ORIZUME - オリズメ

3166.報道比較2017.11.2

3166.報道比較2017.11.2 はコメントを受け付けていません。

選挙で勝つことは、政策ともリーダーシップとも無関係。

人民網日本語版
外交部、THAAD問題の適切な処理は中韓の共通利益 (2017.11.1)

外交部(外務省)の華春瑩報道官は31日、中韓双方が中韓関係などについて意思疎通を図ったことについて、「THAAD問題を適切に処理し、中韓関係発展の障害を取り除くことは、双方の共通利益に合致する。中韓が共に努力して、両国関係を正常な発展の軌道に早期に戻すことを希望する」と表明した。華報道官は「韓国側が米国のミサイル防衛体制に加わらず、韓米日安保協力を三者軍事同盟に発展させず、THAADの追加配備もしないと公に表明したことに、中国側は留意している。韓国側が言行を一致させ、こうした発言を具体的に実行に移し、問題を適切に処理することを希望する」と述べた、としている。

トランプ氏のアジア外交の前に、中国が韓国と絶妙なメッセージ。アメリカがTHAADをこれ以上韓国に持ち込ませないと既成事実化した。トランプ氏のアジア外交のテーマは北朝鮮問題だと思うが、中国は対話での問題解決の策を持っているのだろうか?

Wall Street Journal
共和党の税制改革案、国民の理解進まず 米世論調査 (2017.11.1)

税制改革については、これまでドナルド・トランプ大統領をはじめ何人かの共和党議員が構想を示してきた。下院共和党は今週、それらを肉付けした改革案を発表する予定だ。今回の調査では、トランプ氏が提唱する改革案について「良いアイデア」と評価した調査対象者は25%にとどまり、「まずいアイデア」との答えが35%で、「どちらともいえない」ないし「分からない」が約40%に達した。トランプ氏は自らの改革案について、中間層に恩恵をもたらすものとして売り込んでおり、10月31日にはホワイトハウスで、「中間層向けの雇用促進のための税制法案だ」と訴えた。これに対し民主党は、もっぱら富裕層向けのものだと批判している。調査結果は、トランプ氏も共和党も国民に対し税制改革法案についてしっかりと説明する必要があることを示している。調査対象者の約46%が「法案が成立した場合、自分の支払う税金は多くなるか同じになると思う」と回答し、このうち「多くなる」は25%だった。一方、「減税になると思う」は14%で、「よく分からない」が約40%に上った、としている。

次期FRB議長にパウエル氏を選び、アジア外交に出発するトランプ氏。国内の税制改革は、まだ見ぬトランプ氏の実績にしたいはずだが、今のところ国民にその意識はない。しかも、問題の中心がトランプ氏の信頼度にあると調査結果は示している。信頼のないリーダーの言うことを、国民は誰も聞かない。大統領を1年ほどやって、そろそろ国民との合意形成を意識して欲しいが、期待はできないだろう。似た支持率は安倍政権にも見える。国民が安倍氏の政策に同調した記憶は、長期安定政権とは裏腹にほとんど思い浮かばない。選挙で勝つことは、政策ともリーダーシップとも無関係のようだ。

朝日新聞・社説
安倍新内閣 謙虚というなら行動で

第4次安倍内閣が発足した。全閣僚を再任。主要メンバーが続投する自民党執行部とあわせ、顔ぶれは変わらない。衆院選で自民党は大勝した。来秋の党総裁選で首相が3選すれば、憲政史上最長の首相在任も視野に入る。だが、首相に向けられる国民の目は厳しい。衆院選直後の本紙の世論調査で、安倍首相に今後も首相を「続けてほしい」は37%、「そうは思わない」は47%。民意を意識すればこそ、首相は選挙後、「謙虚で真摯な政権運営に努める」と誓ったのではなかったか。だが残念ながら、首相の本気度を疑わざるを得ない出来事が相次いでいる。きのう召集された特別国会を政府・与党は当初、数日間で閉じる方針だった。野党の批判を受け、会期を12月9日までとしたが、議論を避けようとする姿勢が改めてあらわになった。特別国会で論じるべきは森友・加計問題だけではない。自ら「国難」と強調した北朝鮮情勢や少子化問題についても、十分な議論が欠かせない。国会でまともな論戦を実現する。首相の姿勢が問われる新内閣の船出である、としている。

