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3167.報道比較2017.11.3

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日経の診療報酬改革への社説のレベルが高い。主張が誠実で、現実を見ている。このような品質の社説がこれからも毎日見られるといいのだが。

日本経済新聞・社説
患者本位の効率医療に役立つ診療報酬に

年末に決める2018年度予算案の焦点は、保険医療サービスの公定価格「診療報酬」の改革だ。個人と企業が払う保険料・税を過重にしないため、患者第一を貫きつつも減額改定を前提に医療費の無駄を省く仕組みを確立するよう、安倍政権に強く求めたい。診療報酬は主に、医療職の人件費にまわす本体と医薬品などの薬価に分かれる。厚生労働、財務両省は薬価を市場実勢に即して下げる方針を決めた。問題は本体だ。そのあり方は医療職の待遇に直結するだけに、日本医師会などが引き下げに反発するとみられる。厚労省は診療報酬の中身を工夫すべきだ。二点、提案したい。
第一は入院病棟の再構築だ。急性期病棟のうち、看護基準が最も手厚く入院基本料が最も高い入院病棟は、約35万床ある。だが、必ずしも重症患者が入院しているとは限らないのが実態だ。基本料を看護基準という外形で決めるより、実際の入院患者の重症度や提供している医療の中身に応じた設定にするのが理にかなっている。それは、真に急性期医療を必要とする患者と、増加する回復期の患者のためでもある。
第二は調剤薬局の報酬引き下げだ。医薬分業が進展し薬局数は5万8千件(15年)とコンビニ店舗数を上回っている。薬剤師1人あたりの処方箋数は減少傾向にあるが、過去の調剤報酬上げが経営に規律を働きにくくさせている、としている。

すばらしい。高いレベルの社説だ。このような品質の社説がこれからも毎日見られるといいのだが。主張が誠実で、現実を見ている。現場を真面目に把握しなければ言えない提案だ。この仕組みをつくるにはシステムがいる。つまり、新しい経済活動が創出される。現場は抵抗するだろうが、新しい仕事を覚えれば報酬は上がる余地がある。未来を見る経営者なら反応する。良い政策とはそういうものだ。新しい仕事の挑戦のチャンスを提示し、現状の課題を新しい形にシフトする。すばらしい提案だ。

朝日新聞・社説
補正予算 また「抜け道」なのか

安倍首相が第4次内閣発足後の初閣議で、補正予算の編成を指示した。新しい看板政策である「生産性革命」と「人づくり革命」を柱とする2兆円規模の政策をまとめ、可能なものから実行する。そのための補正予算だという。景気対策が必要な経済情勢ではない。にもかかわらず、与党内では夏ごろから補正による歳出拡大を求める声が出ていた。それに応えるということか。対象として挙がる事業には、疑問符がつくものが目立つ。今回の補正の財源には、16年度決算の剰余金や、低金利で使い残す国債の利払い費を充てつつ、建設国債を追加発行するようだ。20年度に基礎的財政収支を黒字化する目標を先送りしたばかりであり、「財政再建の旗は降ろさない」という首相の本気度が問われる局面である。九州北部豪雨などの災害復旧をはじめ、緊急度の高い事業はある。金額ありきでなく、不可欠の事業を積み上げる。それが補正予算である、としている。

毎日新聞・社説
日本版GPS本格運用へ 新産業を導くインフラに

日本版GPS(全地球測位システム)の本格運用が来春始まる。政府が準天頂衛星「みちびき」4号機の打ち上げに成功し、予定していた衛星4基による体制が整った。GPSは米国が軍事目的で開発した。民生用信号が無償提供されており、カーナビゲーションやスマートフォンなどに広く利用されている。ただ、GPS衛星が出す電波が高層ビルや山などに遮られると、測位精度が落ちる。日本の上空を入れ替わるように飛ぶみちびきの信号と組み合わせることで、誤差が常時10メートル程度に縮まると期待される。スマホなどもその恩恵を受ける。さらに注目されているのは、誤差を6センチ程度まで縮められる別の信号をみちびきが出すことだ。専用受信機とアンテナは必要だが、農業機械や自動車の自動運転、ドローンを利用した配送への活用など、さまざまな実証試験が行われている。4基態勢の開発と運用に2032年度までで約2850億円かかる。政府は23年度までに7基態勢とし、米国のGPSに頼らずとも測位可能にする方針だ。そうなると、さらに費用はかさむことになる。費用対効果の観点を忘れては、国民の理解も得られない、としている。

