ORIZUME - オリズメ

3201.報道比較2017.12.7

3201.報道比較2017.12.7 はコメントを受け付けていません。

トランプ氏のエルサレムの話は知っていても、NHKの受信料を最高裁が合憲と言ったニュースは聞こえてこない。40代の日本人の私に。隔絶された生き方でもないし、不自由も感じない。そんな時代だ。

Wall Street Journal
米大使館移転に反対するユダヤ的根拠 (2017.12.6)

ドナルド・トランプ米大統領は6日、イスラエルの「米国大使館を(テルアビブから)ユダヤ人の永遠の都であるエルサレムに移転する」という公約を間もなく実行するかどうかを表明する見通しだ。一部報道によると、トランプ氏はエルサレムを正式にイスラエルの首都と認める一方、大使館の移転を遅らせることで妥協を図りたい考えだという。シオニスト(パレスチナにユダヤ人国家を建設する運動の支持者)である筆者は、エルサレムがイスラエルの永遠の都であり、現代の首都でもあることに同意する。しかしシオニストだからこそ、今そうした行動を取ることには反対だ。どれほど魅力的に思えても、実行に移せば生命をいたずらに危険にさらすからだ。シオニズムはユダヤ人の民族自決という長年の夢を実現することが根底にあるが、常に現実主義的な精神と結びついてきた。シオニストは世界にユダヤ人の存在の大切さを示すことで、歴史の犠牲者ではなくその行為者となることを目指す。それには現実主義が必要だ。つまり本当に戦うべき闘争はどれなのかを抜け目なく判断することだ。イスラエルのエフード・バラク元首相は最近、「安全が何より優先される」ことをイスラエル人なら誰でも理解していると指摘した。米大統領が公約を実現すれば、安全ではなく逆に不安定さを促すことになる、としている。

毎日新聞・社説
米がエルサレムは「首都」 対立あおる危険な決定だ

米政府は5日、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定し、今はテルアビブにある米大使館のエルサレム移転を決めたことを明らかにした。大統領自身が表明する予定だ。東エルサレムを首都として国家樹立を目指すパレスチナ自治政府をはじめ、アラブ各国は猛反発している。これに便乗したテロが各地で起きることも懸念される状況だ。米議会は95年、大使館移転を求める法を制定したが、歴代政権は執行を延期してきた。それは、同盟国イスラエルへの配慮と米国の国際的な責任を両立させる知恵とも言えた。今、米国が努めるべきなのは和平交渉再開に向けた仲介であり、国際社会が支持する「2国家共存」の枠組みを崩すことではないはずだ。聖地を政治の道具にしてはならない。紛争の地・中東に新たな火種を投じるのは、米国に不利益をもたらすだけである、としている。

シオニストからも批判されるトランプ氏のエルサレム首都宣言。冷静なユダヤ人の寄稿の方が、奇妙な行動よりずっと説得力がある。トランプ氏は何をしたいのか、相変わらず判らない。

朝日新聞・社説
NHK判決 公共放送の使命を常に

家にテレビがある者はNHKと受信契約を結ばなければならない――。そう定める放送法の規定が「契約の自由」などを保障する憲法に反するかが争われた裁判で、最高裁大法廷は合憲とする判決を言い渡した。判断の根底にあるのは、公共放送の重要性に対する認識だ。特定の個人や国の機関などの支配・影響が及ばないようにするため、放送を受信できる者すべてに、広く公平に負担を求める仕組みにしているのは合理的だと、大法廷は結論づけた。今回の裁判でNHK側は「時の政府や政権におもねることなく不偏不党を貫き、視聴率にとらわれない放送をするには、安定財源を確保する受信料制度が不可欠だ」と主張した。メディアを取りまく環境が激変し、受信料制度に向けられる視線は厳しい。それでも多くの人が支払いに応じているのは、民間放送とは違った立場で、市民の知る権利にこたえ、民主主義の成熟と発展に貢献する放送に期待するからだ。今回の受信料裁判を機に、公共放送のあり方について、あらためて社会の関心が集まった。これからの時代にNHKが担う役割は何か。組織の規模や業務の内容は適正といえるか。NHKが置き去りにしてきた、こうした根源的な問題について議論を深めていきたい、としている。

