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3226.報道比較2018.1.1

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元日。昨年に比べれば、ずっと落ち着いた新年のはじまり。脅えは消え、まだ慢心はない。継続できれば、良い年になりそうだ。

朝日新聞・社説
来たるべき民主主義 より長い時間軸の政治を

現在の安倍政権になって6回目の新年を迎えた。近年まれな長期政権である。正味5年の在任で、例えば、社会保障と税という痛みを伴う難題に正面から取り組んだとはいえまい。持論の憲法改正も、狙いを定める条項が次々変わり、迷走してきた感が深い。長期政権にもかかわらず、なのか、長期政権を狙ったがゆえに、なのか。皮肉なことに、安倍政権がよって立つ「時間軸」は、極めて短いのである。それは日本政治の多年の弊ともいえるが、度が過ぎれば民主主義の健全さが失われる。日本では有権者に占める高齢者の割合が高く、しかも、若い世代に比べて投票率が高い。その大きな影響力を、政治の側は気にせざるをえない。結果として、社会保障が高齢者優遇に傾けば、世代間の格差は広がる。長期的には財政を圧迫し、将来世代に禍根を残す。若い人の声をもっと国会に届けるため、世代別の代表を送り込める選挙制度を取り入れてみては、という意見もある。憲法前文には「われらとわれらの子孫のために……自由のもたらす恵沢を確保し」とある。11条は「基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」とうたう。先を見据えよ。憲法は、そう語っているように思われる、としている。

日本経済新聞・社説
順風の年こそ難題を片付けよう

「世界経済は2010年以来なかったような、予想を大きく上回る拡大を続けている」。米ゴールドマン・サックスは18年の世界経済の実質成長率が17年の3.7%から4.0%に高まるとみている。地政学リスクなどあるが、久しぶりの順風である。日本の景気も7~9月まで7四半期連続のプラス成長を記録し、17年度は2%近い成長率を見込む声が多い。少子高齢化による人手不足が省力化投資を促している。上場企業は18年3月期に最高益を更新する見通しだ。超高齢化社会を乗り切る社会保障と財政の見取り図をきちんと描くことにつきる。近代国家の建設や経済復興にも匹敵する難題だが、夏に政府が決める骨太方針で正面から取り組んでほしい。日本経済の活力は、政府の仕事だけで高まるものではない。企業にも大いに努力を求めたい。積み上がった手元資金を新技術を生む投資に振り向け、従業員にも手厚く分配すべきである。日本企業による画期的な製品やサービスが久しく出ていない。デジタル化の時代はアナログ時代と異なり、失敗を恐れず、会社の内外の人材を取り込み、迅速に動くことが欠かせない、としている。

毎日新聞・社説
論始め2018 国民国家の揺らぎ 初めから同質の国はない

2018年が始まった。北朝鮮の核・ミサイル危機は越年し、トランプ米政権の振りかざす大国エゴも収まりそうにない。国家が人間の集合体以上の特別な意思を持って摩擦を生み続けている。日本にとって今年は1868年の明治維新から150年にあたる。その歩みにも、日本の国家意思と国際社会との衝突が刻まれている。あるべき国家像とは。自らを顧みて問いかけが必要な節目である。経済のグローバル化に伴う所得格差の拡大や、欧州での移民の流入などが、国民国家の枠組みにマイナスの影響を与えているのは確かだ。しかし、ここで私たちが再認識すべきなのは、民主主義の持つ統合機能ではないだろうか。人間の考え方は一様ではない。階層や生い立ち、地域、年代、性差によって意見は異なる。そして違いがあるからこそ、民主主義が必要とされる。互いに異論を認め合い、最終的には全体の結論を受け入れていくプロセスに値打ちがある。初めから同質の国家はない。だから政府も国民も努力が要る。違いがあっても共同体のメンバーとして手をつなぐことの大切さを、昨今の国際情勢が教えている、としている。

読売新聞・社説
緊張を安定に導く対北戦略を

70年余り続く平和と繁栄を、どう守り抜くのか。周到な戦略と、それを的確に実行する覚悟と行動力が求められる年となろう。国連制裁と中国を含む各国の独自措置によって、北朝鮮は貿易が制限され、孤立化が進む。米国の軍事的圧力も受けている。それでも北朝鮮の暴走を止められるか、国際社会は確信を持てない。北朝鮮危機を米国主導で乗り切り、地域に安定をもたらすには、トランプ大統領が、衝動的な行動を自制し、しかも、安易な譲歩に応じないことが必須である。対中交渉には、国力の裏打ちが欠かせない。日本が防衛力と経済力を保持することで、中国への発言力が増す。米国や豪州、インドなど、価値観を共有する国々と足並みをそろえて主張すれば、中国も無視することはできまい。多くの国民の間には、少子高齢化に伴う、将来への不安感が蔓延している。それは、若年層ほど切実である。医療・介護・年金制度の長期的な安定こそが、政府が旗を振る「人生100年時代」を安心して迎える前提となる。政治に求められるのは、国民の不安を取り除くとともに、未来への展望を開くことである、としている。

