ORIZUME - オリズメ

3192.報道比較2017.11.28

3192.報道比較2017.11.28 はコメントを受け付けていません。

若い世代は、国境など意識しない。世界で最も安く、安全で、自分に合ったものや場所を、自らの意思で探す。そのための行動を抑えない。若者とは、いつの時代でもそういう存在だ。

産経新聞・社説
三菱マテの不正 背信を重ねた罪は重大だ

またしても、日本企業のものづくりをめぐる不正である。三菱グループの金属メーカーである三菱マテリアルの子会社でゴム製品などの検査データを改竄していた。とくに三菱電線は2月に社内で不正が判明した後、社長にも報告されたのに10月下旬まで出荷を継続していた。「出荷先の特定に時間がかかった」と説明するが、隠蔽と受け止められても仕方あるまい。顧客の信頼を二重に裏切った罪は重大である。不正に至った理由さえ判然としない。三菱マテの竹内章社長は「第三者委員会の調査を待ちたい」と釈明するが、組織的な不正指示の有無を含め、まず自ら事実関係を解明することに責任を負うべきだろう。第三者委は時間稼ぎのために存在するのではない。世界に誇る日本のものづくりに対する信頼が揺らいでいる。事態は深刻である。再発防止に向けた取り組みを、官民で真剣に考えるべきだ、としている。

誰もが認識しているのは「これで終わりのはずがない」だ。日本企業に信頼など、もはやない。最後に日銀か日本政府が世界に大きな隠蔽と捏造として国家的な信用低下を招くことになる。こどもに嘘をつくなと教えるのは世界共通だろう。あんな国になるなと言われる国になる覚悟が必要だ。戦後の奇跡とやらは、完全に幻想として終わる。回復には地道に非難を受け止め、行動していくしかない。

朝日新聞・社説
衆院予算委 議論深まらぬ与党質問

衆院選後初めての予算委員会が衆院で行われた。「街頭演説で説明するよりも国会で説明したい」。森友・加計学園の問題について、そう語ってきた安倍首相にとって、初の説明の場である。公平・公正であるべき行政手続きが、ゆがめられたのではないか。多くの国民の疑問に、首相は今度こそ「謙虚」に、「真摯」に応える責任がある。だが、初日の論戦は十分に深まったとは言いがたい。最大の理由は、自民党の要求で野党の質問時間の割合が減ったことだ。従来は「与党2対野党8」だった質問時間は「5対9」に見直され、この日は政府への追及というより、政府と歩調をあわせるような与党の質問が5時間も続いた。そんな中で注目されたのは、森友問題での自民党の菅原一秀氏の質問である。菅原氏は、学園への国有地売却について、財務省職員が学園側に「ゼロに近い金額まで努力する」などと語る音声データが報じられたことを問うた。政府はこれまで「一方的な報道だと思う」としてきたが、この日は財務省幹部が、近畿財務局職員に事実関係を確認したことを初めて認めた。衆院予算委ではきょう、野党各党が質問に立つ。あすから2日間は参院でも予算委がある。行政府を監視し、政治に緊張感をもたせる。野党の役割を果たすことができるかどうか、としている。

人民網日本語版
日本経済回復でも消費が冷え込むのはなぜか (2017.11.27)

日本の内閣府がこのほど発表した2017年第3四半期(7~9月)のデータによると、物価変動要因を考慮した前期比の実質経済成長率は0.3%増加で、年率換算では1.4%となり、7ヶ月連続のプラス成長だった。増加率はそれほど大きくないが、12年以降続く景気拡大局面は第二世界大戦後2番目の長さで、1965~70年の高度成長期のいざなぎ景気も抜いている。日本の国内総生産(GDP)に占める内需の割合は6割に上るため、個人消費の不振が同期の景気への評価を大いに目減りさせた。賃金上昇ペースが遅いことと未来への不安が「節約意識」を生み出し、これが消費冷え込みの主な原因になった。大和総研の研究報告書によれば、「アベノミクス」が実施されて以来、政府は一貫して賃金上昇を促してきたが、賃金が上昇すると所得税や社会保険料の負担も増えるため、従業員の可処分所得の実際の増加幅はそれほどでもなくなり、経済好転の実感を得ることはできず、消費意欲は抑えられる。海外の需要回復や一部の製造業の回流といった好材料はあるものの、日に日に縮小する日本国内市場に対して企業は信頼感をもてず、投資拡大には慎重な態度だ。若い人々の消費意欲をかき立てるにはどうしたらよいかが、日本の社会と企業がともに直面する課題となっている。ニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員の調査によると、「日本の若者は消費したいが『お金がない』のではなく、未来への不安感からお金を使おうとしないのだ、としている。