産経新聞・社説
第4次安倍内閣 緊張感保ち国難にあたれ

第4次安倍晋三内閣が発足した。その最大の使命は、戦後の日本がこれまで経験してこなかったほどの荒波を、乗り切っていくことである。北朝鮮危機や少子高齢化への対応は、文字通りの国難である。強固な日米同盟のもと、いかに北朝鮮を核・ミサイル放棄へ追い込むかが新内閣の大きな課題である。万が一の有事に備え、国民を守り抜く態勢を強化すべきだ。防衛力整備の基本方針となる「防衛計画の大綱」の見直し作業が始まる。敵基地攻撃能力の導入へ決断を求めたい。そこには、北朝鮮のみならず、中国の脅威を抑止する視点が不可欠である。少子高齢化に対し、あらゆる政策分野で急激な人口減少に備えなければならない。早期にその全体像を示してもらいたい。安定的な政権運営とは、国会論戦を避けることではない。首相は日本が抱える課題と内閣の進む道を、国会で堂々と語り、理解と協力を求めるべきである。国民との対話は、衆院選で終わりと考えてはなるまい、としている。

日本経済新聞・社説
「丁寧な国会運営」会期だけでなく中身も

10月の衆院選を受けた特別国会が召集され、第4次安倍内閣が発足した。与党は選挙前とほぼ同じ水準の議席を得たが、野党候補の乱立など敵失に助けられた面もある。圧勝におごることなく、緊張感をもって政権運営に努めてもらいたい。特別国会の会期は12月9日までの39日間で決着した。与党は11月8日までの8日間にとどめるつもりだったが、野党から「森友・加計学園をめぐる疑惑を追及させないためだ」などと批判され、方針転換した。森友・加計問題では当事者である学園理事長や首相夫人の国会での証言は実現していない。これでは説明責任を果たしたとはいえまい。「選挙に勝って、みそぎは終わった」では傲慢だ。安倍首相のいう「丁寧な国会運営」は口だけということになりかねない。衆院選が終わり、次の参院選まで1年半以上ある。選挙が遠いと与党は強引な国会運営に走りがちだ。安倍政権は、丁寧なうえにも丁寧、を心がけるべきだ、としている。

読売新聞・社説
第4次安倍内閣 少子化対策の実効性が肝心だ

第4次安倍内閣が発足した。安倍首相は、8月に「仕事人内閣」と名付けた前内閣の閣僚19人全員を再任した。政策の継続性を重視したものだ。自民党の主要幹部もそろって留任した。首相は常に「経済最優先」を唱えてきた。企業業績や雇用は改善し、緩やかな景気回復が続くが、デフレ脱却は道半ばで、多くの国民に好景気の実感はない。成長戦略を多角的に強化し、賃上げなどを通じた内需主導型の成長を実現させねばなるまい。政府は、少子化対策などを強化する17年度補正予算案を編成し、来年の通常国会で成立を図る。「人づくり革命」の名の下で進める教育無償化は、バラマキを避ける必要がある。所得制限を含め、きちんと制度設計し、実効性を高めることが大切である。野党は、質問時間の確保を求める以上、森友・加計学園問題の追及ばかりに偏向した不毛な質疑の姿勢を改めて、より建設的な論戦を挑まねばなるまい。野党は、各党内で続く混乱の収拾も急ぐ必要がある。安易な政党の離合集散は、国民の不信を高めよう。各党は、自らの立場をきちんと固めたうえで、国会審議に臨むべきだ、としている。

安倍氏は憲法改正の話は少しもしなかったようだ。特別国会の短い会期は、国民の信頼回復に当て、来年以降に支持率を上げて様子を見るつもりだろうか。何も考えていない気はしないし、思慮を経ての会期だろう。ならば野党はどう応えるのか?メディアはどう対応するのか。短い会期に安倍氏を追求するなら、過去の説明責任にこだわるだけでは国民の信頼は得られない。来年まで延ばしても、森友・加計学園の末路を国民が忘れるとも思えない。少子高齢化が、あえて協力するだけのテーマなのか、そのための補正予算がバラマキに終始していいのかも疑問だ。本気で政策を議論して、野党が評価を得られる自信があるなら、政府の案を真摯に議論する方がいい。いずれにしても戦略がいる。今まで一度も見たことのない戦略的な国会論戦。今回も期待できそうもない。

