に引き下げた。これにより景気拡大のペースが遅くなり、税収見込み額が減少した。政府は新たな財政健全化計画を6月にもまとめる。試算を基に、政府としての基礎的財政収支の黒字化目標年次を打ち出す。そこで示される収支の内訳は、税収や物価をどう想定するかによって大きく変化する。基礎的財政収支と共に、財政再建の目安として、国内総生産(GDP)に対する債務残高割合の採用が政府内で検討されている。国債発行の負担は金利に大きく左右される。まずは基礎的財政収支の黒字化で、新規国債の発行抑制に道筋を付けるのが先決だ、としている。

長期安定の安倍政権だからこそ、やって欲しいのはこの財政健全化。憲法などよりずっと重要で、国民どころか世界が注目する課題だ。今のところ、本気で取り組む印象はゼロ。キャッチフレーズだけで6年を過ごした政権ができると思っている人は少ないだろう。いつも正念場と言いつづけてきたメディアだが、まだ本気度が足りない。緊張して来るのは2020年あたりだと思うが、アメリカの金利上昇に日本も足並みを揃えたら1年くらい前に倒れ、来年には冷や汗をかくだろう。安倍氏の政権がやる事になるのは確実。逃げ出さないで欲しい。

朝日新聞・社説
森友交渉記録 許しがたい国会軽視だ

学校法人・森友学園への国有地売却交渉をめぐり、同省近畿財務局が内部での検討を記録した文書を、情報公開請求していた大学教授に開示した。文書は、財務局が16年3~5月に作成した「照会票」とその回答の「相談記録」。財務局は「学園との面談・交渉内容」という請求には「廃棄した」と回答していた。今回は「交渉に際して庁内で作成した報告文書、回覧文書」という請求を受け、公開したという。信じがたいのは、この文書の存在を国会質疑で明らかにしてこなかったことだ。財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)は昨年の国会答弁で、交渉記録について「売却契約の成立で事案が終了し、廃棄した」と説明。国は交渉記録はないことを前提に国会対応を続けてきた。すべての関連文書が本当に「廃棄」されたのか。安倍内閣は財務省本省を含めて関連部署を調べ直し、公表すべきだ。疑惑を隠すつもりがないなら、国会で議論すればいい、としている。

いま、国会はこの森友学園より安倍氏が撤回した裁量労働の前提に注目は移っている。表に出ようとしない国税のボスになった佐川氏を攻撃対象にしていたが、うまく佐川氏は逃げようとしている。安倍氏を追い詰めるなら、厚労省が絡む法案よりは個人のスキャンダルの方が痛いはず。うまく違う咬ませ犬が出てきただけに見えるのは、私だけだろうか?

産経新聞・社説
iPS論文不正 山中伸弥氏の「一心」を失ってはならない

京都大のiPS細胞研究所(山中伸弥所長)で36歳の助教の論文に捏造と改竄があったことが明らかになった。同研究所は実験ノートの提出など不正防止の対策を講じていたが、山中氏は「不十分だった。無力感を感じている」と述べた。問題の助教は「論文の見栄えを良くしたかった」と説明したという。成果に過度にとらわれる風潮が大学や研究機関に蔓延し、研究者の良心を歪めていると考えなければならない。山中氏は「難病の患者を救いたい」という一心で臨床医から研究者に転じ、画期的なiPS細胞を生み出した。さまざまな倫理的な課題を乗り越えてiPS細胞を健全な医療技術に育てていくうえで、最も大切なのは山中氏の初心を研究者や医師が共有し、マラソンランナーを励ます沿道の声援のように国民がそれを支えることである。今回の問題で、大切な求心力を失ってはならない、としている。

私は、山中氏の信任は落ちていないと思うし、応援したいのは産経と一緒だが、だからこそ産経のように個人を盲信する風潮は避け、論理的な捏造防止策と研究所の追求もすべきだと思う。いい人だから、実績があるから信任するというのは、過去の悪事で人を疑うのと同様に不適切だ。山中氏もだから無力感と表現したのだし、責任は認識しているはずだ。産経のような姿勢が、次の捏造の種を蒔いていると気づくべきだ。

