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3172.報道比較2017.11.8

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産経と読売の社説がいい。国会を前に、政策に適切な注文をつけている。今までの手放しで政府を応援していた姿勢から前進した。野党が頼りなく、安倍政権に批判的な朝日や毎日の質が見るに絶えないほど劣化している中、わずかな期待だ。

産経新聞・社説
高等教育の無償化 学力と意欲で絞り込みを

大学や専門学校など高等教育の無償化を推進する安倍晋三政権で、肝心の論点が十分に吟味されているだろうか。政府は無償化を「人づくり革命」の一環と位置づける。具体的には、現在の給付型奨学金制度を拡充し、生活費のすべてをまかなえるようにしようという構想だ。税金を使って高等教育を学ばせる以上、政府としては日本の成長や難題克服に資する人材に育ち、身につけた技能や知識を国や社会に還元することを期待する。だが、学力を問わないまま、大学進学をしやすくすることに眼目をおけば、日本の教育水準は低下しよう。少子化の影響で入学志願者不足に悩む学校を「救済」しようという考えが少しでもあるなら、大きな誤りである。「真に必要な子供に限る」という首相の言葉通りなら、学力が高く、学ぶ意欲が旺盛な人に絞り込み、優遇すべきだろう。少子化で若者は減る。どの分野の人材を集めるのか。国には大きな視野を持ってほしい、としている。

読売新聞・社説
介護報酬改定 家事援助の見直しが必要だ

2018年度の介護報酬改定に向けた議論が本格化している。3年ごとに見直され、今回は診療報酬との6年ぶりの同時改定だ。見直しが求められるのは、訪問介護で掃除や調理などの家事を行う「生活援助サービス」だ。1時間300円程度の自己負担で済むため、「家政婦代わりに使われている」と指摘される。月数十回といった利用も目立つ。必要以上のサービス利用は、むしろ高齢者の自立を阻害しかねない。財源と人材の有効活用の観点からも問題が大きい。現行の介護報酬は、基本的に重度者ほど高く設定されている。リハビリや食事指導などで要介護度が改善すると、事業者は減収になる。対応策として、厚労省は、自立支援で成果を上げた事業所への報酬の上乗せを検討中だ。改善に積極的な事業所を評価することは必要だが、要介護度の変化ばかりに着目しては、改善が見込めない重度者らの排除につながりかねない。リハビリの実施状況など、自立支援のプロセスも含めた適切な指標を工夫すべきだ、としている。

産経と読売の社説がいい。国会を前に、政策に適切な注文をつけている。今までの手放しで政府を応援していた姿勢から前進した。結果的に、この切磋琢磨がさらに安倍政権を強くし、理想的な法案になって日本が強くなるなら、すばらしい。まだ本気で政府への提言をつづけるかの検証はしたいが、野党が頼りなく、安倍政権に批判的だった朝日や毎日の質が見るに絶えないほど劣化していくのを見ると、応援団に偏っていた産経や読売がニュートラルに批判を発するのは期待したい動きだ。
産経の発想には共感する。私が予想していた、今回の教育無償化の本質的な理由は若年層や家計の支援ではなく、人気のない学校と職を失う教員の支援なのではないか、という視点は一致している。バラマキ以上に、誰でも入学させる意味が不明だ。一方で、大学には学部の再編までを文科省が推進している。意味不明な「人づくり改革」というキャッチフレーズの本質を産経には問い質して欲しい。森友・加計学園なみの不祥事が出てきそうだ。
読売が取り上げた介護報酬の話題は以前に日経が取り上げていた。内容は日経と大差ない。だが、この話題を読売が行政と政府に対して発するのは、政府迎合型の社説だけを並べていた読売からの変化が見える。良い変化だ。期待したい。