毎日新聞・社説
座間で9人の遺体発見 現代の闇に戦慄を覚える

神奈川県座間市内のアパートで9人の遺体が見つかった。死体遺棄容疑で逮捕された27歳の男は、ツイッターを通じ被害者と知り合い、自宅に誘い殺害したと供述している。8月下旬にアパートに引っ越してきてから、約2カ月という短期間に9人の殺害を繰り返したという。その後の行動も猟奇的だ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が、容疑者と被害者の接点になった点がこの事件の最大の特徴だろう。男は、殺害した8人の女性に10代が含まれていたとも供述している。判断力に乏しい未成年者が、男に近づいてしまった構図が浮かぶ。警察庁によると、SNSを通じて犯罪被害に遭った子どもは昨年、1736人に及び、増加傾向だ。SNSの利用について、家庭や学校での適切な管理や啓発が急務だ。事件の衝撃性だけに目を奪われることなく、早急に社会全体で防護策を考えたい、としている。

SNSによるコミュニケーションが、また不幸な事件につながった。毎日の言うとおり、事件の衝撃よりは、耐性を社会が、各自が、どれだけ身に付けるかにかかっている。Facebookがアメリカでロシアに利用されて社会の不安を煽る温床になったのも、LINEで追いつめられて苦悩するのも、炎上も、社会の耐性がネットのコミュニケーションに追いついていない。盲信して衝動的に動いてしまうことや、拡散と呼ばれる情報の洪水に圧倒され、自己抑制が効かなくなる。それは、受信者にも発信者にも見られる現象だ。もっとも簡単な対処が距離を取ることだが、コミュニケーションである以上、テレビほどシャットアウトしにくい。起きていることを冷静に見られる余裕があればいいのだが、簡単にはいかない。SNSの運営者の対処を待つわけにもいかない。
テクノロジーが問題を解決するなら、事件性のあるコメントはクロールして監視対象にすることだろう。Googleが一晩で世界のサーバーをクロールしているのだから、不可能とは言えない。監視をするのはSNS運営者が適切だろう。投稿を監視するのは難しいことではない。広告の効果を上げるためのクロールより前に、SNS会社が取り組むべき課題ではないだろうか?

Financial Times
慎重なスイス人は「eフラン」を受け入れるか? (2017.10.25)

高速鉄道でチューリヒから20分ほど行ったツークという小さい街は、技術の専門家と金融のスペシャリスト、資本の提供者を呼び集め、暗号通貨のハブとなっている。ツークの市当局はビットコインでの料金支払いに応じており、世界第2位の規模を誇るデジタル通貨イーサリアムを開発・運営しているのは、ここツークの団体だ。、としている。一方、スイスの政治家は、思考が企業寄りで政府の干渉が少ない欧州の安全地帯としての自国の評判を足がかりとして、金融技術における競争優位を与えるような規制環境を整えたいと考えている。伝統的に慎重なSNBはまもなく、新しい通貨の創設を「無法地帯」のような民間セクターに完全に委ねるか、それとも、紙幣に代わる効率的な電子通貨となる暗号版スイスフラン――eフラン――を提供することを検討するかどうか決めなければならないかもしれない。平時では、eフランの方が高い利便性を提供するのであれば、伝統的な銀行口座はeフランより高い金利を提供しなければならない。だが、もしパニックが生じたら、資金が安全なeフランに交換され、銀行は――金利とは無関係に――唐突かつ大規模な預金引き出しに見舞われる恐れがある。スイス人が新しい紙幣を手に入れようとするのではなく、eフランがいつ到来するのか――あるいは、到来するのかどうか――知りたがって騒ぐ日も、そう遠くないのかもしれない、としている。

昨年、スイスフランが信頼を失墜させるような暴落を見せなければ、スイスが仮想通貨を先導するチャンスは持っていた気がする。スイスフランへの信任は下がった。スイスの金融の秘匿性に価値を見出す時代も過去のものになりつつある。構造改革の意味でスイスが仮想通貨にシフトしても、ビットコインと似たような騒ぎに終わるのではないだろうか。仮想通貨のメリットは様々に考えはじめられている。国家がポジティブになる点もあれば、中国政府のように反応する国もある。IMFもBISも検討は進めているだろう。
シンプルな結論は、通貨で儲けようと企むくらいなら、稼げる能力に投資した方が未来は明るいということだ。稼げる人になれば、何で価値を受け取るかも決められる。パンとワインでも、ビットコインでも。明日になったら価値が上がるというものは、明後日に価値が下がるものばかりだった。私は、投資は価値が見えないものにはやらない。未来が見えないなら、自分に投資する。

Comments are closed.