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3169.報道比較2017.11.5

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産経、読売の社説のツボは的を得ている。中国には強硬な姿勢だった読売が、徐々に中国との関係改善に期待を寄せている。産経はTPPの可能性を信じ、推進に期待を寄せている。安倍政権に批判的だった朝日と毎日のひどさと比較すると、2紙のスタンスは違和感のある政権への迎合もない。正しい仕事をしている。

Wall Street Journal
トランプ政権のアジア太平洋戦略 (2017.11.4)

トランプ大統領の東アジア歴訪は、これまでの任期で最も重要なものになり、米国の大統領によるアジア訪問としても、この10年以上で最も重要なものとなろう。トランプ氏による会談や演説は良くも悪くも北朝鮮の核開発や中国の地域覇権を目指す動きに対する米国の関わり方に関するメッセージとなる。ティラーソン国務長官は先月、アジア地域の民主主義国間のより強い協力によって守られた自由で開放的なインド太平洋が望ましいと述べ、トランプ政権のアジア戦略の概要を明かした。国務長官はまた、法に基づく国際秩序を台無しにし、近隣地域内で「搾取的な経済活動」をしているとして中国を非難した。トランプ大統領はベトナムでの演説でこうしたテーマをさらに掘り下げることになる。習主席の長期目標は米国をアジアから追い出すことであり、オバマ政権の無策がそうした取り組みへの強化を促してしまった。トランプ氏がその事実を理解しているという証拠が来週の東アジア歴訪で示されれば、アジアの民主主義国にとって最高の安心材料となる。トランプ氏の新アジア戦略での最初の試金石は、中国による北朝鮮支援が裏目に出ていることを中国に確信させることである。米国は中国との対立を望むべきではない。しかし国益に関する冷徹な論理でしか、中国政府の計算は変えられない。トランプ政権のアジア戦略には見込みがある。しかし、トランプ大統領は太平洋地域における米国の存在感の確立に個人的に関与していくことを示す必要がある、としている。

人民網日本語版
トランプ大統領訪問中にビジネス合意を 商務部 (2017.11.4)

米国のトランプ大統領が8日から中国を初めて訪問する。中国の商務部(商務省)の傅自応副部長(国際貿易交渉代表)は2日に北京で行われた記者会見で、「中国と米国は一部のビジネス協力合意に調印することになるだろう。双方の作業チームは一連の分野ですでに共通認識に達した」と述べた。傅副部長は、「中米貿易は市場が決定するものであり、輸入企業と消費者が選択して決定するものだ」と強調した上で、「中米貿易の不均衡の根底にあるのはつまるところ両国の経済構造の相違、両国の産業配置の相違によって形成された競争力であり、国際分業における立場の相違によって形成された競争力だ。また米国が中国に対してハイテク製品の輸出規制を行っていることも原因の一つだ」と述べた。現在、中国は北米地域を除くアメリカ大陸にとって最大の輸出市場であり、米国にとって最も急速に成長する輸出市場でもある。公式データによると、過去数十年間の米国の対中輸出の年平均増加率は11%に達し、同期の米国全体の輸出平均増加率のほぼ2倍になったという、としている。

トランプ氏のアジア外交は、中国外交、対北朝鮮外交のみ。後述の毎日の呆れる社説を見なくても、日本は同盟関係以外に何の外交テーマもない。経済でも、政治でも、あらゆる舞台で日本は中国に取って代わられている。これがしたたかに、日米同盟を担保に経済に集中するつもりなら絶賛する。朝鮮戦争の時のように、日本は特需に専念できる。だが、求めているものは逆だ。中国の膨張に恐怖し、北朝鮮対応には明確なプランさえ持たない。国内の経済にも指針もなく補正予算だけを積み増す始末だ。必要のない役割と圧力を求め、対抗できない中国との共闘を持ちかける。中国は、日本のようなアメリカと譲歩してまでの利益は不要だと5カ年計画で明示した。自らのやり方でナンバーワンになるのだと言い切った。国家主義の拡大には懸念があるが、もう大国としてのプライドを中国は主張しはじめている。アメリカとの緊張は高まり、これからはアメリカが譲歩する場面も散見することになる。日本と韓国は、中国に比較すれば絶望的な外交だ。

