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3161.報道比較2017.10.28

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信頼がボロボロと壊れている。停滞のはじまりだ。

Wall Street Journal
「ロシア文書」に民主党関与の新疑惑 (2017.10.27)

「ロシアが米国の政治システムに不信感の種をまくのを、民主党と、恐らくは米連邦捜査局(FBI)がほう助していたことが分かった。これは過去1年間の主要メディアの論調を180度転換するものだ。徹底した調査が求められる。ワシントン・ポスト紙は24日、ヒラリー・クリントン氏の選挙陣営と民主党全国委員会(DNC)が共同で、ドナルド・トランプ氏に不利となるロシア関連の偽情報が盛り込まれた悪名高い「文書」に資金を出していたと報じた。それによると資金の支払いは、米法律事務所パーキンス・コイエを通じて行われた。この事務所は調査会社フュージョンGPSに敵陣営を調べ上げる仕事を依頼。さらにフュージョンは元英諜報員クリストファー・スティール氏を雇い、疑惑につながる情報を収集させた。大半はロシア大統領府に近い匿名の関係筋からの情報だった。さらに厄介な問題は、たとえ故意ではないにせよ、FBIがロシアの偽情報キャンペーンに加担したかどうかだ。われわれの知る限り、FBIは2016年にこの文書を保有しており、報道によると選挙期間中にスティール氏に資金を出して調査を続けさせるかどうかを議論していた。これはジェームズ・コミー前FBI長官が、トランプ陣営とロシア関係者が連携していたとされる件で捜査を拡大していた時期と重なる。それはトランプ陣営関係者が誰に面会したかだけでなく、スティール氏の文書についても同様に真相を追求すべきことを意味する、としている。

アメリカの政治が、さらに不信を強める強烈な醜態を晒した。もう中間選挙の前哨戦がはじまっているのかと思えるほどの2大政党のスキャンダル。トランプ政権の不信が、ブーメランになって民主党に返ってきた。「ヒラリーだけはイヤ」と冷静に言っていた人たちが嘲笑するのは安全だが、トランプ氏の政治スタイルをワイドショーの延長のように見ている人たちが、この話題で勝ち誇ると危険だ。ますます分断は進む。出てきている話が事実なら、一番笑いが止まらないのはロシアだ。アメリカの政治家の手段を選ばないダークサイドをすべて握りながら、カネは儲け放題。自滅するように政治も社会も勝手に分裂し、衰退している。プーチン氏は「あと4年ほどほっとけ。もっとアメリカは崩れる」と嗤っているだろう。政治が乱れれば、アメリカの富裕層、イノベーターは本当の分断を狙う。ソビエト連邦が崩壊したのを思えば、アメリカ合衆国が突然バラバラになっても驚いてはいけない。ゴルバチョフ氏はまともな破壊者だったが、トランプ氏は計算できない破壊者だ。しかも、中国という強烈な仮想敵が大きくなり過ぎた。まあ、半分は絵空事だが、ウォールストリートとシリコンバレー、リーダーシップを持っているオピニオン・リーダーたちのほとんどが、政治から距離をとりはじめたのも事実だ。彼らを束ねるリスクが生まれ、結束を求める機運が生まれたら、アメリカは大きく動く。その方がアメリカにとって幸せなのではないかと思えるほど、アメリカの政治はボロボロだ。

毎日新聞・社説
スバルでも不正発覚 日本ブランドを揺るがす

日産自動車に次いで、SUBARU(スバル)でも車の検査を巡る不正が発覚した。スバルは無資格者が検査し、正規の検査員のハンコを書類に押していた。不正は30年以上も続き、常態化していたという。全車種を対象に25万台超をリコール(回収・無償修理)する事態に追い込まれた。日本を代表する企業の相次ぐ不正は、品質に裏打ちされた「日本ブランド」への信頼を失わせかねない。日本は輸入した原材料を加工し製品を輸出して成長してきた。中国が安い人件費を武器に「世界の工場」として台頭しても、日本製品は優れた品質で競争力を保ってきた。不正の原因は人手不足や納期優先で品質管理がおろそかになったためとも指摘されている。国際競争が激しくなり、日本企業もコスト削減を迫られているが、生産現場にしわ寄せが及んだのだろうか。問題を起こした企業は速やかに全容を解明し、信頼回復を急ぐべきだ。トヨタ自動車などは検査体制に問題はなかったと国に報告したが、ほかの企業も点検に努めてほしい、としている。

