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3206.報道比較2017.12.12

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ヨーロッパとEPA。賢人会議を開催する外務省。徐々にアメリカ迎合をやめはじめた日本。理想的だ。

産経新聞・社説
日欧EPAの妥結 自由貿易拡大の起爆剤に

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉が妥結した。国内市場の縮小が懸念される日本にとり、海外との経済連携は成長に欠かせぬ基盤となる。日欧間の貿易・投資を伸ばすだけでなく、世界の自由貿易をさらに進める起爆剤としたい。関税が撤廃されれば、自動車などの対欧輸出の追い風となる。ワインやチーズなど安全で安価な輸入品が増えれば、消費者に恩恵を及ぼそう。これに対応できるよう国内の農畜産業の競争力強化にも万全を期すべきである。2年に1度の世界貿易機関(WTO)閣僚会議が開催中だ。WTOの貿易交渉が行き詰まる中、これを打開する多国間協定への期待は大きい。電子商取引などの課題に対応する上でも日欧交渉の成果は重要だ。日欧やTPP加盟国でWTOの議論を主導したい、としている。

Wall Street Journal
WTO閣僚会議、中国の美辞麗句を信じるな (2017.12.11)

ブエノスアイレスで今週開かれる世界貿易機関(WTO)の閣僚会議については、世界の貿易障壁の解消という点であまり進展を期待しない方が良い。その責任の大部分は、トランプ米政権が負うだろう。米国のリーダーシップが欠けるなか、あらゆる目が中国の習近平国家主席に注がれている。習氏はこれまで機会を逸することなく、自由貿易推進というWTOの使命に支持を表明してきた。習氏は中国が2001年にWTOに加盟して以降、多大な恩恵を受けてきたことを認めている。中国は、2001年にWTOに加盟した際、農業の関税と補助金の引き下げで十分な譲歩をしたと主張している。また2013年にインドネシアのバリ島で開かれたWTO閣僚会議では、中国とインドは(無駄な)国内支援プログラムを超える際の既存の法的制約条件を回避できる「一時的な」権利を獲得した。そしてブエノスアイレスの会議では、両国は世界的に見て競争力のない自国の農業従事者を恒久的に支援する権利を主張するだろう。実際どの程度建設的なのかは、中国が今後も貿易相手国を犠牲にしたまま特別扱いを求め続けるかどうかに左右される。今週のブエノスアイレス会合はある重要な問い掛けに光を当て始めるかもしれない。それは、そもそも習氏の自由貿易の話が、ドナルド・トランプ氏に対抗して政治的な得点を稼ぐ以上に価値あるものなのだろうかという問い掛けだ、としている。

ひさしぶりに抜け目ない日本という行動ができた。アメリカは中国を批判している場合ではない。アメリカ第一主義という名の孤立の悪い側面も見えはじめていることを認識した方がいい。日本は貿易面ではアメリカ迎合から距離を置いている。理想的だ。

朝日新聞・社説
核なき世界へ 日本の登場、待たれている

核兵器を使う、作る、持つ。そのすべてを法的に禁じる核兵器禁止条約の採択を推進した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN〈アイキャン〉)に、ノルウェーのオスロで、ノーベル平和賞が授与された。授賞式では初めて被爆者が演説に立った。広島で被爆したサーロー節子さん(85)。13歳のときの被爆体験を語り、「核兵器は必要悪ではありません。絶対悪です。私たちの警告を心に留めなさい」と呼びかけた。このままでは核軍縮が前に進まない。核保有国による段階的削減を待つのではなく、非核保有国が主役となり、主体的に廃絶へ導こう。そんな危機感が新たなムーブメントとなった。日本は戦争被爆国として、核保有国と非核保有国の橋渡し役を自任するのではなかったか。日本が国連に毎年提出している核廃絶の決議案に賛同する国は、今年、大幅に減った。このままでは保有国の代弁者として見られる可能性すらある。条約が発効すれば締約国会議が開かれる。その場には批准していない国も、オブザーバーとして参加できる。たとえばそうした場への参加の意向を示し、被爆国として議論に参画していく積極性があっていい。核の禁止を求める国は、日本の登場を待っている、としている。

毎日新聞・社説
被爆者が平和賞で演説 「諦めるな」世界で共有を

ノーベル平和賞の授賞式で被爆者が初めて演説した。カナダ在住のサーロー節子さん(85)だ。受賞団体である「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長がスピーチする際、ともに壇上に上がった。それはサーローさんが各国で被爆体験を証言するなど、核兵器禁止条約の採択に重要な役割を果たしてきたためだ。核保有国や「核の傘」の下にいる日本などは条約に参加していない。米英仏露中の5大国のノルウェー駐在大使は授賞式を欠席した。条約を巡る対立が平和賞の式典に持ち込まれたのは残念でならない。唯一の戦争被爆国、日本は核保有国と非核保有国の橋渡し役が求められる。被爆者の思いを重く受け止め、条約への対応を再考すべきだ、としている。

