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3231.報道比較2018.1.6

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comment>北朝鮮との対話と、日韓合意の否定。同時にやる戦略を文氏がやったなら、プーチン氏なみの周到な戦略だ。文氏の行動を見る限り、その可能性はゼロ。ということは…韓国の外交のシナリオは中国が描いている。

産経新聞・社説
南北会談 あくまで核放棄を求めよ

北朝鮮が、韓国が提案した南北当局者の会談に同意した。約2年ぶりの南北会談であり、北朝鮮との数少ない対話の窓口となる。北朝鮮による核・ミサイル開発の阻止は日米韓のみならず、国際社会の最大の関心事となっている。どのような対話も、最終的に、政策変更を迫るものでなければならない。金正恩朝鮮労働党委員長が「新年の辞」で、平昌五輪参加を示唆し、南北関係の改善へ意欲を示したことがきっかけになった。北朝鮮は国連や日米などの独自制裁で、経済的に厳しい状況にある。対話の提案を無視し続けた金正恩政権が態度を一転させたのは制裁の成果といえる。孤立し、追い詰められているのは、北朝鮮なのである。核・ミサイル開発の放棄や、拉致問題の解決など具体的、前向きな動きを見極めるべきだ。日米韓は北朝鮮に「最大限の圧力」で臨んでいる。文在寅氏は日米との連携を第一に考えることを忘れてはなるまい、としている。

毎日新聞・社説
「日韓合意は間違い」発言 同じ土俵に乗らぬ賢慮を

韓国の文在寅大統領が慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意について「内容と手続きのすべてが間違っていた」と語った。全面否定に等しい言葉である。しかし、元慰安婦の7割以上は合意に基づいて設立された財団の事業を受け入れた。外交当局による折衝が行き詰まった時に別の窓口を使うのも珍しいことではない。韓国での合意反対論の根底には、罷免された朴前大統領の業績を全否定しようとする流れがあろう。日本はいまのところ過度に反発せず、合意の着実な履行を繰り返し求めている。北朝鮮情勢が緊迫の度を強めていることを受けた抑制的な対応だといえる。慰安婦問題を再び感情的対立に発展させれば、日本の安保政策に大きなマイナスをもたらす。文政権の対応と同じ土俵に乗らない賢慮が求められる、としている。

読売新聞・社説
南北朝鮮会談 核放棄へ国際圧力は緩めるな

「核戦力」を振りかざす北朝鮮の危険な姿勢に変わりはない。韓国は、日米との連携を乱さずに圧力を維持すべきだ。金委員長は韓国に対し、2月に開かれる平昌五輪に代表団を送る用意があると表明した。南北当局間の直通電話を再開し、9日の高官級会談の開催にも同意した。韓国を取り込み、米韓を離間させることで、国際包囲網を弱める狙いがあるのだろう。新年の演説では、「人民生活の画期的な向上」も課題に挙げた。政権が困難に直面しているのは間違いない。背景には、経済制裁がじわじわと効いていることがある。ガソリン価格が上昇するなど国民生活にもしわ寄せが及ぶ。文氏は就任以来、南北対話を繰り返し呼び掛けたが、北朝鮮に無視されてきた。五輪への参加を実現させて、政権の実績としたい国内向けの思惑が透けて見える。米国は北朝鮮に最大限の圧力をかけて、核・ミサイル開発放棄に向けた協議に引き出そうとしている。南北対話もこうした戦略に資する形で進めることが肝要だ、としている。

北朝鮮との対話と、日韓合意の否定。同時にやる戦略を文氏がやったなら、プーチン氏なみの周到な戦略だ。文氏の行動を見る限り、その可能性はゼロ。ということは…韓国の外交のシナリオは中国が描いていると見るのが自然だ。それくらいの読みは日本政府にも十分にあるだろう。だから一帯一路への協力や日中関係の改善を進めながら、韓国には強硬でいる。韓国が誰からも貧乏くじを押し付けられている。嗤うのはたやすい。この状況で、韓国に手を差し伸べる国が、韓国との関係を強固にすると、日本は認識しているだろうか?計算された優しさを見せているのも、アメリカと中国。日本の韓国と北朝鮮への対応に、アメの準備が見えない。

