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3214.報道比較2017.12.20

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減税法案、素直にトランプ氏とアメリカ議会を称賛する。今までの混乱とはまるで違う。短期間でうまく合意した。年内成立、来年早々に実行されるのが減税なのだから、ポジティブだ。集めた資金でアメリカ国内に雇用を生むのなら、共感する。くれぐれも戦争などしないで欲しい。

Wall Street Journal
米税制改革法案、下院通過 立法化へ前進 (2017.12.20)

この法案については、素直にトランプ氏とアメリカ議会を称賛する。今までの混乱とはまるで違う。短期間でうまく合意した。年内成立、来年早々に実行されるのが減税なのだから、ポジティブだ。アメリカ経済の成長が過去最長と言われ、株価も史上最高値を更新しつづけている中、セオリーどおりならすべきは減税ではなく増税だろう。しかも減税対象が法人と富裕層とは、恩恵を受けるのはトランプ氏自身では?と勘ぐりたくなる。おそらく、もっとも狙っているのは海外にキャッシュを貯め込んでいる企業の資金をアメリカに戻させ、アメリカ国内に投資させることと、中国に集まる投資をアメリカに振り向けることだろう。

米税制改革、IT大手の海外利益を直撃 by Wall Street Journal

中国、トランプ氏税制改革に緊急対策 by Wall Street Journal

後は共和党の支持率を上げるのが主目的だろうが、テーマが見えているから合意形成も早く、法案の要点もブレなかった。巧妙に本国投資法に似た動機が見え、中国に緊張を強いるような策が組み込まれている。日本の税制にもこういう巧みさがあるといいのだが。
集めた資金でアメリカ国内に雇用を生むのなら、共感する。くれぐれも戦争などしないで欲しい。

産経新聞・社説
米の国家安保戦略 超大国の責任実行に移せ

毎日新聞・社説
トランプ政権の安保戦略 平和は力だけで築けない

読売新聞・社説
米国家安保戦略 「力の重視」で中露を牽制した

事前に、アメリカの経済紙の反応を見てみよう。

【社説】安全保障戦略、理論と矛盾するトランプ氏 by Wall Street Journal

トランプ氏の安保戦略、「張り子の虎」か「能ある鷹」か by Wall Street Journal

社説は文書を評価しているが、大統領の矛盾する行動を懸念している。そして、上海にいるコラムニストは「アメリカは中国とのアジアの争いで負ける」と論理的に結論づけている。真面目に思考しているように見えて、思考が止まっている日本の新聞は、戦前と何ら変わらない。
日本を「不可欠な同盟国」に仕立て「公正な責任分担」を求めている意味を考えているだろうか?まずは中国の防波堤は日本が担わされる。中国もアメリカ本土に比べれば、日本の方が衝突するには好都合だ。衝突して日本が痛んだら、アメリカは「争いはやめよう」と言うだろう。それくらい、すでに文書は中国のパワーの拡大を認識している。このままアメリカに巻き込まれていいのか?という検証はない。北朝鮮の課題を共に解決するところまでは認めよう。だが、中国との対立に不可欠な同盟国にされるのは、かなりアメリカには愛着を感じ、友人も仕事も、価値観も共有できると思える私でも、違和感がある。このあたりの損得勘定、冷静さ、同盟の費用対効果、リスクとバリューのバランス感覚が欠落している。約束したから守る?友人?アメリカの大統領は、そういいながら平然とTPPを捨て、日本を出るなりハワイで「Remember Pearl Harbor」とツイートする人だ。友人はアメリカ大陸に多くいるように、中国にもロシアにもいる。防衛費を求める人たちが書いた作文に反応するには、冷静さが足りない。

朝日新聞・社説
のぞみ亀裂 安全優先の徹底を

記事の方が説得力がある。

のぞみ台車、破断寸前 異常覚知後も走行 JR西が謝罪 by 朝日新聞

ポイントは、飛行機なら管制に当たる新幹線総合指令所がそのまま走ることを判断したこと、JR東海への引き継ぎで「異常なし」と引き継いでいることだが、その指摘が社説より記事の方がずっとまとまっている。これが、きっとJR西日本でも起きたことだろう。現場は要点を把握している。だが、上層部で論点がぼけ、あるべき結論に至らない。重要インシデントという言葉をもてあそび、検証の手法など、どうでもいい話だ。必要な情報をぼかさないで欲しい。これがJR西日本の体質だと推測するのも早過ぎる。

日本経済新聞・社説
北海道沖大地震にどう備える

地震調査委員会の意図は、言葉どおり、危険があるから周知したいという素直な気持ちなのだろう。「切迫性が高い」の一言に日経は噛みついているが、表現の問題だ。適切な危機感をどう定義するかは、初回なら多少のズレがあるのは許容できる。問題は、ここからだ。私はスイスの民間防衛という書籍を何度も見ている。危機とは冷静に認識し、たまに緊張を感じて対策を思い出すのは重要だと感じる。アラートを出すだけで終わっては無意味だ。対策を提案し、何度も思い出させる繰り返しの取り組みが求められる。それも地震調査委員会の任務なのかは判らないが、誰かがやるべきだ。こういう仕事の仕方を適切に提案できる行政の仕組みがあるといいのだが。

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