ORIZUME - オリズメ

3199.報道比較2017.12.5

3199.報道比較2017.12.5 はコメントを受け付けていません。

昨日につづき、読売の視点が良い。主張は形式的だが、テストをしっかり見なければこの社説は書けない。真面目な仕事ぶりが感じられる。

読売新聞・社説
大学プレテスト 課題解決力を適切に測れるか

学入試センター試験に代わり、2020年度から実施される大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)の結果が公表された。全国の国公私立高校の4割にあたる約1900校で、延べ18万人が参加した。出題には、苦心の跡がうかがえる。現行のセンター試験との違いを際立たせようとした結果だろう。教科書で扱われないような複数の資料を読み比べて、自ら考える力や課題を解決する力を問う出題が各教科で目立った。世界史、日本史は図表や絵画資料を多用した。化学や生物は実験・観察の過程を重視している。暗記偏重になりがちな高校教育の改善を促す効果が期待できよう。国語では、文学的な文章だけではなく、生徒会の規約や学校新聞などの実用的な文章から情報を読み取る問題が登場した。実社会でも役立つ読解力の向上を主眼とした点は理解できる。共通テストの出題の狙いについて、高校への周知が不可欠だ。移行期に受験生が動揺すれば、塾での対策が過熱する恐れがある。来秋には各大学を会場に、本番の形式により近いプレテストが行われる。円滑な移行に向けて課題を洗い出し、改革の理念が生きる試験につなげてもらいたい、としている。

昨日につづき、読売の視点が良い。主張は形式的だが、テストをしっかり見なければこの社説は書けない。真面目な仕事ぶりが感じられる。
個人的にも興味深くテストを見た。夏ごろの文部科学省の後手の対応から考えると、プレテストはすばらしい。考えさせるテスト、暗記に頼らないテストとはこういうものか、と安心した。

平成29年度試行調査_問題、正解表、解答用紙等 by 大学入試センター

暗記型の受験を経て合格し、社会を知らない若者は頭を抱えただろう。だが、社会を知っている人は誰もが感じたはずだ。これこそ、社会が求める知識。大学に入る前に習得して欲しい能力だと思う。採点方法も想定より煩雑ではない。解答を確認すれば、機械的に確認できる内容だと判る。読解しなければ解けない、本質を理解しなければ答えられないテストになっている。私は理想に近づいたと思う。このまま推進して欲しい。

産経新聞・社説
笹子事故5年 命守るインフラの管理を

山梨県の中央自動車道笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故から5年がたった。惨事を警鐘として橋やトンネルなどインフラの保守点検を義務化する取り組みが進んでいる。先月末には、山梨県警が中日本高速道路の当時の社長ら8人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。インフラをめぐる維持・管理の重要性を改めて認識しなければならない。高度成長期に建設されたインフラの老朽化は、全国規模で急速に進んでいるのが現状だ。なかでも地方自治体が管理する道路やトンネルは、改修工事が追いついていない場所が多い。国民の生命を守るため、安全性の確保は欠かせない。国も地方が必要な補修工事を実施するための支援を強めるべきだ。地方の市町村では、インフラの点検や補修に充てる予算にも限りがある。補修できずに通行規制する橋も急増している。それでもなお、人口減少で過疎化が急速に進む地域では、すべての橋やトンネルを維持するのは難しい。住民の理解を得ながら現実に向き合い、集約化や撤去も真剣に考えなければなるまい、としている。

新聞が過去をひも解くのはネタに困った時の手段だが、今回の産経の選定は的を得ている。5年前の事故は、日本の改竄・隠蔽の象徴のような印象だ。そこから改善も対策も取られていないまま、悪しき日本の一面は日増しに事例を増やしている。インフラの老朽化、人手不足よりも、私たちは信頼できるメンテナンスのあり方を見出さなければならない。

朝日新聞・社説
パーティー券 「透明化」の流れに背く

安倍内閣の閣僚のうち17人が昨年、在任中に計56回パーティーを開き、約7億4千万円の政治資金を集めていた。納得できないのはその94%、7億円近くは誰が支払ったのかが不明ということだ。こんな不透明がなぜ許されるのか。政治資金規正法が、パーティー1回につき20万円以下の購入者は、個人や企業名を収支報告書に記載しなくてよいと定めているからだ。もうひとつ問題なのは、閣僚らに大規模なパーティー開催の「自粛」を求めた大臣規範に反する可能性があることだ。ところが、安倍首相は3回の朝食会で6800万円、麻生財務相は1回で6360万円を集めていた。これでも「大規模ではない」というのか。政治資金パーティーは与野党を問わず広がっている。透明化に背を向け、税金との二重取りを続ける現状は許し難い、としている。

いまの支持率があると、政権批判の立場は苦しいだろうが朝日には貫いて欲しい。流れたら止まらない日本には、反論は絶対に必要だ。ただ、やり方は考えるべきだ。批判ありきの姿勢は共感を生まない。いまの朝日には、政権批判を前提のアラ探しが目立つ。