人民網日本語版
「一帯一路」との連携を探り始めた日本 (2018.1.5)

2018年になると、中国と日本の関係回復への期待がますます高まり、両国首脳の相互訪問の条件も徐々に整い、両国企業の協力もより多くのチャンスを迎えている。これまでずっと「一帯一路(the Belt and Road)」構想には参加しない、協力しないと強調してきた安倍晋三内閣だが、17年には微妙な変化がいろいろみられるようになった。まず安倍首相は昨年6月に開催された日本経済新聞社主催の国際交流会議(アジアの未来)において、これまでと打って変わって、条件が整えば「一帯一路」構想をめぐり中国と「協力していきたいと考える」との姿勢を示した。日本はアジアで最も早く工業が発展した国であり、日本企業は多くのブランドを擁し、技術を備え、生産管理の経験を有する。他国よりも早くアジア諸国に資本と技術を輸出する国・地域の仲間入りを果たし、ほぼすべてのアジア諸国と独自の人脈を築き、現地の人々や政府とどのようにつきあうかをよく心得ている。中国は工業の発展を急速に実現した国で、多くの技術が段階的な進歩を遂げ、人口は多く、各レベルの労働者や技術者も非常に多い。「一帯一路」参加国のプロジェクトは多く、施工量も多く、日本がプロジェクト実施国に数千人から1万人以上の労働者・技術者を派遣することは不可能だ。だが中国はそれができるだけでなく、大量の人員を海外へ派遣してプロジェクト建設の目的を果たすこともできる。中日それぞれの特徴が今後は段階的に応用されるようになることが必要だ、としている。

一帯一路への日本の姿勢が変化したことを、中国は手放しに喜んでいる。まだ日本から得られるものを吸収できると期待しているようだ。日本の躊躇は、ノウハウを盗まれることだけではないだろう。盗まれた先の将来に、優位を維持できる自信がない。中国から学ぶ姿勢も少ない。中国と日本の関係は、そろそろ「中国も技術を開示しましょう」という姿勢を見せてもいい時期に来ている。それくらい、日本と中国の成長スピードには差があり、この先もずっと中国優位は当分つづくに違いない。日本で中国への協力を語りはじめた人たちは、中国優位の状況を察知したのだろう。日本が親中に変容しはじめている。

日本経済新聞・社説
示唆多い中国の排出量取引

中国が全国で二酸化炭素(CO2)の排出量取引制度を始めると発表した。当面は電力業界に限るが、それでも約1700社が対象となる。取引量は約30億トンと世界の排出量の1割近くに達する見通しで、影響は無視できない。この制度はCO2に価格付けをし、排出量が割り当て分を上回れば市場から買い取り、余裕があれば売る仕組み。2013年以降、湖北省、北京市、上海市などで試験的に実施し、一定の削減効果があったという。中国は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の下で提出した排出削減目標の達成に、並々ならぬ意欲をみせている。排出量取引制度により、削減が着実に進むとの期待は大きい。日本でも、環境省の有識者会議が排出量取引制度を温暖化対策の選択肢のひとつに挙げた。日本の産業界には、国際的な排出量取引制度に参加しないことが事業上のリスク要因と見なされ投資を受けにくくなる、との懸念もある。全国一律の制度にこだわる必要はない。東京都のような自治体の取り組みを促したり、特定の業界で先行導入したりする方法や、炭素税と組み合わせる案もある。世界の動向を見つつ、こうした選択肢を真剣に検討するときだ、としている。

ビットコインは追い出し、排出権取引は推進。中国政府のセンスは興味深い。政府が制御できるマーケットはOKで、少しでもマーケット原理主義ならばノーということだろうか?アメリカのいない場所に自らのポジションを築く意図もありそうだ。ビットコインの浮かれた相場変動に社会が気づく前、もっともボラティリティの大きなマーケットは、排出権取引だった。流動性が少なく、政治の思惑が入り込みやすい。しかも、未だにビットコイン並みに排出権をディールする意味が地球温暖化の抑制に通じるのかさえ不確かだ。なぜ中国が?興味深い。

