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3203.報道比較2017.12.9

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盲目的な政府応援団だった産経と読売は、選挙以降ずっと建設的な批判を展開している。一方で、政権批判がまるで空回りしているのが朝日と毎日。野党と同じレベルまで信頼が低下し、没落の印象だ。

産経新聞・社説
人づくり革命 働き手の減少に対処せよ

幼児教育・保育の無償化をはじめ、大学などの無償化、介護福祉士や保育士の処遇改善など幅広いメニューがごった煮になっている。それぞれ、必要かつ意義のあるテーマではある。しかしながら、「人づくり」とどう結び付くかについて、説得力のある説明は見当たらない。少子高齢化で働き手世代は大きく減っていく。そうした中でも経済を伸ばしていくには、人々の能力を高め、成長を図っていかなければならない。「人づくり革命」で真に問われるのは、どの分野に人材を送り込んでいくかという大きな構想を描くことだ。それは同時に、個々のスキルに磨きをかける仕組みを整えていくことである。だが、議論は「無償化」の内容や線引きに集中しがちだった。資源に乏しい日本が「豊かな国」であり続けるため、人材投資を惜しんではなるまい。必要なのは、若い世代が減る以上、成長分野に人材が輩出されるような政策的な後押しである。それがうまくいくよう、政府は今一度、人づくりの原点に立ち返るべきだ、としている。

読売新聞・社説
政策パッケージ 理念を具体化する工夫が要る

政府が「新しい経済政策パッケージ」を決定した。少子高齢化に立ち向かうため、「人づくり革命」と「生産性革命」を進める。人づくり革命は、高齢者向け中心の社会保障政策を、子育て世帯など全世代型に転換する。人手不足が深刻な保育士、介護職員の処遇を改善するのは、喫緊の課題であり、妥当である。問題なのは、厳しい財政事情の中、目玉事業である教育の無償化にちぐはぐさが目立つことだ。3~5歳児は幼稚園、認可保育所、認定こども園を一律に無償化する。既に保護者の所得に応じた減免制度があり、全面無償化は高所得層への恩恵が大きい。さらに熟考が必要なのは、大学など高等教育の無償化だ。大学教育は、授業の内容や、学生の意欲・適性によって成果が大きく左右される。指針の運用が、形ばかりに終わってはなるまい。どこまで実効性あるものにできるかが問われている。生産性革命の分野は、18~20年を「集中投資期間」とした。一定の賃上げや設備投資を行う企業への法人税減税、中小企業のIT投資支援などを盛り込んだ。雇用の流動化を図り、伸び盛り企業への人材供給を後押しする。女性や高齢者の活躍を促す。こうした労働市場作りが大切だ、としている。

盲目的な政府応援団だった産経と読売は、選挙以降ずっと建設的な批判を展開している。人づくり改革にはずっと説得力のなさ、具体性のなさを指摘している。結局、政府は回答を示せなかった。来年の国会でも継続して議論して欲しい。産経と読売の今後にも期待している。

朝日新聞・社説
憲法70年 内閣と国会に緊張感を

特別国会がきょう閉幕する。改めて鮮明になったのは国会を軽んじる安倍政権の姿勢だ。森友学園への国有地売却をめぐり、会計検査院が手続きのずさんさを指摘する調査結果を国会に報告した。野党の質問でいくつもの疑問が浮かんだのに、政権は再調査や関係者の国会招致をことごとく拒んだ。「55年体制」を懐かしむわけではない。だが今、国政選挙で連勝を重ねる安倍首相は、野党と話し合おうとする努力をあまりにも欠いてはいないか。首相に読み返してもらいたい憲法の条文がある。「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う」(66条)内閣は行政権の行使に当たって、国会によるチェックを受ける。そのことを通じて、内閣を主権者である国民の民主的なコントロールのもとに置く。権力分立を実現するための、重要な要素だ。党首討論の月1回開催▽野党の対案がある場合は、内閣提出法案と同時に審査する▽議員同士の自由討議を活用する▽閣僚が国際会議などで出席できない場合は副大臣らが答弁する。3年前、自民、民主など4党が合意したのに十分に実行されていない。これらの案を出発点に、再協議を始めてはどうか。行政を監視し、緊張感ある政治をつくる。国会の重い使命に与野党の違いはない、としている。

