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3232.報道比較2018.1.7

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来年2019年10月に増税…忘れていたが、たしかにそういうスケジュールだった。いま必死に上げ底している日本の株価も、あと1年ほど延命しなければ心許ない。増税のための環境は、今年整えなければならない。バラマキがはじまる。要注意だ。

産経新聞・社説
経済再生 脱デフレの好機逃すな 賃上げで回復の実感高めよ

安倍晋三政権の役割は引き続き大きい。来年10月には消費税率10%への増税が予定される。デフレ脱却に、これ以上手間取っているわけにはいかない。成長力を底上げする改革を加速すべきだ。アベノミクスの5年間で、国内総生産(GDP)は大きく拡大した。円安や株高が進み、企業の利益は過去最高水準である。失業率が2・7%まで低下するなど、雇用環境の改善も著しい。それでも多くの国民は、景気の回復を感じ取っていないという。理由の一つは、実質賃金が期待ほど伸びていないことだろう。首相は経済界に対し、今年の春闘で3%の賃上げをするよう求めている。3%以上の賃上げをした企業への減税拡大など、税制面でも後押しする。この5年間ではっきりしたことは、長期デフレや人口減少の影響により、財やサービスを生み出す日本経済の供給力が小さくなったことだ。だから、景気が上向いた途端に人手不足が顕在化する。それを打開するには、生産性を高めて効率よく付加価値を得られる経済への体質改善が必要だ。2%という数字そのものではなく、デフレから完全に脱却できるかどうかである。春闘での賃上げがその前提となる。物価が趨勢的に上昇するかどうかを慎重に見極めなければならない、としている。

読売新聞・社説
社会保障 医療・介護の持続性確保せよ

人口減と超高齢化の下で持続可能な社会保障制度を確立する。今年は、その正念場を迎える。高齢化で疾病構造は変化している。生活習慣病や認知症が増え、多くの高齢者は複数の持病を抱える。手術などの集中治療で完治を目指す医療から、慢性病患者の暮らしを支える医療への変革が求められている。高コストの重症者向け病床は絞り込み、退院支援を担う回復期向け病床や在宅医療を充実させる。介護との連携を密にして、医療から介護へのシフトを進める。高齢社会のニーズに合った効率的な体制を作り、サービスの質向上と費用抑制の両立を図ることが重要だ。報酬改定では、その方向に沿ってメリハリをつけたい。子育て世代の切実な願いは、保育所に入れない待機児童の解消である。無償化が先行すれば、入所できた世帯とできなかった世帯との不公平が一層拡大する。保育所の整備や保育士の配置拡充といった質の向上こそ、優先すべきである。政府は昨年3月、働き方改革実行計画をまとめた。残業の上限規制と、雇用形態で賃金差をつけない「同一労働同一賃金」の推進が柱だ。通常国会に関連法案を提出する。早期成立を求めたい、としている。

政権を応援してきた産経と読売は、評価しながらも政権への経済政策の要請を強めている。来年2019年10月に増税…忘れていたが、たしかにそういうスケジュールだった。いま必死に上げ底している日本の株価も、あと1年ほど延命しなければ心許ない。消費増税がどれだけ日本経済を破滅させてきたかは、過去を見れば国会議員も官僚も、誰もが知っている。増税のための環境は、今年整えなければならない。バラマキがはじまる。要注意だ。

毎日新聞・社説
論始め2018 中国との大競争時代 民主国家は負けられない

習近平国家主席は昨年10月の共産党大会で今世紀半ばに「社会主義現代化強国」を実現するという目標を掲げた。2030年ごろに中国の国内総生産(GDP)が米国を抜くとの見通しも現実味を帯びてきた。中国が重視するのが先端技術開発だ。昨年7月には30年までに人工知能(AI)技術で世界トップ水準に立つという国家戦略を発表した。科学技術予算や研究開発費を増やし、人材育成にも力を入れる。72年の日中共同声明は互いに体制の違いを認め合った上で協力していくことを明記している。緊密化した経済関係や朝鮮半島情勢の緊迫化を考えれば、競争の一方で共存を図る必要性はさらに高まっている。もちろん共存のためには中国の変化が必要だ。東シナ海や南シナ海への強引な海洋進出、経済力を使って他国を威嚇するような強圧的な態度は覇権国家そのものに映る。増大する中国人観光客が日本に好印象を持ち、対日感情が改善していることは好ましい動きだ。民主主義国家としての日本の魅力を高めていくことが長期的には日中関係にもプラスに働くのではないか、としている。