私は、日本ブランドというものは、すでに存在しないと思っている。iPhoneの登場あたりで日本の技術力の限界が見え、3.11で世界に日本にマネジメントが存在しないことをアピールしてしまった。その後は、STAP細胞、オリンパス、タカタ、東芝…どれを聞いても、能力や技術の問題ではない。信頼の問題ばかりだ。神戸製鋼や自動車会社の数々の不正は、ドイツ車のディーゼル問題と同じレベルのインパクトだ。それがなぜだろう、まるで人手不足や行政のルールがおかしかったかのような言い方。10年を超える単位で行われていた不正が、なぜここ数年で台頭してきた中国を言い訳にするのか。国際競争を求めたのは自社の経営であり、ルールを逸脱してまで取り組むことではない。サラリーマン社長は、誰もが知らなかったと平然と言い放つ。問題を根本から立つこともほど遠く、他に似た問題があるのかも判らない。知らなかったとリーダーが平然と言い、他人のせいにする。これがいまの日本だ。いまの姿勢のままなら、誰と戦っても日本は負けつづけるだろう。

朝日新聞・社説
アスベスト禍 本格救済に乗りだせ

建材に含まれるアスベスト(石綿)の粉じんを吸って中皮腫や肺がんなどを患った建設労働者と遺族が起こした裁判で、東京高裁は国と建材メーカー4社に賠償を命じた。建設労働者の多くは、長期にわたり、さまざまな現場で作業するため、どのメーカーの建材が病気の原因となったか、特定するのは難しい。この点、高裁は、製造期間や市場の占有率などから、各社の責任の割合を推定できると述べ、慰謝料支払いを命じる対象とした。70~90年代に大量に輸入されたアスベストは、吹き付け材や屋根などの建材に使われ、日本の経済成長を支えた。そしていま、当時粉じんを吸いこんだ建設労働者が、重い病にかかり、苦しみながら亡くなっている。潜伏期間が数十年と長く、被害はこれからさらに広がると予想されている。病気の性質上、被害に気づいていない人も少なくない。医療機関と連携し、発見・治療・補償を実現する工夫も必要だ、としている。

日本の行政は、問題があっても明確にするのを避けたがる。この姿勢が、民間にも影響を与えているのは確実だ。率先して問題解決する行政になっていれば、企業も問題解決の発想は変わるだろう。もはや文化なのか?と思えるほど、日本の発想は問題解決を先送りし、時間を浪費し、被害を意味もなく大きくする。反省が必要だ。

読売新聞・社説
商工中金不正 公的金融の意義を問い直せ

商工組合中央金庫(商工中金)による危機対応融資の不正問題で、経済産業省などが業務改善命令を出した。経営責任の明確化や企業統治体制の強化を求めた。不正は、全100店舗のうち97店で見つかった。件数は4609件に上り、2646億円が不正に融資されていた。まさに組織ぐるみの不祥事である。原因は、過剰なノルマ主義や取締役会の機能不全など多岐にわたっている。危機融資を武器にして組織の維持・拡大を図ったと言わざるを得ない。経産省の有識者会議は、商工中金の在り方について年内に結論を出すという。「平時」における商工中金の体制や適正規模について踏み込んで議論してほしい。不祥事を受け、危機対応融資の「不要論」もくすぶる。ただ、危機は突然に発生・拡大する。平時は対象や規模を大幅に絞りつつ、公的融資を機動的に発動できる枠組み自体は維持したい、としている。