毎日新聞・社説
報道比較14〜17まで

政府は天皇陛下が2019年4月30日に退位される日程を閣議決定した。退位に伴い翌5月1日に皇太子さまが天皇に即位し元号も変わる。政府は退位と即位の儀式について検討を始める。天皇退位は江戸時代の光格天皇以来約200年ぶりだ。この間、時代は大きく変わり、天皇は国民統合の象徴となった。伝統を生かしつつ、簡素で国民が身近に感じる形式がふさわしいだろう。退位した天皇は上皇になる。公務を新天皇に引き継ぐが、明治以降では初めて新旧の天皇が併存する。なにより、最大の問題は安定的な皇位継承をどう維持していくかだ。皇室典範は皇位継承資格を男系男子に限定している。男系男子での継承が行き詰まったときどうすればいいのか。真剣に考える必要がある。退位問題では天皇制を自由に議論できる雰囲気が醸成された。陛下の退位日に当たる法施行日を待たずに、天皇制の将来を見据えた国民的な議論を始めるべきではないか、としている。

政権批判がまるで空回りしているのが朝日と毎日。野党と同じレベルまで信頼が低下し、没落の印象だ。問題は批判を前提にしたアラ探しのような感情的な主張が目立つこと、地道な取材がないため、一過性の批判に留まることだ。継続しているのは批判という感情だけ。もはや対案を出せるとは期待できるレベルでさえない。産経と読売と比べると、品質は著しく下がっている。

日本経済新聞・社説
5Gにらみ電波の有効活用を

電波はいわゆる第4次産業革命を支える重要インフラの一つで、第5世代(5G)と呼ばれる次世代の高速携帯通信のほか、自動運転やドローンの遠隔制御、ワイヤレス充電といった新技術を実現するには欠かせない。逼迫する電波資源を適切に配分し、日本経済の成長につなげたい。答申は電波のどの領域(周波数帯)が、どんな用途に割り当てられているのか、利用実態の「見える化」が必要だとした。携帯通信会社や各放送局への割り当てについては一定の情報開示が進んでいるが、警察や消防など公共部門の使用実態は非開示が多い。通信の傍受や妨害の恐れのないよう配慮しつつ、開示を進めるという方針は妥当だろう。議論を呼びそうなのが、継続して検討することになった電波の入札制だ。高い金額を払う事業者に優先的に利用権を与える仕組みで、導入推進派は「価格で決まるので電波行政の透明性が上がる」「日本以外の先進国はすべて導入済み」などと主張する。その結果、例えば5Gのサービス料金が跳ね上がるような事態になれば、むしろ新技術の普及を妨げかねない。入札制については、通信市場の競争促進策とセットで議論する必要がある、としている。

日経は入札に批判的な立場なのだろうか?入札よりフェアな制度はまったくイメージできない。総務省は通信業者にずいぶんと強権を行使しているし、価格高騰につながるとは考えにくい。MVNOの普及もそれなりに機能した。何の議論をしたいのだろう?

Wall Street Journal
破壊者トランプ氏、「首都エルサレム」の思惑は? (2017.12.8)

ドナルド・トランプ米大統領は長年にわたる政策を覆し、エルサレムをイスラエルの首都と認定した。これは、型破りな考えを推し進めることで、伝統的な米外交政策に挑むというトランプ氏の衝動的欲求の表れだとアナリストは分析する。アナリストは、どの程度米国の助けになっているのかという尺度で合意や同盟国を評価するトランプ氏の「米国第一」の哲学は、まだ大きな成果を上げていないと指摘する。トランプ氏の今回の決定はイスラエルの指導者らを勢いづかせる一方で、世界各国の首脳からは、米国がイスラエル・パレスチナ問題における効果的な仲介者としての役割を果たすことが難しくなるとの批判が広がっている。エルサレムをイスラエルの首都と認めるとのトランプ氏の発表は、同氏の統治哲学が生きていることをあらためて浮き彫りにする。トランプ氏は選挙期間中、米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると重ねて訴え、保守派やキリスト教福音派の支持者を熱くさせた。選挙公約を果たすための創造的な方策を見つけるよう指示したと米当局者は明かす。米政府関係者は、抗議活動は早期に終息し、アラブの同盟国は再び米国と協力するようになるだろうと予想する。ブルッキングス研究所中東政策センターのシニアフェロー、タマラ・コフマン・ウィッテス氏は、トランプ氏は取引外交を展開していると指摘。「外交政策コミュニティー関係者の多くは、トランプ氏は数十年に及ぶ超党派による外交政策のコンセンサスを単に覆しているだけで、極めて破壊的だと考えている」とし、「だがトランプ氏が、われわれ全員を競争相手だと考えているのなら、彼の発言は破壊のための破壊ではなく、現実だ」と述べる。そしてこう加えた。「トランプ氏の世界観は極めて暗い」としている。

1年経ってもトランプ氏をまともに分析できる人はいない。分析する意味があるのかさえ不明なほど、支離滅裂で無計画に見えるのは私だけだろうか?減税法案が可決されれば、トランプ氏のはじめてに近い功績だろう。減税という難題を1年で実現したのは素晴らしい。が、何のために?史上最長の景気拡大をさらに伸長するためだろうか?何もかもが意味不明だ。

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