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3193.報道比較2017.11.29

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Wall Street Journalのビジネスの嗅覚に感心する。日経から、この手の提案を聞いたことがない。すべてが出揃い、誰もが知るようになってから動くのでは、もう席は埋まっている。まだ数人しか座っていない状態のマーケットを教えてくれるのは、アメリカの嗅覚だ。

朝日新聞・社説
森友・加計 解明は首相にかかる

衆院の予算委員会はきのう、野党各党が質問に立った。改めて浮かび上がったのは、森友学園への国有地売却があまりにも不自然だったことだ。立憲民主党の川内博史氏は財務省幹部にただした。近年の同種契約のなかで、売却額を非公表にした例は。分割払いや、売却を前提にした定期借地契約を認めた例は……。「本件のみでございます」と4回続いた答弁が、異例の扱いぶりを雄弁に物語っている。なぜ、そんな特別扱いをしたのか。学園の籠池泰典前理事長らと交流があった安倍首相の妻昭恵氏への忖度(そんたく)は、あったのか否か。肝心な点の解明が依然として進まなかったからだ。野党が何度国会招致を求めても、与党が立ちはだかる。昭恵氏については首相が「私がすべて知る立場だ」とかわした。衆院選で大勝した自民党には「この問題をいつまで審議するのか」との声もある。だが問題を長引かせているのはむしろ、真相究明に終始一貫後ろ向きな政府や首相の姿勢である。ふたつの問題を引きずれば引きずるほど、首相と行政機構への国民の不信は増す。「一点の曇りもない」という首相なら、何をためらう必要があろう、としている。

毎日新聞・社説
森友問題の政府側答弁 ほころびが明白になった

きのうの衆院予算委員会では、土地売却が値引きされた根拠となった地中のごみについて、近畿財務局と森友学園側が口裏合わせをしていたと疑わせる音声データの存在も指摘された。これらに対する財務省の答弁は著しく説得力を欠いていた。森友問題は、会計検査院が「値引きの根拠が不十分」と厳しく指摘したことで新たな局面を迎えている。そんな中、政府がやっと認めたのが、売買契約前の昨年5月、近畿財務局が売却価格に関し、「ゼロに近い形まで努力する」などと学園に伝えたとされる音声データの存在だ。財務省は契約価格を非公開にしたり、売却を前提に定期借地権契約を結んだりした例は、過去数年で今回だけだとも認めた。問題の本質は、なぜこうした特例が重ねられたのかだ。佐川氏や、問題となった小学校の名誉校長に一時就任していた首相の妻昭恵氏らの国会招致はますます不可欠になった、としている。

朝日、毎日はこの問題に取材を続けただろうか?その印象はない。国会任せ、週刊誌や地方紙任せで、批判のみを社説に掲載しても進展はしない。努力している人にのみ評価は与えられる。追求をつづける姿勢が評価されているのは東京新聞だし、特ダネには文春砲と言われるほど、週刊文春の取材力が評価されている。政府批判をつづけたいなら、自力で情報を集めるべきだ。

読売新聞・社説
慰安婦記念日 「反日」迎合を強める韓国政治

韓国国会で、8月14日を「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」と定める改正法が可決された。賛成205、反対ゼロ、棄権8で、与野党ともに支持した。近く公布され、その半年後に施行される。看過できないのは、文在寅政権が、慰安婦問題に焦点を当てる施策を推進していることだ。7月に策定した国政5か年計画で、記念日の制定や「歴史館」の建設を打ち出した。国立墓地に追悼碑を建てる方針も発表した。ソウル高裁は、慰安婦に関する学術書の著者、朴裕河教授に対し、名誉毀損で有罪判決を言い渡した。トランプ米大統領の歓迎夕食会には、元慰安婦が招かれた。日韓両政府は、2015年の合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。双方が歩み寄った貴重な成果であり、再交渉の余地はない。訪韓中だった公明党の山口代表は、日韓関係全体に悪影響が及ぶことへの懸念を示した。日韓議連を通じた議員交流の強化など、多角的な努力も必要だろう、としている。

反対ゼロが、すべてを物語っている。どれだけ政府合意が過去にあるといっても、弾劾された大統領の決断。いまの韓国の民意に、日本との合意をつづける意志はなさそうだ。フィリピンで大統領が変わっただけで南シナ海が中国有利になったように、アメリカの大統領の違いだけで移民や国の関係が揺れるように、日韓関係も揺れるのは想定しなければならない。不可逆的の言葉にこだわるほど、いまの韓国政府と民意は抵抗するだろう。関係を改善したいなら、次のチャンスまでこの話題は避けた方がいい。無理に関係を改善したくなければ無関心になればいいだけだ。

産経新聞・社説
大飯原発再稼働 地域と日本に意義がある

関西電力大飯原発の再稼働に、同県の西川一誠知事が同意を示したことによる展望だ。2基の復活によって、新規制基準下での再稼働は4原子力発電所・7基となる。エネルギー資源を欠くわが国にとって原子力発電は、不可欠の技術である。福島事故の教訓を反映し、原発の安全性は格段に強化されている。安定電源復活の着実な足取りとして歓迎したい。電気代の高さに苦しんできた近畿圏の製造業の競争力と経営の回復につながろう。一般家庭の家計にとっても朗報である。原子力発電の特徴は、二酸化炭素の排出を伴わないことにある。世界の国々が地球温暖化防止を目指す「パリ協定」で、日本が誓った削減率達成のためにも原発再稼働の着実な進捗が望まれる。エネルギー安全保障の観点からも、政府による原子力利活用の明確な意思表明が必要だ。エネルギー基本計画を見直している今こそ、その時期ではないか、としている。