朝日新聞・社説
AI時代の人間 豊かな活用に道開くため

車の自動運転に代表される、AIがもたらす明るく快適な未来。その裏側で、人間の制御を超えて世界を根底から変えてしまう「シンギュラリティー(技術的特異点)」と呼ばれる事態が訪れるのではないか、という漠とした不安も広がる。いまの社会的ブームの大きなきっかけは、2年前に囲碁AI「アルファ碁」が世界最強とされた棋士を破ったことだった。AIを活用しつつ、人間らしく働き、生活するにはどうしたらいいのか。昨年1月、米カリフォルニア州アシロマに、AI研究者や法律、倫理、哲学などの専門家が集い、AI開発に際して守るべき23の原則をまとめた。「人間の尊厳、権利、自由、文化的多様性に適合するように設計され、運用されるべきである」といった理念をかかげ、AI軍拡競争の回避や研究者同士の協力、政策立案者との健全な交流なども盛り込んだ。AIの専門家にかぎらず、人文・社会科学の研究者らも広く巻きこみ、政治家や官僚、そして市民との対話を重ねる。その営みが人間中心の社会でのAI活用につながると信じたい、としている。

1.3の毎日よりはまとまっているが、示唆に富むというレベルには、もう一歩足りない。イーロン・マスク氏やホーキング博士が懸念している殺人ロボットは、ほぼ現実化しているだろう。AIを使った兵器。コンビュータ・ウィルスのように執拗に相手を追いつめる兵器は、高低差がある地形で、ランダムに交通が変動する場所での自動運転に比べれば、作るのは容易かもしれない。懸念を示す人たちの危機感は、そこにある。技術的難易度と、社会的インパクト、その結果がもたらす影響のバランスに、危機感が足りない。ビジョナリーと呼ばれる人たちの懸念の中心だ。朝日や毎日の主張には、やはり危機感が足りない。人間中心を語れば済む話では、明らかに足りない。

Wall Street Journal
半導体欠陥、インテルは長く認識しながら対応に苦慮 (2018.1.6)

半導体にセキュリティー上の脆弱性が見つかった問題は、インテルを突然襲った危機のように見えるが、実はインテルは水面下で、発覚する数カ月も前から、他のハイテク企業や専門家らと共に対策に翻弄していた。アップルも4日遅く、他のハイテク大手に続き、今回発覚した脆弱性問題の影響を受けていると発表。スマートフォン「iPhone(アイフォン)」、タブレット端末「iPad(アイパッド)」、パソコン(PC)「Mac(マック)」すべてが対象となり、すでに修正版を配布したと説明した。今回見つかった欠陥では、ハッカーがパスワードなどの重要情報を引き出すことが可能とされ、現代の半導体の大半に影響する。だがインテルはサーバーやPC市場をほぼ独占しているため、半導体企業の中でもとりわけ直接的な影響を受ける。そのため、株価はライバル勢に比べて大きな打撃を受けている。実は研究者は1年以上も前から、今回明らかになった脆弱性に注目していた。ラスベガスで2016年8月に開催されたブラック・ハット・サイバーセキュリティー会議で、アンダース・フォー、ダニエル・グルス両氏は、今回の欠陥に関する初期の兆しを指摘した。フォー氏は昨年7月に、この件について自身のブログに掲載。その後、これを見た他の研究者たちの間でも検証の動きが広がった、としている。

日本なら、問題の隠蔽が問題になりそうな話題。世界中のコンピュータのCPUに、それなりの脆弱性があるというリスクは恐怖を喚起するが、悪用には難易度が高そうな印象も受ける。ITに関わる人間としては、なぜ物理層と言われるCPUの脆弱性が、アプリケーションの領域のデータを引き出せるのかが不思議だ。ドライヤーを水に沈めたら感電するくらいのリスク?と安心しようと努めたが、問題はエンド・ユーザーの利用が原因ではなく、製品そのものの脆弱性にある。不良品とケチをつけるに十分な脆弱性なら…インテルはとんでもない負担を背負うことになる。記事が気にしているのも、どちらかと言えば技術ではない。株価だ。

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