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3213.報道比較2017.12.19

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談合への拒絶感が新聞から消えている。2紙しか取り上げない状況は異常だ。

朝日新聞・社説
リニア新幹線 疑惑の徹底的な解明を

リニア中央新幹線の建設工事をめぐり、東京地検特捜部と公正取引委員会が大手ゼネコンの強制捜査に乗り出した。きのう、鹿島と清水建設を家宅捜索したのに続き、近く大成建設と大林組も捜索する。JR東海などがこれまでに発注した22件の工事のうち、これら4社は15件を受注しており、3~4件ずつを分け合う形になっている。名古屋市の非常口工事に端を発したリニア疑惑は、日本を代表するスーパーゼネコンが関わった談合事件に発展する様相になってきた。4社は05年に談合との決別を宣言したが、その後も名古屋市の地下鉄延伸工事や東京外環道の工事など、談合での摘発や疑惑の指摘が続いている。JR東海は、4社と契約した工事の価格やどの業者が応募したのかといった詳細について、「今後の発注に影響する」と伏せたままだ。これでは企業としての社会への説明責任を果たしているとは言えない。改善を求める、としている。

日本経済新聞・社説
リニア談合疑惑の徹底解明を

総工費9兆円に上るリニア中央新幹線の建設工事をめぐり、鹿島、清水建設、大林組、大成建設の大手ゼネコン4社が入札の際、話し合いによって受注する会社を調整していた疑いが浮上した。東京地検特捜部と公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で家宅捜索に乗り出した。各社の幹部らからの事情聴取も進めている。リニア新幹線の工事では、これまでに発注元のJR東海と契約が成立した22件のうち15件を、4社がほぼ均等に受注している。特捜部は当初、このうち事故の際の避難などに使われる名古屋市内の非常口の入札について、大林組が不正を行った疑いがあるとみて偽計業務妨害の容疑で調べていた。ところが捜索した資料などを分析した結果、大手4社ぐるみの談合の構図が浮かび上がってきたとみられる。特捜部の調べでは、JR東海の社員が工事費の見積もりをゼネコン側に伝えていた疑いも出ているという。この点を含め、JR東海も事業主体として入札に至る経緯を検証し、問題があれば積極的に公表して発注のあり方を見直していく必要があるだろう、としている。

談合への拒絶感が新聞から消えている。2紙しか取り上げない状況は異常だ。産経はいつもの北朝鮮。読売が日英外交。毎日に至ってはずいぶん前の慎重報酬改定の話題を今ごろ書いている。不正への弛緩した環境で、政治や企業に誠実さを求めても機能するはずがない。捏造や隠蔽を生む環境も、談合や賄賂に無関心になるのも、メディアの怠慢だ。報道の衰退は、ついにここまで…という印象だ。建設会社に起きた不正よりも、メディアの動きの鈍さが気になる。
9兆円のリニアでこれなら、東京オリンピックはどうなのだろう?政治や権力者もずいぶん介入していたと記憶している。特捜部が追うべきトピックはいくつもある気がする。期待したい。

読売新聞・社説
日英2プラス2 「準同盟国」と安保協力深めよ

日英両政府がロンドンで、外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を開いた。昨年1月以来で、3回目だ。共同声明に、防衛装備の技術協力や共同訓練の強化を明記した。北朝鮮に対し、「核武装は決して認めない」として、最大限の圧力をかけることも打ち出した。日英両国は、ともに海洋国家で、米国の重要な同盟国だ。自由、民主主義などの価値観も共有する。共同声明で「アジアと欧州において最も緊密なパートナー」として「協力を次の段階へと引き上げる」と表明したのは妥当である。陸上自衛隊と英陸軍が来年、日本で初めて共同訓練を実施することで合意した。海上自衛隊と英海軍もアジアで訓練を行う。有意義だったのは、英国が、日米の推進する「自由で開かれたインド太平洋戦略」への関与を明確にしたことだ。最新鋭空母のアジアへの展開にも言及した。日本は、来月にも開催するフランスとの2プラス2でも協力を呼びかける。当事者のインド、豪州や欧州の主要国の賛同を得て、戦略の厚みを増すことが肝要だ、としている。

