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3189.報道比較2017.11.25

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中国市場は輝いて見える。10年前にアメリカで感じたような魅力が、いまの中国にはある。

毎日新聞・社説
野党の国会質問を大幅削減 慣行を踏みにじる行為だ

週明けに開かれる衆院予算委員会で野党の質問時間が従来より大幅に削減されることになった。与党側が「数の力」で押し切った。野党の質問時間を減らす提案は、特別国会での実質審議に応じない構えをみせていた首相官邸と自民党が交換条件のような形で持ち出した。「与党の若手議員の質問時間を増やすため」という理由だった。今週の参院本会議で民進党の大塚耕平代表から「国会において守るべき保守政治家の矜持ではないか」と問われ、首相はこう答弁した。「数万を超える票を得て国会議員となった以上、与党・野党にかかわらず、国会の中において責任を果たすべきであり、それが有権者の負託に応えることだとの指摘もある」.加計学園の獣医学部認可を受けて開かれた先週の衆院文部科学委員会でも与党の質問時間が増えたが、自民党から質問に立った義家弘介元副文科相は政府の擁護と、メディアや野党への批判に終始した。衆院予算委2日間で5時間にもなる与党質問が有意義に使われるのか疑問だ、としている。

これは全紙が社説に取り上げてもいいような横暴だと思うが、なぜ他の新聞はスルーなのだろう?与党の若手とやらが、本当に有意義な質問をするかがポイントになるが、日本の組織型合意形成から考えて、破滅的な国会になっていくのは目に見えている。この事だけを取り上げても、自民党への投票は明らかに失敗だ。戦後最大の国民の失敗だろう。これだけの数を手にしても、何も決められなず、大きな法さえ作れない。得た議席をこんなものに使うとは、最悪の議会だ。

読売新聞・社説
対「北」着弾訓練 自治体は対応力向上に努めよ

弾道ミサイルの着弾による「武力攻撃事態」を想定した初の国民保護訓練が、長崎県雲仙市などで行われた。政府や自治体、自衛隊、消防、警察などと住民が参加した。弾道ミサイルの飛来を想定した避難訓練自体は、3月の秋田県以来、全国で20回以上を数える。自治体の危機意識が高まっているのは確かだろう。有事における避難誘導は、自治体の責務である。今回の訓練では、「行政無線の音が聞き取れなかった」などの指摘があった。反省点があれば、次の機会に生かす。その繰り返しで現場の対応力を着実に高めることが大切である。重要なのは、政府が全国瞬時警報システム「Jアラート」を通じて迅速かつ正確に情報を伝え、国民も冷静に行動することだ。内閣官房ポータルサイトには、「近くの建物か地下に避難」「建物がなければ地面に伏せる」などの情報を詳細に掲載している。全国の約9万の避難施設について、コンクリート造りかどうか、地下空間の有無などの項目も追加された。目を通しておきたい、としている。

取り組みは有意義な気もするが、広報が下手なのだろう。私はまるで知らなかったし、この情報を聞いても数時間以内に忘れるだろう。地震や火災に比べても危機意識は低く、3.11より前の原発や津波への意識に似ている。本気で行政が危機感を持っているなら、いまの告知ではまったく機能していないことから見直さないと、被害は3.11と似た結末に至りやすい。力点が違う。

産経新聞・社説
東海第2原発 この40年超えが正念場だ

日本原子力発電が、茨城県東海村にある東海第2原発(沸騰水型・出力110万キロワット)の運転期間の延長を、原子力規制委員会に申請した。これまでに運転延長が認められたのは、関西電力の美浜3号機など加圧水型の原発のみである。今回は福島第1原発と同型での初の延長計画であるだけに重要な申請だ。規制委と原子力規制庁には、厳密性と効率性の両面重視の審査を期待したい。万一、時間切れでの廃炉を迎えると電力会社は審査リスクの高さを嫌い、延長を断念するケースが増えよう。原発の新規立地は当面、期待できない。この現状を踏まえると40年を迎える原発の運転延長審査の合理的な進行による合格が、電力の安定供給面からも望ましい。半径30キロ圏内に96万人が暮らす東海第2の場合は、再稼働での周辺自治体の理解が重要だ。全国の原発での地元との安全協定は、法的根拠を欠いたまま既成事実化しつつある。国が前面に出て調整に当たるべき課題である、としている。

