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3238.報道比較2018.1.13

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中国とアメリカが、朝鮮半島で連携をはじめた。ゴール設定が一致すれば、中国とアメリカは行動を共にするだろう。

日本経済新聞・社説
論理的思考を磨いて人材に厚みを

人工知能(AI)やロボットなどを上手に利用する「テック社会」の実現には教育や人材育成がカギを握る。新しい技術について多くの人が基本的な知識をもち、正体の知れないブラックボックスにしないことが肝要だ。それには子どものころからロボットなどに親しみ、技術との向き合い方を学ぶ教育が欠かせない。論理的な思考法や倫理を養う教育で人材を厚くし、世界に通用する研究開発の担い手も育てたい。埼玉大学教育学部の野村泰朗准教授らは年に7、8回ほど、小中高生を集めて泊まりがけでロボットやプログラミングを教える集中講座を開いている。昨年末にさいたま市で開いた講座では人と対話できるロボットを作った。小学生にとっては高度な課題だが、指導は最低限にとどめて設計などを考えてもらい、2日がかりで完成させた。講座は「STEM教育」と呼ばれる教育法を取り入れている。科学、技術、工学、数学の英語の頭文字をとって命名され、米欧などで広がりつつある。「理系・文系と分けるのではなく、皆に論理的な思考法を身につけてもらうのが目的」(野村准教授)だ。人と技術の役割分担をどうするか。それを考えることは、人にしかできないことは何か、人の尊厳とは何かを考えることでもある。こうした倫理面についても若いころから学べる機会を増やし、社会的な規範をつくる必要もある、としている。

視点は興味深いし、事例はすばらしいものだ。だが、少し偏りが目立つ。理系やエンジニアリングに偏重すると、ソフトウェアは育たない。10年前にiPhoneが登場した時、日経は何を書いていただろう?きっと、感性に訴えるクリエイティブ、直感で使えるインターフェイスと礼賛したことだろう。グラフィカルなインターフェイスの裏には、通常のプログラムより級数的に作業工数が増え、直感で操れる自然なソフトウェアにするには、エラーでメッセージするのではなく、その前に手を差し伸べるコミュニケーションが要る。つまり…バランスだ。右脳と左脳、どちらが秀でている訳でもない。両方が適切に機能した時に、心地良いものができる。論理的な思考ででき上がったロボットは、きっと誰にも愛されることのないマシンになるだろう。

朝日新聞・社説
商工中金改革 今度こそ完全民営化を

商工組合中央金庫(商工中金)のあり方を検討していた有識者会議が、完全民営化に向けた改革案を提言した。不正の温床になった危機対応業務を大幅に縮小したうえで、中小企業の成長を支える金融機関として生まれ変わりを目指す。提言の内容はおおむねうなずける。昨年発覚した大規模な不正は、経済危機に備える公的な仕組みをねじ曲げ、自らの組織の存続・拡大の道具に使っていた。その背景には、2000年代半ばに一度は決まった完全民営化を中途で止め、役割を整理せずに、半官半民というあいまいな状態で放置してきた政策の失敗があった。提言は、今年4月に創設される危機時の信用保証制度の実効性を検証し、他の方法も幅広く検討することを促した。本当の危機時に機動的に使える安全網は、民営化の先送りを繰り返さないためにも不可欠だ。経産省は先送りの経緯を総括したうえで、自らの責任を自覚し、同じ轍を踏まないようにすべきだ。自前の力を高めて地域経済のために活用し、顧客のニーズに応えていくことこそが、生き残りへの唯一の道だ。再生の機会を無にしてはならない、としている。

毎日新聞・社説
商工中金の改革提言 結局は延命にならないか

大規模な不正融資問題を起こした商工中金の改革を巡り、経済産業省の有識者検討会が提言をまとめた。不正は、民間金融機関を補完する政策金融の立場を著しく逸脱した。中小企業を低利で支援する国の制度を自らの業績拡大に悪用した。社長には経産次官経験者が天下りし、経営陣の監督もずさんだった。問題の融資制度を大幅に縮小し、国に頼らない業務に注力するように求めた。しかし完全に民営化するかは、こうした改革の成果を踏まえ4年後に判断すると先送りした。まず改革がうまくいくか疑問だ。担保が不十分でも中小企業を支援できる業務の開拓が柱だが、目利き力が問われる難しいもので民間金融機関も苦戦している。国の信用をバックにお役所仕事を続けてきた商工中金にはもっとハードルが高い。中小企業の安全網として政策金融は重要である。ただ商工中金が担う必要はない。同じ中小企業向け融資を扱う日本政策金融公庫との統合も選択肢のはずである。4年後では不正融資問題の記憶も薄れ、改革の機運もしぼんでしまう。もっと前倒しで検討すべきだ、としている。

民間企業で勤めた人が公務員の感覚になじめないように、公務員が民間企業の感覚をつかむには、相当な意識改革がいるだろう。それを経済産業省と商工中金の両方ができるだろうか?期待しない方が安全と考えるのが一般人。国の後ろ盾があれば失敗しはずがないと考えるのが公務員。完全に価値観がずれている。政治家が商工中金に利用価値を見出すうちは、政治は公務員の言いなりに動くだろう。メディアが民意に訴えたいなら、公務員が政治に仕組む作為を突かなければ。経済産業省は政治家のメリットを埋め込んでいるはずだ。朝日と毎日はその要点を掘り下げなければ、勝負にならない。

人民網日本語版
習近平国家主席と韓国の文在寅大統領が電話会談 (2018.1.12)

