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3186.報道比較2017.11.22

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ヨーロッパの政治に、またじわりと不穏な空気が。

Wall Street Journal
連立できぬメルケル首相、最善の道とは (2017.11.21)

連立政権の樹立を目指すアンゲラ・メルケル独首相の試みは19日夜に崩壊した。やれやれだ。結果がはっきりしなかった9月の選挙で、有権者は他のことはともかく政治的な競争の高まりを望んだ。気が進まない者同士が連立を組むのは有権者の期待に反する。メルケル氏は連立交渉を利用し、税金と移民を巡る自身の困った衝動が身内の右派から攻撃された時の政治的な盾として、緑の党を置こうとしたようだ。FDPのクリスチャン・リントナー党首は連立交渉を打ち切ることで国民への責務を果たした。「われわれは変化をもたらすために選ばれた」「間違った統治をするくらいなら、統治しないほうがいい」と19日に述べている。ドイツは1920~30年代に不安定な時代を経験しており、国民は戦後初となる再選挙に消極的だとされる。過去約70年の民主的な変革はもっと評価されていい。現在の本当の脅威は選挙の不確実性よりむしろ、崩壊しつつあるメルケル氏の中道政治がはらむ「偽の安定感」だ、としている。

ヨーロッパの政治に、またじわりと不穏な空気が。フランスにマクロン氏が登場した頃に晴れたように見えたヨーロッパが、また曇っている。理由も、危機もなく、現状への不満だけが原因で。メルケル氏は今までのやり方をつづけるわけにはいかなくなった。リスクを取って新しいアプローチを成功させなければ、逆風が吹き荒れそうだ。せっかく回復を見せてきたヨーロッパに、またリスクが生まれた。

人民網日本語版
韓国外相訪中 良好な中韓関係は歴史と時代の大勢に合致 (2017.11.21)

中国外交部(外務省)の陸慷報道官は20日の定例記者会見で、韓国の康京和外相が王毅外交部長(外相)の招待で21~23日に中国を訪問すると発表した。中韓両国は隣人だ。良好な中韓関係は歴史と時代の大勢に合致し、両国民共通の願いでもある。国交樹立から25年、両国関係・協力は急速に発展し、友好的交流、協力・ウィンウィンが常に両国関係の本流だ。中国側はこれまでも、また今後も相互尊重と協力・ウィンウィンを基礎に両国関係の推進に尽力する。われわれは双方が中韓関係の改善と発展についての両国首脳の重要な共通認識を実行に移し、政治的相互信頼を増進し、互いの核心的利益と重大な懸念を尊重すること、特に韓国側が引き続き的確な努力をし、中韓関係が正しい軌道に沿って平穏かつ健全に発展するよう確保して、各分野の両国交流・協力に良好な環境を創造し、両国及び両国民に真に幸福をもたらし、地域の平和・安定と発展・繁栄を促進することを希望する、としている。

韓国はどんどん中国との距離を縮めている。韓国は中国との関係を最重視しているはず。この外相会談も貴重な機会だろう。日本どころか、アメリカにもコントロールできないところまで二国の関係は深まっている。北朝鮮を気にしなければ、手法には不愉快なものも多いが、韓国の行動は私は合理的だと思う。いま、日本がもっとも気にしている北朝鮮を、中国と韓国がどう認識しているのか、大いに気になる。

朝日新聞・社説
米の対北政策 敵視だけでは前進せぬ

米国の外交は伝統的に、敵と味方をはっきり選別する傾向がある。その象徴的な制度が「テロ支援国家」の指定だ。この夏まで挑発を重ねた北朝鮮の動きには変化がみられる。2カ月以上の間、核実験やミサイル発射が止まっている。米朝間で核・ミサイル実験の凍結をめぐるやりとりがあったとの米国の報道もある。さらに今月の米中首脳会談や、中国特使による平壌訪問という最近の動きも絡み、何らかの水面下の駆け引きが進められているとの臆測が出ている。再指定に伴い、武器の輸出・販売や経済援助の禁止などが科される。だが、大半が国連安保理の制裁などと重複しており、効果は少ないとされる。中東やアジア歴訪で見せた一貫性のないトランプ氏の対外姿勢が、ここでも不透明感を漂わせている。安倍政権は、核・ミサイル問題での米国の考え方を不断に問いただすべきだろう。ブッシュ政権が指定を解いて9年間、米政権の交代のたびに北朝鮮政策は揺れてきた。非核化のための対話を進めるには、息長く継続的な努力を注ぐほかない現実を踏まえるべきだ、としている。