結局、国民も国会の議論もなく、いつの間にか経産省のエネルギー政策と頼りない規制委員会が、密室のような環境で重要な意思決定をする。また、この事実を凡例のように踏襲して問題意識を持たない行政が繰り返される。3.11の前の状態に戻っているだけだ。私は、全員が合意形成して再稼働ならそれでいいと思う。政治家が結論を出せないなら、国民投票のような形をとるべきだった。まだ大人になれない無責任な日本をつづけるようだ。

朝日新聞・社説
改元の時期 国民不在で進む議論

天皇陛下の退位、および新天皇の即位と改元の日程を話し合う皇室会議が、来月1日に開かれることになった。政府内では「2019年4月30日退位、5月1日即位・改元」が有力視されているという。朝日新聞がこの夏おこなった世論調査では、5月改元は議論の俎上になく、新しい元号のスタートを「1月1日」とするのに賛成が70%、「年度初めの4月1日」が16%だった。だが宮内庁が難色を示した。年末年始は儀式や宮中祭祀(さいし)が立て込み、19年1月7日には昭和天皇が亡くなって30年の式年祭もあるという理由だ。国民のことよりも、皇室の私的な行事や政治の都合が優先されている感は否めない。見方をかえれば、西暦でものを考えることが国民の間に定着して「元号離れ」が進み、改元時期について、それほど神経をとがらせなくてもいいという現実のあらわれということもできる。昭和から平成、そして新元号への移行によって、この流れはさらに強まるだろう。改元それ自体が、時代を画する特別な意味を直ちにもつわけではない。日取りがいつになろうが、多くの国民はその日を自然体で迎え、ふだんの生活を続けるだろう。そうした人々のくらしに及ぼす混乱を最小限に抑えるのが、政府の務めである、としている。

指摘が微妙に論理破綻している。元号離れが進んでいるなら、別にいつ切り替わってもいいはずだ。個人的に天皇の負担を考えて5月にするなら、別に構わない。退位を認めたのも陛下の負担軽減のためなら、退位のタイミングもそれでいいと思う。朝日の目的は天皇陛下への配慮でも、国民尊重でもない。政府批判だ。

日本経済新聞・社説
山一破綻20年、金融改革の再起動を

四大証券の一角だった山一証券の破綻から、24日で20年が経過した。当時の日本は山一のほか、三洋証券や北海道拓殖銀行など金融業界の相次ぐ経営破綻によって経済活動は凍りつき、市場が機能不全に陥っていた。過去20年をふり返ると、いくつかの変化がみてとれる。まず、再編が進んだ。1997年に都市銀行や長期信用銀行など10行以上がひしめいた大手銀行は、拓銀破綻の後、3メガグループを軸に統合が加速していった。証券会社は業界3位の日興が銀行傘下に入り、独立系は野村と大和の二大勢力となった。現在の日本は世界的な景気拡大と株高の恩恵を受けている。好環境に安住せず、金融・市場関係者は目前に積み上がる課題の解決にむけて動くべきだ。銀行は事業構造の転換が焦眉の急だ。保証や担保頼みの融資に頼ったビジネスモデルは限界に近い。企業買収の助言や資産運用といった、非金利収入をもたらす事業を拡大する必要がある。少子化や長寿が進む日本社会では、経済の活性化や個人の資産形成がことのほか重要になっている。危機から20年の節目を、金融の構造改革を再起動させる出発点とすべきである、としている。

昨日の朝日と同じ話題、レベルも同じように低い。20年を経て、日経と朝日は学んでいないようだ。たしかに朝日も日経も、20年、カタツムリのような進歩も見えない。

Wall Street Journal
中国ITブーム、次の最前線とは (2017.11.24)