先日の国連の安保理ではイギリスのコメントはまったく見つからなかった。国連で同じ言葉を英国から聞きたかった。中国もいる国連と、二国間の会合でのコメントの重みは違う。日本が聞いた言葉が、公式の場でも通用するものだと期待したい。

産経新聞・社説
北への不正輸出 制裁の抜け穴を早く塞げ

京都、神奈川など5府県警の合同捜査本部が、北朝鮮へ食品を不正輸出した容疑で、東京都内の会社社長らを逮捕した。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の関係団体も家宅捜索した。政府は平成21年から、北朝鮮向けの輸出を全面禁止している。ところが、逮捕された社長らは26年6月、横浜港からシンガポールの企業経由で、食品などを北朝鮮へ迂回輸出していた。警察当局は逮捕した社長らが、21年ごろから北朝鮮への不正輸出に関わっていたとみている。17日には、朝鮮総連系の保険会社「金剛保険」が整理回収機構(RCC)の債権回収を妨害した容疑で警視庁の家宅捜索を受けた。総連系企業の不正な資金の流れをさらに解明すべきだ。日本から、原子力やロケットなど先端的な科学技術情報が北朝鮮へ流出してきた疑いも指摘されている。核・ミサイル戦力の放棄と拉致問題の解決を求める日本が「弱い環」になってはならない、としている。

世界の経済制裁に期待するために、声を荒げているはずの日本でもこの様。アメリカや韓国も同様かもしれない。ただ、輸出品は食品?北朝鮮で売られていたらしいが、想像とは違う。カネを得るために食品が北朝鮮から来るか、兵器関連技術の輸出なら判るが。事情に詳しい産経に教えて欲しい。

毎日新聞・社説
医療・介護の報酬は微増 持続可能な制度のために

医療・介護・障害福祉サービスの2018年の報酬改定率がいずれも微増になることが決まった。医療は薬価を大幅に引き下げる一方で、医師の技術料など本体部分を0・55%アップすることになった。介護は0・54%、障害福祉も0・47%のプラス改定で決着した。現在は医療機関が検査や投薬をするほど収入が増える「出来高払い」が診療報酬の基本だ。過剰な検査や投薬が医療費を膨張させているだけでなく、多くの薬を服用することによる副作用の弊害も指摘される。高齢になると複数の慢性疾患を持つ人が増える。こうしたケースでは1人の患者に複数の治療をしても一定額の報酬にする「定額払い」を基本とすべきだ。必要に応じて専門的な医療を受けられる制度へ転換しなければならない。個々の診療や介護サービスの報酬の配分を決める議論が年明けから本格化する。制度の持続可能性を高めるため、大胆な改革が必要だ、としている。

少し時間の経過した話題だが、定額払いの発想は興味深い。医療が定額になるメリットは、収入に安定性を求める病院や医師、支払いを固定化したい患者の双方にメリットがある可能性がある。定期的に通院する人には、さらに恩恵があるだろう。報酬の比率だけに固執しないで、新しい発想で改革して欲しい。

人民網日本語版
第13回北京―東京フォーラム閉幕 「北京コンセンサス」を発表 (2017.12.18)

第13回北京―東京フォーラム(主催:中国外文局、日本・言論NPO)が17日に北京で閉幕した。中日両国の政治、経済、外交、安全保障、メディアなど各分野の代表が「より開放的な国際経済秩序とアジアの平和に向けた中日協力」とのテーマをめぐり、2日間にわたり実務的な交流と踏み込んだ議論を行い、中日関係の持続的改善と健全な発展のために貴重な優れた見解を多く示し、コンセンサスを形成した。今回のフォーラムの成果として、双方は「北京コンセンサス」を共同発表した。
一、 中日関係は重要な歴史的節目と発展の契機を迎えている。健全で安定した、協力・ウィンウィンの、調和がとれた中日関係は両国国民の利益に合致する。
二、 最近中日首脳が会談を重ね、両国間の様々な意思疎通制度が徐々に再開されていることは、双方が信頼を積み重ね、溝を解決するうえで極めて重要だなど、としている。

