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3222.報道比較2017.12.28

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うまくいったら持ち上げて、失敗したら突き落とす。そういうニュースが、フェイクよりも先に消えて欲しい。

産経新聞・社説
日韓合意の「検証」 もう責任転嫁は許さない

安婦問題の日韓合意について、韓国外務省の作業部会が検証結果を公表した。予想されたことだが、合意の作成にあたり元慰安婦の「意見集約が不十分だった」と批判する内容である。一昨年の日韓合意の時点で存命していた元慰安婦47人のうち、7割を超える人が日本政府が拠出した10億円による財団の支援事業を受け入れている。韓国政府はこの事実を無視するのか。康京和外相は検証結果を踏まえ「根拠を持ち議論できる」というが、「根拠」が誤りでは話にならない。文在寅政権は合意の「再交渉」を掲げて誕生した。「検証」作業をしないわけにいかないということか。北朝鮮という現実の危機を抱えながら、反日世論への迎合に走る態度は改めるべきだ。新たな日本への要求など認めようもない。慰安婦像の撤去など、合意に即した対応をとることこそ、韓国として早急に表明すべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
「再燃せざるを得ない」のは韓国への不信だ

韓国外務省の作業部会が慰安婦問題をめぐる2015年末の日韓合意の検証結果を発表した。朴槿恵前政権が主導した慰安婦合意について、報告書は「被害者の意見を十分に集約しないまま、主に政府の立場で合意した」と指摘。たとえ日韓の政府間で「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言したにせよ、「問題は再燃せざるを得ない」と結論づけた。康京和外相は日韓関係に及ぼす影響も考慮し、韓国政府の対応は「慎重に決める」という。とはいえ、合意に疑問符を投げかける結論を出しながら、政権として何もしないというのは考えにくい。いずれ、日本政府に追加措置を求めたり、合意の破棄や再交渉を求めたりする恐れは否定できない。しかし、国家間の合意や協定は着実に履行する義務がある。前政権時代の約束だからほごにするという事例がまかり通るようでは、いつまでたっても互いの信頼関係は築けない。韓国側が再交渉などを求めるようであれば、再燃するのは韓国不信であることを文政権は肝に銘じるべきだ。日韓は主要な貿易相手国だ。核・ミサイルの挑発を続ける北朝鮮に対処する上でも、緊密な連携が欠かせない。歴史問題をめぐる立場の差は大きいとはいえ、過去の合意を蒸し返さず、未来志向の関係づくりを優先していきたい、としている。

読売新聞・社説
慰安婦合意検証 履行を怠る言い訳にはならぬ

慰安婦問題を巡る日韓合意は、両国が歩み寄って達成した成果である。韓国の文在寅政権に求められるのは、合意の着実な履行しかない。報告書は、谷内正太郎国家安全保障局長と李韓国大統領府秘書室長による計8回の「秘密交渉」を明らかにし、民主的な手続きが不足していたと批判した。文氏は大統領選で、「合意の再交渉」を掲げて当選した。検証を行わせたのは、履行を引き延ばす思惑からだろう。日本政府に再交渉や追加措置を求める材料が出なかったのは、誤算ではないか。ソウルの日本大使館前に設置された、慰安婦を象徴する少女像について、韓国側が合意に従い、「適切な解決」に向けて努力する動きは出ていない。文政権は、少女像撤去に向けて、具体的な行動をとるべきである。その努力が見えなければ、安倍首相が2月の平昌五輪の開会式に出席することは望めない、としている。

私の感覚は、10億円返してもらってリセットだ。10億など、金額としては小さい。ただ、配ったカネを再回収する手間を韓国政府は負ってまで今回の結果を尊重するのか、補償を受けた人はカネを返してまでもう一度リセットしたいのか、問うてみたい。同意したから、国家の約束だからという日本の感覚は正論ではあるのだが、政治は現状を覆すリーダーシップを求めるものだ。公約にして当選したのならなおさらだろう。パリ協定やTPPを平然と離脱するアメリカを見れば、国際的な約束に絶対などないのは明らかだ。もちろん、それで日韓関係は悪化するだろう。ならば、悪化して困ることがなければ、リスクはないということ。韓国にとっての日本の存在感はどれほどだろう?日本は韓国を徐々に遠ざけていると感じる昨今、韓国の感情が気になる。

朝日新聞・社説
空母への改修 なし崩しの方針転換か

防衛省が海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を空母に改修し、垂直着陸ができる最新鋭戦闘機F35Bを搭載する検討に入った。性能上、相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる攻撃的兵器の保有は、自衛のための必要最小限度の範囲を超え、憲法上許されない。歴代内閣が踏襲してきた見解だ。F35Bが発着できるよう改修すれば、有事も含め世界のどこででも米軍の同型機への給油が可能になる。いくら防御型と称しても、攻撃型の実態をもつと言うほかない。政府は来年度予算案に長距離巡航ミサイルの関連経費を計上したが、ここでも離島防衛などを理由に挙げ、敵基地攻撃のためではないと主張している。政府の説明が実態とかけ離れれば、外交の信頼性は低下する。財政難のなか防衛費の膨張を招き、周辺国と不毛な軍拡競争に陥る恐れもある。専守防衛を堅持し、近隣外交とのバランスをはかりながら、日本の安全をどう守るか。骨太な議論を期待したい、としている。

年末に聞くには、かなり耳の痛い内容だ。日本らしい姑息な意思決定を、過去にずいぶんしてきたのが情けなくなる。武器を売りつけたいアメリカが憲法改正を応援する理由も判る。目的は防衛のはずが、いつの間にか武器を買う話になり、何としても買うためには法の解釈を変える。それで防衛はいいのか?の議論を白熱させるならまだしも…こういう話を、いつになったら日本はやめられるだろうか?