世界は中国ハイテク業界の成功を歓迎しているが、その成功はおおむね消費者向け事業に限られている。米国がフェイスブック、アマゾン、グーグルを擁するのに対し、中国には騰訊控股(テンセント)、 阿里巴巴集団 (アリババグループ)、百度(バイドゥ)がある。中国企業は、数億人もの消費者が買い物や支払い、チャットやゲームを行うのを支援するアプリケーションの開発に優れている。だが、法人向けのアプリケーション市場となると、話は違ってくる。中国にはオラクルやSAP、セールスフォース・ドットコムに匹敵するような企業は存在しない。フォレスターによると、中国の企業や政府機関による2016年のソフトウエア支出は1220億元(約2兆円)にとどまり、米国の2450億ドル(約27兆円)を大きく下回る。セールスフォースの時価総額が780億ドルであるのに対し、同様の地位を狙う多くの中国企業はまだ新興企業で、時価総額が10億ドルに達している企業はない。深センに拠点を置くチャットボット製造のズイイー・テクノロジー(ZhuiYi Technology)は今月、2度目の資金調達で2100万ドルを確保した。ズイイーのチャットボット「イーボット(Yibot)」は自然言語処理技術を活用する。自然言語処理は言語の習得方法を模倣するAIの分野で、人間とよりうまくやり取りできるプログラムを生み出す傾向があるとされる。自然言語処理と深層学習(ディープラーニング)により、ボットは顧客と会話すればするほど学ぶ仕組みだ。新商品が出れば、機械は迅速に学ぶことができ、時間とともに機能する。ズイイーのウー・ユェ最高経営責任者(CEO)はテンセントで10年にわたり、検索やAI活用の業務を指揮し、2年前に退社した。同氏はそこで、テンセントの時価総額が30億ドルから3000億ドルに膨らむを目の当たりにする。そしてこう語った。「同じことが法人市場でも起こるかもしれない」、としている。

人民網日本語版
中国の新時代、世界の新たなチャンス (2017.11.24)

中国の習近平国家主席は23日、中国公式訪問中のジブチのゲレ大統領と会談した。ゲレ大統領は、中国からの長年の支援に感謝。国連平和維持活動及び国際海賊対策協力への中国側の積極的な参加を称賛するとともに、中国が世界の平和と繁栄に極めて重要な役割を発揮していることに感謝した。また、中国が長年にわたり、自国が貧しく立ち後れていた時でさえもアフリカの安全と発展のために貢献してきたことを称賛した。ゲレ大統領の発言は多くの人の心の声だ。貧しく立ち後れていた時期も、富強化し始めた後も、中国は常に世界にプラスのエネルギーを貢献し、発展のチャンスを提供してきた。中国の一層の開放はグローバル化による新たな利益をもたらす。第19回党大会報告は、開放は進歩をもたらし、閉鎖は必ず立ち後れると指摘した。中国の開放の扉が閉ざされることはなく、大きく開かれていくばかりだ。中国は人類運命共同体の構築推進を堅持し、常に世界平和の建設者、世界発展の貢献者、国際秩序の維持者である。習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想はマルクス主義中国化の最新の成果であり、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な実践は、中華民族をさらに高揚した姿で世界の各民族の中にそびえ立たせるだけでなく、世界にかつてないチャンスと幸福をもたらす、としている。

人民網の表題はキャッチーだが、内容はアフリカにいなければ興奮しない。反面、Wall Street Journalは自由主義の競争で培った嗅覚で、中国マーケットを分析している。非常に興味深い。個人的な事業領域に近いこともあり、調査しようと思ったほどだ。中国マーケットは、最終的にビジネスを自国で総取りに持ち込もうとする。どこの国でも税は求めるし、自国経済への貢献がなければ市場開放はしない。うまくやっても摩擦と後付けの注文は必ず生まれる。ただ、中国は想像を絶する。ノウハウはすべて置いていけと言った数年後、条件を飲まないなら出て行けと平然と言う。GoogleもAmazonも撤退した。Facebookは未だに中国へ参入できない。Appleだけがうまくやったように見えるが、いつ翻意されるか判らない。Microsoftが海賊版で被った損害の大半は中国だ。挑戦するからには、最初にボロ儲けできなければリスクが大きい。それでも中国は輝いて見える。10年前にアメリカで感じたような魅力が中国にはある。

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