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3175.報道比較2017.11.11

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トランプ氏のアジア外交は日本が期待しているようなものではなかった。ただのセールス行脚だったと見るべきだろう。余計なカネを使う約束をしちまったようだが…?

人民網日本語版
中米の共通認識形成は世界の繁栄を促進 (2017.11.10)

トランプ大統領は第19回党大会の成功裏の閉幕後、初めて訪中した外国の元首だ。トランプ大統領は習近平氏の中共中央総書記再選を祝し、中国経済発展の成果を称賛した。習近平国家主席はトランプ大統領に中国経済・社会発展の現状と第19回党大会の重要な成果を紹介した。両国首脳は共通認識を形成し、中米関係が両国民の幸福に関わり、世界の平和・繁栄・安定にも関わること、中米両国にとって唯一の正しい選択は協力であり、ウィンウィンであって初めてより良い未来に通じることを指摘した。両国首脳は重大な国際問題、地域問題、グローバルな問題についても意思疎通し、共に問題の適切な処理と解決を後押しし、世界と地域の平和・安定を促進することが両国共通の努力の方向となった。朝鮮半島核問題では、朝鮮半島非核化目標を再確認すると同時に、対話と交渉による問題の解決を強調した。両国首脳は緊密な意思疎通を継続する意向を改めて表明した。順調な上層部交流は両国の相互信頼を強化した。これは誤った判断を防ぎ、深い協力を促進する助けになる。首脳外交に先導され、中米関係の新たな青写真がゆっくりと広げられた、としている。

Wall Street Journal
米中首脳の「親密な仲」が意味するもの (2017.11.10)

中国は今週、ドナルド・トランプ米大統領を最大級のもてなしで迎えた。トランプ氏はそれに対し、習近平国家主席とは「うまが合う」とお世辞を返し、同氏を「非常に特別な男」と呼んだ。問題はこの両者の友好的ムードから何が生じるのかだ。特に北朝鮮問題に関して、中国から何が出てくるのかだ。2人の相性を過小評価するわけではないが、両者が外交面で何か突破口を開いたかと言えば、それは定かではない。レックス・ティラーソン国務長官は会談後の記者会見で前向きな面を強調した。いわく「北朝鮮に関して意見の不一致はない」。ティラーソン氏は、「核武装した北朝鮮を受け入れることはない」と中国が明言したと繰り返し述べ、さらにこう付け加えた。「互いの目的の間に隙間は一切ない」とはいえ、ある米政府高官が大統領専用機の中で語ったように、中国はいまだに国連の経済制裁で禁じられている北朝鮮との金融取引の全てを断ち切ったわけではない。しかも国連制裁は金正恩政権への原油の輸出を全面禁止するのではなく制限しているだけであり、中国が北朝鮮に提供している他の経済的なライフラインを止めるものでもない。米中間に食い違いが残っているのは明らかだ。向こう数週間に中国が北朝鮮に対する経済的圧力をどの程度強めるのかを見極めるまで、北京で見せられた習氏とトランプ氏の「ブロマンス(男性同士の親密な関係)」が変化をもたらすものだったかどうかは分からない、としている。

日本経済新聞・社説
北朝鮮に米中一体で圧力を

トランプ米大統領が初めて中国を訪れ、習近平国家主席と会談した。習氏が皇帝の住まいだった紫禁城を自ら案内する厚遇と、超大型商談が目立ったが、肝心の北朝鮮問題での溝は埋まっていない。北朝鮮に核放棄を促す手法をめぐってトランプ氏は圧力を重視する。習氏は朝鮮半島の非核化に力を尽くすとしつつも、対話を求める姿勢を崩さず、米国の武力行使もけん制した。共同記者会見では対立の表面化こそ避けたが、問題が先送りされたにすぎない。トランプ訪中で中国側は2500億ドル(約28兆円)の大型商談に応じ、貿易不均衡問題での圧力緩和に成功した。習氏はさらに駒を進め、最近、対米外交で言及を控えていた「新しい形の大国関係」と全く同じ考え方をトランプ氏に提起した。「太平洋は両国を受け入れることができるほど十分に大きい」。習氏は共同会見で太平洋を巡る貿易・安全保障の権益を分け合う意味を込めた文言も添えた。トランプ時代の米国が環太平洋経済連携協定(TPP)から退いたのを好機と見て再び攻勢をかけている、としている。

読売新聞・社説
トランプ演説 具現化が問われるアジア戦略

トランプ米大統領がベトナムで、アジア政策に関する演説を行った。アジア各国の民主化と法の支配、経済発展を称賛し、「インド太平洋地域の全ての国々との関係を強化し、繁栄と安全を推進したい」と呼びかけた。安倍首相は昨年、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を打ち出している。トランプ氏がこの理念に共鳴し、価値観外交に初めて踏み出した意義は大きい。中国は、国際法を無視して南シナ海を軍事拠点化し、「航行の自由」を脅かす。巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて、域内国への経済援助や港湾整備の支援を進め、自国に都合の良い国際環境を作り出そうとしている。「米国第一」を掲げ、多国間連携に否定的なトランプ氏が、安倍首相の戦略に乗ったのは、こうした現状への危機感があったからだろう。アジアの安定に向けた責任を各国と分かち、米国の負担を減らす思惑も垣間見える。米国の国務省や国防総省で、アジア太平洋担当の次官補ポストの空席が続いているのは、問題である。日米の戦略を印豪と共有し、成果を上げるには、早急に陣容を整えることが欠かせない、としている。

