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3210.報道比較2017.12.16

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あと少しで、賃上げに拍車がかかり、デフレがようやく終わるかもしれない。構造改革よりはバラマキで達成したおかげで、想像を絶する財政赤字が残るが。過労のような非生産的なやり方ではなく、かしこい仕事の仕方に変えていくチャンスにしたい。

朝日新聞・社説
生活保護費 引き下げ方針、再考を

厚生労働省が生活保護費の引き下げを検討している。一般の低所得世帯の生活費と比べて、都市部などで保護世帯の受給額の方が多いという検証結果が出たためだ。子どものいる世帯や高齢者世帯が影響を受ける。生活保護の基準は、経済的に苦しい家庭の子どもへの就学援助や、介護保険料の減免、税制、最低賃金の水準など国民生活に広く関わる。安倍政権は、家庭が貧しくても大学に進学できるよう授業料の減免や給付型奨学金の拡充を打ち出したばかりだ。最低賃金引き上げなど暮らしの底上げも掲げてきた。保護費の引き下げはこれらの政策と矛盾する。いまの検証の方法に対しても、「一般低所得世帯との均衡のみで捉えていると、絶対的な水準を割ってしまいかねない」「子どもの健全育成のための費用が確保されない恐れがある」などの懸念が出された。報告書には「検証方法には一定の限界がある」「これ以上、下回ってはならないという水準の設定についても考える必要がある」などの留意事項が盛り込まれた。仕組み自体に限界があるという指摘は、4年前の前回の報告書にもあった。最低生活保障のあり方をきちんと議論してこなかったのは政府の怠慢だ。堅持すべきラインはどこなのか。時代にあった生活保護の姿を早急に議論するべきだ、としている。

診療・介護報酬よりはインパクトは小さいかもしれないが、セーフティ・ネットとしては機能して欲しい生活保護。金額引き下げは「都市部から去れ」とも聞こえる冷徹な内容だ。仕事の選択肢は都市部に集中する。生活が苦しい人ほど、雇用の幅の広い場所にいた方がいい。もし、本当のセーフティ・ネットなら、期限を設けて一時的に余裕を与えるのが理想的だ。ギリギリの補助では、次の挑戦まで至れない。そこまでの発展的な発想が日本にないのが残念だ。日本には夢を追える権利さえ存在しないのだろう。

日本経済新聞・社説
人手不足への対応は急務だ

日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業、中堅、中小企業をあわせた全規模全産業の業況判断指数(DI)が26年ぶりの高水準になった。景気回復は6年目に入り、中小企業にも裾野が広がってきたが、先行きに懸念材料もある。深刻な人手不足だ。運輸、建設、小売り、宿泊、飲食業など非製造業の人手不足が特に深刻になっている。人手不足は、東京五輪に向けた建設需要の拡大など一時的要因もあるが、少子・高齢化に伴う労働力人口の減少が主因だ。景気回復をさらに力強いものにするには、政府・企業の対応が急務である。同時に、IT(情報技術)などを活用した一段の省力化・効率化も進める必要がある。少ない人数で効率的に仕事ができるようになれば、労働生産性の引き上げにつながる。人材が余剰気味の産業から、不足する産業に円滑に人材が移れるようにする柔軟な労働市場をつくる改革も必要だ。外国人労働者の活用についても、政府は真正面から制度の見直しに取り組むときだ。労働力不足という危機を、日本経済の構造改革につなげる好機としたい、としている。

あと少しで、賃上げに拍車がかかり、デフレがようやく終わるかもしれない。構造改革よりはバラマキで達成したおかげで、想像を絶する財政赤字が残るが。日経の社説には、いつものとおり課題の列挙だけで何ひとつ対策はない。陰鬱な気分になるばかりだ。ようやく達成できそうなデフレ脱却。過労のような非生産的なやり方ではなく、かしこい仕事の仕方に変えていくチャンスになるのを期待している。

産経新聞・社説
診療報酬改定 高齢患者増への備え急げ

来年度の診療報酬と介護報酬のダブル改定には、今後の医療・介護のあるべき姿を描く役割が期待されている。その大枠となる改定率が固まった。診療報酬は、医師の技術料にあたる「本体部分」を0・55%引き上げる一方、薬価を1・74%引き下げ、全体ではマイナスとした。介護報酬は0・54%の引き上げで決着した。待遇の悪さから看護師や介護スタッフが集められず、必要な医療や介護サービスを受けられない地域が増えていくのでは、「介護離職」の解消も難しくなる。新薬への加算を有用性の高いものなどに絞り込み、薬価は毎年改定へと改めることになった。こうした点も勘案すれば、社会保障費の抑制と、医療・介護事業者の経営安定化という2つの要請を同時に実現する、ギリギリの改定率だといえよう。医療費や介護費の伸びの抑制を、報酬の引き下げに求めることには限界がある。民間病院の過剰投資や、必ずしも必要でない入院や検査の重複の是正など、改善すべき点は数多く残されている。2025年問題への備えは、制度改革や国民の健康づくりなど、トータルで考える必要がある、としている。

読売新聞・社説
診療・介護報酬 同時改定で効率化を加速せよ

政府は、2018年度の診療報酬改定で、全体として1・19%引き下げることを決めた。6年ぶりの同時改定となる介護報酬は、0・54%引き上げる。診療報酬は医療の公定価格で、2年ごとに見直される。前回は0・84%の引き下げだった。実質的に3回連続のマイナス改定だ。医療職の人件費などに充てる「本体」部分については、0・55%引き上げる。医薬品価格の「薬価」部分は実勢価格に合わせて1・74%引き下げる。近年、病院経営は悪化傾向にある。地方の医師不足や病院勤務医の過重労働も大きな問題となっている。全体の下げ幅を拡大しつつ、本体の微増を確保したのは、財政健全化と医療体制の安定の双方に配慮した妥当な判断だろう。介護報酬は3年ごとに見直される。前回は2・27%引き下げられた。プラス改定は6年ぶりだ。前回改定以降、介護事業者の倒産が相次いでいる。人手不足が深刻な現状を考えれば、大幅な処遇改善が欠かせない。医療・介護費の膨張抑制は、社会保障を持続可能にするカギだが、必要なサービスの提供が危うくなっては、国民の安心は得られまい。病院依存から在宅ケアへの方向性に沿ったメリハリのある報酬設定にすることが肝要だ、としている。

