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3229.報道比較2018.1.4

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しっかり休んだ産経だけが、昨日に引き続いて本質的。あとはまったく使えない内容。休みたいなら休めばいいし、意味を込められないなら動かない方がいい。空回りしている30年、70年。日本の縮図だ。

産経新聞・社説
出生数の急減 危機的状況との認識を コンパクト社会へ移行急げ

少子化のペースが加速してきたようだ。昨年の年間出生数は94万1000人ほどで、前年に比べて3万6000人も減る。厚生労働省の見通しである。次世代が生まれなければ、社会は機能せず、国家そのものが成り立たなくなる。安倍晋三首相は昨年、少子高齢化を「国難」と位置づけた。総力を挙げて対策を講じ、人口減少に耐えうる社会への作り替えを急ぐ必要がある。地域によって、進み具合が速いところも出てくる。「年間出生数がゼロ」という自治体が各地に広がるのに、さほどの時間はかかるまい。すでに、後継者不足による中小企業の廃業や資本の大都市部への流出が始まっている。地域社会そのものが崩壊しかかっているところもある。もはや、日本には足踏みをしている時間的余裕はない。官民が協力し、できるところから着手しなければならない。勤労世代が少なくなっても社会を機能させるには、「コンパクトな社会」に移行する視点が欠かせない。時代錯誤の大型開発などの発想とは決別するときだ。人口が減っても発展し、豊かな暮らしを維持できる。首相は具体的なプランを語ってほしい、としている。

元日、2日の社説を休んだ産経だけが、本質的な話をしている。他紙はすべて準備した原稿。それで質が良いのなら全然構わないのだが、これなら載せない方がいいと思えるほどの内容だ。
さて、人口減だが、国難と言う割には、政治は何か行動しているようには見えない。女性や老人に働けと言い、成人を2歳引き下げて生産人口を増やすようなことをしているが、まるで好転しない。もちろん移民受け入れとは口が裂けても言わないどころか、未だ考えてさえいないように見える。コンパクトな社会にすると言い切った事もなければ、都市を統合集約するとの話も聞こえない。足踏みをしている余裕は、10年前からなかったはず。言い換えれば10年間何もしなかった、したつもりでも何も変わらなかった…ということだ。なぜ産経は現実を見ないのだろう?なぜ指摘しないのだろう?それが敗因のひとつだと思うが。

朝日新聞・社説
日本経済の現在地 30年の苦闘を糧にして

日本経済は昨年、いくつかの指標が「バブル期超え」を記録した。東京・銀座の土地の値段。人手不足を示す有効求人倍率。日経平均株価も、1989年末のピークには遠いものの、92年の水準を回復した。政策も大きく振れた。バブル崩壊後の巨額の公共投資。そして近年の大胆な金融緩和。功罪の議論は続くが、実験的な政策をも迫る経済状況があった。こうした試みを経ても凍り付いたままに見えるのが、企業家精神だ。バブル期以上の利益を上げながら、賃上げや投資に慎重で、カネをため込む傾向が続く。人口減少が懸念材料とはいえ、後ろ向きの姿勢が際立つ。日本銀行の古賀麻衣子氏らは最近の論文で、バブル期以降の日本企業の投資行動を分析。過去に資金繰りに困った経験を持つ企業ほど、将来の成長を低く見積もる偏りがあり、設備投資や研究開発への支出を抑える傾向にあると論じている。デフレ脱却を果たし、「バブル後」が終わったとしても、そこには高齢化と人口減が急速に進む未踏の領域が広がる。世界経済の中での存在感は薄れ、財政・金融政策の余力は減っている。前途は容易ではない。新しい技術や産業の芽を伸ばし、苦闘の経験を大事にしながら、着実に前に進んでいくしかない、としている。

日本経済新聞・社説
開かれた経済体制維持へ協調探れ 漂流する世界秩序(下)