中国に心配されるほど、日本経済の回復には脆弱さが目立つ。昨日の同一労働同一賃金が、案外、賃上げの助力になる可能性を感じるが、自分への投資としての教育や資格取得にさえ前向きになれないほど、将来設計が難しく、雇用への期待も少ない。ただ、若い世代は不幸なのではなく、統計に出ない場所で支出しているだけだろう。未だに行政はEコマースを統計対象に含めていない。すでに消費の大半をネットで…という人が増えているにも関わらず。
私がこどもたちに奨めているのは、外国語とプログラミング、そして読書くらいだ。英語よりは中国語。論理的思考という形だけのものよりは、実際に動くアプリケーションやブログを自らで作ることを奨めている。今の状況のままなら、10年後、日本には資産はあるが産業は半減したとしても、まったく驚かない。少なくともマーケットは3分の1くらいにはなるだろう。消費が減退するのは当然だし、人口が減る中で規模や平均を取ったら、まだ20年は衰退がつづく。そんな中で、仕事や消費を日本国内に求める意味さえ失われていくだろう。中国に取ってはチャンスでもあり、自国への警鐘でもある。若い世代は、国境など意識しない。世界で最も安く、安全で、自分に合ったものや場所を、自らの意思で探す。そのための行動を抑えない。若者とは、いつの時代でもそういう存在だ。

日本経済新聞・社説
国有財産の処分に透明性を

国民の財産である国有地が約8億円も値引きされて学校法人「森友学園」に売却された。にもかかわらず資料が廃棄され、妥当性を検証すらできない。そんなずさんな実態が会計検査院の報告書で改めて浮き彫りになった。安倍晋三首相が国会で「国有地は国民共有の財産であり、売却にあたっては国民の疑念を招くことがあってはならない」と答弁したのは当然だ。真相究明と再発防止に全力を挙げるべきだ。森友学園をめぐっては首相の昭恵夫人が開設予定の小学校の「名誉校長」に一時就任した。値引きに政治家の関与や官僚の忖度があったか否かが問われたが、報告書は触れなかった。野党は昭恵夫人や財務省理財局長としてかかわった佐川宣寿国税庁長官らの国会招致を求めている。与党も率先して協力すべきだ。近畿財務局職員らへの背任容疑での告発を受理した大阪地検特捜部は、徹底して真相を解明してもらいたい、としている。

読売新聞・社説
森友予算委審議 検査院の指摘に丁寧に応えよ

会計検査院は先週、評価額より約8億円安い価格での大阪府豊中市の国有地売却について「根拠が不十分だ」とする検査結果を公表した。安倍首相は答弁で、「会計検査院の指摘は、真摯に受け止めなければいけない」と語った。財務省は、学園と近畿財務局の交渉を記録した音声データの内容を確認した。財務局側が「できるだけゼロ円に近い額になるように作業している」などと述べている。財務省は、価格交渉ではないため問題ない、との見解を示した。財務省は過去の理財局長答弁などで価格の提示を否定しており、整合性が問われる。自民党の菅原一秀氏が「虚偽答弁と疑われる」と強調したのも無理はない。問題の発端は、内閣府が「総理のご意向」として開学を促したとされる文部科学省の内部文書の発覚だ。文書は「『諮問会議決定』という形にすれば、議長の総理の指示に見えるのではないか」との内閣府側の発言も記している。「これは、首相からの指示がないということではないか」との菅原氏の指摘はうなずける、としている。

朝日と読売が似た意見で安倍氏に批判的になるのは、ここ数年、ほとんど見かけなかった。朝日は極度に政権批判に固執し、毎日は必要以上に安倍氏迎合の姿勢を取った。この図式が崩れたのは、今回の選挙。大義のない解散と、不明瞭な政策、相変わらずごまかしつづける安倍氏の答弁に読売が呆れている状況だ。財務省も意見を変えてきたのを見ると、森友・加計学園の問題は、国民はまったく納得していないのを安倍氏以外は認識したようだ。安倍氏は、このあたりの危機管理に鈍感なタイプではない。リスクは早めに対処するタイプ。国会で誠実な対応を見せれば、支持率は確実に高まるだろうが、どう対応するだろうか?それにしても、日経だけが歯切れが悪い。政府応援に執着している気がする。その理由が判らない。