形式的で、内容まで酷似している産経と読売。こういう時は、政府や行政から何らかの指針が出されたのだと読み解くことにしている。これでは社説としては機能停止だ。前述の朝日の生活保護の方が重要なトピックだろう。

日本経済新聞・社説
米の利上げはどこまで進むか

米国が今年3度目となる政策金利の引き上げに動いた。来年2月に退任するイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の下では最後の利上げになりそうだ。イエレン体制下のFRBは2014年10月に量的緩和を終了し、そこから1年あまりたった15年12月にゼロ金利政策の解除に踏み切った。その後2年かけて政策金利を今回決めた1.25~1.50%まで引き上げたことになる。基本的には極めて慎重な姿勢で利上げを進めてきたといえる。その結果、金融市場に大きな混乱は起こらず、失業率が4%近くまで下がるなど経済の順調な回復につながった。その一方で、商業用不動産価格や株価の大幅な値上がりなど、バブル的な状況を招きつつあるとの見方もある。米国の利上げがどこまで、どんな形で進むかは、好調な世界経済の行方にも大きな影響を与える。来年は欧州中央銀行(ECB)も量的緩和の縮小を始める予定で、金融面からの追い風は徐々に消える。世界経済が中央銀行の支えなしでも拡大できる基礎体力を備えているかが試されることになる、としている。

まだ案に過ぎない税制よりは、アメリカの利上げを優先するのは経済紙としては適切。中央銀行のマネーで進んだ景気拡大の逆流を警戒するのも常識的だ。1か月前は株高に浮かれていたが…

Wall Street Journal
日欧EPA妥結、貿易で取り残された米国 (2017.12.15)

日本と欧州連合(EU)が先週妥結した経済連携協定(EPA)は、ドナルド・トランプ米大統領の貿易保護政策が米企業や農家にどのような被害をもたらすかを示している。合意によって日欧間では95%以上の品目で関税が撤廃されるほか、非関税障壁も削減される。米国は12カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、魅力的な日本の農産物市場へのアクセスを失ったが、欧州はそれを手にすることになる。米農務省によれば、日欧EPAによって欧州産豚肉への輸入割当枠は撤廃され、関税は10年かけて80%から約17%まで下げられる。日本の冷蔵豚肉市場の58%、加工豚肉市場の63%を占める米国の農家にとって、これは痛手だ。欧州は日本の冷凍豚肉市場の62%を占めている。米国にはTPPを通して多国間貿易の新たな基準を設定し、米国からの輸出を劇的に増やすチャンスがあった。米国がTPPから脱退した後、そのようなリーダーシップを求めて安倍氏は欧州に目を向けた。今後、米国との2国間協定に関する交渉を引き伸ばしにかかるだろう。トランプ政権は貿易相手国から譲歩を引き出す考えだったが、それが裏目に出ることになり、相手国は別の相手と新たな関係を築いている。失われた機会の代償を払うのは米国企業であり、その被雇用者たちだ、としている。

人民網に遅れること2日。まさかコンテンツの生産ですでにアメリカが中国に負けはじめている?日本とヨーロッパの貿易に興味などない?どちらにしても、今までのアメリカでは考えられないスピードと価値観。Wall Street Journalまでアメリカ孤立主義に走るのだろうか?

人民網日本語版
中日関係世論調査 両国関係発展への評価は徐々に改善 (2017.12.15)

中国外文局(中国国際出版集団)と日本の言論NPOが主催する第13回「北京―東京フォーラム」中日関係世論調査の結果が14日、北京で発表された。中日の回答者の相手国に対する印象と中日関係の発展に対する評価はともに徐々に改善しているが、中日関係を好転させる民意の基礎は依然堅固でないことが示された。中国人回答者で現在の中日関係は「悪い」または「どちらかと言えば悪い」とするのは64.2%で、16年調査時より14ポイント下がった。日本人回答者で現在の中日関係は「悪い」または「どちらかと言えば悪い」とするのは44.9%で、16年調査時(71.9%)より大きく下がった。中日関係の改善発展を阻害する主な原因として回答者が挙げるのは依然領土紛争と歴史問題だ。中国人回答者の64.7%が釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題を両国関係の発展を阻害する主要な原因に挙げ、日本人回答者では66.5%と昨年とほぼ同水準だった。「中国侵略の歴史について日本は誠実に謝罪、反省していない」ことが、中国人回答者が日本に悪い印象を抱く大きな原因だ(67.4%)。「歴史問題の解決なしに、中日関係の発展はない」と考える中国人回答者は51%まで増加し、初めて過半数を超えた、としている。

別の調査結果で、中国人の最も行きたい外国がランクアップして日本が1位になったという。それだけ日本への印象は好転しているようだ。私の中国への印象は、以前から変わらない。中国人はとても好き。中国政府には警戒。これは、トランプ氏が大統領になったことで、いまのアメリカにも通じる。きっと中国人の感覚も似ているから、日本への訪問を前向きに考えてくれるのだろう。メディアの価値観を鵜呑みにして二の足を踏むのは、日本人くらいだ。自分の価値観で世界を見よう。

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