朝日新聞・社説
ユネスコ 米国の脱退は無責任だ

世界遺産などで知られるユネスコ(国連教育科学文化機関)も、平和と安定をめざすための大切な活動を担っている。再び世界大戦を招かないために、教育、科学、文化の国際協力を進める目的で運営されている国連の専門機関である。ところがトランプ政権は、来年末に脱退する方針を先月表明した。またもや自国第一主義にもとづく一方的な決定だ。決定の理由は「反イスラエル的な偏向」だという。今夏、パレスチナ自治区にある旧市街を「世界遺産」として登録したことなどに反発している。審査が非公開で意見表明の場もないなどの批判はあるが、だからといって資金を止めたり、離脱を表明したりするのは、国連活動をリードすべき国として適切な振るまいではない。国際機関で様々な国や団体の主張や利害の摩擦がおきるのは当然だ。問題があるなら内部で改善を働きかけ、国際機関としての価値を高める。それこそが世界の紛争の根源を絶つための責任ある態度だろう。15日にユネスコの新事務局長に就くフランスのアズレ前文化・通信相は「加盟国の信頼を取り戻したい」と抱負を語る。日本政府には、新事務局長とも協力して、米国の説得に力を尽くしてもらいたい、としている。

遅い。この話題が出たのは10月中旬。同じレベルのコメントを私のような素人でも思い付いて書いている。1か月もの時間を要して、書けることがこのレベルでは新聞社としては失格だ。レベルが低過ぎる。

日本経済新聞・社説
国も企業も歴史的株高を成長につなげよ

経済の体温計にも例えられる株価の上昇が続いている。日本を代表する企業の株価の値動きを示す日経平均株価は7日の東京株式市場で前日終値比389円25銭高の2万2937円60銭と、1992年1月9日以来、約25年10カ月ぶりの高値をつけた。歴史的な株高が示すものは、バブル崩壊後に長らく低迷してきた日本経済の再生への期待だ。国も企業も株価上昇のメッセージを受け止め、持続的な成長に向けて改革を加速させるべきだ。株価の上昇は個人の消費マインドを刺激するなど、経済の好循環を促す要因となる。しかし、日本の株式市場には逃げ足の速い投機的な資金も流入している。成長の支えとなる長期のリスクマネーを今後も呼び込むために、なすべきことは多い。企業にも課題は残る。手元の潤沢な現金を投資に回し、成長への布石を打つ必要がある。余力のある企業は賃上げなどを通じて人への投資も惜しむべきではない。資金を有効に使って国際的に見劣りする資本効率を引き上げることが、株価の上昇を長続きさせるうえで不可欠だ。25年前の92年はバブル崩壊が明らかだったにもかかわらず、国も企業も改革を先送りした。その結果、同年3月に日経平均は2万円を割り込んだ。当時と同じ過ちをくり返してはならない、としている。

毎日新聞・社説
終わらぬ日銀の異次元緩和 長期化の弊害を直視せよ

株価の上昇が止まらない。きのうの東京市場では、日経平均株価が400円近く値上がりし、25年10カ月ぶりの高値で取引を終えた。景気も「実感がない」と言うものの、戦後2番目に長い拡大を続けている。ところが、日銀による異例の金融緩和は、終わりに向かう気配もない。日銀が金融政策の正常化に動かないのは、物価上昇目標「2%」の達成に固執しているためだ。「もはや金利は上がらない」と社会全体が信じ込むようになってしまうのも気がかりだ。政府による国債発行にせよ、株式や不動産の市場にせよ、異次元緩和の継続を想定している。正常化へかじを切ろうとした途端、市場で激しい反動が起こりはしないか。株や不動産のバブルを膨らませ、それが崩壊した時に打てる策もほとんどない、という事態も心配だ。物価上昇率が2%になりさえすればいい、ではないはずだ。木を見て森を見ない政策は、いずれ国民に高い代償を払わせることになろう、としている。

浮き足立っている。理由なき株高に。なぜ上がるのかの分析もせずに、日本の経済紙がリスクマネーをこれからも呼ぶにはどうすべきかを説いている。危うい。悲観的な分析をしていたアナリストが、今は平然と株高を吹聴しているのを私は嗤いながら聞いている。アメリカの株が上がる理由は明確だ。業績がいいからだ。そのアメリカでさえ、いまの株高に警鐘を鳴らしている。日本のGDPと企業業績をもう一度確認した方がいい。株が上がる理由は日銀の量的緩和以外に見つからない。私はいまの日本株には近づきたくもない。儲け損ねても後悔しない。いくらリスクが高くてもアメリカか中国に投資した方が納得できる。リスクを認識せずに投資を社説で語る無防備さが残念だ。

