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3237.報道比較2018.1.12

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日本のアジア外交は相変わらず空転している。中国はリーダーシップを鮮明にしはじめている。このままでは、もっとも貧乏くじを引くのは、日本になる。

人民網日本語版
朝鮮半島情勢の好転には各国の理解と支持が必要 (2018.1.11)

朝韓ハイレベル会談が9日に板門店で行われた。双方は共同報道文を発表し、いくつかの議題について共通認識を示した。外部が最も注目したのは、朝鮮半島問題における両国の立場だ。朝韓は軍事的緊張を緩和し、平和な環境を築くことで一致し、軍事会談の開催を決めた。会談前に韓国側は、平昌冬季五輪期間に合同軍事演習を実施しないことで米韓が合意したと発表した。客観的に見て、関係緩和は各者にとって必然的な選択だ。文在寅政権は朝鮮半島の恒久平和を重要な政策目標の1つとしており、地域の戦乱発生を懸念している。高まり続ける外的圧力と軍事的危険を前に、朝鮮側も情勢の立て直しと外交的突破口を求めている。そして米側が合同軍事演習の延期に同意したのは、1つには平昌冬季五輪の開催に配慮したもの、もう1つには韓国側の意向と懸念に応じたものだ。朝鮮半島問題において、中国はかねてより責任ある大国としての姿勢を示している。朝鮮半島情勢が極めて厳しい中、中国はまず朝韓が互いに善意を示したことを評価し、両国に一層の接触と対話を促した。現在の成果は苦労して得られたものだ。国際社会が順方向の役割を発揮して、朝鮮半島情勢の緊張を緩和し、朝鮮半島問題を対話と協議による解決という正しい道へ押し戻すために十分な理解と支持を示すことを希望する、としている。

毎日新聞・社説
平昌五輪開会式と首相 むしろ出席した方がいい

韓国で2月9日に行われる平昌冬季五輪の開会式に安倍晋三首相は出席すべきではない、という意見が政権内で強まっている。韓国の文在寅大統領が慰安婦問題の日韓両政府合意について「受け入れは困難」などと表明したことに抗議する意味合いがある。しかし、そうだとしても、「平和の祭典」に政治的な対立を持ち込むことには慎重であるべきだ。もし、首相が開会式に欠席すれば、隣国同士の日韓の冷え込みを内外に強く印象付けることになるだろう。日韓の離反が鮮明になれば北朝鮮を利するだけだ。むしろ、首相はホスト国に敬意を表し、開会式に出席することで、韓国に対する立場を強めることができるのではないか。韓国に言うべきことは言うが、過剰反応せず慰安婦問題と五輪を切り分ける冷静な対応が必要だ。首相が開会式に出席すれば、そうした日本の外交姿勢をアピールすることにもなろう、としている。

遅れた原稿でこの先が見えてしまったが、この後、日本政府は安倍氏の五輪開会式参加を調整しはじめた。日本のアジア外交は相変わらず空転している。中国はリーダーシップを鮮明にしはじめている。朝鮮半島の沈静化を牽引すれば、アメリカも確実に譲歩するだろう。徐々に中国の思惑に事が進んでいるように見えてきた。このままでは、もっとも貧乏くじを引くのは、日本になる。

Wall Street Journal
日銀が発した「誤ったシグナル」 先走る債券市場 (2018.1.12)

日銀が今週買い入れた長期債は想定を下回った。予想の2000億円に対し、買い入れ額は1900億円だと発表したのだ。これだけで市場は動揺した。日銀が「ステルステーパリング」に着手し、事実上の金融政策引き締めに向かっていると投資家が受け止めたためだ。ここ数日、その余波は広がり、世界的な国債利回りの上昇を招いている。ではなぜ、こうも騒がれるのか? 世界の債券投資家は中銀の変わり身の兆しを嗅ぎつけようと躍起になっており、ささいな兆候にも即座に反応する。日銀の今回のタイミングは、為替や債券市場にとってはサプライズだった。だが日銀が1年以上前にイールドカーブコントロールを開始してからの買い入れ動向を見ると、買い入れ水準はすでに総じて減少傾向にある。ただ、これは政策が変化したという訳ではない。10年物日本国債利回りは日銀が目標とするゼロ%「程度」にほぼ張り付いており、日銀はそれほど国債を買い入れる必要がないにすぎない。政策の核心を徹底周知させるため、イールドカーブコントロール政策はイールドカーブのフラット化を回避するよう設計された。その目標に向けて順調に進んでいる。1・10年債の利回り格差は16年9月時点よりも拡大した。国際金融市場における手掛かりを得ようとする投資家は、中銀の金融政策における戦略を今一度見直した方がよさそうだ、としている。

中央銀行の仕事でマーケットとの対話が重要な位置を占めるようになったのはいつからだろう?変に投資家やメディアが中央銀行の言葉を解釈して動くようになったのも奇妙だ。最近、すっかりおとなしくなった日銀だが、問題が減ったのではなく、むしろ手詰まりに陥っているように見える。株価だけがマーケットではない。