賢人会議が外務省主導で開催されたのを見れば、政府や行政にも、多少の後悔があるのだろう。世界の核軍縮への機運の強さ、北朝鮮対応を考えれば、日本政府はアメリカだけを見ているべきではなかった。ノーベル平和賞という栄誉に距離を置くほど、核廃絶に後ろ向きな姿勢を強調される。結果、北朝鮮問題への協力も、論理整合性も失われ、アメリカのイヌとの汚名が鮮明になる。安倍政権の外交は決して褒められるものではない。ただアメリカに迎合しているだけだ。戦略がないのだろう。

日本経済新聞・社説
もんじゅ廃炉のコスト監視を

廃炉が決まっている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、運転主体の日本原子力研究開発機構が計画をまとめ、原子力規制委員会に申請した。2018年度に核燃料の取り出しを始め、47年度まで30年かけて撤去する。費用は3750億円の見込みで、通常の原子力発電所の廃炉に比べ5倍以上だ。もんじゅは普通の原発とは仕組みが違い、炉心の熱を取り出すのにナトリウムを使う。ナトリウムは水と混じると爆発する恐れがある。機構によれば、安全な抜き取りには新たな技術開発が必要になり、コストが膨らむという。廃炉の計画づくりや工程管理を機構だけに任せず、第三者が厳しくチェックすべきだ。廃炉対策では文部科学省を中心に省庁横断のチームを設けているので、この組織に実務者を加えるなどして監視を強めるのも一案だろう。ウランの有効活用をめざす核燃料サイクルでは、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)も完成が遅れ、コストが膨らんでいる。電気料金に上乗せする形で費用を負担しているのは国民だ。コストが野放図に増えるようでは国民の理解は得られない、としている。

休刊日前の産経の後を追う内容。監視が重要と判っているなら、それはジャーナリズムの仕事だ。ちゃんと仕事して欲しい。

読売新聞・社説
五輪テロ対策 機動力とハイテクで抑止図れ

政府が、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた「テロ対策推進要綱」を決定した。対策推進本部長を務める菅官房長官は、「国際テロ情勢は極めて危険な状況だ。万全を期す必要がある」と強調した。車で群衆を無差別にはねるなど、手口が多様化するテロが各国で頻発していることへの危機感の表れだろう。外務省や警察庁、国土交通省など関係11省庁の職員が常駐し、テロ情報を共有する。各省庁が蓄積してきたデータベースなどと照合して分析し、その結果を官邸に迅速に提供して対応策を講じる。警備に威力を発揮するのが、人工知能(AI)をはじめとするハイテク技術だ。顔認証システムで、競技場の来場者を識別することが検討されている。スマートフォンなどを入場時の本人確認に使う電子チケットも選択肢の一つだ。群衆の中から不審者を効率的に割り出す仕組みが求められる。漏れのない警備体制を敷くことが、五輪の成功につながる、としている。

何も判らず、政府の発表資料から転載したのだろう。電子チケットや顔認証の前に、日本にはIDがない。個人特定のノウハウなどどこにもない。国際的な情報の前に、国内の犯罪で検討すべきことのはずだ。それだけの運用をできる能力も信頼も、いまの警察にはないだろうが。

人民網日本語版
オーストラリアは事実に基づく対中認識を持たねばならない (2017.12.11)

メディアが風聞を頼りに、いわゆる「中国はオーストラリアに対して影響力を浸透させている」との報道をでっち上げた。続いて、政治屋が事実と異なるメディアの報道に見境なく迎合し、「対中関係に境界線を引く必要がある」と表明さえした。偏見に満ちた言行は中豪関係の正常な雰囲気を壊し、下手な「二人羽織」が両国の相互信頼と協力の基礎に打撃を与えた。オーストラリアのメディアと政治屋の「対中不安障害」が暴露するのは、対外関係の発展に対する功利的心理だ。オーストラリアが先日発表した2003年以来となる外交白書に、こうした心理が読み取れる。白書は、オーストラリアにとって中国経済の持続的発展は重要なチャンスであり、国際・地域問題で中国が一層の役割を発揮することを歓迎すると語る一方で、「地域の安全保障上の空白を埋めつつあり、危険の増加を招く」と中国を非難した。中国は一貫して相互尊重と相互内政不干渉の原則を基礎に他国との関係を発展させている。対中関係の問題の扱いにおいて、事実に基づく原則を堅持し、政治的偏見と固執を棄て、溝と敏感な問題を対話と交流によって適切に処理するようオーストラリアの政府とメディアに忠告する。これこそがオーストラリア自身の利益とアジア太平洋地域全体の利益に合致する唯一の正しい選択だ、としている。

久しぶりに、人民網の強烈な批判を目にした。オーストラリアは中国への恐怖心が鮮明になりはじめている。経済の中国依存度が高いオーストラリアが簡単に中国と距離を取れるとは思えない。韓国ほどではないだろうが、すでに中国なしでは食えない国になりつつある。中国批判はポピュリズムのひとつだったのだろう。政治の駆け引きで中国を批判しても、中国と同じレベルの客は、世界のどこにもいない。中国も冷静に笑い飛ばせる余裕を、そろそろ手にして欲しい。

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