毎日新聞・社説
山本前地方創生相の暴言 国際常識が欠如している

前地方創生担当相の山本幸三・自民党衆院議員が、アフリカ諸国との交流に取り組む同僚議員の活動について「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言した問題である。発言は、北九州市で開かれた三原朝彦・自民党衆院議員のセミナーで飛び出した。三原氏は日本・アフリカ連合友好議員連盟の会長代行を務め、現地を訪れてもいる。先週は自民党の竹下亘総務会長が宮中晩さん会への国賓の「同性パートナー」出席に反対し問題化した。これも性的少数者の権利を認める世界の流れに逆行する発言だった。山本氏の発言はまた、日本が力を入れている対アフリカ外交の足を引っ張るものでもある。たび重なる失言に、自民党執行部も厳しく対応すべきだ。国際感覚から外れた発言は、日本の国益にとっても大きな損失である、としている。

選挙区は福岡のようだ。投票した人の感覚が判らない。他に良い候補者がいないのだろうか。人の上の立場をやれる人格には感じられない。何度か失言を繰り返しているのということは、報道にマークされているのだろう。それでも失言が世に出るということは、敵が多いか、コミュニケーションがあまりに下手かのいずれか。どちらにしても、議員には不向きだ。

Wall Street Journal
米税制改革と予算案、年内成立するか正念場 (2017.11.27)

米議会は感謝祭の連休を終えて今週再開される。議員たちは年末までに、大規模な税制改革から今年度(2017年10月-18年9月)予算案まで膨大な立法作業をこなす必要があり、日程に余裕はない。さらに、議員の中に相次いでセクハラ疑惑が持ち上がり、議会には新たな波乱要因も加わっている。税制法案の行方は、今年度予算の歳出水準など他の法案の審議の結果に左右されそうだ。今年度予算は審議が難航し、12月8日までのつなぎ予算でしのいでいる。議会関係者によれば、とりあえずさらに2、3週間の短期つなぎ予算を編成し、その間に年間予算の成立を図らざるを得なくなりそうだという。共和党内では、国防費を増額して非国防費を圧縮することで釣り合いを取るべきかどうかで見解が分かれている。デーブ・ブラット共和党下院議員(バージニア州)は、「われわれは、予算削減の対象を見付けるのが下手だ。困難を極めるだろう」と悲観的な見方を示す。一方民主党は、国防費を増やした場合には、非国防費も同額増やすべきだとの立場をとっている、としている。

Financial Times
知らぬうちに中国に白旗を揚げたトランプ大統領 (2017.11.23)

中国が2030年までに人工知能(AI)の分野を牛耳る計画をぶち上げているのに、トランプ氏はツイートするのに忙しくて気づかなかったようだ。しかし、米国の安全保障にとって、AIにおける中国の野心は北朝鮮の核ミサイルよりも大きな長期的脅威だ。一方、トランプ氏は、政府が支出する「インテリジェント・システム」開発資金を11%減らし、連邦政府全体の研究開発予算も20%近く削減することを望んでいる。米航空宇宙局(NASA)の予算も縮小されるだろう。トランプ氏が近視眼的なものの見方をしていても、米国は優勢であり続けられるのだろうか。その可能性は十分ある。何と言っても、米国の大きなハイテク企業は世界をリードする存在だ。しかし、2番手との差は縮小しつつある。国が何を重視しているかを知りたければ、予算を見るのが一番だ。今日では、世界の科学技術をリードしているのは米国だ。しかしトランプ氏が操縦桿を握ったことで、明日には状況が様変わりしているかもしれない、としている。

Financial Timesの悲観論には、特に根拠が示されていない。中国の台頭は確実だと思うし、軍事転用は他の国より平然と行われるだろうから、言ったとおりの未来には近づくと思うが、それをトランプ氏の政策と関連付けるべきなのかは微妙だ。アメリカは自由主義で、減税は企業に取ってプラスだ。連邦政府の戦略が大きな影響を与えるのも判るのだが、ITの未来すべてがアメリカ合衆国の戦略に依存しているとも思わない。インターネットのベースを作ったのは国防総省でも、GoogleやAmazonのすべてが政府のプランで生まれたのではなく、むしろ政府から独立していたからこそできたイノベーションばかりだ。中国企業もいまはフリーハンドで政府から自由を与えられているが、永遠につづくかは判らない。徐々に中国政府はネット企業への介入を匂わせている。すべてがコラムに書かれたような悪夢になることもなければ、中国だけが独走することにもならないと思う。もっと大きな問題は、Financial Timesのイギリス、ヨーロッパ、私たちの住む日本は、まるで競争力を失っていることだ。

Comments are closed.