産経新聞・社説
TPP11 この機を逃さず合意図れ

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効を目指す11カ国の折衝が大詰めを迎えている。今月上旬のベトナムでの閣僚・首脳会合で、政治決着を目指すという。域内大国として「TPP11」の早期発効を各国に働きかけてきた日本の役割は特に大きい。いたずらに結論を先延ばしせず、11カ国の結束を促すよう、リーダーシップを発揮しなければなるまい。ニュージーランドで政権交代があり、一部項目の凍結よりも、時間を要する再交渉を求める意向を示していた。大きな懸念材料だったが、新政権はその後、柔軟姿勢に転じた。通商協議で国益が衝突するのは当然である。だが、関税撤廃にとどまらず、知的財産や電子商取引などの幅広いルールを明記したTPPの成果を無にするわけにはいくまい。各国は、大局的な観点に立って歩み寄りを図るべきだ。TPPは、経済、軍事両面での中国の覇権主義的傾向を牽制する戦略的意義を併せ持つ。11カ国の交渉が停滞すれば、TPPを自国包囲網と警戒してきた中国の存在感が、域内で一段と高まることも指摘しておきたい、としている。

読売新聞・社説
習氏の対日政策 関係改善へ指導力を発揮せよ

安倍首相は衆院選大勝で長期政権の基盤を固め直した。習近平国家主席も共産党大会で権威を高めた。その直後に日中の外務・防衛担当幹部が「日中安保対話」を開いた。東シナ海で偶発的な衝突を避ける「海空連絡メカニズム」の運用では合意に至らなかった。北朝鮮情勢が緊迫化する中、日中首脳の定期協議の場がないのは問題である。日中韓首脳会談に伴う李克強首相の初来日を年内に実現させ、安倍首相と習氏の相互訪問につなげたい。中国による軍事施設の増強や排他的な勢力圏の構築につながるとして、周辺国には構想への警戒感も強い。法の支配を無視し、権益拡大を図る手法では、安定的な発展は望めないことを中国は認識する必要がある。日本は途上国支援の経験を生かし、相手国や地域の発展に配慮することの重要性を中国に説き続けねばなるまい。アジアの平和と繁栄を支えてきたのは日米同盟である。安倍首相はトランプ米大統領との6日の会談で、そのことを改めて明示しなければならない、としている。

産経、読売のツボは日本の外交を意識する時期に的を得ている。中国には強硬な姿勢だった読売が、徐々に中国との関係改善に期待を寄せている。産経はTPPの可能性を信じ、推進に期待を寄せている。安倍政権に批判的だった朝日と毎日のひどさと比較すると、2紙のスタンスは違和感のある政権への迎合もない。正しい仕事をしている。
日本の組織の悪い癖が、朝日や毎日に出ている。リーダーを選んだら、自分の意に介さなくても決定とともに協力すべきだ。もちろんリーダーが不誠実なら批判すればいい。だが、足を引っ張るだけの抵抗はチームワークには不適切だ。

日本経済新聞・社説
100年に1度の変革に挑む自動車産業

車が「100年に1度」といわれる変革期を迎える中で、日本車各社も成功体験にとらわれない、経営や組織のモデルチェンジが必要だろう。変革の波は3つある。1つはエンジンから電池に動力源の主役が代わる電動化時代の幕開けだ。2つめはIT(情報技術)の進化で、完全自動運転などの新機軸が意外に早く実現しそうなこと。3つめはカーシェアなどの普及で、所有を前提としない車の利用形態が徐々に広がっていることだ。自動車会社には電動化の柱である電池技術や、自動運転の中核をなすAI(人工知能)人材の蓄積が薄い。その穴を埋めるには、外部の研究者をスカウトしたり、ベンチャーや大学と手を組んだりといった横の連携が不可欠だ。技術革新が加速する時代は「非連続の決断」が必要な時でもある。長年かけて練り上げてきた技術やビジネスの仕方があるとき突然、陳腐化するかもしれない。そんな時は思い切りよく過去と決別し、新しい方向に踏み出す勇気が必要だ。日本の半導体が没落した一因は、設計と生産をそれぞれ専門の企業が役割分担する世界の潮流に背を向け、設計・生産一体型の古い方式から脱却できなかったことだ。自動車産業も系列のあり方を含めて事業モデルの絶え間ない検証が欠かせない、としている。