2017年の国内紙の新聞を覚えている人が、どれくらいいるだろうか。私は、鮮明に覚えている。トランプ大統領の誕生に、絶望、悲観、恐怖ばかりだった。それに比べれば異様さは減ったが、まだ羅針盤のような役割を新聞の社説が取り戻すにはほど遠い。朝日と毎日の意味不明な論調は年末から変わらない。高尚に見えるが、現政権を批判したいだけ、自紙の主張が後で批判の元にならないよう、遠回しに、逃げ道を作りながら体裁を整える。マイノリティの立場から卑屈さが増している。弱者、ニッチと呼ばれても潔く、差別化で評価されるプレーヤーはどの世界にもいるが、朝日と毎日は値しない。
日経は、経済を語れば、今日のようにそれなりの主張を見せてくれる。突然、ひどい質の社説が登場するのは何故だろう?安定したクオリティを期待している。
読売は、政権との距離を絶妙なバランスに調整した後、非常に読みやすくなったが、今日は政府迎合の印象に戻っている。新年の担当は老害を発しているようだ。
元日のような重要で、読まれる確率の高い日を担当するのは、おそらく社内でも重鎮だろう。老兵の能力が時代を捉えているのはどうやら日経だけのようだ。世代交代を考える時期だ。

Wall Street Journal
米国はロシアとイランに屈するのか (2017.12.30)

米国務省は最近、イスラム国がイラクとシリアでかつて支配していた地域の95%を失い、シリアに流入する外国人戦闘員の数も減っているとしていた。それは良いニュースだ。トランプ氏は10月、イラン政府を「狂信的な政権」と呼び、中東での同国の影響力を後退させるとコミットした。シリアでの行動は、そうした言葉が意味のあるものなのか、それともイランとスンニ派諸国の間で緊張が高まる中東から米国が身を引くことを覆い隠すレトリックなのかを示すことになる。米国がシリアで目指すべき重要なゴールは、シリア全体の支配というアサド氏ならびにロシア・イランの戦略的勝利を認めないことだ。ロシアとイランは自分たちが軍事的に勝利できないとの結論を出した時、もしくは勝利の代償があまりに大きいと分かった時にのみ、シリア国内に民族的自治区を認める本物の和平交渉につくだろう。それを達成するための手段は、アサド政権とイスラム過激派に対抗するシリア人とクルド人を支援することだ。それができなければ、イスラム国の復活と、恐らくは中東でのより大きな戦争を許すことになるだろう、としている。

年始のアメリカの記事は、まだ掲載されていない。クリスマスが年の節目の欧米で、新年早々にシリア、ロシア、イランを社説で語るWall Street Journalは、かなりロシアを警戒しているか、トランプ政権に意見できると心得たのだろう。クリスマス前にいくつもの法案を通して評価を上げたトランプ政権。バノン氏と決裂して常識的な価値観を回復してくれるといいが。Wall Street Journalにはプレッシャーを期待したい。

人民網日本語版
支付宝の市場シェアが高度成長 7-9月 (2017.12.29)

このほど発表された第三者モバイル決済市場に関するデータによると、支付宝(アリペイ)と財付通(テンペイ)を「双璧」とする状況は引き続き安定をみせるが、膠着気味の局面に変化が現れ始めている。データをみると、支付宝は2017年第3四半期(7-9月)にシェアが引き継き高度成長を遂げ、市場トップの地位が一層確実なものになると同時に、前年同期比増加率で微信(Wechat)の後ろに控えた財付通を上回ったことがわかる。独立系データ研究機関の易観が発表したデータ「中国第三者決済モバイル決済市場四半期モニタリング報告2017年第3四半期」によれば、同期の支付宝の市場シェアは53.73%で同3.3ポイント上昇した。財付通(微信支付<WeCHatペイメント>を含む)は39.35%で同1.23ポイント上昇した。支付宝は規模で勝る中、微信の2倍以上の伸びを達成した。規模の大きさを背景に、支付宝は決済シェアが増加して安定した勢いをみせており、オフライン場面での配置の功績も見逃すことはできない、としている。

人民網も元日は休んだようだ。アリババ、WeChat、テンセントは、やがて中国のFANGやMANTになりそうだ。モバイル決済は中国が完全にリードしているし、中国政府もアドバンテージを死守したがっている。まだ、モバイル決済が既存の決済を超えるとは、私は思わない。もし、音声認識がチャットより主流になり、ディスプレイなど不要にできれば時代は変わるだろう。

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