習主席は「新たな1年において、中国側は韓国側と共に、戦略面の意思疎通を強化し、実務協力を推し進め、敏感な問題を適切に処理し、両国関係の一層の発展を推し進め、地域の平和・安定促進に努力したい。韓国の平昌冬季五輪開催を支持する。平昌冬季五輪が申し分のない成功を収めることを祈る」と表明。文大統領は「韓中戦略的協力パートナーシップが発展の勢いを保つとともに、新たな1年において一層の進展を得ることを期待する。平昌冬季五輪開催への中国側の支持に感謝する」と表明。先日の朝韓ハイレベル会談の成果を伝えたうえで、「韓国側は朝鮮半島問題における中国側の重要な役割を非常に重視している。南北対話への中国側の支持に感謝する。対話と交渉による問題解決の後押し、朝鮮半島の平和・安定維持に向けた中国側の努力に感謝する。中国側と共に、対話と交渉による問題解決、地域の平和・安定維持に尽力したい」と表明した、としている。

Wall Street Journal
北朝鮮への大胆な提案、今こそ試す時 (2018.1.12)

これまで以上に厳しい制裁で北朝鮮政権をひざまずかせようとする試みも、うまくいかない公算が大きい。北朝鮮の指導者は国民の幸せにはほとんど関心がなく、政権維持を世論に依存している訳でもないからだ。制裁は北朝鮮に政策変更や体制変革をもたらすことなく、一般市民に苦境を強いることになるだけだ。北朝鮮との核外交の成否は、彼らが核兵器を持ちたい真の理由にかかっている。米国と中国が、長く見解を異にしてきた問題だ。中国の専門家や当局者は、北朝鮮は米国と韓国からの真の脅威を認識しているからだと強く主張する。1992年に中国が韓国との国交正常化に動いたことも北朝鮮の孤立感を強め、自国の安全保障は同盟国ではなく核兵器に頼るという決意を強めさせたのだろう。米国は北朝鮮と国交を正常化させ、朝鮮半島の統一は互いの合意の上、平和的な方法でのみ進むことを全ての関係各国が認めることだ。関係各国は、例えば米韓の軍事協力など既存の同盟関係を維持することができ、新たな関係を模索することも自由にできるようにする。もし北朝鮮指導部が提案を一蹴するようであれば、米国は自分たちの見立てが最初から正しかったと確認することになり、中国は自分たちのスタンスを考え直さざるを得なくなるのだ。代替手段を検討しても、我々が失うものは多くはない、としている。

中国とアメリカが、朝鮮半島で連携をはじめた。ゴール設定が一致すれば、中国とアメリカは行動を共にするだろう。韓国がその橋渡しを演じているようには見えないが、武力衝突だけは回避したいという願望は一致しはじめている。中国がリーダーシップを見せられる、またとないチャンス。中国は、狙っているだろう。

産経新聞・社説
尖閣に潜水艦 中国の本性を見過ごすな

日本固有の領土である尖閣諸島(沖縄県)を奪おうとする野心を隠さない中国が、海警局の公船だけではあきたらず、海軍の艦船を尖閣周辺海域へ投入してきた。日本の安全をひどく脅かす中国の暴挙に、政府が抗議したのは当然だ。脅威は北朝鮮にとどまらないことが改めてわかった。艦船や航空戦力、対艦ミサイルなどを増強し、南西方面の防衛態勢を整えてもらいたい。折しも政府は、中国との関係改善に意欲を示している。政府・与党からは、習近平政権が推進する経済圏構想「一帯一路」への協力姿勢が示されている。気になるのは、横っ面を張られるような目にあっても政府に「関係改善ありき」の空気が漂っている点だ。安倍晋三首相は、中国の暴挙に言及しないまま欧州6カ国訪問へ出発した。菅義偉官房長官は会見で中国を批判したが、「全面的な改善の立場に変わりはなく、中国側がこの流れを阻害しないよう強く求める」と語った。通り一遍の抗議をして、後は関係改善を求めるだけでは足元を見られる。関係改善の連呼は控えたほうが賢明だ。習政権の本性を見抜き、油断しない外交の展開が求められる、としている。

読売新聞・社説
尖閣沖に潜水艦 日中関係の改善に水を差すな

政府が、沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域に中国海軍の潜水艦1隻が進入したと発表した。数時間、水域内を航行したという。他国軍の艦艇や潜水艦による日本の接続水域の航行自体は国際法上、認められている。だが、中国は尖閣諸島の領有権を一方的に主張しており、安全保障の観点からも容認できない動きだ。杉山晋輔外務次官が中国の程永華駐日大使に重大な懸念を表明して、抗議したのは当然である。安倍首相は、日中平和友好条約締結40年の今年中に首脳の相互往来を行うよう提案し、習近平国家主席も前向きな考えを示した。自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を回避するため、具体的な手段を確保せねばならない。日中両政府が検討する「海空連絡メカニズム」を巡っては、昨年12月の協議で「前向きな進展」がみられたという。早期の合意と運用開始を目指したい、としている。

商工中金の話題を避けたかったとは思えないが、産経と読売は相変わらずアジア諸国には手厳しい。北朝鮮問題と関連している気もする。日本がいま中国とモメたくないのを睨んでの動きのようだが、日本は見ぬふりをしている。アメリカにも対話の期待はある。目的の達成には手段は選ばない。懐柔、工作、核抑止、先制攻撃…どれも目的のためにある手段だ。日本の目的は?いつも日本は手段を先に話している。

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