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3212.報道比較2017.12.18

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今日の産経の担当者は理性的だ。昨日の北朝鮮批判を書いた担当者に、ぜひあるべき社説の理性を伝えて欲しい。「改革のためには批判だけでなく建設的な議論が必要」。産経内で徹底して欲しい。

産経新聞・社説
WTOの機能不全 米国離反とどめる努力を

世界貿易機関(WTO)が事実上の機能不全に陥っている。憂慮すべき事態である。アルゼンチンでの閣僚会議は先進国と途上国の対立が解けず、6年ぶりに閣僚宣言を出せずに閉幕した。世耕弘成経済産業相は「何も決められない組織として漂流する懸念を持った」という。看過できないのが、WTO批判に終始した米国である。改革の必要性を訴えたことはいい。問題はそのために汗を流すどころか、足を引っ張ったことだ。WTOルールより国内法を優先するトランプ政権の自国第一主義は、そう簡単に変わるまい。それでも日本や欧州は、米国がWTOに背を向けないよう粘り強く働きかけるべきである。WTOでは、全加盟国ではなく有志国が新たな課題を検討する動きも進んでいる。日本が今回提案し、70カ国・地域が賛同した電子商取引のルールづくりもそうである。ここには米国も参加した。日米欧は閣僚会議に合わせ、中国にみられる不当な補助金などに連携して対処するという共同声明を発表した。米国の問題意識を踏まえ、WTOルールを最大限活用する方策を探る。それこそが日本に求められる役割である、としている。

今日の産経の担当者は理性的だ。昨日の北朝鮮批判を書いた担当者に、ぜひあるべき社説の理性を伝えて欲しい。「改革のためには批判だけでなく建設的な議論が必要」。産経内で徹底して欲しい。アメリカの行動を変えさせるのに、もっともいいのは中国が成長することだ。もうひとつは、日欧FTAのような枠組みをいくつもつくることだ。超大国がいなければはじまらない会議や貿易など、ひとつもない。代案はいくらでもあることを実証すればいい。待つ必要などない。

朝日新聞・社説
老朽インフラ 「連携」で対策を急げ

9人の命が失われ、社会に衝撃を与えた中央自動車道・笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故から5年が過ぎた。管理する高速道路会社の当時の社長らが書類送検され、捜査が続くが、インフラの老朽化が招く悲劇を繰り返さないよう対策を急がねばならない。高度成長期に集中的につくられた道路やトンネル、橋などのインフラは、本格的な修繕が必要な時期にさしかかっている。笹子の事故では点検の不備などが問題になり、全国的に安全対策を強めるきっかけとなった。予算については、国が交付金で自治体を支援しているが、財政難のもとでは大幅な増額は難しい。各管理者が財源の確保に努めることが欠かせない。余裕がないなら、新規事業は最小限に絞り、維持・更新に注力すべきだ。早めに修繕した方が長持ちすることを念頭に置いて、計画的に取り組んでほしい。何を繕い、どこをあきらめるか。行政が安全性や対策費用などの情報を公開し、地元の住民と対話を重ねながら見極めていかねばならない、としている。

毎日新聞・社説
危機の社会保障 増える生活困窮者 安全網をどう維持するか

最近は無年金・低年金の高齢者が「最後の砦」になだれ込み、生活保護の受給世帯数は毎年、過去最多を更新している。昨年度は月平均で約163万7000世帯、受給者数は約214万人に上った。65歳以上の高齢者世帯は初めて半数を超え、うち9割は独り暮らしが占めている。しかも、今後20年を経ずして「団塊ジュニア」世代が高齢者の仲間入りをする。国の支出はすでに年間4兆円の大台に近づいている。政府は歳出抑制を図り、安倍晋三政権は13年度以降、3段階で保護基準を引き下げた。問題は給付の引き下げだけではない。安倍政権になってから福祉事務所による親族などへの調査の強化、申請書類の厳格なチェックなどが徹底され、受給者数の抑制が図られている。いわゆる「水際作戦」だ。受給基準にあてはまる可能性がある低所得世帯のうち、実際に受給しているのは約2割との説もある。急場しのぎの給付抑制策を続けていても、このままでは20年後に「安全網」が崩壊することは避けられない。持続させるための方策を真正面から議論する段階にある、としている。

