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3187.報道比較2017.11.23

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感謝祭に、新興国の不穏なリスクを各紙が伝えている。リスクは消えていない。忘れていただけ。

Financial Times
ベネズエラ危機のあおり食う中南米諸国 (2017.11.17)

ベネズエラの首都カラカスの地元の公園に4歳の娘を連れて行き、真昼間に男が撃ち殺されるのを目撃した時、ディオミラ・ベセラさん(34)はもう国を去る時だということが分かった。かつては中南米で最も豊かだった国を逃れ、医師や技師、トラック運転手、理学療養士などとして働いていた人々が今、ロンドンのスーパーで働いたり、マドリードでメイドとして働いたりしている。スペイン難民支援委員会(CEAR)によると、スペインでは、ベネズエラ人申請者がシリア、ウクライナからの申請者を上回っている。大半の移住者は容易に溶け込むものの、コロンビアは昨年、様々な問題からほぼ2000人のベネズエラ人を国外追放した。その数は、2015年実績の10倍にのぼる。コロンビア人にとっては特に、変化が著しい。多くのコロンビア人はかつて、麻薬に煽られたコロンビア内戦を逃れ、石油資源に恵まれたベネズエラに繁栄を求めた。今では、こうした人が国に帰ってきている。コロンビア生まれのフアン・フェルナンド・クエジャさんは、国外で数十年暮らした後、昨年、ベネズエラ人の妻と3人の子供を連れてコロンビアに帰国した、としている。

Wall Street Journal
中国がビルマに提案した「解決策」 (2017.11.22)

中国の王毅外相は19日、ビルマ(ミャンマー)を訪れ、ロヒンギャ問題に対する解決策を提案した。しかし中国はビルマ国軍の抑制に向けて影響力を行使するのではなく、ビルマ政府に少数民族の不当な扱いを促すような策を打ち出した。中国は当初、ビルマ軍の行動を「国家安定の維持」に必要だとして支持。拒否権を利用して国連安全保障理事会(UNSC)の非難決議採択を阻止している。対ビルマ制裁や国際刑事裁判所(ICC)への付託を求める圧力が高まる中、王氏は中国の支持は依然、揺るぎないとのメッセージを発している。欧米諸国はロヒンギャ問題に関して制裁でビルマに圧力をかけることを検討しているが、中国の支援は制裁の影響力が限られることを意味する。ビルマのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相の側近は今月、ウォール・ストリート・ジャーナルに対して制裁は同国を中国に接近させるものだとくぎを刺した、としている。

日本経済新聞・社説
中東の混迷を拡散させるな

有力王族や現職閣僚らを一斉に拘束したサウジアラビアの激震にあわせるように、サウジと周辺国の間で緊張が高まっている。首都リヤドにイエメンから弾道ミサイルが飛来し、サウジが迎撃ミサイルで撃ち落とした。レバノンのハリリ首相はサウジ滞在中に、自国での暗殺の危険を理由に辞任を表明した。サウジは自国を囲むように活動を活発化する親イラン勢力にいらだちを強めている。サウジの実力者ムハンマド皇太子は「イエメンからのミサイルはイランによる戦争行為だ」と非難した。懸念されるのはイスラエルもイランを安全保障上の脅威と捉えていることだ。危機感を共有するイスラエルとサウジが対イランで手を結ぶ。こんなシナリオも荒唐無稽とは言えなくなっている。サウジ国内の拘束者は増え続け、行く末が見えない。中東の混迷は世界の安定に深刻な影響を及ぼす。まずサウジが早急に国内の混乱を鎮め、サウジとイランが冷静さを保つことが必要だ。そのために両国の緊張緩和を促し、対立を周辺国に飛び火させないことが国際社会にとって急務である、としている。

世界情勢は、相変わらず危うい。ポジティブに見られていたはずのビルマ、ベネズエラ、サウジアラビアが、リーダーの変容で一気に活力を失っている。さらに言えば、トルコ、南アフリカにもリスクが宿る。間もなく、アメリカは利上げを決めるだろう。潮が引くように新興国からマネーが去っていく。中国は打算で外交を裏返す。10年つづいた成長が止まった時、被害が大きくなるのは新興国だ。彼らは命に関わるところまで追いつめられている。

朝日新聞・社説
「森友」の検査 首相は再調査を命じよ

森友学園への国有地売却問題を調べていた会計検査院が、8億2千万円の値引きについて「十分な根拠が確認できない」とする検査結果を国会に出した。「法令に基づき適正な価格で処分した」という政府の説明に、大きな疑問符が付いた。検査院は、業者の写真ではごみの深さを確認できず、政府の職員が現地で計測した記録もないとして、ごみの深さの裏付けは確かめられないとした。混入率や処分単価についても根拠に疑問を呈し、ごみの量は最大で7割少なかった可能性があると試算した。その検査も十分とは言えない。壁になったのは、財務省や国交省が関連文書を破棄していたことだ。検査院は「会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況」と指摘し、文書管理の改善を求めた。両省の責任は重い。 首相は国会で「(内閣から)独立した会計検査院がしっかりと検査すべきだ」と述べてきた。今度は、首相が疑問に答える番だ。検査が不十分な点は国会が解明に努める。それが国民に対する責務である、としている。