Wall Street Journal
トランプ氏、「地盤」郡で支持率が低下=WSJ調査 (2017.11.8)

最新の世論調査によると、約1年前のドナルド・トランプ米大統領の当選に大きく貢献した郡で、同氏への支持率が低下していることが明らかになった。ただ、それらの地域で民主党が支持を伸ばしている様子も見られなかった。トランプ氏は大型税制改革法案の可決に向けて弾みを付けようとしているが、トランプ郡で支持が広がっている様子は見られない。同郡の成人のおよそ半数(共和党支持者の40%を含む)は、共和党の税制改革法案について「どちらとも言えない」と回答している。今回の調査結果は共和党にとって朗報と言える。中間選挙を来年に控える中、同党がトランプ郡でリードを保っているためだ。議会の過半数勢力は今後も共和党がふさわしいとの回答は48%で、民主党との回答は39%だった。対照的に、WSJとNBCが10月に行った全米レベルの調査では、次の議会を率いる政党として民主党がふさわしいとの回答は48%で、共和党支持の41%を上回っていた。民主党にとってわずかな光明もある。トランプ郡の調査で最も人気が高かったのは民主党のオバマ前大統領で、2位は、先の選挙でクリントン氏と民主党候補の指名争いを演じたバーニー・サンダース上院議員だった、としている。

人民網日本語版
習近平国家主席のAPEC関連会議出席 アジア太平洋の発展に中国の原動力 (2017.11.7)

第19回党大会後、中国の指導者が初めて国際的な多国間会議に出席する。習近平国家主席は10、11両日にベトナム・ダナンで開かれる第25回アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。中国政府側は最近、会議の成果について3つの期待を明らかにした。第1に、共にアジア太平洋の開放的発展という大きな方向を維持し、積極的かつプラスのメッセージを対外発信して、開放型世界経済にプラスのエネルギーを注ぐ。第2に、共にアジア太平洋発展の新たな原動力を掘り起こし、アジア太平洋コネクティビティ・ビジョンの実行を推し進め、構成国・地域の実体経済の発展を促進する。第3に、共に将来の協力の新たなビジョンを描く。「中国側は引き続き各者と共にアジア太平洋経済協力の安定した前向きな発展を後押しし、アジア太平洋と世界の発展・繁栄を促進する」。李保東外交副部長(外務次官)は先日国内外メディアにこう語った。すでにAPECはアジア太平洋地域で最もハイレベルで広範かつ影響力を備える経済協力体制となっており、世界人口の40%をカバーし、世界経済の60%、世界貿易総額の48%を占めている。習主席は全世界の期待に応えて今回のAPEC会議その他国際的な場で中国の特色ある社会主義の新時代の歴史的位置付け、基本方策、発展の青写真を詳しく説明し、中国の発展がアジア太平洋と世界にもたらす新たなチャンスを紹介し、アジア太平洋の発展と繁栄に中国の原動力を注入する、としている。

日本に何をしに来たのか判らないトランプ氏が、韓国でも似たような状況に陥っている。事前に中国との合意事項が示された韓国の姿勢は、もうアメリカとの同盟より中国との関係を強化したいとしか思えない内容だった。日本から見れば不愉快かもしれないが、打算で考えれば、私は一理あると思う。それほどにトランプ氏は理解不能で、アメリカの衰退は著しい。習氏の権力は絶大で、中国の膨張は魅力的だ。すべてをアメリカに依存する方がリスクが高く、韓国ほど不躾に手の平を返さなくても、少しずつ中国とも円満に足場を固めていくのが当然の発想だろう。APECで、どれだけの国がアメリカより中国を優先するだろうか?APECに行く前に、トランプ氏は中国では成果を得られるだろうか?

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