毎日新聞・社説
北海道沖の超巨大地震予測 更なる備えと調査が急務

北海道東部沖の千島海溝沿いで、東日本大震災に匹敵するマグニチュード(M)9級の超巨大地震の発生が「切迫している可能性が高い」とする評価結果を、政府の地震調査委員会がまとめた。30年以内の発生確率は最大で40%とされた。北海道は今回の評価に先駆け、M9・1の地震発生を前提とした津波の浸水予測を2012年に公表済みだ。ただ、死者数などの被害想定は国の中央防災会議が別に進めている。作業を急いでほしい。北海道によるシミュレーションでは、津波の第1波到達まで20分程度の時間がある。防潮堤などハード面に頼ることには限界があるだけに、住民の迅速な避難態勢の確保など、ソフト面の対策が重要となる。地震調査委は、超巨大地震の震源域が南側の青森県沖に広がる可能性を否定していない。原発や再処理工場など下北半島に立地する原子力関連施設への影響が懸念される。政府や電力会社は、青森県沖までの連動を前提に対応すべきだ、としている。

この話題が出たのは12月中旬。日経が迅速に社説でも扱っている。作業を急げと行政には言う割に、自身の報道としてはずいぶんとゆっくりしたペースだ。死者の想定を出すのを急ぐよりは、対処策の教育、情報共有の方がずっと優先順位が高いと思うのだが…

人民網日本語版
中国経済は32年に米国抜く 今世紀後半1位はインド (2017.12.27)

2017年の終わりと18年の始まりが近づき、未来の経済ランキングにおける各国の順位予想が話題になっている。ブルームバーグ社が26日に伝えたところによると、英国・ロンドンにあるシンクタンク「経済ビジネス研究センター」(CEBR)が同日に発表した世界経済ランキング(2018年版)報告では、中国は2032年に米国を追い抜いて世界一のエコノミーになると予想され、昨年の予想より1年後ろ倒しになった。また今年の最大の注目点はインドで、18年に世界5位のエコノミーになり、今世紀後半には世界一になるという。英デイリーメール紙によると、「CEBRの以前の報告では中国経済は31年に米国を追い抜くとされていたが、『トランプ効果』が米国貿易に与える影響が考えられていたほどひどいものではなかったため、米国は世界一のエコノミーの座をもうしばらく保つとみられる」のだという、としている。

中国が期待して待たなくても、中国はアメリカを確実に越える。経済成長7%の国と、3%はムリだと言う国。結果は明らかだ。あとは、中国が7%を今と同じように持続できるかに尽きる。私はできると思っているが…当の中国は?

Wall Street Journal
トランプ大統領の「愚かさ」とは (2017.12.27)

政権の座に就いてからの11カ月間でトランプ氏は何を成し遂げたのか。連邦最高裁判事にニール・ゴーサッチ氏を指名し、バラク・オバマ前大統領の就任1年目の4倍の連邦控訴判判事を指名した。エルサレムをイスラエルの首都と認定し、地球温暖化防止のための「パリ協定」から脱退し、アフガニスタン政策では選挙中の訴えから一転して断固とした方針を採用した。避妊に反対するカトリック教徒関連企業の従業員にも避妊関連の医療費を保険適用としていた措置を撤廃し、北極圏野生生物保護区での石油掘削を認可し、大胆な規制緩和を主導した。そして締めくくりとなったのは、30年以上ぶりとなる大規模な税制改革だ。それでもなお、トランプ氏が非常に愚かな人物だという決めつけが政治報道には残っている。しかし、トランプ氏は愚かなのだろうか。反トランプ派に対する最善のアドバイスは多分、バーモント州議会の民主党下院議員だったジェイソン・ローバー氏の言葉を参考にするのが良いだろう。今年4月、同氏はバーリントン・フリー・プレス紙の記事でこう書いた。「ほくそ笑む分には良いかもしれないが、誰かを愚か者と呼んだり、そう考えたりすること自体、その相手を最後に笑わせることになるのはほぼ間違いない」政権1年目を終えようとしているトランプ氏は今、まさにそれを楽しんでいるのではないだろうか、としている。

笑えるほどトランプ氏を持ち上げるコラムだった。私がトランプ氏に就任以来ずっと感じているのは「もっと賢いと思っていた」だから、この筆者が言うトランプ氏が笑うパターンの批判論者なのだろう。それで世界が明るくなるなら、私は誰が笑っても構わない。1年目に減税法案を可決したのはすばらしい。それでどんなアメリカになるかは、この先3年で判るだろう。潤うのはトランプ氏のような富裕層だけと疑われている法案を、3年後も今と同じように称賛される方が、世界のためにはずっといい。うまくいったら持ち上げて、失敗したら突き落とす。このコラムニストのような人たちこそが、トランプ氏よりも消えて欲しい人たちだ。

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