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3216.報道比較2017.12.22

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株高で減税。人手不足と高齢化。インバウンドと日本の劣化。不思議な逆相関。おかしな動きは、後で大きな問題になって返ってくる。

産経新聞・社説
米国の税制改革 成果を政権運営に生かせ

就任1年を前にしたトランプ米大統領が、ようやく手にした内政上の成果である。米議会が法人税の大幅減税を柱とする税制改革法案を可決した。大統領選で約束したトランプ政権の最重要政策だ。トランプ政権の基盤が強固になれば、北朝鮮問題で連携する同盟国の日本にも有益であることは明らかである。法案は大統領の署名を経て成立する。法人税率を現行の35%から21%へと引き下げ、地方税を含めた実効税率は日本やドイツなどを下回る水準となる。米国経済が成長のエンジンとなり、日本を含む世界経済に好影響をもたらすなら歓迎である。内政の混乱から国民の目をそらすように、経済外交で貿易相手国を恫喝する独善的な姿勢をとってきた。この際、他国との協調姿勢に転じるべきだ。それが米国の真の利益に資するからである、としている。

読売新聞・社説
米大型減税成立 景気の底上げを実現できるか

米国で約30年ぶりとなる大型減税法案が、議会上下両院で可決された。トランプ大統領の署名を経て成立する。トランプ氏は「米国史上最大の減税だ」と自画自賛した。連邦法人税率は来年、35%から21%に下がる。地方税と合わせた法人実効税率は約41%から約28%となり、日独などを下回る。気がかりは、主要国で最も高い米国の法人税率が一気に下がると、世界の税率引き下げ競争が加速しかねないことだ。各国は課税の調和に留意せねばなるまい。個人所得税は、最高税率を引き下げ、全ての納税者を対象にした控除も増額する。この減税の狙いは、あらゆる層への負担軽減で消費拡大を加速することにある。ただ、米国は所得の二極分化が顕著だ。中間層の消費が盛り上がりを欠くようだと、景気改善による税収回復はおぼつかない。トランプ氏の支持率は30%台と記録的な低さが続く。支持基盤の白人労働者層が減税の恩恵を実感できなければ、選挙で足をすくわれるのではないか、としている。

産経も読売も、ずいぶんトランプ氏に厳しい。彼の外交スタイルや中間選挙への懸念より、還流するアメリカ企業のマネー、外資系企業がアメリカを進出先に選ぶ必然が出てきたリスクを先に心配した方がいい。私は、アメリカでの法人登記のプランを改めて考えはじめている。日本で稼ぐより、アメリカで稼ぐ方が税率が低いなら、誰でもそう考える。トヨタやソニーもそうだろう。世界に貯め込んだアメリカ企業の利益と雇用がアメリカに戻れば、産業のスピードはさらに高まる。日本で部品を作るより、アメリカで作った方が安くても、デンソーやファナックは日本を選ぶだろうか?中国は危機感を露わにしている。日本はまだ法案の意味さえ認識していないかもしれない。

毎日新聞・社説
のぞみ台車「破断寸前」の衝撃 JR全体で深刻さ認識を

東海道・山陽新幹線「のぞみ」の台車枠の亀裂の深刻さは想像以上だった。JR西日本が公表した写真では、上部は3センチを残し大きく割れている。破断して脱線すれば大事故につながったのは間違いない。JR全体でどこまで事態の重大さをとらえているのか、疑問がある。「のぞみ」は博多を出発し東京に向かっていた。新大阪までがJR西日本、その先がJR東海の運行区間だ。小倉発車時に焦げたにおいがし、その後ももやや異音が続いた。おととい記者会見したJR東海の柘植康英社長は、新大阪駅でJR西日本から「運行に問題はない」との引き継ぎを受けたと明かし、新大阪駅で床下を点検してほしかったとJR西日本の対応を批判した。なぜもっと早く列車を止められなかったのか。JR西日本の課題も浮かび上がった。岡山駅から乗った保守担当者が、停車して点検することを提案したが、東京の運転指令の判断で運転を継続していた。現場と運転指令で意見が異なった場合、間近で見る現場により多くの権限を与えることも検討課題だ、としている。

JR間の責任論は大丈夫だろうか?企業間のコミュニケーションに険悪さが生まれれば、いま以上に問題は起きやすくなる。批判が言い合える仲なら心配はいらないが、もし違うなら、リスクはさらに高まった。いますべきは批判よりは協力だ。

日本経済新聞・社説
豊洲問題とは何だったのか

築地市場の来年10月の豊洲への移転がようやく正式に決まった。依然として課題は多いものの、追加工事を遅滞なく進め、円滑な移転へ努めてほしい。移転後の築地の跡地は東京五輪時に3千台規模の車両を収容する輸送拠点になる。選手村を整備する臨海部と都心を結ぶ幹線道路も建設する。この工期から逆算すると、来年10月の移転はギリギリのタイミングといえるだろう。この点に絡んで心配なのが豊洲に併設する、店舗や温泉などからなる集客施設の行方だ。小池百合子知事が築地を「食のテーマパーク」に再開発する構想を6月に表明したことで、豊洲に進出する予定の業者が二の足を踏んでいる。豊洲のある江東区も反発し、移転時期が決まらない一因になった。集客施設ができなければ市場経営はさらに厳しくなる。移転が遅れたことで市場参加者への補償費だけでもすでに90億円に上っている。少なくとも、知事が繰り返す「ワイズスペンディング(賢い支出)」とは言い難い、としている。