再稼働推進派も、脱原発派も、議論すべき時期だ。未だに両者の意見は平行線で、まるで噛み合わない。産経の話題には核のゴミや原発の事故時の補償の議論が完全に無視されている。脱原発派はヒステリックに事故の悲惨さだけを語り、CO2の問題を論じない。安倍政権には、議論という政治の大事な作業を軽視する。求めても無理だろう。民間が議論を主導することはできないだろうか?やれるのはメディアだと思う。国内紙は鮮明に自紙の立場を出し過ぎた。ニュートラルに議論を推進できる存在がいるといいのだが。

日本経済新聞・社説
地方消費税改革に注文する

自治体の基幹税である地方消費税の配分基準の見直しが2018年度の税制改正の焦点のひとつになっている。政府・与党は税収を都道府県に分ける際に人口の比重を高める方向で検討している。消費税は税率8%のうち1.7%分が地方税となっている。今年度の税収は4兆6千億円程度になる見通しだ。小売販売額やサービス業収入額、人口などを基準に都道府県間で清算した後、その半分を各県の市町村に交付している。地方消費税は最終消費地に税収が入ることが原則だ。一般的に考えれば、小売店や事業者の所在地を消費地とみなすことになるが、ネット販売のように注文を受けた事業者と実際に商品を消費する場所が大きく異なる場合もある。そもそも、税収格差は東京などに企業が集中している結果なだけに地方の自治体も消費やサービス関連企業の誘致にもっと取り組んでほしい。小手先の改革にとどまらず、地方財政全体からみて格差をどうするのか、自治体のあり方も含めて検討すべきだ、としている。

良い提案の雰囲気はあるのだが、文章にシンプルさがないため、何を言っているのかが読み解けない。地方に多く配分した方がいいと言いたいだけのようだが…小難しくてまとまりがない。

人民網日本語版
世界に自信を与える中国共産党 (2017.11.28)

中国共産党は自らの路線、理論、制度、文化への自信という「4つの自信」を持つだけでなく、世界に様々な自信を与えてもいる。
自ら探求することへの自信。中国の特色ある社会主義政治制度は中国共産党と中国人民の偉大な創造だ。中国が成功するまで、いくつかの国々にとっては西洋化がほぼ唯一の選択肢だった。自ら発展路線を探求することで最終的成功を得られると信じる国は少なかった。現在、西側がポピュリズム、ナショナリズムによる打撃を受け、政党政治、政治文明が滑落する中、世界は中国の姿から、各国が各国の国情に合った発展路線を歩むべきであることを見て取っている。これによって世界は多様性を取り戻し、人類の政治文明への新たな自信を確立した。
社会主義への自信。第19回党大会報告は、中国の特色ある社会主義が新時代に入ったことは、科学的社会主義が21世紀の中国において強大な生命力を煥発し、世界において中国の特色ある社会主義の偉大な旗を高々と掲げたことを意味すると指摘した。中国の特色ある社会主義が新時代に入ったことは、中国の特色ある社会主義の路線、理論、制度、文化が絶えず発展し、発展途上国が現代化へ向かう道を開拓し広げ、発展の加速と共に自らの独立性の保持も望む世界の国々と民族に全く新たな選択をもたらしたことを意味する、としている。

この集まりに、どこの国のどんな政党が参加するのか知りたい。政党を礼賛する新聞は、共産主義でしかあり得ない。どんな面々が集まったのだろう?

Wall Street Journal
トランプ氏が見逃した中国の「健全」な業界 (2017.11.29)

ドナルド・トランプ米大統領が北京を再訪する際には、肺の違和感に留意すべきだ。中国では人口が高齢化し、病人も多いと同時に、個人所得が増えている。だが欧米の資本はまだ医療業界へほとんど参入できない。これを変える必要がある。金融情報提供会社ウインド・インフォメーションがまとめた2016年のデータによると、株式を公開している医療法人の総資産利益率(ROA)は平均9%と、全ての上場企業の平均である5.4%を上回った。直近のトランプ氏訪中で市場開放が大きく進んだ金融業とエネルギー業ではそれぞれたった2.2%、0.6%だった。こうした中、医療費の上昇はとどまるところを知らない。10月の消費者物価指数(CPI)統計では、医療サービスが前年同月比8.7%上昇し、その他の主要項目の伸びを大きく引き離した。CPI全体の上昇率は1.9%だった。医療サービスがCPI全体より大幅な伸びを記録したのは35カ月連続。医療分野への外国資本参入に向けて一貫した公正な政策を行う保証を習近平国家主席から取り付け、官僚組織の全面的な後ろ盾を得られれば、テキサス産天然ガスを全て輸出するよりも米国人のアニマルスピリット(野心的意欲)の刺激につながり、中国人の生活の質向上にも寄与するだろう、としている。

ビジネスの嗅覚とは、こういうセンスだ。日経から、この手の提案を聞いたことがない。すべてが出揃い、誰もが知るようになってから動くのでは、もう席は埋まっている。まだ数人しか座っていない状態のマーケットを教えてくれるのは、アメリカの嗅覚だ。
中国に医療のマーケットを求めるのは、ウィン・ウィンになる可能性がある。中国企業がノウハウ切望する業界でありながら、欧米との差は大きい。何より人口が多く、マーケットは巨大だ。自由診療で欧米に出かける富裕層が増えるより、ずっといい。そして中国がこの競争に参加した時、世界もイノベーションの成果を享受できる。人命が助かり、健康が促進されるのはうれしい結果のはずだ。興味深い。

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