人民網は、中国とアメリカの関係の良さを強調する。空手形で何も約束せずに済んだ、時間を買えたのだから当然だろう。Wall Street Journalは、現実的なディールになったのかを懸念している。おそらく後で後悔することを予感している。今までのトランプ氏の成果がどれも実現していないのを見れば、これも当然。そして日本の新聞は必死に日米の親和性を強調し、北朝鮮を問題視している。サウジアラビアが緊迫を呼ぶ中、私はトランプ氏の頭はすでに中東に向かっていると思う。今までのアメリカ大統領同様、北朝鮮には「黙っていてくれれば見過ごしてやる」に早々に切り替わるのではないか。その前に…アメリカは日本に徹底的に武器を買わせたい。その約束のためだけにゴルフしたようにも見える。アジア外交は日本が期待しているようなものではなかった。ただのセールス行脚だったと見るべきだろう。

朝日新聞・社説
「加計」開学へ これで落着とはならぬ

加計学園が愛媛県今治市に計画している獣医学部について、文部科学省の大学設置審が新設を認める答申をした。きのう公表された審査資料によって、見過ごせない事実が新たに浮上した。設置審は今年5月の段階で、加計学園の計画について、抜本的な見直しが必要だとする「警告」を突きつけていた。修正できなければ不認可になる問題点を七つも列挙していた。七つの指摘の中には「ライフサイエンスなど新分野の人材需要の動向が不明」なことも含まれる。これは、2年前の閣議決定に基づき、設置審にかける前に、特区の審査段階でクリアしておかねばならない条件だったはずだ。設置審はまた、四国地方における獣医師の需要見通しの不備にも言及していた。問題の発覚から半年。疑問は解消されず、むしろ膨らむばかりなのに、学園の加計孝太郎理事長は公の場で一度も説明していない。野党が国会への招致を求めるのはもっともである。首相も理事長も、逃げ回っても問題は消えてなくならない。「どうせ国民は忘れる」と高をくくってもらっては、困る、としている。

毎日新聞・社説
「加計」獣医学部が認可へ 説明もしないまま開学か

文部科学省の審議会が「加計学園」の獣医学部設置を認める答申を出した。林芳正文科相は近く認可し、来年4月に開設される見通しだ。問題は加計学園に国家戦略特区制度を通じて、候補が絞られた過程にある。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学園の獣医学部設置を巡る手続きに関する疑惑である。文科省の担当者が内閣府幹部から「総理のご意向」などと、学部の早期開学を求められたことを記録した文書が明らかになっている。7月に開かれた閉会中審査で、加戸守行・前愛媛県知事は、長年獣医学部新設が認められなかったことを指摘し「愛媛県にとっては12年間、加計ありきだった」と発言した。残念なのは、産経新聞など一部のメディアが加戸氏の発言を取り上げて、「加計」疑惑を報道するメディアを一方的に攻撃し、安倍首相もそれに便乗していることだ。加戸氏の発言は、獣医学部を求めてきた地元の論理だ。安倍首相は衆院選の公示前に「また国会があるのでその場で説明させていただきたい」と述べている。ならば関係省庁に調査を命じ、学園理事長は国会証言を行うべきだ、としている。

全紙、選挙前は事実解明、説明責任を安倍氏に求めていた。だが、行政が加計学園に認可を与えるという事実に社説で反応したのは政府に批判的な朝日と毎日のみ。これは国民全体に向けた観測気球だろう。安倍氏が日本にいない時に動く時点で、周到に計算されている。ここで批判が高まらなければ、政治も行政もまた高慢になるに違いない。追求をつづけるべきだ。

産経新聞・社説
出国税 使い道の説明が足りない

観光庁が日本から出国する人に課税する「出国税」の創設を求める提言をまとめた。名称を「観光振興税」とする方向でも調整している。日本人を含む出国者から1人あたり千円を超えない範囲で徴収し、観光振興などの財源に充てるという。だが、肝心の新税の使途が明確ではない。提言は旅行環境や観光資源の整備などを例示するが、他省庁も同じような名目で予算を計上しており、新税導入の効果が見極めにくい。省庁間で重複もある政府の観光関連予算の無駄を徹底的に排し、効率化に取り組んだ上で、それでも財源が足りない場合、新たな負担を求めるのが筋だろう。外国に出かける日本人に負担を求めることも首をかしげる。観光庁は「訪日客にだけ課税するのは、内外無差別の国際ルールに反する」とするが、米国では日本などビザ免除国からの入国者から手数料を徴収している。工夫の余地はまだまだあろう。政府は訪日客を20年に4千万人、30年には6千万人に高める目標を掲げている。その全てに課税する議論である。もっと慎重に進めてもらいたい、としている。

まともで評価できる社説。大賛成だ。他がトランプ外交と加計学園に気を取られている間、真面目な主張はユニークに見える。産経にこのセンスを活かして欲しい。

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