衆議院選挙後、小池氏は賛同より批判を受けやすい環境にある。その雰囲気に乗じての攻撃なら、日経は後でブーメランが自身に返ってくる事を注意した方がいい。小池氏は逆境に負けるタイプではなさそうだ。やがて成果は上がる。

朝日新聞・社説
沖縄への中傷 苦難の歴史に理解欠く

「後から学校を造ったくせに文句を言うな」「沖縄は基地で生活している」。事実を正しく把握しないまま、学校側をののしるものもあるという。今月初め、ヘリの部品が園舎屋上で見つかった同じ宜野湾市の保育園にも「自作自演だ」などの攻撃が相次ぐ。米軍が自らの部品だと認めながら、「飛行中に落ちた可能性は低い」と発表してから始まったという。嘆かわしいのは、本土の政治家らの認識と対応である。防衛政務官が沖縄の基地負担は重くない旨のうその数字を流す(13年)。自民党若手議員の会合で、普天間飛行場の成立過程について間違った発言がまかり通る(15年)。沖縄担当相が土人発言を批判せず、あいまいな態度をとる(16年)――。誹謗中傷を許さず、正しい情報を発信して偏見の除去に努めるのは、政治を担う者、とりわけ政府・与党の重い責任である。肝に銘じてもらいたい、としている。

こういう時は、朝日のような主張は、むしろ好ましくない。メディアが無責任に余計な事を言うと、さらに雑言があふれる。鎮めるには、批判はノーだ。ユーモアや対案が欲しい。

Wall Street Journal
日本のミサイル防衛強化、中国の自業自得 (2017.12.21)

日本政府は19日の閣議で、陸上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」と、米国と共同開発した新型迎撃ミサイルの導入を決定した。これにより日本の領域を狙う北朝鮮ミサイルに対する迎撃能力が強化される。また、米国を標的にしたミサイルを日本が撃ち落とすことも可能で、日米両国によるミサイル防衛態勢の一体化へ向けた地ならしとなる。こうした防衛力の強化は中国を怒らせることになろう。だが中国政府指導部の面々にとってそれは自業自得だ。中国は北朝鮮のミサイル開発を初期段階で支援し、数十年にわたり国連で北朝鮮を守り続けてきた。そうすることで、戦後日本に根付いていた強い軍事力へのアレルギーを消し去るような脅威を作り出したのだ。中国は今年、地上配備型ミサイル迎撃システム「THAAD(サード)」の配備を決めた韓国に対してかんしゃくを起こした。THAADはイージス・アショアより能力は劣るものの、米国の防衛システムと統合が可能だ。中国はこうした純粋に防衛的な能力を恐れる必要はない。しかし、仮にこの流れを止めたいと望むのであれば、北朝鮮が核ミサイルで世界を脅すのをやめさせる必要がある、としている。

Wall Street Journalの社説がオバマ時代から変容したように感じる。単純に現政権をいつでも応援しているだけかもしれないが。安倍氏が選挙で勝ったのが北朝鮮危機にあるとしている部分、日本のミサイル配備を中国の北朝鮮対応の非難にまで飛躍させる論調には、私は同意できない。それを自業自得とまでタイトルに書かれると、産経に近い違和感を覚える。今年後半あたりから、Wall Street Journalはトランプ氏を批判しなくなり、過去の主張とは異なる価値観に変わりはじめた。変調が気になる。

人民網日本語版
中国の成果が世界の科学研究を彩る (2017.12.21)

世界初の光量子コンピュータの試作機が中国で誕生した。将来的に量子計算には「中国智造」のラベルが貼られ、伝統的な計算能力を超越するための基礎を固めることになる。新型高速列車「復興号」が時速350キロで北京・上海間を疾走した。日本の新幹線、フランスのTGVを抜き、中国は高速鉄道営業速度で世界一の国になった。国産大型機「C919」が初飛行し、ボーイングとエアバスによる大型ジェット旅客機の独占を打破した。中国民間航空は、さらに遠くに向かう「翼」を手にした。中国はこの5年間で、科学研究と革新をかつてないほど重視してきた。中国は着実に取り組みを続け、世界の革新リーダーになろうとしている。著名生物学者、米プリンストン大学終身名誉教授の顔寧氏は、新華社記者に対して、「中国の科学研究が近年急発展しているが、最も重要な要素は十分な経費、優秀な人材によるサポートだ」と指摘した。中国政府はさらに、海外留学生の帰国後の革新・創業を促す一連の政策を打ち出している。帰国した科学者の多くが、関連分野のリーダーになっており、国際的な影響力を持つチームを率いている、としている。

いま、中国からしか聞こえない賛辞は、来年あたりから海外からの評価に変わっていくだろう。すべてがうまくいくとは思えないが、いくつかは必ず世界を圧倒する成功に至るだろう。ここまでの努力が結実する日は近い。中国は欲を出さないことだ。すべてで勝とうとすると、失敗が目立つ事になる。

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