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3219.報道比較2017.12.25

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年末年始を越えてしまった。年を越えて年末を語ることになってしまい、申し訳ない。年明け早々のマーケットの過熱以外、凪いだ時間がつづいている。昨年のトランプ氏への悲観論が懐かしい。

朝日新聞・社説
医療と介護 連携進める報酬体系に

日本経済新聞・社説
長期政権にふさわしい構造改革を

毎日新聞・社説
危機の社会保障 克服への課題 「1強」の政治資源を生かせ

内容はバラバラだが、安倍政権の総括の印象が強かったため、3紙はまとめてしまった。各紙、視点は異なる。
朝日は来年早々の診療報酬・介護報酬の各論を取り上げている。珍しいのは、政府とは対抗心が前面に出ていたが、今回は政府の方針に理解を示し、来年度の改正時に現場がどんな反応をするかに期待を示している。安倍氏だから嫌い、嫌いだから批判という発想から抜け出すなら、朝日もようやく建設的な議論ができるようになる。期待したい。
日経は5年目の長期政権を総括として、かなりのボリュームで全体を総括している。今までは論点がぼやけたものだが、今回はまとまっている。「最初にキャッチフレーズを掲げて放置は良くない」という安倍政権全体に通じる要望の軸が定まっているからだろう。実際、安倍氏のやり方はかけ声だけで、後で数字を並べて誇らしげになるが、結果はまるで感じられないのがお決まりのパターン。構造改革を安倍氏がやる気があるとは思えないが、日経の要請には素直に賛成する。
毎日は、シリーズ化していたらしい社会保障の中の介護。シリーズになっていたとも知らなかったが、介護で内容はいつもどおり暗い話ばかりだ。介護に高齢者自身が参加する、育児などで退職した人を、外国人を…と様々な提案は含まれているが、毎日自身も認めているが、かなり思い付き。案として検討すべきとも思えないレベルが多い。それくらい喫緊の課題と言うのは判るのだが、現状の悲劇を連呼するクレーマーのようで、社説の説得力としては弱い。似た話題で違う視点から語っている朝日の方が要点が絞れていると思うのは私だけだろうか?

産経新聞・社説
大型原発の廃炉 新増設の必要性を明確に

まだ原発に期待を持っているが、徐々に産経の再稼働期待にもトーンダウンを感じる。やみくもに再稼働を唱えても事が進まないのは認識しているようだ。原発がポジティブに感じられる点は、温室効果ガス削減だけ。ただ、このメリットは極めて重要な1点だ。期待されるメタン・ハイドレードは石油やガスに比べればCO2は少ないが、原発ほどは減らないだろう。再生エネルギーでどこまで賄えるのか検証を期待したい。

読売新聞・社説
防衛予算増額 「陸上イージス」配備を着実に

盲目的に「適切」と言い切る根拠は弱い。6年連続増額は「安倍政権になってからずっと防衛費は上がっている」と解釈できる。北朝鮮を理由にすれば何でも通る現状と、高い支持率が原因だ。ただ、予算増額には賛成しても、内容は読売も注視している。アメリカへの支払いばかりが増える環境への疑念は決して日本の防衛力を高めてはいない。危機感を表明できる人材もいない。本当の危機は、日本の現状を認識していない点だろう。

Wall Street Journal
2018年の米経済は企業頼み、消費先行きに不安 (2017.12.25)

日本経済が受けそうなコメントが、アメリカ経済にも当てはまる。低下する貯蓄率、失業率と密接にリンクする個人収入。長期タームでの雇用が日本でも完全に崩壊した証拠だろう。だから個人消費をアップするには賃上げしか期待できない。いま、日本企業にかかる賃上げプレッシャーはベースアップだが、やがてはボーナスや直近の待遇や報酬に話が変わっていくだろう。その方が経済への即応性が高く、企業にとってもリスクが少ない。だが、短絡的で持続的な経済成長にはほとんど役に立たない。日本経済はアメリカに近づいている。アメリカも成長をコミットできない低成長国になりつつある。どちらにとってもよい話には聞こえない。

人民網日本語版
米国家安全保障戦略、中国国防部が談話発表 (2017.12.21)

アメリカに名指しで批判された中国が、ようやくコメントを出した。コメントから感じられるのは、中国が世界平和に貢献している実績は、経済ほどは並べられない歯がゆさだ。人工島も、北朝鮮問題も、他国にとってプラスになる実績には至っていない。アメリカからの非難に反論できていないが、現状の拡大路線をつづけるには、そろそろ他国にもメリットがある必要性を感じはじめている。中国が安全保障に意識改革してくれるなら、ポジティブだ。アメリカが望むゴールも、きっと対決ではなく協調した世界平和の構築のはず。日本政府が望むゴールではないと思うが、世界が望む理想だ。

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