昨日の3紙の批判と同じレベル。ただひとつ、枠組みを維持すべきと踏み込んでいる。平時に動いて不祥事を起こす組織が、有事にまともに動けるとは思えない。説得力はない。

産経新聞・社説
希望の党 民進回帰では不毛すぎる

希望の党が両院議員総会を開いた。そこで安全保障関連法への姿勢について、同法の廃止を求めてきた「民進党の考え方と矛盾しない」という見解を確認した。衆院選で、小池百合子代表は立候補者との間で政策協定を結んだ。そこには、安保関連法について「憲法に則り適切に運用する」とうたっていた。今、なすべきは当初の「恩義」を忘れて小池代表に恨み言をぶつけることではない。衝動的に民進回帰することでもあるまい。「改革保守」を掲げたなら、それを骨太な政策として肉付けしていく責務がある。それもせずに、国会で巨大な政権与党と渡り合うのは難しい。創立者たる小池氏にしても、完敗で早くも党運営を国会議員に丸投げする。もう飽きたというならあまりにも無責任ではないか、としている。

日本の信頼失墜の話題がこれだけ多く出てくると、政治の信頼など、瑣末なことに見えてくる。最初に回復しなければならないのは、自らの周辺で起きている信頼の回復であり、その輪を広げていくことに集中した方がいい気がする。

日本経済新聞・社説
欧州中銀は混乱なき緩和縮小を探れ

欧州中央銀行(ECB)が2018年1月から国債などの資産購入額を減らし、量的金融緩和を縮小することを決めた。米連邦準備理事会(FRB)に続いて、大規模緩和からの出口に向かう。ECBには、政策転換に伴う市場や海外経済への影響にも十分な目配りをしてほしい。10年近くたって世界経済は回復軌道に乗り、中央銀行も徐々に金融緩和の縮小にかじを切り始めた。先を行く米国は、今月から保有資産の圧縮に動き始めた。英イングランド銀行(中央銀行)も近く、金融危機後では初めて政策金利の引き上げに動くとの観測が強まっている。日銀は13年に就任した黒田東彦総裁のもとで、2%の物価目標達成を目指して金融緩和を続けている。足元の消費者物価(生鮮食品を除く)上昇率は1%にも届かず、目標達成への道は険しい。ただ、米欧の金融緩和の縮小で長期金利が上がれば、日本の金利にも上昇圧力がかかる可能性がある。米欧の緩和縮小で、新興国への資金流入にどんな影響が出てくるかも気がかりだ。米欧とも物価上昇率は落ち着いているので金融引き締めを急ぐ緊急性はない。米欧の中央銀行は、自らの政策が国際的な資金移動や海外経済に及ぼす影響も点検しながら、慎重に政策を運営してほしい、としている。

先進国で量的緩和をつづけるのは日本だけになる。次の金融に大きな問題が生じた時、日本はもっとも対策を取りにくい国になる。その実害は、次の危機で確実に露呈するだろう。他国が動く時に、日本は動けない。今までの政策が失敗していたのに、何もしなかっただけだ。他国に依存する社説を書いている日本の経済紙のレベルが低い。批判の対象は日銀のはずだ。

人民網日本語版
習近平総書記「人民の軍隊を世界一流の軍隊に」 (2017.10.27)

習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は26日午後に北京で開かれた軍隊指導幹部会議に出席し、重要談話で次のように強調した。中国の特色ある社会主義は新時代に入り、国防・軍隊建設も新時代に入った。人民の軍隊は初心を忘れず、使命を銘記し、第19回党大会の精神を真剣に学習・貫徹し、新時代の党の軍事力強化思想を深く学習・貫徹し、揺るぐことなく中国の特色ある軍事力強化の道を歩み、国防と軍隊の現代化を全面的に推し進め、新時代の党の軍事力強化目標を実現し、今世紀半ばまでに人民の軍隊を世界一流の軍隊へと全面的に完成させ、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するために努力奮闘する必要がある。第19回党大会の精神に基づき来年と今後一定期間の取り組みをしっかりと計画し、軍隊建設・発展の重大な戦略問題を深く考え、来年の取り組みを始める準備を仕上げる必要がある、としている。

中国の人民解放軍は、政党の軍であって、国民の軍ではない。一党独裁の奇妙な軍組織運営は、日本の自衛隊と同じくらいに制度疲労が起きている。政党が崩壊したら軍も崩壊する。いまの課題を変えられるだろうか?世界一流になるのは技術だけ。以前の日本に似ている。

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