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3200.報道比較2017.12.6

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パンドラの箱を開ける時は、戦略や情熱を持つべきだ。打算で触れるべきではない。

Wall Street Journal
エルサレムに米大使館移転へ―トランプ氏、アラブ首脳に伝達 (2017.12.6)

ドナルド・トランプ米大統領は5日、アラブ諸国首脳らに対し、イスラエルの米大使館をテルアビブからエルサレムに移転する意向を電話で伝えた。アラブ諸国の当局者が明らかにした。この動きは、中東和平交渉の再開を目指す米関係者の計画を損ない、中東各地に暴動を広げかねないリスクをはらんでいる。米当局者によると、トランプ氏は大使館移転を急がない見通しだが、6日の演説で移転計画の詳細を示し、エルサレムをイスラエルの首都と認める可能性がある。国務省は世界各地の米大使館に対し、抗議運動が発生する可能性があると警告した。パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長とヨルダンのアブドラ国王はこの日、トランプ氏からの電話で大使館移転の意向について説明を受けた。それぞれの担当局が明らかにした。エジプト大統領府の広報官によると、トランプ氏はエジプトのアブドル・ファッターフ・アッ・シーシー大統領にも連絡した、としている。

支持層への有言実行をアピールするための行動と言われているトランプ氏のイスラエルとパレスチナの紛争に油を注ぐような発表。トラブル・メーカーと呼ばれる人は確かに世界にいる。そういう人がアメリカの大統領になった現実に、私は本当に失望する。何の戦略も、情熱もなく、あったのは打算だけ。オバマ氏がシリアを脅しながら行動しなかったのに匹敵する失態だ。

産経新聞・社説
家電盗む、部隊名プレート付き…漂着船は単なる漁船ではない 海岸は「最前線」と心得よ

北朝鮮の漁船とおぼしき木造船が、日本海側の海岸や港に相次いで漂着している。食糧難から、小型船にもかかわらず、冬の荒れた海で無謀な操業を行った結果、流されてきたとみられる。だが、これを単なる外国漁船の漂着と片付けるだけではすまない。むろん、純然たる遭難なら救いの手を差し伸べるのが人道にかなっている。ただし、警戒すべき点は多岐にわたる。北朝鮮の船員が北海道の無人島に一時上陸し、地元の漁業者用の避難小屋や灯台から、漁具や家電製品などを盗んだ。朝鮮人民軍の部隊名が記されたプレートが張り付けてある木造船が複数、見つかっている。軍籍にある船に軍人や民兵、軍属が乗っているのなら、単なる漁船とみなすわけにはいかない。武装した工作員や難民にどのように対処すべきか計画を立て、訓練をしておくべきである、としている。

毎日新聞・社説
相次ぐ北朝鮮木造船の漂着 無謀な漁に追い込む非道

北朝鮮からとみられる木造船の漂着や漂流が日本海沿岸で急増している。海上保安庁の統計では、先月は単月として過去最多の28件が確認された。冬の日本海は大陸から北西風が強く吹いており、波が高い。小型船での航行が難しい季節になっても無理に操業を続けた末、風に押し流されてきたようだ。北朝鮮は沿岸部の漁業権を中国に売却してしまったため、自国漁船が外洋に出ざるをえないとされる。それにもかかわらず金正恩政権は、自給可能なたんぱく源だとして冬場にも漁業に力を入れるよう号令をかけている。石油製品の輸入に支障が出るようになり、粗悪な燃料を使って故障を招いた可能性が指摘される。中国に輸出できなくなった海産物が国内に回って価格下落を引き起こし、漁民を苦しめてもいるようだ。どちらにしても、根本的な原因は核・ミサイル開発に起因する北朝鮮の国際的孤立にある。木造船が接岸した北海道の無人島、松前小島では小屋にあった家電製品などがなくなっていた。こうした違法行為は厳重に取り締まらなければいけない。遭難した漁船は人道的見地から当然に救助する必要がある。ただし、日本海では過去に北朝鮮の工作船が頻繁に出没してきた。不測の事態が起きないよう水際の警備には万全を期してもらいたい、としている。

読売新聞・社説
対「北」原油制限 日米韓は中国に実施を促せ

北朝鮮の核・ミサイル問題を外交的に解決するには、徹底した制裁で政策転換を迫るほかない。中国の北朝鮮に対する原油供給の制限は、最も有効な手段である。北朝鮮が、「米本土全域を攻撃できる」と主張する新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受けて、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談した。トランプ氏は、「中国が北朝鮮への原油を止めなければいけないところまで来た」と語り、供給停止を要求した。中国の圧力が不十分なことが事態を悪化させている、という認識はもっともだ。融和策が行き詰まっている現実を中国は直視すべきだ。北朝鮮が今後、核実験や弾道ミサイル発射を強行した場合、中国が原油供給制限を決断するよう、日米韓は促す必要がある。米韓は大規模な合同演習を開始し、航空自衛隊と米軍の戦闘機も日本海上空や沖縄県周辺の空域で共同訓練を行った。日米韓の安全保障協力を強化し、抑止力を高める取り組みが重要である、としている。

