ORIZUME - オリズメ

3174.報道比較2017.11.10

3174.報道比較2017.11.10 はコメントを受け付けていません。

アメリカが中国にかすむ。トランプ氏のアジア外交は中国の優位が顕著になっただけだった。

人民網日本語版
新たなチャンスを迎える新時代の中米関係 (2017.11.9)

米国のトランプ大統領が習近平国家主席の招待で8日から中国を公式訪問する。国際情勢が大きく変化し、調整される中、世界最大の発展途上国と先進国である中米の関係は新たな歴史的チャンスを迎えている。
第1に、中国の特色ある社会主義が新時代に入った。習近平氏が中共中央総書記に再選され、今回の北京「トップ対話」によって新時代の中米首脳外交の構図が完成する。第2に、中米関係がバランス・調整の新段階に入った。今年1月のトランプ大統領就任以降、中米関係は平穏な過渡を実現し、両国首脳は緊密に交流してきた。
第3に、中国の発展は世界のチャンスであり、同様に米国のチャンスだ。中国はかつてない決意と力で改革の全面的深化を推し進めており、引き続き開放によって改革と発展を促し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を揺るがず遂行し、対外開放の質とレベルを高め続ける。
中米両国は一朝一夕を争う精神で未来を計画し、共通認識を拡大し、小異を残して大同につき、協力・ウィンウィンを図るべきだ。習主席は、米側と相互尊重・互恵を基礎に両国関係の長期的で健全な安定した発展を推し進めたいと強調した。そして安定して発展する力強い中米関係は、中米が21世紀において手を携えて世界の平和と発展の大事業に提供する最大の公共財となる、としている。

Wall Street Journal
米中大型商談の「落とし穴」、通商問題は先送り (2017.11.10)

ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談にあわせ、米中両国は総額2500億ドル(約28兆円)相当の大型商談を発表した。一見すると、米企業が勝利を収めたように見えるが、この巨額の数字には裏があった。その大半が完全な契約の形をとっていないのだ。規模が最も大きい837億ドル相当の中国による直接投資計画には、米企業が関与してもいない。中国国有の国家能源投資集団は、ウェストバージニア州でシェールガス、および化学製造に投資する暫定合意書に署名した。837億ドルは20年をかけて投じられる。2番目に規模が大きい430億ドルは、アラスカ州の天然ガス開発の建設費用だ。米中企業による投資の内訳は協議中で、最終合意は来年に話し合われる見通し。米政府も財界首脳も長らく、中国市場へのアクセス改善など、構造的な変化を求めている。だが、この大型商談の裏で、トランプ氏訪中で期待されていたような協議の進展はほとんど見られなかった。エコノミストや財界首脳らは、こうした大型商談に注力しても、対中赤字の解消というトランプ氏の掲げる目標の達成は見込めないと指摘する。特定の受注契約は、米企業の足かせとなっている中国の政策を是正させる効果は期待できないためだ。また企業幹部の多くは、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」がもたらす脅威など、より広範な問題について懸念している。「中国製造2025」では、米企業がけん引するロボティクスや医療機器、自動運転車などの分野で、外資を排除する思惑があるとみられている、としている。

朝日新聞・社説
米中首脳会談 「協調」演出に潜む懸念

異例の熱烈歓迎ぶりだった。トランプ米大統領の訪中は、明朝以来600年の歴史を有する故宮での歓談から始まった。両大国の対話が建設的に深化したならば、国際社会の安定に資するはずだ。だが、両首脳が発したメッセージを見る限り、外交的な美辞麗句以上の責任ある姿勢は読み取れない。北朝鮮問題をめぐり、トランプ氏の発言は変化した。日韓では「比類のない軍事力」「力による平和」を説いたが、北京では国連制裁の完全履行など穏当な言い方にとどまった。両首脳は共同会見で「世界に重い責任を担う」大国と自任したが、ならば二国間取引に腐心するより大切な役割がある。世界の平和と繁栄をめざす安定的な枠組みをどう築くか、米中が協調して描くことだ。その意味で米中の意図が見えないのが、アジアにとって最大の懸念だ。とりわけトランプ政権は、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱したことで、アジア全体への関与の意思が問われている。新旧両大国の内向きのパワーゲームの将来に、どの国も懸念を抱くのは当然だろう。トランプ氏が本当に米国の威信を取り戻したいのなら、続く歴訪の中で米国の前向きなアジア関与の決意を明確に発するべきだ、としている。

産経新聞・社説
米中首脳会談 動かぬ習主席に失望した

中国の習近平国家主席はトランプ米大統領との会談後の会見で、朝鮮半島の非核化に力を尽くすとしながらも、具体的な措置は示さなかった。金正恩政権に警告を発することもなく、対話と交渉を通じて問題を解決するという従来の立場も変えなかった。習氏は「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」とも語った。中国は大国であると強調したつもりだろう。トランプ氏は会見の最後に、米国がこの地域で「自由経済や個人の権利、法の支配について主張を続ける」ことを強調した。中国の人権状況や、力ずくの海洋進出を念頭に置いたものといえよう。訪中の機会に2500億ドルの商談をまとめるなど、協調姿勢をとりながら、基本的な価値観の相違を明快に指摘したのは妥当である。北朝鮮問題を離れても、中国相手の外交で見過ごしてはならない視点である、としている。

