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3244.報道比較2018.1.19

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Wall Street Journalも毎日も、トランプ氏に対して消化不良な主張を延々と書いている。どちらも説得力はないが、実績を上げた以上、認めないわけにはいかないとでも言いたげな内容。

Wall Street Journal
米大統領の仕事を変えた男、トランプ流は本物か (2018.1.19)

トランプ氏は大統領就任以降、大統領職にまつわる過去のしきたりには束縛されないことを示してきた。従来の大統領は、物議を醸すことを避けるか、問題の火消しに躍起になった。だがトランプ氏は逆に、騒ぎの起こる方向へとまっしぐらに向かうか、論争を一層あおろうとしているフシがある。それらが変化をもたらす手段だと考えているためだ。過去の大統領は非公式の発言を控える傾向があり、しかも慎重に言葉を選んだ。対照的に、トランプ氏は従来にはなかったやり方でソーシャルメディアを活用し、いわゆる「オフレコ発言」を日々繰り返している。半面、トランプ大統領は、新たな医療保険制度への道筋を示しておらず、自身の移民政策に関して幅広い支持を集めることもできずにいる。同盟国との外交にもなお賛否両論ある。トランプ氏支持者でさえ、終わりのない混乱に憔悴感があると認める。トランプ氏は政治的に無所属の立場のように取り組んでいるが、その両極端なスタイルが障害となり、自身の政策提案について民主党の幅広い支持を確保できていない。これは大規模なインフラ整備に関する包括合意を得たいとするトランプ氏の期待に冷や水を浴びせかねない。トランプ氏がもたらした大統領職の変化が今後も続くのか、またはこれまでの歴代大統領とは異なり、公職や軍での経験のないトランプ氏に限ったものになるのかは不明だ。真のアウトサイダーであることが、トランプ流の政治を成功に導く可能性はあるが、他の人物がトランプ流を実践することはできないことを示しているのかもしれない、としている。

毎日新聞・社説
トランプ1年 米国の品格 高慢さが世界を暗くした

昨年1月20日、「米国第一」を掲げて就任したトランプ米大統領は、選挙時の公約そのままに種々の国際協定からの離脱を表明した。また、イスラム圏からの入国規制に執念を燃やす一方、数日前はハイチなどの途上国を「肥だめのような国」と呼んだという。その事実を本人は否定しているが、就任1年を前に改めて重大な疑問を覚える。ピュリツァー賞を受けた米ジャーナリスト、デビッド・ジョンストン氏が今月出版した「あなたが思うよりひどい」の中にこんな一節がある。「どんなひどい大統領でも民主主義に不可欠な特質を備えていた。トランプ政権にはそれがない」とはいえ与党・共和党は秋の中間選挙をにらんで声高にトランプ氏を批判できない。同氏の弾劾を視野に入れる民主党は選挙で上下両院の過半数を握れるか微妙だ。ロシアとの癒着疑惑(ロシアゲート)の捜査を除けば、トランプ氏の再選出馬を阻む大きな障害は見当たらない。緊張が続く北朝鮮情勢で失敗して面目を失うこともありえよう。だが、米国のいかなる失敗も日本への大きな打撃になるはずだ。そこに日本特有の息苦しさがある、としている。

Wall Street Journalも毎日も、トランプ氏に対して消化不良な主張を延々と書いている。どちらも説得力はないが、実績を上げた以上、認めないわけにはいかないとでも言いたげな内容だ。彼のやり方は、たしかに疲れる。思ったほどディールが上手ではなかった。むしろ支離滅裂で、平気で翻意するし、深慮もない。目的のためなら変幻自在なのだが、目的さえ最後にはいくらでも大きさが変わる。法人税減税のために、とんでもなく不公平な税制ができ上がっても、それが成果。インフラ投資とメキシコ国境の壁のためにも、似たアプローチで取り組んでいる。大統領の仕事を変えた男?アメリカが壊れただけだろう。

産経新聞・社説
平昌五輪 「スポーツ」を軽んじるな

そもそも五輪憲章は大会の政治利用を禁じている。五輪が政治と無縁の存在であり得ないのは歴史が証明しているが、平昌五輪への北朝鮮の参加に前のめりとなる韓国の姿勢は度が過ぎている。スポーツを、あまりに軽んじてはいないか。韓国は五輪開会式で朝鮮半島を描いた統一旗を掲げて合同入場行進することや、アイスホッケー女子で合同チームの結成などを提案し、北朝鮮と合意した。これには韓国国内からも、批判の声が上がっている。「北朝鮮選手を加えることで五輪から押し出される韓国選手がかわいそう」といったものが代表的だ。すでに平昌五輪の1次予選で韓国と戦うスイス連盟は「競争を歪曲するものだ。スポーツの観点から賛成できない」と懸念を表明している。韓国政府が説明する「特例で登録選手数を増やす」という案は全く現実的でなく、これを受け入れれば、国際競技連盟が激しく批判されるだろう。南北対話は非核化への道筋を置き去りにしただけでなく、競技そのものを否定したに等しい、としている。