北朝鮮からの工作、または脱出を試みたような漂着。以前にも似た状況はあった。たしか飢餓状態に入るほど北朝鮮に食糧危機が訪れた時だ。当時も北朝鮮は経済制裁を受けていた。今回も徐々に制裁が効果を見せつつあるのか、切迫感が強まっている。戦略的にやるのなら、ムチにはアメをセットにしなければ目的は達成できない。締めつけだけでは出口はいつまでも見えない。日本の新聞にそんな発想を求めても無意味だろうが、アメリカからも中国からも、次のアクションの兆候が見えないのが気になる。

朝日新聞・社説
無戸籍問題 解消に向け、動き出せ

生まれた時に出生届が出されず、戸籍がないまま生活している人がいる。夫の暴力から逃げた女性が、新たなパートナーとの間に生まれた子どもの出生届を出せなかったケースなど、さまざまな事情がある。国が把握している戸籍のない人は700人を超すが、うち約4分の3は民法の適用を避けるため、母親が出生届を出せなかったことが原因だという。無戸籍者は約1万人にのぼるとする民間団体の推計もある。時代にあった法改正など、無戸籍者の解消にむけ、国会や政府は本腰を入れてとりくむべきだ。法務省は先月、各地の法務局に弁護士会や家裁などとの連携組織をつくって無戸籍問題の解決にとりくむよう指示した。上川陽子法相は「人間の尊厳に関わる重大な問題」と述べた。無戸籍者の把握に努め、深刻な問題という認識を政府内で共有し、不利益を生まないための施策を充実させてほしい。国会も基本的人権を脅かす問題だと認識し、実情に沿った法整備への議論を急ぐべきだ。法が差別をうみ、社会生活を制約するなどあってはならない、としている。

40代の私が、今まで戸籍に意味を感じたことは一度もない。意味不明な手続きで手間ばかりを感じるが、どこかで戸籍に意味を感じる日が来るのだろうか?戸籍が差別の原因になるなら、この手間のかかる戸籍の制度の意味を考え直したらどうだろう?

日本経済新聞・社説
英とEUは通商協議入り急げ

英国の欧州連合(EU)離脱条件をめぐり難航が続く交渉に打開の動きが出てきた。英国が離脱時に支払う「清算金」などで譲歩の姿勢を示し、EU側も前向きに受け止めているようだ。英とEUは交渉の第1段階として6月から、清算金、相互に居住する市民の権利保障、アイルランドと英領北アイルランドの国境管理の3分野を優先協議している。EU側は十分に進展したと認めず、通商関係など第2段階の協議に入ることを拒んできた。第2段階の通商関係などをめぐる協議はさらに難航する可能性がある。英側はできるだけ自由度の高い貿易協定を結んでEU市場との関係を維持したい。一方、EU側は、英国が欧州大陸からの移民を規制するのに伴い、EU市場への参入も制限する考えだ。メイ英首相は政権基盤に不安があり、国内では離脱の方針をめぐる対立が続いている。ようやく前に動き出したこの機会をいかして、交渉を加速するよう求めたい。EU側の柔軟で現実的な姿勢も欠かせない、としている。

物足りない内容。これでは報道であり、社説ならもう一歩踏み込んだ意見が欲しい。
メイ氏が政治的に苦境に立たされたのは、英国にとって良い選択だったようだ。以前の衝動的な離脱から、協調性のある離脱に行動が変わっている。勢いだけで決めてしまった後悔を修復するには、対話でお互いの合意を見出すのが得策だ。日韓、日中にもこんな姿勢が芽生えるといいのだが。

人民網日本語版
中国、急速に進む高齢化 シルバー産業への投資が盛んに (2017.12.5)

中国民生投資集団は最近、上海で中国のシルバー事業の発展をサポートするために「中民養老慈善基金」を設立したことを発表した。基金設立後、コミュニティ内のサポートが必要な高齢者を助け、地域の必要に合わせて「サービスポイント」を設置するほか、「ボランティアサービスチーム」を組織して、定期的に高齢者を訪問し、健康診断やコミュニティの高齢者サポート、コミュニティの高齢者優待デーなの公益活動を展開して、高齢者の実際の必要を満たすよう取り組む。中国民政部(省)が発表した「2016年社会サービス発展統計公報」によると、中国では現在、高齢化が急速に進んでいる。16年末の時点で、中国全土の60歳以上の高齢者人口は2億3000万人と、総人口の16.7%を占めるようになっている。中国国務院が発表した「第13次五カ年計画(16-20年)国家老齢事業発展・介護体系建設計画」は、20年までに、中国全土の60歳以上の高齢者人口は約2億5500万人に増加し、総人口に占める割合も17.8%に上昇すると予測している。中国老齢事業発展基金会の李宝庫理事長によると、「中国式介護は、自宅を基礎とし、コミュニティを頼りとし、施設が補充するという、『9073(高齢者90%が自宅、7%がコミュニティ、3%が施設)』という構造になっている」という、としている。

中国は高齢化が先行していることをチャンスと捉えているかもしれない。世界の先進国はやがてどこも高齢化する。その時の社会、経済、理想的なライフスタイルを、人類はまだ見出していない。日本にも技術革新の意識はあるが、社会がルールを変えたり、経済活動にポジティブなインパクトは生まれていない。悲壮感や後退感ばかりが目立つ。高齢化は人類の新たなライフスタイルであり、我慢や苦境だけではないはずだ。中国には、日本が取り組まなかった前向きな姿勢が見える。期待したい。

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