毎日新聞・社説
核の脅威と核管理体制 唯一の被爆国の正念場だ

北朝鮮がミサイルを発射した11月29日、広島市で第27回国連軍縮会議が開幕した。核廃絶を掲げつつ北朝鮮の脅威に悩む日本。ミサイル発射は、悩める「唯一の被爆国」の姿を改めて浮き彫りにした。賛成すれば「米国による核兵器の抑止力の正当性を損なう。北朝鮮に誤ったメッセージを送ることになりかねない」(河野太郎外相)。これが今の日本の立場である。核禁条約に関して日本が核保有国と非保有国の「橋渡し役」になるのは望ましいことだ。だが、2日間の軍縮会議で米政府代表のパネリストが全くいなかったのは気になる。従来は核軍縮担当の国務省高官らが訪日して議論を主導していた。国連の担当部局と外務省などが中心となって開いてきた軍縮会議は本来、意義深い会合である。この会議に先立ち、やはり広島で開催された核軍縮に関する「賢人会議」(外務省主催)の提言にも期待したい。論点は多い。核の脅威と核管理体制の動揺が世界を不安定にしている今、型通りの意見交換ではなく危機打開への真剣な議論が必要だ。今後とも建設的な議論を促して日本の立ち位置を明確にしたい。ここは唯一の被爆国の正念場である、としている。

昨日の読売に比べると、口先だけの傍観者というか、小賢しい印象。言っていることは偉そうだが、抵抗勢力としての正論だけで、動こうとしていない。動く人を追うだけ読売の方が評価できる。行動は正論より強い。毎日の姿勢には共感できない。

日本経済新聞・社説
ロシア疑惑の解明を妨げるな

米トランプ政権とロシアとの不明朗な関係をめぐる疑惑は、ホワイトハウスの元高官が起訴され、新たな段階に入った。トランプ大統領自身が疑惑にかかわった可能性も取り沙汰される。米政治の混迷は世界秩序にも負の影響を与える。トランプ氏は疑惑の解明に積極的に協力すべきだ。裁判に先立ち有罪を認めたことから、減刑と引き換えにトランプ氏の関与などを証言するとの観測が出ている。FBIはトランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏がフリン氏に指示をしていたかどうかを重視している。全容解明にはなお時間がかかりそうだが、より大きな問題はロシア疑惑がトランプ政権のかじ取りを左右しかねないことだ。米国民は政治スキャンダルについて、事件を起こしたかどうかもさることながら、その後に隠蔽工作をしたかどうかなど潔さを重視する傾向がある。捜査妨害と判断されれば、大統領選でトランプ氏に1票を投じた保守層にも動揺が起きるかもしれない。政権の浮沈にかかわる重大局面である、としている。

私が各コメントも遅いが、ロシア疑惑が騒がれたのはFRB議長を決めていた頃、11月の中旬ではないだろうか?しかも内容はゴシップ紙のような視点しか持っていない。いまアメリカが注視しているのは減税法案だ。なぜいまこの話題?疑問だ。

Financial Times
巨額投資を余儀なくされるロシア国営ガスプロム (2017.11.30)

ロシアの天然ガス輸出を独占するガスプロムの当時の価値は2550億ドル相当で、同社の株価は高騰していた。だが、その後の10年間で会社の価値は4倍になるどころか反対方向に向かい、わずか550億ドルまで低下した。最初の一撃は2008年の金融危機後に訪れた。危機によりエネルギー価格が急落し、旧ソ連時代のパイプラインの巨大ネットワークを介してガスを提供している主要輸出市場の欧州で需要が落ち込んだ。それから間もなく、米国のシェールガス生産の台頭が長期的なエネルギー価格を押し下げ、船で出荷される液化天然ガス(LNG)という形のライバルを生んだ。欧州の顧客が以前より安い契約を要求し始め、ガスプロムは従来の儲けの大きい取引の代わりに国際市場価格に近い契約を結ばざるを得なくなった。ガスプロムは10月、長期投資、設備投資、買収に対する今年の支出額が従来予想より24%増える見込みだと発表した。極東では、ロシアと中国を結ぶ延長3000キロのパイプライン「パワー・オブ・シベリア」の敷設とガス田の開発に約550億ドル投資している。ガスプロムが新たな場所で成長を模索しながら既存市場でライバルをかわそうとするなか、将来の成長には代償が伴う。1兆ドルの夢は、待たなければならないだろう、としている。

ロシアの産業はウクライナ侵攻後の制裁でも、破滅には至らなかった。プーチン氏の権力は増し、困窮はしてもギブアップまでは追い込まれなかった。中国、トルコ、シリア、イラン…欧米が懸念する国交を強めながら延命どころか成長を目論んでいる。苦境を乗り越えたら、欧米は経済制裁という圧力の無力化に直面する。

人民網日本語版
人々を幸福にする世界インターネットガバナンスを (2017.12.4)

第4回世界インターネット大会が3日、浙江省烏鎮で開幕した。習近平国家主席は祝辞で、国際社会と共にネット主権を尊重し、パートナー精神を発揚し、みなの事はみなで協議・処理して、発展の共同推進、安全の共同維持、ガバナンスの共同参加、成果の共有を実現したい考えを強調した。習主席は世界のインターネットの発展の趨勢に対する深い洞察及びサイバー空間の発展・ガバナンスの法則に対する正しい把握に基づき、世界各国と手を携えてインターネットとデジタル経済を発展させ、各国民に幸福をもたらす中国の真摯な願いを表明した。「インターネットは無形だが、インターネットを運用する人々は有形だ。インターネットは人類共通の郷里だ」。新時代、中国はインターネット強国へと邁進する揺るぎなく力強い足並みに伴い、引き続き世界各国と手を携えて努力し、対話と協力を深め、インターネットの発展の成果が各国の人々により良く幸福をもたらすようにする、としている。

中国のネット利用は独自性をますます増している。アメリカが開拓したやり方に準じてきた世界に、異質な独自のやり方が芽生えはじめている。中国はチャンスと見て推進するつもりのようだ。自動車業界同様、中国のマーケットに外資は参入しにくい。彼らのルールに従い、投資を求められる。だが、新しいスタンダードの規模とインパクトは大きい。悩ましいが興味深い存在になってきた。

Comments are closed.