朝日新聞・社説
監視社会と民主主義 人権を見つめ権力抑止を

代表例がお隣の中国だ。買い物、食事、航空券購入、資産運用、友人への祝儀。すべて画面の操作で済む。北京や上海から農村部まで普及し、大手2社のサービスを延べ12億人が利用している。その情報をもとに個々の「信用度」を点数化した仕組みがある。まじめな利用者はホテル宿泊など様々に優遇される。歩調を合わせるのが中国政府の「個人信用情報管理」だ。決済トラブルがあった人は飛行機に乗れない、禁煙ルールを破れば高速鉄道の切符を買えない、などの例が起きている。自分の情報がどこでどう使われるか、市民が知るすべは乏しい。中国のように、監視の結果としての人権侵害や排除、差別は、いつ起きるとも限らない。個々の市民が政府と企業に説明責任を不断に問い、メディアは権力監視を怠らない。ネット社会の健全な民主主義を支えるにはそれが必要だ。暮らしの中でネットの役割は今後さらに増していくだろう。その便利さの裏に、個人の尊厳にかかわる問題も潜んでいることを忘れずにいたい、としている。

毎日新聞・社説
論始め2018 中国との大競争時代 民主国家は負けられない

習近平国家主席は昨年10月の共産党大会で今世紀半ばに「社会主義現代化強国」を実現するという目標を掲げた。2030年ごろに中国の国内総生産(GDP)が米国を抜くとの見通しも現実味を帯びてきた。中国が重視するのが先端技術開発だ。昨年7月には30年までに人工知能(AI)技術で世界トップ水準に立つという国家戦略を発表した。科学技術予算や研究開発費を増やし、人材育成にも力を入れる。72年の日中共同声明は互いに体制の違いを認め合った上で協力していくことを明記している。緊密化した経済関係や朝鮮半島情勢の緊迫化を考えれば、競争の一方で共存を図る必要性はさらに高まっている。もちろん共存のためには中国の変化が必要だ。東シナ海や南シナ海への強引な海洋進出、経済力を使って他国を威嚇するような強圧的な態度は覇権国家そのものに映る。増大する中国人観光客が日本に好印象を持ち、対日感情が改善していることは好ましい動きだ。民主主義国家としての日本の魅力を高めていくことが長期的には日中関係にもプラスに働くのではないか、としている。

人民網日本語版
18年中国経済は柔軟性を維持 より質の高い成長へ (2018.1.6)

ドイツ銀行が5日に発表した「2018年中国株式市場見通し報告」によると、今年の中国経済の発展状況は引き続き柔軟性を維持するとともに、より質の高い成長モデルを体現するという。また同報告は投資家に対し、G.A.R.P(グリーン・環境保護、先進的製造業、国有企業改革、消費バージョンアップ)の4つの投資テーマに注目するよう提起した。グリーン・環境保護については、汚染対策が政策制定者により3つの攻略戦の1つに数えられており、利益を受ける主な産業にはバイオマス発電・危険廃棄物処理、総合環境ガバナンス、天然ガス、風力エネルギー・太陽エネルギー、新エネルギー自動車がある。「メイド・イン・チャイナ2025」戦略において、先進的製造業が技術革新(イノベーション)を通じてバージョンアップの歩みを加速させており、スマート製造、5G電気通信、モノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューティング、半導体、自動運転が巨大な飛躍のチャンスを迎えるとみられる。国有企業改革は17年の中央経済工作会議で繰り返し優先的任務とされた。消費バージョンアップは可処分所得の増加、人口構造の変化、より強い消費傾向を受けて長期的なテーマとなっており、利益を受ける主な潜在的産業には教育、医療、レジャー、娯楽、伝統的製品のバージョンアップ・モデルチェンジに関わる産業がある、としている。