日本経済新聞・社説
交通事故死をもっと減らそう

昨年1年間に交通事故で死亡した人は3694人で、警察庁が統計を取り始めた1948年以降でもっとも少なかった。「交通戦争」と呼ばれた70年の1万6765人と比べると、5分の1近くまで減ったことになる。だが交通事故死はもっと減らせるはずだ。大きな課題は高齢者対策である。昨年1~11月の統計では、65歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は、全死亡事故の3割近くを占めた。判断力や身体能力の衰えが事故につながっている例も多いとみられる。「交通弱者」という面からの高齢者対策も重要だ。事故死者数全体に占める65歳以上の割合は70年には2割に満たなかったが、2012年以降は5割を超えている。警察や自治体は住宅地での車の速度を時速30キロ以下にする取り組みを進めているが、実効性を持たせることが難しい。運転者、歩行者双方への安全教育や住宅地での取り締まりを強化するとともに、道路面を一部盛り上げるハンプの設置などをさらに促すべきだ。車の安全性を一段と高めなければならない。国は自動ブレーキやアクセルの踏み間違い防止機能を備えた車の普及を目指している。これを加速させる必要がある、としている。

交通が自己抑制に大きく前進するには、次は自動運転だろう。根本から自動車の安全が変わる。インターネットが登場した時のようなインパクトが、交通に到来する。交通事故というものが、火事と同じレベルまで抑制できる可能性は高い。日経の言うような地道な努力とともに、社会の構造を自動運転に適応させていけば、桁が変わるほど事故の件数を減らせるだろう。

産経新聞・社説
中西経団連 経済活性化の先頭に立て

経団連の次期会長に日立製作所の中西宏明会長の就任が内定した。中西経団連が最優先で取り組むべきは、品質データの改竄や建設談合などで大きく低下した産業界の信頼回復である。企業統治の徹底を促し、不正の根絶につなげなければならない。そこが不十分なままでは、政府・与党に対する政策提言も説得力を欠くことになるだろう。経済再生でも先頭に立たなければならない。来月に本格化する春闘交渉をめぐり、政府は経済界に3%の賃上げを要請している。日立は春闘相場に大きな影響を与える存在でもある。個人消費の活性化につながる着実な賃上げを主導してもらいたい。財政健全化に向けた取り組みをめぐっては、着実な消費税増税の実施を求めるなどの政策提言が欠かせまい。安定した経済成長には、財政の持続可能性を高めることも肝要である。与党で無用な歳出圧力が高まるようなら、これにくぎを刺すのも中西経団連に課せられた大きな役割である。長時間労働を是正しつつ着実な賃上げを図るには、生産性の向上が不可欠である。そのための取り組みを産業界全体で強めるよう、指導力を発揮してもらいたい、としている。

産経の言うような世界を経済団体にもして欲しいものだが、そこまで経済団体は機能しているのだろうか?私は何をしているのか、まるで見えない。

読売新聞・社説
退位式典準備委 象徴天皇に適う形式を探ろう

天皇陛下が来年4月末に退位されるのに向け、政府が式典準備委員会を設置し、検討を始めた。菅官房長官をトップに、官房副長官や宮内庁長官ら7人で構成される。3月中旬をメドに基本方針を取りまとめる。退位の儀式は、憲政史上初めてとなる。退位は江戸時代の光格天皇以来、約200年ぶりだ。明治以降、天皇の退位や、それに伴う儀式は想定されてこなかった。天皇陛下の関与の在り方について、十分な検討が求められる。両儀式は、新天皇の即位を内外に宣言する「即位の礼」などとともに、憲法に基づく国事行為として実施される見通しだ。儀式関連の費用は前回、123億円に上った。簡素化する余地はないのか、精査が必要だ。委員会とは別に、政府が準備を進めねばならない事柄は多い。国民生活への影響を考えれば、新元号は早期の公表が望ましい、としている。

123億。天皇陛下の望みは読売に近いだろう。1回100億といわれる選挙を何度も戦術として使ってきた政権らしい。次の天皇陛下は、若い。少しは今よりシンプルに希望を述べられてもいいと思う。

朝日新聞・社説
最高裁長官 司法の責務改めて胸に

最高裁の長官に大谷直人氏が就任し、これからの司法のかじ取りに当たることになった。近年「多数こそ正義」の風潮がはびこり、政治の世界でも、選挙に勝ったのだから何でも許されるとばかりに、抑制と均衡を欠く振る舞いがまかり通る。政治改革のひとつの帰結として立法と行政の一体化が進むなか、両者を監視し、真の「法の支配」を貫くために司法が果たすべき使命はいよいよ重い。重要な憲法判断を行う大法廷の裁判長を務める長官はもとより、司法の権能を担うすべての人に、あらためて自らの責務を胸に刻んでほしい。政府は昨年、地域で支援が必要な人を「発見」し見守るネットワークを、全国に展開する計画を打ち出した。自治体に加えて、法律、医療、福祉、金融の専門機関やNPOと認識を共有し、連携の実をあげるには、当面、実情に通じた家裁が中核になって動くしかない。裁判員制度は間もなく実施から10年目に入る。一つ一つの地道な営みを通じて司法の基盤を厚くする。そのことが、人権のとりでとして市民の負託に応える道に通じる、としている。

相変わらず、朝日の攻め方は陰険で効果が低い。必要なのは森友・加計学園のような事実であって、取材でジャーナリズムが探り当てるものだ。安倍政権は暴走しやすいが、支持を得ているのも事実。他の選択肢がないだけではなく、メディアが批判を効果的に進められないのも原因だ。最高裁長官の話題と、政権を攻撃するのに、朝日の主張は何の関連も指摘できていない。これではクレーマーだ。

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