産経新聞・社説
テロ国家再指定 拉致解決にどうつなぐか

トランプ米政権が、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した。日本人の拉致も北朝鮮の重大な国家犯罪である。トランプ大統領は国連演説で横田めぐみさんのケースを取り上げ、来日時に被害者家族と面会するなど、拉致問題に高い関心を示してきた。「テロ支援国家」再指定を拉致問題解決の契機としなければならない。そのための行動と努力が政府に求められる。トランプ氏は再指定を「何年も前にやるべきだった」と述べた。ようやく、との印象も否めないが、改めて圧力の重要性を確認し、国際連携を訴えてほしい。日本に求められるのは、目に見える形での圧力強化だ。安倍首相は「国難」を乗り切る決意を行動で示さねばならない。北朝鮮は9月中旬以降、核・ミサイルの挑発に出ていないが、再指定への反発から再開する可能性もある。あらためて警戒を強め、北朝鮮有事への備えを進めなければならない、としている。

日本経済新聞・社説
北のテロ国家再指定は妥当だ

米国のトランプ大統領が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると表明した。北朝鮮は核兵器やミサイル開発に加えて国際テロ活動も支援し、国際社会を威嚇してきた。再指定は極めて妥当だ。トランプ政権による再指定の公表は、中国が派遣した習近平国家主席の特使が訪朝から帰国したタイミングと重なった。中国はかねて、北朝鮮の核問題を対話によって解決すべきだと唱えており、特使派遣で打開の道筋が見えるかが注目されていた。結局、中国特使と金委員長との会談は見送られたとみられ、核問題をめぐる中朝の立場の溝は埋まらなかったようだ。米政権がテロ支援国家の再指定を発表したのは恐らく、中国による説得工作が失敗したと判断したからだろう。北朝鮮が激しく反発するのは必至だろう。9月中旬以降は控えてきた核・ミサイルによる挑発を再開する恐れは否定できない。不測の事態への備えも怠れない、としている。

毎日新聞・社説
北朝鮮「テロ支援国」再指定 脅威封じる新たな足場に

北朝鮮危機が続く中、大きな決断と言える。米国はまた北朝鮮を「テロ支援国家」と呼ぶことになった。トランプ米大統領が再指定を発表した。2008年に同じ共和党のブッシュ政権が「テロ支援国家」の指定を解いてから9年ぶりである。だが、トランプ氏は関係国に北朝鮮への圧力強化を改めて求めるとともに、北朝鮮にはもうだまされないという強い姿勢を示したのだろう。「何年も前に再指定すべきだった」とトランプ氏は言う。確かに、08年の指定解除は核放棄へ導く苦肉の策の性格もあったにせよ、いかにも詰めが甘かった。結果として、北朝鮮をますます手のつけられない存在にしたのである。過去の米政権の対北朝鮮政策を失敗と断じるトランプ政権も、いまだ得点を稼いではいない。北朝鮮の脅威にどう対処するか。手詰まり感がある中で、「テロ支援国家」再指定を新たな足場として活用したい、としている。

読売新聞・社説
テロ国家再指定 北朝鮮の新たな挑発に備えよ

米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定した。トランプ大統領は、「北朝鮮は国外での暗殺を含む国際テロ行為を繰り返し支援してきた」と述べた。米財務省が大規模な追加制裁を科す方針も明らかにし、「残忍な体制を孤立させるため、最大限の圧力をかける」と強調した。安倍首相は、「圧力を強化するものとして歓迎し、支持する」と語った。日本人拉致も、北朝鮮によるテロである。問題の膠着状況を打開する契機としたい。中国の習近平国家主席の特使が最近、訪朝した。目に見える成果はなかった。北朝鮮に対する中国の圧力が不十分だという判断も、トランプ氏が再指定に踏み切る一因となったのではないか。懸念されるのは、北朝鮮が反発し、暴挙に出る事態だ。弾道ミサイルの発射や核実験は2か月間、行われていない。小康状態から、局面が転換する可能性がある。小野寺防衛相は、「新たな挑発行動に出ることは否定できない。引き続き緊張感を持って、しっかり対応していきたい」と述べた。様々な展開への警戒を怠らず、備えを固めることが求められる、としている。

アメリカが北朝鮮をテロ支援国家に指定したトピックが、全紙の社説の題材になるとは思わなかった。他に話題がないのだろう。内容は国内紙のいつものレベル。取材もないから新たな情報も考察もない。当たり障りのない内容に留まっている。無益だ。過去のテロ支援国家指定を思い起こして欲しい。9.11を経て、イラクやアフガニスタンに介入したい目的のために、奇妙なルールでアメリカが国家を名指ししただけだ。経済制裁を中心に、あらゆる制裁で締めつける。その結果、テロを追いつめたのかもしれないが、ISを生み、シリアを悪夢の場所にしまった遠因にもなっている。目の前の危機が日本にもあるから手放しにアメリカを持ち上げるだけでいいのだろうか。このテロ支援国家指定が、日本に何の意味をもたらすのか、過去の新聞でも引用した方が、まだ思慮深さを感じられるはずなのだが。

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