毎日新聞・社説
春闘と3%賃上げ要請 企業自らが人への投資を

今年の春闘が事実上始まった。政府が賃上げの旗を振る「官製春闘」は5年目だが、特徴は、安倍晋三首相の要請に応じ、経団連が「3%賃上げ」という異例の数値目標を示して企業に呼びかけていることだ。好業績が続く大企業の手元には多額の現預金がある。首相に指図される前に自らの判断で有効に使うのが経営者の役目であろう。日本企業の間では「賃上げすると人件費負担が膨らみ、国際競争力が低下する」との考え方が根強い。経営者が賃上げに消極的なもう一つの理由として挙げるのは、世界経済の先行き不透明感である。米国の保護主義政策や中国の不動産バブルなど懸念を抱えているのは確かだ。だが将来が見えにくいのは、どの時代も共通している。組合加入率の低下で春闘の影響力も落ちている。だが人への投資は中小企業も含めた経済全体に重要な課題だ。それを確認する場と位置づければ意義はまだ大きいはずだ、としている。

毎日は、相変わらず遅い。他紙が論じた主張をなぞるだけなら、時間の無駄だ。

人民網日本語版
世界は時代のリーダーシップを必要としている (2018.1.23)

世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が近くスイス・ダボスで開催される。今年のテーマは「分断された世界における協力の強化」で、各国の地政学的戦略競争が激化する中での国際協力の意義に焦点を合わせる。世界経済フォーラムのシュワブ会長は参加するリーダーに「分断された世界において、リーダーシップとは現在の不調和を乗り越え、共通の新たな未来に着眼することを意味する。振り子が各者の歩調が一致した状況に自動的に戻ることはない。われわれはこのプロセスを後押しし、たとえ分断された世界においても、利益関係者には協力実現の可能性がなおあるということを証明しなければならない」と呼びかけた。経済グローバル化が重大な試練にさらされる中、中国は経済グローバル化の前向きな発展を推進する積極的要素を実際の行動によって創造している。「一帯一路」の枠組で、中国はすでに80の国や組織と共同建設協力協定を結び、30余りの国と制度化された生産能力協力を繰り広げ、沿線24カ国で75の経済貿易協力区の建設を推進し、貿易と投資の自由化及び円滑化を大いに後押ししてきた。実際のところ、真理は論じるほど明らかになるばかりであり、リーダーシップは実践の検証の中ではっきりと示される。世界は問題を直視し、勢いに乗じて行動し、経済グローバル化の方向を正しく導くリーダーが、経済グローバル化の成果が各国・各民族によりよく恩恵をもたらす後押しをすることを必要としている、としている。

この原稿はトランプ氏がダボス会議に出席すると知っての事だろうか?おそらく違う。当たり障りのない演説で、ダボス会議の主役は、もっとも招かざるタイプのトランプ氏になった。一帯一路は話題にもならなかった。たしか昨年、習氏はダボス会議に出席した。覚えている人が少ないほど、目立った内容はなかった。ダボスは、その程度だ。中国が気にするほどの価値はなくなっている気がする。

Wall Street Journal
トランプ氏の強硬策、忍び寄る貿易戦争の足音 (2018.1.24)

ドナルド・トランプ米大統領が不公平な貿易と呼ぶ慣行に対する一斉射撃がようやく始まった。標的にされたのは韓国製の洗濯機だ。トランプ氏は大統領選で対中貿易を巡る措置の強化を訴えてきたが、就任1年目は行動より発言が目立った。だが、ホワイトハウスが22日に決定した太陽光パネルと洗濯機に対する大幅な追加関税は様子が異なる。ついに、以前から懸念されてきた対中貿易戦争に突入するのだろうか。米国では共和党優位で中間選挙に向かう中、18年は景気も好調なスタートを切った。中国との貿易戦争は、国内の消費財価格を押し上げることで実質賃金の上昇を浸食し、トランプ氏の支持基盤である農家に特に大きな打撃をもたらすだろう。それに国内工場の設備稼働率が05年以来の高水準で推移する中、米製造業が苦境にあると主張するのは難しくなっている。トランプ氏が本当に引き金を引けば―その過程で世界の成長回復を腰折れさせれば-誰もが苦しむことになる。最も大きな打撃を被るのは共和党とトランプ氏の支持基盤だ。大統領側近の多くは間違いなくそのことを理解している。投資家はトランプ氏自身も理解していることを願うしかない、としている。

Wall Street Journalの主張は、投資家の視点。まだ余裕があり、静観している。アメリカ政府も韓国を相手に、一部の製品に絞ったあたり、観測気球の意味が強い。金利が徐々に上がり、トランプ政権の政策にも不信感が芽生えはじめている。徐々にトランプ氏への風向きは変化している。

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