トランプ政権の発足で世界は貿易戦争に突入する――。1年前に懸念された事態は今のところは幸い起きていない。大統領は就任早々、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉からの離脱を表明したが、選挙期間中に主張したような中国への一方的な高関税措置などが取られたわけではない。自由貿易を先導してきた米国が自国第一主義に陥る一方、WTO加盟で自由化が進むと期待された中国はむしろ国主導の経済システムに傾く。米中両国への依存度が高い世界経済にとっては、大きな試練を迎えつつあるといえる。この流れにどう歯止めをかけるべきか。1つ目は、新しい時代にあった自由貿易協定の積極的な推進により、保護主義の流れに対抗することだ。昨年は世界の輸出額で約2割のシェアを持つ日欧が経済連携協定(EPA)交渉を妥結させた。米国を除く11カ国によるTPPの大筋合意も実現した。2つ目は、多国間の公正なルールに基づく自由貿易体制を崩さないよう米国を説得するとともに、中国にも大国にふさわしい自由な貿易・投資環境の整備を促すことだ。それには協調的な枠組みづくりを呼びかけることが有効だ。開放的な世界の経済秩序が崩れていくのか。それを防ぎ、秩序を再構築していく力がまさるのか。今年はその正念場になるだろう、としている。

毎日新聞・社説
論始め2018 マネー資本主義の行方 人類の知が試されている

「欠陥だらけ、継ぎはぎだらけの金融市場には、明らかに(利潤を得る)機会が存在する」。ファルド氏の言葉だ。低コストで多額の投資資金を調達できる一部の人々は、市場の不完全さをつくことで、巨万の富を手にする。「マネー・マネジャー資本主義」--。米国の経済学者、故ハイマン・ミンスキーは、資金運用のプロたちが牛耳る資本主義をそう呼んだ。マネー・マネジャー資本主義の中で巨大化したのが複雑な金融派生商品(デリバティブ)だ。先進国における高齢化の進行で、運用を必要とする年金資金が増大した。一方、経済の成熟に伴い、従来型の手法では高い運用利回りが望めなくなった。そこで高いリスクの代わりに高利回りが期待できるデリバティブに資金が向かったのである。資本主義は、人類の進歩に欠かせない新たなアイデアの実現を可能にするなど、プラスの面があることは間違いない。我々に与えられた課題は、いかにして、マネーの暴走に歯止めをかけ、マネー主導の資本主義に内在する格差拡大のメカニズムを制御するか、だ。難題である。しかし、放任主義では、いつか世界は修復しがたいほどの打撃を被るのではないか。人類の英知を集め、地球規模の協調で乗り越えるしかない、としている。

読売新聞・社説
混迷する世界 強権政治の台頭は許されない

トランプ氏は政権2年目に入る。国際社会での孤立をいとわず、米国の目先の経済的利益や雇用を最優先し、支持者にアピールする姿勢は変わるまい。エルサレムをイスラエルの首都と認定した。国内のキリスト教福音主義者やユダヤ系団体の支持を固めたが、中東和平の仲介役の立場を失った。認定を無効とする国連総会決議で、賛成国への援助停止まで示唆し、恫喝した。習氏は政権2期目に入った。軍事、経済両面で米国と並ぶ「強国」の建設を目指す。巨大経済圏構想「一帯一路」や南シナ海の軍事拠点化がその足掛かりとなろう。プーチン氏は、3月の大統領選で再選が確実視されている。覇権主義と強権政治は、日本や米欧の価値観と相反する。世界の模範や標準にはなり得ない。放置すれば、自由で開かれた国際秩序が危機に瀕しよう。日欧は米国に働きかけて中露の強権姿勢を抑え、各国間の信頼が醸成されるよう努力すべきだ、としている。

中間管理職や官僚は、自らのために、簡単な仕事をわざと複雑にして仕事を増やし、意味もない資源の浪費を繰り返す。今日の社説は産経以外、そんな内容だ。これなら書かない方がいいし、語らずに放置しておいた方がいい。問題を知ったような顔で語っているが、何かを深く調べたのでも、考えたのでもない。簡単に語れることをあえて複雑で格式ばって書き、整理すればいい問題を意図的に難しく表現している。トランプ氏は貿易戦争をすると言ったことなどないし、多国間協定をやめて二国間にする、アメリカ優先の国策に切り替えると言ったまでだ。日本経済が統計的にバブル越えをしたのも、ただの通過点であって、特に苦悩し過ぎる必要も過信もしなければいいだけ。値に足を付ければいいだけなら、言葉を重ねる必要など何もない。こんなことなら休んだ方がいい。戦後の70年も、失われた30年も、こうして時間を無駄に使って空回りしている人が多過ぎる。生産性を良くするには、あなた方に消えていただくのが一番だ。

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