ORIZUME - オリズメ

3195.報道比較2017.12.1

3195.報道比較2017.12.1 はコメントを受け付けていません。

多忙でひさしぶりの原稿。2週間ほど時間を空けて見た社説。大きな動きのない2週間だった。

Wall Street Journal
米は北朝鮮を挑発、「軽率な行動」促す=露外相 (2017.12.1)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は30日、米国が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長を挑発して「軽率な行動」に走らせようとしていると批判した。再び大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した北朝鮮への圧力強化を米政府が呼び掛けたことに反発した。米国は先週、韓国と12月に軍事演習を実施する計画を発表した。ラブロフ氏によると米政府関係者は以前、この危機に際して間を置くため、大掛かりな米韓合同軍事演習は来春まで見合わせると「内々にほのめかしていた」。米トランプ政権は各国に対し北朝鮮との外交関係の断絶を要請。中国には原油取引の打ち切りを求めた。中国とロシアの両政府は北朝鮮のミサイル実験を非難したが、石油禁輸には反対している。ラブロフ氏はニッキー・ヘイリー米国連大使のこうした趣旨の発言について「米国はまず初めに、何が目的かを説明する必要がある」と指摘。「国連安全保障理事会で米国代表が発言したように、北朝鮮を破壊する口実が欲しいなら直接言うべきだ」と語った、としている。

人民網日本語版
朝鮮のICBM発射実験 外交部「重大な懸念と反対」 (2017.11.30)

朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験について、外交部(外務省)の耿爽報道官が29日の定例記者会見で質問に答えた。朝鮮による弾道ミサイル技術を用いた発射活動について、国連安保理決議には明確な規定がある。中国側は朝鮮側の発射活動に、重大な懸念と反対を表明する。中国側は朝鮮側に対して、安保理決議を遵守し、朝鮮半島の緊張を激化させる行動を止めるよう強く促す。これと同時に、関係各国が慎重に事を運び、地域の平和と安定を共同で維持することを望む。中国側は一貫して国連安保理の対朝決議を全面的、正確、真剣、厳格に執行し、尽くすべき国際義務を履行してきた。第2に、われわれは引き続き朝鮮半島の非核化実現、対話・交渉推進、地域の平和・安定維持に寄与する原則に基づき、問題を処理する、としている。

産経新聞・社説
北への石油供給 事態悪化は中国の責任だ

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を再開したのを受け、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席に対して石油供給の停止を要求した。中国は米国が軍事的緊張を高めていると批判してきた。だが、石油の供給停止は軍事的解決を回避するためのものだ。中国こそが事態の打開を妨げてきたのであり、その姿勢を転換すべきである。中国による石油供給が止まれば、北朝鮮の産業、軍事は先細りとなり、核・ミサイル開発の継続は困難となろう。北朝鮮を経済的に支えてきた中国には、暴挙を止める大きな責任がある。国際社会に安全保障上の脅威や懸念をもたらす問題を、これ以上放置すべきではない。核不拡散体制に挑戦し、安保理決議違反を繰り返しているのは北朝鮮である。米韓演習と並列に扱い、危機を自国に都合よく利用する独善性を許してはならない、としている。

日を空けて見ると感じる事実。11月の終わりの緊張は数日さえ持たなかった。アメリカは北朝鮮に本当の危機を感じているのかさえ微妙だ。トランプ氏はこの後、突如イスラエルのタブーに着手した。気にしているのは支持率だけ。サウジアラビア、シリア、イスラエル、イラン…さらに加えればトルコまで。北朝鮮の数倍は複雑で困難な問題をいくつも抱える中東に、さらに火に油を注ぐようなアメリカのリーダーシップが、北朝鮮の危機を本気で考えているかは疑わしい。緊張が高まる原因は、北朝鮮でもアメリカでも民意の支持になりそうだ。ならば、先に動くのは支持率の低いトランプ氏だろう。

日本経済新聞・社説
政治資金の流れをより透明に

政治とカネの不明朗な関係はなぜなくならないのか。自民党の派閥が弱体化し、国会議員が手にする政治資金の桁数はかなり小さくなったが、倫理観はむしろ以前よりまひした感がある。今年も政治資金収支報告書が公表されたが、この機会に政治とカネを巡る課題を指摘しておきたい。都道府県分の収支報告書を期限までに提出しなかった国会議員がいた。政治に携わる者としての自覚に欠ける。今回の収支報告の対象期間ではないが、今年9月に傘下の地方議員に現金を配った国会議員がいたのにはあきれた。最近の政界は、政治経験が乏しく、政治資金を巡る規制をよく知らない議員や秘書が増えている。きちんと指導できていない政党にも責任がある。「個々の議員が説明責任を果たすことが大事だ」で済まさないでほしい、としている。