新聞は、中国脅威論が相変わらず好きなようだ。近隣諸国にやけに厳しい産経と読売だけでないのが残念だ。人民網の言うとおり、中国はひきつづき成長をつづける。日本経済にも明るさは見えているが、中国の成長率に追いつける日は来そうもない。ならば勝つとか負けるという対抗心よりは、協調して利益を享受した方が得策なのだが…

日本経済新聞・社説
不要な規制や慣習を取り除こう

金融取引をIT(情報技術)で簡素にする「フィンテック」、医療や人事に人工知能(AI)やビッグデータを活用する「メドテック」や「HRテック」――。デジタルテクノロジーが、これまで無縁と思われてきた暮らしやビジネスの隅々にまで入り込む時代が来ようとしている。デジタル技術が新市場を生んだ先駆例が、一般住宅に有料で旅行者を泊める民泊だ。今年6月の新法施行で、民泊が全国で合法化される。これを機に大手企業が仲介業に名乗りを上げ、地方自治体が観光客誘致への活用を真剣に検討し始めた。2020年の市場規模は16年に比べ4倍に膨らむとの試算もある。民泊仲介の米エアビーアンドビーは宿泊者と部屋の提供者が互いに評価し、結果を公開することで不安を事前に払拭した。その結果、法的な位置づけはまだ曖昧だったにもかかわらず、17年7~9月期には訪日外国人の宿泊先に占める民泊の割合は12%に達した。介護や医療などのヘルスケア、金融、教育と、規制や慣習がデジタル技術を応用する際の壁になっている分野は多い。飛躍の好機を失わないよう気をつけたい、としている。

規制緩和とシェアリング・エコノミーの話では、日経はいつも民泊押しだ。私はいつも否定派。12%の民泊利用をポジティブに評価して、民泊を規制緩和のきっかけと位置づけるのは賛成だが、ライド・シェアとは、経済的な価値は違う気がするし、経済的なインパクトと規制緩和の話が混在して不明瞭だ。規制緩和はして欲しいが、できればインパクトの大きさを意識して欲しい。少なくとも、ライド・シェア、民泊は、利用者にリスクが大きく、既存のプレーヤーを圧迫する。それだけの恩恵を消費者が受けるのは結構だが、リスク軽減を新参のプレーヤーが置き去りにしているのを、私はいつも懸念している。

Wall Street Journal
バノン氏との「離婚」は政権に追い風 (2018.1.5)

ワシントンに再びメディアの危機が訪れている。今回は、ドナルド・トランプ大統領の就任後数カ月を描いた書籍を巡るトランプ氏とスティーブ・バノン前大統領首席戦略官の「公開離婚」が原因だ。われわれの見立てでは、同書に書かれている内容は既に誰もが知っていることだ。そして今回の対立はトランプ政権と共和党の追い風になる可能性がある。バノン氏は「トランプ主義」という壮大な理論の魔法を使おうとしているが、それはできない。トランプ氏の魅力は個人のカルト的なものだ。それは貿易や移民の制限を目指す破壊的なポピュリストの情熱を、民間経済復活や世界での米国復権を目指す比較的健全な衝動と結合させることもある。民衆を扇動はしているが、トランプ氏は悲観論者ではない。 ケリー氏が加わって、トランプ氏はようやくバノン氏を解任し、バノン氏は新たな首席戦略官への反撃としてインタビューでその同僚たちを攻撃した。トランプ氏とバノン氏の決裂で政治は救われる。トランプ氏の最悪の過ちは、まず現状を打ち砕き、後で破片を拾い集めようとするバノン氏の願望に耳を傾けたことだ。入国禁止令を考えるといい。トランプ氏は、判事、税制改革、規制、外交政策に関して、より従来に近い保守的な政策を追求し、規律を保っている時に成功を手にしている、としている。

トランプ政権の中で、もっとも疎まれていた人物と大統領の関係が、少しずつ拡がっている。トランプ氏が意図的なら、彼は風を読むのがやはり得意なのだと思う。本気でなるつもりのなかったアメリカ大統領が、案外楽しくなってきたのだろうか?これで、さらに丸くなったトランプ氏が、いい仕事をしてくれるのを願うばかりだ。

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