私は、いまのモビリティの変化に大きなチャンスを期待している。日経の危機感が、私にはチャンスに見える。日本の自動車会社の半分がなくなっても、私はまったく驚かない。家電も、PCも、携帯電話もそうだった。自動車は、他の業界よりは戦略を持っていると期待しているが、既得権にこだわるなら他の業界と同じ結果になるだろう。

朝日新聞・社説
政治の可能性 「そんなもん」を超えて

立憲民主党には10月20日現在、約4千人から計8500万円超の寄付があったという。「重たい風が吹いていた」選挙後、枝野氏はこう振り返った。その風を吹かせた要因のひとつが、彼の演説だった。みなさん。草の根。民主主義。三つの言葉が何度となく繰り返される。特に新しいことが語られたわけではないが、権力ゲームから排除された側に回ったことで「純」のイメージが付与され、言葉がまっすぐに響く素地が生まれた。「感動した」などの感想がSNSで拡散した。政権を変える/維持することのみに拘泥し、その結果としての大義なき解散、説明なき「解党」、誰のために政治があるのかが見失われている。理念や理想はやせ細り、「選挙で勝てばいいんでしょ?」とばかりに国会の議論は空洞化し、少数意見は切り捨てられ、主権者は勝敗を決める駒として使い捨てられる――こんな政治を、私たちは望んできただろうか。「そんなもんスよ、日本なんて」と言えればいっそ楽だろう。だが、私たちは主権者だ。あきらめるわけにはいかない。政治の可能性をこじ開ける。そのためにまず何よりも必要なのは、テクニックではない。単なる数でもない。「いつか」「こうありたい」を自由に思い描く、伸びやかな想像力だ。誰かに思い描かれることによって初めて、不可能は可能になる可能性をはらむのだか、としている。

大新聞社が若者を対象に枝野氏同様に感情に訴えようというなら、警告したい。これは産経がヘイトスピーチに似たような強硬な主張よりもひどい、非現実的な妄想だ。産経の場合は価値観が異なるだけだ。意見として存在し、考えるべき大事な主張だ。朝日の今回の主張は、せいぜい詩や歌にでもして語るべきものだ。メディアが社説として語るにはあまりに甘く、根拠も裏付けもない。感情にだけ訴えて何かできるのではないか?と思わせるなら、安倍氏がバラマキで懐柔しているのと手法は何ら変わりない。朝日のこの社説は、ポピュリズムそのものだ。
枝野氏はまさか理解しているだろう。選挙で勝てなければ、政治では負けだ。理念だけでは勝てない。バラマキで勝つのを批判するなら、別の戦略がいる。それが政治であり、社会でリーダーをやらせてくれと語る人の義務だ。

毎日新聞・社説
トランプ歴訪と北朝鮮問題 危機の打開は国際協調で

これほど米大統領の歴訪に熱い視線が集まるのも珍しい。まるで一人の人物の双肩にアジアと世界の運命がかかっているかのようだ。きょうから日本、韓国、中国などの歴訪を開始するトランプ米大統領。北朝鮮危機の打開に向けて、その外交手腕に注目したい。戦争などあってはならない。だが、偶発的な衝突も含めて、平和な日常が突然暗転しかねない局面にいることは自覚しなければなるまい。日本の安全保障にとって北朝鮮の非核化は譲れない。と同時に、日本にも韓国にも甚大な被害をもたらしかねない、米軍の軍事行動は絶対に避けなければならない。これらの点を安倍晋三首相は日米首脳会談で念を押し、「米国第一」を掲げるトランプ氏に国際協調主義の大切さを説いてほしい。 ◇米中で冷戦構造終結を。トランプ氏は北朝鮮政策について「(歴代大統領の)クリントンもブッシュもオバマも失敗した。私は失敗しない」と豪語した。確かに米国の対応は失敗続きの印象が強い。北朝鮮対応で成功すれば、国内で支持率低下に悩むトランプ政権にとって大きな得点になろう。だが、功を焦って軍事行動に出れば、取り返しのつかぬ大失敗になりかねないことを自覚すべきである、としている。

私は誤植かミスタイプかと思った。どこの誰がトランプ氏の歴訪に熱い視線を送っているだろう?アメリカの新聞も、毎日自身も含めた新聞も、すっかり相手にしていない来日に見える。どこまで手を抜き、いいかげんに書いた社説なのだろう?毎日の劣化はすさまじい。本気ならWall Street Journalのような要請を安倍氏に要請したらどうだろう?

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