猛省すべきは議員とともにメディアだ。なぜ倫理観がマヒしたか?メディアが追求しないからだ。

毎日新聞・社説
危機の社会保障 診療報酬改定 「25年」迎える前に改革を

2018年度の医療と介護の報酬改定の議論が本格化している。報酬改定は医療が2年ごと、介護が3年ごとに行われており、今回は6年に1度の同時改定だ。人口の多い団塊世代が75歳以上になる25年を前に、超高齢社会に合った医療と介護の提供体制を整え、財政面での持続可能性を高めなければならない。費用の膨張を抑えることは必要だ。しかし、超高齢化を目前に控えた今、医療や介護の現場を再整備する改革に踏み出さねばならない。かつては、急速に病状が悪化し、手術など短期に集中的な治療で完治を目指す「急性期型医療」が主流だった。高齢化が進み生活習慣病や認知症が多くなった今は、持病を抱えながらも自立生活が続けられるようにする「慢性期型医療」への転換が求められている。「人生100年時代を見据えた社会の実現」。厚生労働省が公表した報酬改定の基本方針の題だ。医療の機能分化、介護との役割分担を進め、人生100年時代に合った医療体制を構築しなければならない、としている。

読売新聞・社説
地方消費税改革 自治体間の公平性向上が鍵だ

政府・与党は、消費税収のうち都道府県に回る地方消費税の配分見直しを検討している。東京都などの取り分を減らし、他の地域に手厚くするという。現行の推計方法は、地方消費税収全体の75%を、都道府県ごとのモノ・サービス販売額に比例させて配分する。域外からの買い物客の流入が多い東京などに有利な仕組みだとされる。政府・与党は、販売額による配分を全体の50%程度に下げる一方、人口に応じた配分の割合を増やす方向で検討に入った。この場合、16年度に6300億円あった東京都への配分額は、1000億円以上減るとみられる。地方の振興を図るには、自治体の税収不足を補う地方交付税や、地方税のあり方を総合的に検討することが重要である。地方独自の税源を充実させる。あらゆる自治体が、無駄な事業を厳しく排する歳出改革に注力する。課題は多岐にわたる。国と自治体は連携し、次代の制度構築を急がねばなるまい、としている。

2週間を経ても既視感のある話題と、何も決めたように見えない国会。ずいぶん凪いでいた2週間だったようだ。他紙が取り上げた話題なら、せめて違う視点か新しい情報を含めて欲しいのだが、記者クラブの取材同様に社説も横並び。品質も均一。衰退の兆候は著しい。国会の議論も盛り上がりに欠けるようだ。政治好きの新聞には物足りないだろうが、意味のない混乱よりはいい。まともな提案がないなら、社説を休むことを提案したい。

朝日新聞・社説
相撲協会 厳しい視線を自覚せよ

大相撲の横綱日馬富士が、同じモンゴル出身力士貴ノ岩への暴行を認めて引退届を出した。 会見で日馬富士は、暴力をふるった理由として「後輩の礼儀と礼節がなっていない時に、それをただすのは先輩の義務」と述べた。目的が正しければ力の行使も許される。そんな考えが見え隠れする応答だった。相撲界は、暴行死事件の後も力士による薬物事件、野球賭博への関与、八百長問題などが相次いで表面化し、11年には外部有識者でつくる委員会が、協会に組織の改革を答申した。3年前、税制優遇措置の対象となる公益法人に認定された際には、内閣府の担当者から「これから不祥事が起きた時、きちんと対応できるかが大切」と注文を付けられた。いままさに、当時の懸念が現実のものとなっていることを、理事長をはじめとする幹部は、真摯に受けとめなければならない。横綱の品格うんぬんを超え、協会そのものが問われている、としている。

最初から興味を感じられない話題だったが、2週間経ってもまだ暗い話題がつづいている。私が感じているのはどちらに非があるかの追求ではなく、相撲界の周りに感じるダークなオーラだ。もう国技と呼ぶにも、税金で補助するべき対象ではない気がする。

Comments are closed.