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3207.報道比較2017.12.13

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20億程度の武器の調達を、なぜいまオープンにする必要があったのか?抑止につながるよりは攻撃の口実を与えるだけの気もするが。

朝日新聞・社説
巡航ミサイル 専守防衛の枠を超える

防衛省が長距離巡航ミサイルの導入を決めた。来年度当初予算案に関連経費約22億円を追加要求する。今回、航空自衛隊の戦闘機に搭載する米国製ミサイルは射程900キロ。日本海から発射すれば北朝鮮全域に届く。これほど長射程のミサイルがイージス艦防護や離島防衛に不可欠とは言えない。長距離巡航ミサイルの導入は、専守防衛の枠を超えると言うほかない。厳しい財政事情のなかでも、安倍政権は5年連続で防衛費を増額してきた。米トランプ政権が同盟国への武器輸出に熱を入れるなか、日本がひとたび専守防衛の枠を踏み越えれば、さらに巨額の兵器購入を迫られることはないのか。なし崩しに安全保障政策の転換をはかる安倍政権の姿勢は危うい。年明けの通常国会で徹底的な議論を求める、としている。

産経新聞・社説
長距離巡航ミサイルの導入、「座して死を待つ」避け、国民守るために欠かせない

政府が、航空自衛隊の戦闘機用に3種類の長距離巡航ミサイルを導入する方針を固め、平成30年度予算案に関連経費を計上する。日本の防衛力、抑止力を高める有効なものであり、これまで装備していなかった方がおかしい。導入の判断は妥当だ。導入の意義はそれにとどまらない。政府は「敵基地攻撃を目的としたものではない」としている。だが、長い射程を生かし、対日攻撃をもくろむミサイル発射台を叩(たた)く「敵基地攻撃能力」へと発展させることが可能であり、そうすべきだ。政府は、ミサイル発射が確実であり、他の手段がなければ、敵ミサイル基地への攻撃は合憲であるとの立場だ。「座して死を待つ」のは、憲法が認める自衛の趣旨に反するからだ。中国や北朝鮮の脅威を眼前にしてなお、自衛隊の手足を縛る「専守防衛」にこだわりたいのか。国民を守る視点を優先しない議論は、日本の防衛意思を疑わせ、抑止力を損なう、としている。

読売新聞・社説
巡航ミサイル 抑止力向上へ着実に導入せよ

日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。様々な危機に効果的に対処するため、長射程の巡航ミサイルを導入する意義は大きい。防衛省が2018年度予算で、航空自衛隊の戦闘機に搭載する長距離巡航ミサイルの導入関連費を追加要求した。射程500キロのミサイルの購入費21億6000万円と、2種類の射程900キロのミサイルの調査費3000万円だ。北朝鮮や中国の軍備増強が進む中、自衛隊が離島やイージス艦を防衛するうえで、こうした能力の保持は急務だ。長射程のミサイルで確実に反撃する手段を持つことは、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力の向上にもつながる。政府は長年、発射が差し迫っているミサイル基地への攻撃は憲法に違反せず、自衛の範囲に含まれるという見解を堅持している。野党の一部が「敵基地攻撃能力を保有するのは憲法上、問題だ」と批判するのは的外れだ。政府は来年、防衛大綱を見直す。米軍との連携を前提にした敵基地攻撃能力と、巡航ミサイルの活用についても議論を深めたい、としている。

金額としては、大したことはない。今のところは。アメリカが「お買い上げ、ありがとう!」という予算規模にはなっていない。ケタが違うのでは?と思える額だ。この購入予算の公開は、北朝鮮への抑止を狙った意味だろうか?いま言う必要性は特にない話だ。各紙は抑止力ばかり強調するが、これで北朝鮮は日本を攻撃する口実を得ることになる。アメリカ軍基地だけでなく、日本の基地も対象になるだろう。事前に公表する日本の意図は何だろう?私には理解できない。

日本経済新聞・社説
利用者向いた卸売市場改革を

政府は、民間企業が中央卸売市場を開設できるようにするなど卸売市場の改革策を決めた。合理的な理由のない規制はすべてなくすという規制改革推進会議の提言に比べ、後退した部分も多い。卸売市場は危機感を持ち、利用者を向いた改革を進めてほしい。これまで中央卸売市場は一定規模の自治体しか開設できなかった。今回の改革で、民間企業が開設した場合でも政府が公共性などの観点から認定すれば「中央卸売市場」の看板を掲げられるようになることは前進だ。取引する商品は市場内に運び込まなければならない「商物一致の原則」なども、法律に基づく規制がなくなる。インターネット通販に対応したり、物流を合理化したりする上で評価できる。卸売市場改革をめぐる議論で、改革反対派からは規制をなくし、公的な側面を後退させれば市場運営をやめる自治体が出てきてしまうという声も聞かれた。だが、現実の卸売市場は整理統合が遅れ、赤字経営の仲卸も多い。規制緩和を機に、卸売市場全体の合理化を進めるべきだ、としている。