日経と比較すると明らかに劣る。批判だけの内容は何も生み出さないし、共感も得られない。野党も学んで欲しい。反論にはルールがある。対案の提示が必要だ。

Wall Street Journal
FRB議長にパウエル氏、トランプ大統領が正式指名 (2017.11.3)

ドナルド・トランプ米大統領は2日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にジェローム・パウエルFRB理事を指名すると正式発表した。トランプ氏はホワイトハウスのローズガーデンで、米経済がいかなる困難に見舞われても、パウエル氏は正しい道に導く「知恵と指導力」を兼ね備えていると述べた。パウエル氏は「上院で承認されれば、議会がFRBに付与した物価安定と最大雇用の責務の実現に向けて全力を尽くす」と語った。パウエル氏は、来年2月に任期を迎えるジャネット・イエレン現議長の後任となる。ホワイトハウスの側近によると、これに先立ちトランプ大統領は2日、イエレン氏に対し再任しない意向を伝えた、としている。

パウエル氏選出に、マーケットが反応する可能性は低い。Wall Street Journalも多くの記事を掲載したが、内容はパウエル氏の慎重さを示している。

パウエル氏のFRB議長指名、陰の勝者はムニューシン氏
米雇用市場は転換点に、パウエル氏は就任早々正念場も
次期FRB議長パウエル氏横顔:ミスター普通
パウエル氏のFRB議長指名は「安全な賭け」

FRB議長が注目されるのは、就任時よりこの先の仕事ぶりだ。12月にイエレン氏は利上げを示唆している。パウエル氏にも意見を求められるだろう。今後の活躍を期待している。

産経新聞・社説
トランプ氏の来日 今こそ同盟の真価発揮を

トランプ米大統領がアジア歴訪の最初の訪問先として来週、来日し、安倍晋三首相と5回目の首脳会談を行う。強い絆の下で日米が結束して行動しなければ、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対処し、台頭する中国の覇権主義を抑えられない。国際法を無視した南シナ海での軍事拠点化やインド洋への中国海軍の進出など、中国の強引な海洋活動への対処は急務である。重要なオイルルートでもある、インド洋から太平洋にかけての「インド太平洋地域」戦略を打ち出すことが必要ではないか。各国と連携して経済秩序を築く発想が必要である。自国第一主義の殻に閉じ籠もらず、日本とともに多国間の枠組みに加わる。それこそが中国を抑えつつ、繁栄する道である。首相はトランプ氏に粘り強く説くべきだ、としている。

実際に訪問してからは、多少の報道はあるのかもしれないが、事前に話題にしたのは産経のみ。アメリカのWall Street Journalさえアジア外交全体の注目度は低い。事前に外交のテーマを明示していないからだろうか?多くの懸念事項がありながら、はじめてのアジア外交に反応が薄い。成果も期待できそうもない。

人民網日本語版
いかにして中韓はより良く同じ方向に向かうか (2017.11.2)

中韓は10月31日、両国関係や朝鮮半島問題に関する外交当局の意思疎通について同時に発表した。韓国側は両国の上層部交流及び各分野の交流・協力を再開し、中韓関係は正常な発展の軌道に早期に戻る見通しであるとの前向きな認識を示した。中国側はTHAAD問題を適切に処理し、中韓関係発展の障害を取り除くことは両国共通の願いであり、共通の利益でもあると強調した。第19回党大会報告は、中国の特色ある大国外交が新型の国際関係を構築することを指摘した。中韓関係の変遷は、相互尊重、公平・正義、協力・ウィンウィンという新型の国際関係の重要な含意が、国家間の調和ある共存、長期的な関係発展の基礎であることを改めて証明した。公平・正義はゼロサムゲームの呪縛を解く。THAAD配備は安全保障の普遍性と相反する。韓国はTHAAD配備が朝鮮半島問題の解決にならないばかりか、地域の安全保障情勢をかき乱し、自国の発展環境を破壊するため、政策を調整しなければならないことに気づいた。韓国側は、米国のミサイル防衛体制に加わらず、韓米日安保協力を三者軍事同盟に発展させず、THAADの追加配備を行わず、現在韓国に配備されているTHAADが中国側の戦略・安保上の利益を損なわないことを公に表明した、としている。

昨日にひきつづき、人民網は中国から韓国への執拗な要請を掲載。これが中国型の外交、安全保障なら、世界一の経済大国になっても孤立する可能性が高い。中国が経済力以外のパワーで他国を引きつけられるだろうか?今のところ、その可能性は低い。韓国の不甲斐なさも際立っている。北朝鮮の緊張が高まるのは今にはじまったことではない。中国の国力が増すたびに、韓国の弱さが際立っている。振り回されるほど中国への依存度を高める理由が判らない。

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