ORIZUME - オリズメ

3241.報道比較2018.1.16

3241.報道比較2018.1.16 はコメントを受け付けていません。

Financial TimesとWall Street Journalのトピックが痛快で興味深い。日本は、相変わらず時計が止まっているようだ。価値観の断絶を感じる。

Financial Times
トランプ氏の連邦政府に反撃するカリフォルニア州 (2018.1.11)

ドナルド・トランプ氏は昨年、宣誓を終えて大統領に就任すると、間髪入れずにカリフォルニア州に狙いを定めた。民主党が支配している同州は「制御不能」になっていると早々に断言し、州政府が自分の強硬な移民政策に協力しないなら連邦政府から同州への補助金を打ち切ると脅しをかけたのだ。移民政策から租税政策、インターネット規制、環境基準に至るまで、カリフォルニア州の政策は、連邦政府の政策と対立したり食い違ったりすることが増えてきている。州の権利が試される展開になっており、最終的には法廷で争われることになろう。先の税制改革では、カリフォルニアをはじめとする税金の高い州で、多数の住民の税負担が引き上げられた。連邦所得税の申告にあたり、納付した州税を控除できないことになったからだ。「カリフォルニアはすでに大口の贈与州である。ワシントンへの仕送りの方が、ワシントンからお返しに送られてくる補助金よりもはるかに多いという意味だ。だから、今回の兆ドル規模の減税までこっちは負担しない」州上院に税制改革法案を提出したデ・レオン氏はそう語る。デ・レオン氏は、州の権利と連邦の権利の間には「非常に微妙なバランス」があるとしながらも、普通でないときには普通でない手段が必要になると述べている。「カリフォルニア州のみならず、米国全体、ひいては世界全体にとっても明白かつ現在の危険たる人物がホワイトハウスにいるとしたら、それはやはり、我が国の歴史にとって普通なことではない」、としている。

この話題が、なぜアメリカのWall Street Journalではなく、英国のFinancial Timesに載ったのかが興味深い。アメリカのIT領域をいつも見ている私は、この話題には食いついた。同じ感覚の人は、世界中にいるに違いない。ワシントン、オレゴン、カリフォルニアが分離してくれれば…と、トランプ大統領が誕生した時に夢想する人たちはSNSで多く見かけた。非現実的だと思っていたが、大統領がカリフォルニアと対立を深めているなら、ちょっと興味深い。このコンテンツを読む限り、両者の意見は対立し、ホワイトハウスもカリフォルニア州も痛快にやり合っている。盛り上がるとすれば、危機が来た時だ。戦争、マーケットのクラッシュ、暴動…西海岸の動きを注視してみたい。

Wall Street Journal
太陽光発電国家、実現を阻む3つの壁 (2018.1.15)

米国の電源構成の中で再生可能エネルギー全般、とりわけ太陽光発電がかつてないほど急速に成長している。わずか10年前までは、世界とは言わないまでも、米国の電力システムから化石燃料をなくすことは不可能に見えていた。しかし今、そうした未来がますます現実味を帯びつつある。最終的にどのシナリオになるにせよ、最も見込みの高い電源は資源が豊富な太陽光発電だ。しかし、われわれとそのような晴れやかな未来との間には少なくとも3つの障害が立ちはだかっている。
問題1:電池コスト
問題2:エネルギーの管理
問題3:電力の「ソフト」コスト
1つ興味をかき立てられるのが、屋根設置式の太陽光パネルと家庭用蓄電池を組み合わせ、個人消費者が自分たちで電力を確保し始める可能性だ。米電気自動車(EV)大手 テスラ の蓄電池部門、テスラエナジーが目指していることの1つはこれだ。同社は今月、ニューヨーク州バッファローにある「ギガファクトリー2」で太陽光パネルと太陽光発電タイルの生産を開始した。しかし、こうした技術は現在はまだあまりに高すぎる。また、たとえ手頃になっても、恐らく予備として依然グリッドが必要になるだろう。したがって、将来はカリフォルニア州のようになる可能性がある。同州では2017年、本来であれば大手電力会社が手掛けていたはずの事業の25%を屋根設置型の太陽光パネルと地域の電力事業者が奪っている、としている。

これもまた、極めて興味深い話題だ。アメリカでも電力は政治的な利害対立が起きているようだが、アメリカはこういう話題を正論が突破する。起業家、市民団体のデモ、新たな大統領…様々な方法で。突破した時、利害対立は妥協する。きっとその結論が出るまで、日本は原発を含めたエネルギー政策の結論さえ導けないだろう。また外圧かイノベーションに駆逐されるに違いない。
ならば、どちらに賭ける?イノベーションに与して世界に出るか、既得権を信じて守りを固めるか。私は、考えるまでもない。すでに、こういう価値観の断絶が、日本国内にも起きている。アメリカにも、世界中で。それがきっと、価値観の格差の根底にあるのだろう。