この文章をまとめるのにどれだけの時間をかけたのか判らないが、なかなか両者の思惑の整合性の取り方に配慮が見え、興味深い。中国は一帯一路をキーワードとして入れることにこだわったのだろう。日本にも明確な協力を要請したようだ。一帯一路には東シナ海、沖縄のような微妙な話題が関連してくる。この先、このコンセンサスをどのように使うのか、中国はすでに脳裏に戦略があるのだろう。
日本は北朝鮮を意識したような文面を求め、朝鮮半島という言葉を入れさせている。平和的手段による脅威の除去は、日本が連呼する圧力よりは中国の対話路線に近い印象を受ける。日本からの参加者の価値観は、日本政府とは違うようだ。
いずれにしても、日中が対話し、答えを出していくすばらしい前例になった。継続は力になる。次はいつ開催か、楽しみだ。

Wall Street Journal
米与野党それぞれの苦悩、選挙控え来年は正念場 (2017.12.19)

議会共和党とドナルド・トランプ米大統領は今年、一般に考えられているよりも大きな実績を上げたとその幹部は語る。税制改革に加え、規制を緩和し、保守派の判事を送り込み、国防費の増額に着手した。いずれも中核の共和党支持層を極めて満足させるものだ。だが共和党は、税制改革の利点を訴えるのに、著しいハードルに直面している。国民は総じて、この税制改革法案の価値や公平性について懐疑的なようだ。それに加え、共和党は最近、注目されていた選挙で手痛い敗北を喫した。同党を率いるのは世論を二分させる大統領で、その人気は引き続き低迷しており、全国的に支持率が低下している。一方、野党・民主党も強弱まちまちの材料を抱える。ジャーナル/NBCの世論調査によると、有権者は50%対39%で、民主党が来年、議会の過半数を握ることを望んでいる。一方で、トランプ大統領の仕事ぶりを評価するとの回答は41%だ。これらの数字は、06年の中間選挙前の状況と酷似している。当時の選挙では、民主党が議会過半数を取り戻し、ジョージ・W・ブッシュ(子)政権に大きな打撃を与えた。民主党に活力をもたらしたと考える進歩主義の活動家と、自分たちこそが幅広い勝利に必要な中道、無所属の有権者の支持を取り込んだと考える穏健派が対立している。民主党が望む「大きな波」は、その両方を必要とする。そして、それを実現するのは容易ではない、としている。

Financial Times
米国経済に必要なのは法人減税ではない (2017.12.11)

米国連邦議会で税制改革法案の審議が煮詰まり、近く大統領の承認を得るためにホワイトハウスに回される。企業を利するだけのムダ事だが、これを擁護する人々は、法人減税は最終的には労働者のためになる、浮いた資金の一部が雇用の増加や賃金の上昇という形で「トリクルダウンする(したたり落ちる)」からだと主張している。米国の多国籍企業が第2次世界大戦後の高成長を遂げる前から、米国では企業と労働者が反目し合っていた。この国のマネジメント・グル(経営論の泰斗)の草分けと言えるフレデリック・ウィンストン・テイラーが唱えた「能率理論」では、労働者とは大体において怠惰で愚かな集団であるため、手順を厳密に定めた細切れの作業を割り当てる必要があり、企業が繁栄するためには労働者を厳しく管理する必要もあるとされていた。米国経済は個人消費が70%近いウエートを占めるだけに、賃金が上昇しなければ持続可能な景気回復はおぼつかない。現在の税政策はこの国を間違った方向に押しやっている恐れがあるが、もし企業経営者が労働者のことを費用ではなく資産として考え始めたら、その間違いをただすことに寄与するはずだ、としている。

アメリカ議会は、望まれもしない減税法判をまとめて選挙に向けてソワソワしはじめた。Financial Timesのコラムは誠実で内容の濃いものだったが、減税法案とはまるで無関係。政治家の態度に似ている。メディアがタイミングを見計らって、表題でツリながらアクセス数を上げたがるように、政治家は減税で選挙に勝たせてくれとせがむ。コラムの中にあるように、地道で誰が考えてもまともなやり方が結果につながるという、当たり前のことが、まともに語られることもなく、作為とともに本質を見失う。それが読者や有権者に伝わることはないとでも?残念なほど、すべて見透かされている。素直に、真面目に仕事をすればいいだけのことなのだが。

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