批判の矛先は北朝鮮ではなく、韓国。中国と北朝鮮にとっては、都合が良い話だ。アメリカが行った行動を見た方がいい。批判するだけにしても、ターゲットが違う。見るべきは中国だと思う。

日本経済新聞・社説
核燃サイクルを問う機会に

7月に満30年の期限を迎える日米原子力協定が自動的に延長されることになった。日米のどちらかが改定や破棄を求める場合、期限の6カ月前までに申し入れる決まりだが、両政府ともに見直しを求めなかった。プルトニウムは核兵器の原料になり、米国内には日本のプルトニウム保有が核拡散につながると懸念する声がある。トランプ政権はそうした意見にくみせず、協定の見直しを求めなかった。それ自体は日本にとって歓迎すべきだ。日米協定の延長で、核燃料サイクルにとっては猶予期間が生まれたことになる。その時間を政策見直しの議論にあてるべきだ。建設の長期化などでコストも膨らみ、再処理だけで約14兆円と見込まれている。費用対効果についても綿密な検証が欠かせない。プルトニウムを既存の原発で燃やす計画を着実に進める必要もある。協定は自動延長後、日米いずれかの通告があれば6カ月後に終了できる。米国の政権交代などで失効を迫られることがないよう、日本が政策を明確にしておくことが大事である、としている。

一昨日、毎日が選んだトピック。内容も毎日と大差ない。アメリカの政権交代とは、ちょっと飛躍し過ぎだ。現実を見れば、日米関係は極めて安定している。危機管理として考えておくべきとは思うが、突然6か月で停止を通達するほど関係が悪化したら、日本はプルトニウムを返さない選択さえするほどの関係悪化だ。現実的ではない。それよりは、これで安穏とする日本国内の原発問題、エネルギー政策がどうなるかだ。

朝日新聞・社説
民進と希望 「数合わせ」から卒業を

民進党と希望の党の執行部が合意した、国会での統一会派結成がご破算になった。両党の姿勢が異なる安全保障関連法については「違憲と指摘される部分を削除することを含め、必要な見直しを行う」との文書をかわした。それぞれが都合よく解釈できる玉虫色の合意である。かつての民進党の姿が思い浮かぶ。寄り合い所帯を反映し、その場しのぎのあいまい対応を繰り返し、それが結局、先の衆院選での分裂につながったのではなかったか。「それぞれの党が主張を明確に打ち出し、国会で協力できることは協力する方が国民の期待に応えられる」。立憲民主党の枝野幸男代表の指摘はもっともである。「安倍1強」の政治状況で、野党の行政監視機能はいっそう重要だ。政権の疑惑の調査での協力や、国会質問の重複を避ける調整なども求められる。政治に緊張感をもたらすために、野党の使命は重い。野党勢力の混迷は、政府・与党を利するだけだ、としている。

読売新聞・社説
国会改革 活性化へ与野党は知恵を絞れ

22日召集の通常国会では、国会改革が焦点の一つになる。自民党は野党に対し、党首討論の月1回の実施と、見返りとしての首相や閣僚の国会出席の絞り込みなどを求めている。2014年の与野党合意に基づく提案だ。合意は形骸化しており、自民党が改めて提起したのは理解できる。各党は合意を再確認し、順守する必要がある。野党も、首相を長時間追及できる委員会審議を優先し、党首討論は昨年一度も開かれなかった。現行は1回45分間の党首討論の制度見直しも欠かせない。首相や閣僚に代わって、副大臣や政務官による答弁も積極的に活用すべきだろう。北朝鮮情勢が緊迫する中、外交の足を引っ張る事態は避けねばならない。国会に求められるのは、行政の問題点を適切に指摘し、改善を促す生産的な議論だ。与野党は、双方が相応の質問時間を確保できるよう、歩み寄ってもらいたい、としている。

安倍政権がもっとも興味を引いたのは森友学園問題。それくらい注目度は低く、実績を問われても、陰湿な国会運営くらいしか思い浮かばない。今年になって、すっかり政治への興味を社会が失っている気がする。長期安定政権の弊害が生まれながら、選挙でなぜか過半数を得たのだから。国会をどう変えるかを議論されても、国民はもはや興味を失っている。暴走だけを許さなければいい。役に立たない野党に期待はしない。それが本音だろう。野党は次のスキャンダルを探す方がずっと戦略的だと思う。

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