日本経済新聞・社説
転機迎えた住宅市場の構造改革を促せ

住宅建設が減っている。住宅着工戸数をみると昨年7月以降、5カ月連続で前年同月を下回った。相続税対策に伴う賃貸住宅の建設ラッシュが落ち着いたことが主因だが、持ち家も減っている。今後大切なことは、大きくいえば2つある。まず、空き家の増加を抑えるためにも中古住宅の取引をもっと増やすことだ。それには税制など政策面からリフォーム投資を促し、住宅の質を維持・向上させる必要がある。2番目は都市計画と連動させて、住宅の立地を既存の住宅地にしっかりと誘導することだ。日本では多くの住宅がもともとは住宅地ではなかった工場跡地や農地などに新たに建設されている。その一方で、既存の住宅地では建て替えが進まないので空き家がますます増えている。住宅着工戸数全体に対する古い物件を壊して建てた住宅の割合を示す「再建築率」をみると、2015年度は8.4%と過去最低になった。日本では人口に続いて23年をピークに世帯数も減少に転じる見通しだ。転機を迎えた住宅市場の構造改革をしっかりと進めたい、としている。

景気が回復しているのに住宅建設が減っているのは、供給過剰が鮮明になっているのでは?と感じる。日経の提案のほとんどはニーズがある前提のものだが、人口減の中で需要はどこにあるのだろう?そのうち空き家を買うのは外国人が大半になるのではないだろうか。マイナス金利でREITを含めて不動産投資に取り組んだ人たちも多くいる。金利上昇と空き家で思った成果が出ていないパターンも多いだろう。投資家の悲鳴が聞こえはじめたら危うい。

朝日新聞・社説
地方税改革 自治体こそ知恵を絞れ

個人住民税の税収を都市部から地方へ移そうと、国が主導して始めたふるさと納税では、一部の自治体で返礼品競争が過熱。国が返礼品を規制すると、自治体間で賛否が対立した。昨年末に決まった18年度の税制改革案では、消費税8%のうち1・7%分を占める地方消費税の都道府県への配分ルールが変更された。いまの基準は都道府県ごとのモノやサービスの販売額が中心だが、人口も重視するように改める。19年には制度の期限を迎える。昨年末の税制改革では「新たな措置について、19年度税制改正で結論を得る」とされた。あと1年足らずで抜本改革の答えを出さねばならない。都市と地方の利害対立を乗り越えるのは簡単ではないだろう。しかし、双方がそれぞれ国に陳情を重ねるような姿は、あまりに情けない。知事会などで徹底的に議論し、望ましい税制をまとめ、国にぶつける。それが自治体のあるべき姿である、としている。

情けないという感覚は行き過ぎの印象だ。国税が中心の形で税法がある以上、まだ税制が地方に有利とは思えない。国にぶつけて動く仕組みがあればいいが、財務省も議員も国政の権力を手放す姿勢はない。地方の財政も破綻が徐々に出てくるだろうが、国政も年金で首が回らなくなれば、パワー・バランスにも変化が表れるだろう。アタマを使うべきだとの主張には賛成だが、地方に知恵がないとは思えない。ふるさと納税も行き過ぎはあるが、知恵を出した姿勢は認めるべきだろう。広告代理店に食い物にされた自治体は多いはずだ。アタマを使うポイントは、そのあたりだろう。

読売新聞・社説
首相東欧歴訪 戦略的に外交の幅を広げたい

安倍首相がバルト3国と、ブルガリア、セルビア、ルーマニアの東欧3か国を歴訪している。いずれも歴代首相で初の訪問だ。首相はリトアニアのスクバルネリス首相との会談で、北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化を指摘し、「欧州全体にとって脅威だ」と強調した。両首脳は、北朝鮮への圧力を強化することで一致した。エストニア、ラトビアを含むバルト3国は、欧州連合(EU)とロシアを結ぶ海上物流の拠点であり、経済的な潜在力が大きい。首相と3首脳は、包括的な「日バルト協力対話」の新設で合意した。肉付けを急いでもらいたい。今回は、民間企業約30社の代表が同行し、現地への進出などを協議している。首相訪問を機に、政治、経済両面で関係を深めることが、双方にとって有意義だ。警戒せねばならないのは、中国が中・東欧地域で影響力を着々と強めていることである。中国によるインフラ投資や経済支援の拡大が、排他的で、中国のみの利益につながるものであってはなるまい。互恵的で、欧州の安定に資するものとなるよう、日本は、西欧諸国とも連携し、積極的に関与することが大切である、としている。

久しぶりの首相礼賛。人民網と同じ匂いのする社説だ。民間企業30社を引き連れてというのが、何とも笑える。それで成果は?読者が知りたいのはそこだ。読売は教えてくれるだろうか?