月曜から悲観的な話題を選んだ朝日と毎日。月曜の原稿は週末に刷っている。大きな話題がなければ、事前に準備された原稿で進む。年末を前に、ずいぶんと暗い話題を選出している。危機的とこのあたりの話題を取り上げて、インフラ老朽も5年、年金の話題は10年は経っているだろう。動かない行政の批判もいいが、過去の5年10年の活動のペースがどれだけ遅いのか、検証してみた方がずっと説得力がある。なぜそうしないのか?過去に取材を怠ったのだろう。記録がないのは役所も新聞も一緒。たまに思い出して問題に触れる。公務員の担当者は、その間もずっと地道に作業を進めている。ただ、地道な作業は他の刺激がなければ加速度はつかない。問題があれば時間を使って解決するから、事はどんどんペース・ダウンする。地道に刺激を与える人の存在が重要だ。これをやるのが優秀なリーダーであり、誠実なジャーナリズムなのだが、政治とメディアの無責任さは、常に作業者を批判して忘却する。決して生産的ではない。

読売新聞・社説
中韓首脳会談 危うさが露呈した文在寅外交

文在寅大統領が、就任後初めて中国を訪問し、習近平国家主席と北京で会談した。焦点の北朝鮮の核・ミサイル問題で、朝鮮半島での戦争を容認せず、対話を通じた平和的解決を目指すことで一致した。北朝鮮を対話に導くための圧力については、国連安全保障理事会の制裁決議の履行確認にとどまった。国賓訪問時に通常発表される共同声明は、出なかった。在韓米軍への最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の配備を巡る溝が埋まらなかったからだ。配備に反発する中国は、報復措置を続けている。国内の韓国企業の活動を制約し、韓国への中国人団体観光を規制している。韓国は10月末に、中国の意に沿って、THAADの追加配備は行わず、米ミサイル防衛網には参加しないと表明した。「日米韓の安保協力を軍事同盟に発展させない」との方針も確認した。これで対立を収束できるという文氏の判断は甘かった。中国が配備に反対するのは、THAADのレーダーを通じて、米軍が自国の弾道ミサイルを監視するのを警戒しているからだ、としている。

中国とアメリカは競争相手。多少の衝突はあるが、経済や価値観にはお互いに理解がある。わだかまりがあるのは日中の間だけだ。韓国と中国、韓国とアメリカにも似た環境がある。打算が入るのは当然で、国力が大きくなった中国からの利益を最大化したいのは当然だし、北朝鮮となるべく穏便に、平和的な結論に至るために、アメリカとも中国とも仲良くしたいも当然だ。文氏は確かにブレる。頼りない。だが、日本が求める忠誠のようなアメリカへの依存は、どこのリーダーでも100%選択しないだろう。読売の感情的な発想は、確実に欠陥がある。外交は最適解のために信念とともに、打算や妥協の必要性があるべきものだ。考えもせずにアメリカ依存を唱える方がずっと危険だ。

日本経済新聞・社説
ベンチャーの経営に規律を

ベンチャー企業への資金の流れが日本でも太くなってきた。新産業を育成するにはリスクマネーの供給を増やすのと同時に、ベンチャー企業の経営の規律を強める必要がある。なかでも目立つのは、ベンチャー企業による大型の資金調達だ。今月に入り、家庭用ロボット開発のグルーブX(東京・中央)は最大64億円程度、宇宙開発のアイスペース(東京・港)は101億円の増資を明らかにした。まとまった規模の資金を確保すると製品開発に集中しやすくなるといった利点がある一方、経営の規律が緩くなる懸念がある。米国では今年、著名なベンチャーが甘い経営判断や社員のセクハラなどで壁に突き当たる事例が相次いだ。日本でも経営者は法令順守や経営管理の体制を強化すべきだ。証券会社や会計事務所はベンチャーの実力を冷静に見きわめるべきだ。資金回収を急いで未熟なベンチャーを上場させると、その後の成長が危うくなり、上場企業の質も劣化しかねない。現在、IT(情報技術)に加えて金融や小売りなど幅広い分野でベンチャーが立ち上がり、その製品を使う人の裾野も広がっている。ベンチャーは社会的な責任が増していることを肝に銘じ、成長と規律の維持を両立すべきだ、としている。

ペジー社の補助金不正受給の話かと思ったら、まるで違った。実際に不正が起きているペジーの方がずっと問題なのだが、ピントの合わない懸念を書いている。これもずいぶん前に準備した原稿なのだろう。ただ、ペジーの問題が発覚したのは12.7。せめて加筆はすべきだったと思う。説得力ゼロだ。

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