毎日新聞・社説
トランプ・習近平会談 非核化への責任を果たせ

トランプ米大統領が日韓に続く中国訪問で習近平国家主席と会談した。焦点だった北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けた論議では、朝鮮半島の非核化や国連安保理制裁決議の確実な履行に向けた協力などで一致した。世界第1、2位の経済大国である米中の関係は重要だ。しかし、米国優先を主張するトランプ政権の誕生で米国の指導力が揺らぐ一方、新興の経済、軍事大国として頭角を現す中国は国際社会の信頼を勝ち得ていないのが現実だ。トランプ氏が「不公正」と指摘してきた米中間の貿易不均衡問題では首脳会談に合わせ、航空機やエネルギー、自動車など2500億ドル(28兆円)もの商談をまとめ、不満解消に努めた。しかし、巨額とはいえ一時しのぎの外交的パフォーマンスにすぎない。大国同士なら他国も利益を受けるような共通の貿易ルール作りで協力するのが本来の姿だろう。自国優先のトランプ外交から米国の理念が失われたことは寂しい。7月にはノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏が「獄死」したが、トランプ氏の口から人権の重要性が語られることはなかった。トランプ氏は「中国を非難しない」と語ったが、時には相手の欠点を率直に指摘するのも世界をリードしてきた超大国の役割ではないか、としている。

読売新聞・社説
米中首脳会談 「北」への危機感にズレがある

トランプ米大統領が訪中し、習氏と会談した。北朝鮮問題について「時間は尽きようとしている。迅速に行動しなければならない」と述べ、制裁などの取り組みを加速させるよう迫った。「中国は容易に解決できる」とも語った。習氏は、国連安全保障理事会の制裁決議の「厳格な履行」と、「対話による解決」という従来の立場を繰り返すにとどまった。圧力強化の方針を明確に打ち出さなかったのは遺憾である。安保理決議の履行は、国連加盟国の義務に過ぎない。石油輸出を大幅に削減するなど、中国が実効性のある独自制裁に早急に踏み込まなければ、軍事的な緊張は高まるばかりだろう。懸念されるのは、習氏が「太平洋は米中両国を受け入れるのに十分な大きさがある」と発言したことだ。米中が相互の利益を尊重し、アジア太平洋の秩序を主導するとの考えが込められている。米国は、日本などと共に、中国に対して「法の支配」の重要性を説き続け、アジア太平洋地域の安定と繁栄に建設的な役割を果たすよう促さねばならない。中国が国際法を無視して軍事拠点化を進める南シナ海で、米軍の「航行の自由」作戦の頻度を増やす必要もある、としている。

中国からも、トランプ氏は何も持たずに外交を終えた。習氏は動かず、動じず。何の進展も感じられない会談だった。トランプ氏のアジア外交は何の成果も生まない。時間の浪費と化している。
韓国が中国にピボットするのも判る。アメリカに中国と対等になった時の世界像は描かれていない。依存するだけ危機が増すだけだ。中国にあるリスクは経済の不透明感だけ。危うさはアメリカの方がずっと強くなっている。アメリカがアメリカ第一を掲げる限り、依存は危険だ。いまのアメリカ大統領は結果を出せない。

日本経済新聞・社説
がん免疫療法の普及へ道筋を

がんの免疫療法への風当たりが強まっている。科学的根拠の薄い治療をしたり法令に違反したりする例が出ているためだ。国内でも、海外の先行例を踏まえ法に沿って慎重に実施している医療機関はある。「オプジーボ」など承認済みの免疫薬を使った治療や、一部の先端的な遺伝子治療も、免疫療法に分類される。その一方で、設備が不十分な一部の民間クリニックが、安全性のはっきりしない方法で免疫細胞を処理して体内に入れる治療をした例が明らかになっている。こうしたなか厚労省は、がん治療の中核をなす全国434の拠点病院を対象に、免疫療法の実態調査を始めた。拠点病院で保険の効かない高額な自由診療として免疫療法を実施しているのを、問題視する報道があったからだ。がん患者や治療の実態を集計している国立がん研究センターや関係学会と協力して、それぞれの治療法の有効性を示すデータなど情報の提供にも努めるべきだ。海外で実績のある治療法は国内でも臨床研究を推進するなど、普及をめざす必要がある。「悪貨が良貨を駆逐する」のように、一部の不適切な行為のために患者の治療機会が奪われてはならない、としている。

日経がまた不可思議な話題を取り上げた。以前から話題になっていた課題で、厚生労働省が動いた以外に特異な点はない。行政が動く前に情報を伝えるのがメディアの役割のはずが、完全に後手。無益だ。

Comments are closed.