毎日新聞・社説
民進・希望が統一会派合意 連携の大義名分を明確に

民進党と希望の党が通常国会前の統一会派結成で大筋合意した。衆院では民進党籍を残す議員らが会派「無所属の会」を結成し、14人が所属する。希望の党51人と統一会派を組めば、立憲民主党の54人を上回り、野党第1会派となる計算だ。それでも民進と希望が統一会派結成に動いたのは、両党の党勢低迷が深刻だからだ。「このままでは来年の統一地方選、参院選が戦えない」という悲鳴が両党内から上がる中、民進党が提起したのが立憲を含む3党の統一会派構想だ。気になるのは、希望の党が安倍政権の進める憲法9条改正の動きに理解を示してきたことだ。通常国会では憲法論議が大きな焦点となる。立憲は希望との統一会派を否定し、協議にすら応じていない。無所属の会にも、希望の結党メンバーを含む統一会派への反対論は根強い。民進系議員の「再結集」を図る動きともいえるが、元のさやに戻るだけでは国民の支持は得られまい。一足飛びの議論をする前に、国会連携の大義名分を明確にすべきだ、としている。

政治オタクにしか読まれないレベルの話題。今の野党に何を期待すればいいのかを朝日には教えてもらいたい。意味のない集団形成に精を出す前に政策論を…というのが基本だと思うが。

産経新聞・社説
「謝罪碑」判決 虚偽がまかり通っている

朝鮮半島で女性を「強制連行した」と虚偽を言い募った故吉田清治氏の「謝罪碑」を無断で書き換えた行為が公用物損傷罪などに問われた元自衛官、奥茂治被告に、韓国の大田地裁天安支部は懲役6月、執行猶予2年の有罪を言い渡した。問題の碑は、韓国中部・天安市の国立墓地「望郷の丘」に1983年、吉田氏が建立した。「強制連行」を指揮した一人として謝罪文を刻んだものだ。碑の建立時に朝日新聞は土下座する吉田氏の写真付きで報じたが、現在では同紙も吉田証言は虚偽だったと認め、関連記事を取り消している。強制連行説の破綻にもかかわらず、韓国では嘘がまかり通っているのだ。判決の言い渡しは短時間で終わり、詳しい判決理由の全文はその場で被告側に示されず、開示は後日に回された。極めて異例、異常な裁判であるといえる。検察側は求刑で「慰安婦問題を歪曲しようとし、韓日外交に新たな摩擦を生じさせる可能性がある」と指摘していた。碑文の真実性は、十分に吟味の対象だったはずである。歴史を歪め、外交を妨げているのはどちらか。公判の場で事実を訴えるとした奥氏の主張は顧みられなかった。日本政府はこれを黙って見過ごしていいのか、としている。

朝日の政治オタクよりひどい、産経の韓国攻撃。これを好む読者も日本にはいるという事ならば、日本は病が進行している。安倍政権が生まれてからのひどい劣化だ。

人民網日本語版
春を迎えた中国アフリカ協力 (2018.1.15)

中国アフリカ関係にとって今年は従来の事業を継承し、将来に道を開く重要な年だ。習近平国家主席は1日、南アフリカのズマ大統領と祝電を交わし、両国の国交樹立20周年を熱烈に祝った。両首脳は祝電で3つの重要なメッセージを発した。第1に、国交樹立以来の両国関係の全面的で深い発展、両国の包括的協力のたゆまぬ強化と深化は両国及び両国民の根本的利益に合致する。第2に、ズマ大統領の提案とアフリカ諸国の一致した意向に基づき、中国側は今年中国で開催する中国アフリカ協力フォーラム閣僚級会議をフォーラムサミットに格上げすることに同意した。第3に、中国アフリカ協力フォーラムの共同議長国として、両国は中国アフリカパートナーシップの推進に尽力し、2015年のヨハネスブルグサミットの成果の実行を後押しする。両首脳の祝電は、中国とアフリカの協力・ウィンウィンの新春の到来を告げている、としている。

アフリカに、中国はずっと投資をつづけている。地理的に近いヨーロッパや中東が、どう感じているだろう?また、投資先のアフリカが中国同様に成長をはじめた時、中国はどんな態度に出るだろう?アフリカは、今の中国同様に、やがて自国防衛に抵抗をするはずだ。心の準備を中国はできているだろうか?

Comments are closed.