産経新聞・社説
受信料「合憲」 公共放送の役割胸に刻め

NHKの受信料制度を「合憲」とする初判断を最高裁大法廷が示した。「公共の福祉」をかなえる放送目的を重視し、受信料支払いを法的義務と認めた。NHKはその役割を再認識すべきだ。高裁は、視聴者が広く負担する受信料制度の意義を説いた。国民の知る権利に応え、公共放送の自律的運営のため、特定の個人や団体などから財政面の支配が及ばないようにする基盤とした。とりわけ真実公正な報道を貫く改革が問われている。歴史番組で旧日本軍の行為をことさら悪く描き、原子力発電所の再稼働や沖縄の米軍基地問題をめぐる報道でもバランスを欠くなどの批判がある。公平公正を疑う視聴者の声に耳を傾けるべきだ。国会で高すぎる人件費が批判されたこともある。賃金削減や一部手当の廃止は行われたものの、なお厚遇ぶりが指摘される。子会社を含め職員の不祥事は相変わらずある。企業統治(ガバナンス)など組織改革の進捗状況をまず明らかにしてもらいたい、としている。

日本経済新聞・社説
受信料合憲でも課題山積だ

テレビを持つ人はNHKと受信契約をしなければならない――。受信料支払いの根拠となる放送法のこの規定は、契約の自由を保障する憲法に違反しないのか。議論が続いていた問題に、最高裁が初めて判断を示した。結論は「合憲」である。災害時の報道でNHKが果たしてきた役割などを考えると、この判決が理解できないわけではない。だが、NHKの公共放送としての役割を定めた放送法ができた1950年に比べて、放送や通信をめぐる環境は大きく変わっている。変化をふまえて、NHKのあり方について議論を深める必要がある。娯楽の多様化を背景に、視聴者のテレビ離れも進んでいる。とくに若年層でこうした傾向が強い。今回の判決によって一時的に受信料の未払いが減ったとしても、テレビを視聴する習慣が薄れてしまえば公共放送の足元はぐらつきかねない。多くの課題がある中でまず必要なのは、現在の技術や社会環境を前提に、公共放送の役割を定義し直すことだ。そのうえで適正な業務の範囲を定め、公平な費用負担のあり方を探る必要がある。利害関係者が多く、自らの力をそぐ可能性もあるため、総務省やNHKはこうした議論を避けてきた。だが問題の先送りは限界に近づいている。NHKが公共放送としての役割を果たし続けるには、本質的な議論が不可欠だ、としている。

読売新聞・社説
受信料制度合憲 NHKの在り方を考えたい

最高裁大法廷が、NHKの受信料制度を「合憲」とする初めての判断を示した。判決は「憲法が保障する表現の自由の下、国民の知る権利を充足すべく採用された」と、受信料制度の合理性を認めた。受信契約を義務付けた放送法の規定についても、「公平な受信料徴収のために必要だ」と結論付けた。判決は「NHKがテレビ設置者の理解が得られるよう努め、これに応じて受信契約が結ばれることが望ましい」とも指摘した。これをNHKは重く受け止めるべきだ。災害情報など、公共の福祉に資する報道や番組をより充実させることが欠かせない。不偏不党で、公正な報道が求められるのは言うまでもない。報道番組での不適切な演出や、偏向した内容が目立つようでは、受信料制度の基盤が崩れる。NHKは、テレビ番組をインターネットで同時配信する新規事業を2019年度にもスタートさせる方針だ。4K・8Kなど、高画質放送の事業も手がけている。事業を野放図に広げれば、民業圧迫につながる。事業拡大に突き進むのではなく、受信料の値下げを検討するのが先決だろう。最高裁判決を契機に、公共放送としての在り方を虚心坦懐に見直してもらいたい、としている。

ドタバタを日常を過ごしていたら、このNHKの話題は、私は10日経て初めて知った。トランプ氏のエルサレムの話は知っていても、NHKの受信料を最高裁が合憲と言ったニュースは聞こえてこない。40代の日本人の私に。隔絶された生き方でもないし、不自由も感じない。そんな時代だ。民間の報道機関、放送局がNHKをことさら敵視する理由は判る。CMの流れない放送局が、ニュースも娯楽も潤沢な予算で充実させ、人々はネットに流れ、広告はいつでも疎まれる。私は10年ほどテレビに触れていないが、解毒されたように健やかな日々を送っている。震災さえ、NHKも民間のニュースも必要なかった。自衛隊を軍隊と呼ばないように、NHKを国営放送、公共放送をなるべく表現せずに逃げてきた組織を、今さら、最高裁が合憲と言ったところで、情報はテレビに依存しなくなり、知識は世界中からいつでも得られる社会になり、娯楽も価値観も分散した。NHKがネットでコンテンツを売るなら、私は期待して待つが、国際競争の中で勝てる能力を持っていると言える自信は、私はない。月額で強制課金できる説得力のあるコンテンツは、世界にもほとんどない。司法が認めたから安泰と言うこともないだろう。競争に勝つだけの品質を期待している。
新聞は、どこも苦々しい社説ばかり。NHKに一矢報いるコンテンツを模索する意志は感じられない。このままなら、やがて日本の放送局は、すべて外資に食われるか、消失するだろう。

Comments are closed.