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3242.報道比較2018.1.17

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時間という資源は、有効に使われているだろうか?業績がいいのに給料が上がらないなら、そんな会社は去った方がいい。

日本経済新聞・社説
賃上げでデフレ脱却への決意を示せ

経団連が2018年の春季労使交渉に臨む経営側の指針をまとめた。デフレ脱却を前進させるため、例年になく強く賃上げを呼びかけている。働き方改革で残業代が減る分の補い方などにも企業は目を配り、賃金上昇の流れを確かなものにしてもらいたい。今春の労使交渉では残業削減による減収をどのように補うかも大事なテーマになる。大和総研の試算では残業時間が月平均60時間を上限に抑えられた場合、残業代は最大で年間8.5兆円減る。労働組合側は「残業時間の減少は生産性が上がった表れといえ、その分、賃金を上げるのが筋だ」と主張する。生産性の向上がみられるなら、従業員への還元を考えてしかるべきだろう。雇用されている人の7割が働く中小企業の賃上げも重要になる。大企業による著しく低い代金での発注などが中小企業の収益を圧迫している例は少なくない。下請法違反の取り締まり強化が求められるのはもちろんだが、大企業自身、中小企業に不当な取引を強いていないか点検すべきだ、としている。

読売新聞・社説
経団連春闘方針 デフレ脱却を固める賃上げに

経団連が、春闘に臨む経営側の交渉方針を示す「経営労働政策特別委員会報告」を公表した。今後、労使交渉が本格化する。報告は「3%の賃上げとの社会的な期待を意識しながら、前向きな検討が望まれる」と数値を明記し、積極的な賃上げを求めた。2014年春闘から毎年の首相要請にもかかわらず、賃上げ率は2%程度にとどまる。家計は、懐の温かさを実感しにくい。企業業績は堅調だ。上場企業の17年度決算は過去最高水準になるとみられる。企業の内部留保は400兆円超に達した。働き方改革が進み、残業は抑制傾向にある。残業手当を含めた従業員の手取りに極力影響しないようにする知恵が求められる。人工知能(AI)やロボットを活用し、生産性の向上で賃上げの原資を増やす。従業員の能力向上のための研修制度を充実させる。こうした様々な取り組みで「人への投資」を増やしたい。企業は人に支えられている。働きがいを高めれば、競争力アップなど会社側の恩恵も大きい。そのことを再認識せねばなるま、としている。

業績がいいのに給料が上がらないなら、そんな会社は去った方がいい。政治もここまで賃上げができない企業ばかりで、賃上げが政治課題なら、課税での対抗措置を検討すべきだ。日本からワーキング・ホリデーで海外に行き、週4日働く給料が月額40万円を超えるという。親より多い給料、新入社員で絶対にもらえそうもない金額を、アルバイトのような立場で手にする。そんな体験をしたら、誰だって日本の企業を見捨てる。現実を見ない企業経営者が多過ぎる。

毎日新聞・社説
日米原子力協定の延長 再処理策を見直す契機に

7月に発効30年の期限を迎える日米原子力協定の自動延長が確実となった。米国が一括して日本に認めてきた使用済み核燃料の再処理も引き続き容認される。日本は再処理によって取り出したプルトニウムを再び原子炉で燃やす核燃料サイクルを国策としてきた。福島原発事故後も全量再処理政策を変えていない。こうした中で、日本は再処理で得たプルトニウムを国内外に47トンも保有している。さらに青森県に再処理工場を造り、年間最大8トンのプルトニウムを分離する計画も維持する。核兵器に転用できるプルトニウムを消費するあてのないまま大量に持つことは、核の拡散防止の観点から問題が大きい。中国や韓国との間に緊張をもたらし、米国から懸念の声が上がるのは当然のことだろう。核テロの標的となるリスクも否定できない。折から再処理工場の完成は24回目の延期が決まり、3年後以降となった。この機会に再処理工場を凍結し、サイクル政策からの撤退を改めて検討することが重要ではないか、としている。

知らなかった。アメリカがこの協定をカードに使う可能性は減ったようだ。中国や北朝鮮とのパワー・バランスから、再考の可能性もあると見ていたが。トランプ政権は、日本とのいまの関係が心地良いようだ。

産経新聞・社説
阪神大震災23年 節目として思いはせたい

阪神・淡路大震災から23年となった。昨年暮れ、神戸市にある大震災の慰霊施設などが傷つけられていることが相次いで分かった。風化は確実に進んだ。美しくよみがえった被災地の街並みから、大震災で人々が負った傷を感じることは、にわかには難しい。社会にとってどんなに痛切な体験であっても、やがて記憶は薄れる。阪神に限らない。発生から間もなく7年となる東日本大震災でも、風化は進んでいよう。しかし、忘れるがままの社会であって、よいはずがない。亡くなるいわれの何もなかった隣人である。その遺志と、被災者の労苦を何度でも思いたい。社会には、人々が頭(こうべ)を垂れるべき節目の日がある。1月17日とはそのような日である。3月11日や8月15日もそうだろう。遠い体験であっても、思いをはせ、忘れまいと確認する。それが節目の日ではないか。遠い過去であれ場所であれ、無関心でいてはいけない。阪神大震災で犠牲になった6434人の御霊は、そう訴えてくる、としている。

風化を嘆くのは判るが、責任の一部はメディア自身が負っているはず。産経が毎年、阪神大震災を予定調和のように取り上げるのはいいが、2016年など、ずいぶんと政治利用のような主張になっていた。今年は言うことがなかっただけというのが本心ではないだろうか。