読売新聞・社説
森友検査院報告 不透明な値引きに疑念が募る

約8億円の値引きに疑問符が付いた。大阪府豊中市の国有地が学校法人森友学園に1億3400万円で売却された問題で、会計検査院が報告書をまとめた。「見積もりの算定根拠が不十分で、慎重な検討を欠いていた」と政府の姿勢を非難している。財務省近畿財務局の依頼を受けた国土交通省大阪航空局が、ごみの量や撤去費用を推計した。専門業者を通さずに直接算定する異例の対応だった。ごみのある範囲や深さ、混入率などの数値を設定し、全体量を見積もった。検査院は、数値がいずれも過大だった可能性に言及した。見積もられた量の3割や7割しかない独自の試算結果も示した。森友学園が問題の土地に建設を進めていた小学校の名誉校長には、安倍首相の昭恵夫人が就任する予定だった。首相は「私や妻は国有地の払い下げに一切関与していない」と強調している。値引きに、官僚の何らかの意図が働いたのか。政府には納得のいく説明が求められる、としている。

ある意味、公的な機関の調査結果が、政府と安倍氏、関連省庁に反省と説明責任を突き付けた。財務省がこの面々に加わっているのが珍しい。しかも文書管理で。カネの計算をする省庁が記録を残さずにクレームを付けられる醜態の異常さを認識すべきだ。この話題を避けたのは、産経と日経。もう国民の目を反らせると安倍氏と同様の感覚を持っているなら、後で後悔する。時間を稼ぐほど、傷も深くなるに違いない。

毎日新聞・社説
所得税の控除見直し より時代の変化に対応を

来年度の税制改正を巡って、自民党税制調査会が本格的な議論に入った。最大の焦点は、所得税の負担を軽くしている控除の見直しだ。背景にあるのは働き方の多様化だ。会社に勤めずインターネットで仕事を引き受けるが、会社員と同じように働いている人が増えている。こうした人たちは基礎控除しか適用されず、給与所得控除もある会社員に比べて不公平と指摘されてきた。もう一つは高齢化だ。増大する社会保障費の財源として消費税の重要性が増している。ただ低所得者ほど負担が重いという課題がある。いずれも税制の所得再分配機能を強めていくことが必要だ。この方式によって、ある程度の再分配効果は見込めるだろう。ただ、所得にかかわらず同じ額の税を減らし、相対的に低所得者に有利となる税額控除方式に切り替えた方がより効果的という指摘もある、としている。

まだ途中経過を報じただけだからか、内容が中途半端だ。毎日の提案にも具体性がなく、主張が曖昧でつかめない。自民党の観測気球だろうか?

人民網日本語版
外交部、米国による朝鮮の「テロ支援国家」再指定について (2017.11.22)

トランプ米大統領は20日、朝鮮を「テロ支援国家」に再指定し、圧力をさらに強化すると発表した。中国外交部(外務省)の陸慷報道官は21日、関係各国が情勢緩和に資することを行うよう望むと述べた。米国は1980年代末に朝鮮を「テロ支援国家」に指定。2008年10月にブッシュ政権は朝鮮の核施設検証をめぐる米朝間の合意に基づき指定を解除した。現在、米国は他にイラン、スーダン、シリアを「テロ支援国家」に指定している。陸報道官は「現在朝鮮半島情勢は非常に複雑で敏感だ。われわれは関係各国が情勢の緩和に資し、全ての関係国が交渉、対話と協議による朝鮮核問題の解決という正しい道に戻るうえでプラスになる事を行うよう希望する」と表明した、としている。

産経新聞・社説
代表質問 北朝鮮危機をもっと語れ

差し迫った北朝鮮の脅威などから国民をいかに守っていくかを、十分に論じたと胸を張れるだろうか。衆参両院で行われた代表質問への率直な感想である。北朝鮮危機に対する質問は深みを欠き、通り一遍の内容が目立った。国難に直面しているという意識が伝わってこないのは残念である。立憲民主党の枝野幸男代表は日米同盟を「健全に強化、発展」させるとしながら、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと主張した。希望の党の玉木雄一郎代表は「現実的な外交・安全保障政策」を掲げつつ、集団的自衛権の行使を認める「存立危機事態」の要件の厳格化を求めた。国民を守るため、自衛隊が持てる機能を発揮できるよういかに法律を柔軟に活用するか。立法府として促すべきはそこである。北朝鮮有事に伴う国内でのテロ防止対策や難民対応、在韓邦人退避、核抑止の態勢なども、今後の審議で取り上げてほしい。国難はそれだけではない。少子高齢化や社会保障の全体像をめぐる重厚な議論も聞きたい、としている。

すっかり静まった北朝鮮。中国は対話を呼びかけなら表立った行動はせず、アメリカも大統領だけが執拗に口調だけは攻撃的だ。日本は選挙のテーマといいながらすっかり国会は北朝鮮を忘れている。カネを使う話だけだったのだろうか?

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