中央卸売市場の存在意義をどう捉えるべきなのだろう?民間企業が開設したがる意味は判る。クルマのオークションのように、流通のハブを担えれば、市場はビジネスの大きな基地になれる。だからこそ行政が認可を目論むのだろうが、サービスの質があまりに前時代的だ。流通の革命は、ITやコミュニケーションのスピードの急進を経て、さらに進化するはずだ。物流は自動化と情報の集約基地になっていく。いまの改革策がどこを見て、何を目指しているのか見えない。

毎日新聞・社説
英EU離脱条件で基本合意 ようやく出発点に立った

英国と欧州連合(EU)が離脱の条件で基本合意した。あすからのEU首脳会議で正式に承認されれば、交渉は「将来の関係」を決める次の段階に進む。最大の懸案だった清算金は、英国が当初提案した額のほぼ倍増に応じて決着した模様だが、具体的な金額は明示されていない。英国とEUはようやく本格交渉の出発点に立った。これからが真の正念場である。離脱後の通商協定をはじめ膨大な作業が必要になり、新たな難問が山積している。当面は2年程度の「移行期間」を設けることが模索されている。それでもその間の関税をどうするかなど暫定的な措置を決めておかなくてはならない。最終合意は英国とEU加盟各国議会の承認を得る必要があり、来年秋までに交渉が妥結しないと間に合わない。合意のないまま離脱すれば、新たに輸出関税が発生するなど、英国に進出している日本はじめ外国企業も大きな混乱に巻き込まれる。残された時間は少ない。英国とEU双方に一層の努力を望みたい、としている。

日欧EPAの話を脇に置いて、英国のブレグジットを心配している。毎日のセンスは奇妙だ。

Wall Street Journal
NYのテロ、もはや運の良さでは防げず (2017.12.12)

2001年9月11日の米同時多発テロ以降、ニューヨークでは長年にわたり深刻なテロ攻撃は再発しておらず、市民や警察はそれを誇りとしてきた。しかし事態は変わっているのかもしれない。9・11後から続く現状を見直す必要があるのではないかとの疑問が今、生じている。マンハッタン中心部のポート・オーソリティ・バスターミナル近くで11日、通勤ラッシュアワーの最中にバングラデシュ出身のアカエド・ウラー容疑者がパイプ爆弾を爆発させた。イスラム教徒のテロリストによるニューヨーク市内での攻撃はここ14カ月で3度目だ。われわれに分かっているのは、イスラム教徒が多く住む地域に暮らす米国出身者のテロリストが、わずか1年余りで3度も市の治安維持体制をすり抜けたという事実だ。市には政治的に敏感なさまざまな事情があることは分かっている。しかし、地元出身のテロリストが多くの罪なき通行人や通勤人の命を奪う前に、監視の拡大について議論する機会を設けるべきだ。そうなった後では遅すぎる、としている。

公式に宗教や人種で監視対象にするのは、いまの世界では極めて難しい。もし、そうしたら、テロリストは人権を隠れる口実に使いはじめる。ますますテロの防御は難しくなる。今のところ、テロリストは宗教を攻撃の口実に使ってはいるが、人権を防御壁には利用していない。彼らの攻撃はフラストレーションや不公平感への衝動であり、ロシアが描くような陰湿な工作にはほど遠い。非公式に、見えないまま監視しつづけるのが一番だ。

人民網日本語版
米学者ら「中国を抑え込むのは非現実的」 中国外交部の反応 (2017.12.12)

中国外交部(外務省)の陸慷報道官は11日の定例記者会見で「中国側は、米国の対中政策は時代の流れについていくべきだとの主張に賛同する。王毅外交部長(外相)は最近『中米間には相互適応、小異を残して大同につくこと、協力・ウィンウィンが必要だ』と言及した」と述べた。王部長は「中米は利益の相互融合が進み、すでに共通利益が溝を遥かに上回っている」「双方は協力すれば互いに勝ち、対立すれば必ず共倒れする。これは戦略的視点と明晰な頭脳を持つ人なら誰しも認める客観的事実であり、人の意志では変えられない必然的趨勢でもある」「中国に米国を変える意図はなく、米国に取って代わることも望まない。米国は中国を左右できず、ましてや中国の発展を阻止することはできない」「中米両国にとって、ゼロサムの角逐、対立を図る古い思考はすでに価値がない。小異を残して大同につくこと、協力・ウィンウィンこそが未来を切り開く正しい道だ」と表明した。王部長は「中米間には一層の相互適応が必要だ」「中国は相互尊重を基礎に、超大国である米国との平和共存を望んでいる。米国も自らの国情に合った発展路線を歩み、中国の特色ある社会主義を堅持する中国を理解し、受け入れる必要がある」「中米の付き合いは当然ルールを遵守する必要がある。このルールとは一般に認められる国際法と国際関係の基本ルールであり、国連憲章の趣旨と原則であり、中米が共に署名した3つの共同コミュニケだ」とした、としている。

中国の勝利とでも言うべきだろう。アメリカだけでなく世界は、もう中国なしの世界には戻れない。膨らんだ経済力を受け入れるしかない。中国はアメリカにそう言わせることに成功した。中国はさらに貪欲になっていくだろう。

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