朝日新聞・社説
国会改革 信頼に足る言論の府に

与党は開催に向けた協議を野党に呼びかけているが、野党は党首討論と引き換えに首相の国会出席を減らすつもりでは、と警戒する。昨年の通常国会、臨時国会、特別国会の会期は計190日。過去20年で最少だ。憲法53条に基づき野党が求めた臨時国会召集も、たなざらしにした。思い浮かぶのは昨年の特別国会で、自民党が野党の質問時間を削る動きを強めたことだ。国民の代表として、行政を監視する。その国会の役割を軽んじるふるまいである。国会改革を論じるなら、自らに都合のよい見直しのつまみ食いであってはならない。国会と内閣のあり方全体を見渡す視点が欠かせない。まず内閣に対する監視機能の強化だ。野党の国政調査権の行使を、与党が押さえ込む場面が目立つ現状をどう正すか。国会が政策論争でなく「日程闘争」の舞台になりがちなことも改める必要がある。「通年国会」の実現も検討に値する。国民に開かれた場で国会改革を継続的に議論する新たな機関を、国会内に設けてはどうか。国民の信頼に足る言論の府をめざし、機能と役割を問い直す。国会みずから、その第一歩を踏み出すべきときだ、としている。

正論ではあるが、国民がなぜ野党の意見に同調しないのかも考えるべきだ。適切な問題提起、建設的な議論の準備を先にしたら銅だろうか?朝日の政府批判と同様に、予定調和に陥っている。

Wall Street Journal
トランプ氏就任1年、企業は政策を歓迎 (2018.1.17)

ドナルド・トランプ米大統領は先月、税制改革法を成立させる形で1年を締めくくった。税制や規制、そして経済に関する公約の多くがおおむね企業に歓迎された1年だった。純粋な政策面に関しては、法人減税を目玉とする1兆5000億ドル規模の税制改革や一連の規制緩和への取り組みによって、差し引きすれば2017年は上首尾だったと企業グループや経営陣は評価している。就任2年目を迎えたトランプ氏は、企業幹部が重視するいくつかの問題で大事な決断を迫られることになる。それは企業との間に緊張を生じさせかねない。例えば、貿易や移民、医療保険などの問題がこれに含まれる。中国に対しても大きな課題を抱えている。トランプ氏のみならず多くの多国籍企業や自由貿易主義者たちが、ここ数年に中国政府が市場開放を後退させていると不満を募らせている。トランプ氏はインフラ投資や給付金制度の改革に軸足を移したい考えであることから、企業団体も政権の注目が今年は別の方面に向かうことを願っている。商工会議所のドノヒュー氏は、「実業界は理性の声となり、各方面の橋渡し役となる決意だ」と表明した。「手を差し伸べる決意であり、必要とあらば、国内の企業にそうするように、政府を正していく」、としている。

トランプ大統領の1年は、終わり良ければすべて良しになった。期待以上だったのは確実だが、1年で仕事が終わりでないことを思えば、ここで諸手を挙げて絶賛するわけにもいかない。企業は営利追求団体だ。風見鶏であり、意思決定のスピードは政治に比べれば早い。彼らも代謝すればひとりの人間で、家に帰れば違う顔を持つ。トランプ政権が信任を得たと思える支持率を上げるまでは、トランプ流を歓迎する気にはなれない。

人民網日本語版
中国企業の進出妨害 米国のやり方は自他に益なし (2018.1.16)

華為(ファーウェイ)が米国の大手通信キャリアAT&Tとの契約を発表しようとしていた矢先、AT&Tにより契約は一方的に解消された。華為だけではない。中国のモバイル決済会社アント・フィナンシャルによる米国際送金ネットワーク・マネーグラムの買収も失敗に終わった。米国は「国の安全保障」を口実に、中国企業の米国市場進出を妨害し、中国企業を「狙い撃ち」している。これについて中国人民大学重陽金融研究院の卞永祖研究員が記者からの質問に答えた。米国の通信キャリアAT&Tは国の安全保障を理由に、それまでの契約に向けたあらゆる努力を放棄して、突然「退場」したが、これは完全に口実に過ぎない。この動きは一方で華為の海外での開拓力と影響力を問題視し、中国企業が米国市場に浸透することを避け、自分のブランドを守ろうとしたためであることは明らかだ。また一方では現在の米国の政治や全体的政策と密接不可分であることを示してもいる。トランプ大統領は就任以来、「米国を再び偉大な国にしよう」と呼びかけ、「米国第一」の保護主義的政策・傾向、グローバル化の大きな流れに逆らう態度を明らかに示している。米国にとって、短期的には、今の政策の支持者に一定の利益をもたらすことになり、表面的には米国の企業と雇用を守ったことになる。トランプ大統領はある程度は選挙時の一連の公約を果たしたことになり、彼を支持した有権者に一連の回答を出したことになる、としている。

似た風景は、日本も経験がある。アメリカが自由な国かといえば「言葉ほど自由ではない」が正解だろう。ただ、中国や日本に比べれば、明らかに自由だ。日本や中国にアメリカの資本が、国の宝のような企業買収に出てきたら、メディアも行政も徹底的に壁を作って守り、不可解な密室の会議でノーの結論が出るのが通例だ。中国がアメリカを批判できるほどマーケットをオープンにしているとは思えない。

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