ORIZUME - オリズメ

3159.報道比較2017.10.26

3159.報道比較2017.10.26 はコメントを受け付けていません。

成果報酬の法案に、政治や行政を含めたらどうだろう?議員と公務員の仕事も成果報酬にできればいいのだが。

人民網日本語版
海外からのゴミの輸入を断固禁止を唱える中国 (2017.10.25)

中国海関(税関)総署は今年、「国門利剣2017」合同特別プロジェクト行動を展開し、工業廃棄物、電子廃棄物、生活ゴミ、プラスチックゴミなどの密輸撲滅を中心内容とした。全国税関密輸取締部門は1-6月にかけて、固形廃棄物刑事案件146件を処理し、26万トン以上の廃棄物が確認された。中国政府は7月、年末までプラスチックゴミ、分類されていない古紙、紡績原料の廃棄物、バナジウム・スラグなど24種の固形廃棄物の輸入を禁止し、同時に世界貿易機関にこの決定を報告した。米メディアは緊張感を強め、「中国は2016年に米国から、価値にして56億ドル(1ドルは約113.9円)の廃棄金属製品、19億ドルの古紙(計1320万トン)、4億9500億ドルのプラスチックゴミ(142万トン)を輸入した。中国へのゴミ輸出に関わる雇用枠は15万5000人分。欧州と日本も、プラスチックゴミと古紙の主な対中輸出国になっている」と報じた。環境保護問題への重視が中国で高まっており、政府と人々の共通認識も高まっている。中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告では、「生態文明体制改革を加速させ、美しい中国を建設する」と強調された。また政府を中心となり、企業を主体とし、民間組織と一般大衆が共同参画する環境ガバナンス体系を構築すると明らかにした、としている。

この話題は、10月初旬には輸出国のアメリカのWall Street Journalが伝えていた。

米国産スクラップ、中国「もういりません」 by Wall Street Journal

中国の決定を批判できる国はいないだろう。性急過ぎる以外に、批判の材料はない。中国がそれだけ成長し、ゴミを受け入れるよりは自国でのゴミが課題になる域に達していること、世界でもひどいと言われる環境問題に中国が本腰を入れる気になっていること。資源と呼びながらゴミを送り付ける国が批判できる論理はない。
中国は明らかに成長している。ゴミを集めて資源化する事業では、経済合理性が合わないほど経済規模が大きくなっているのだろう。この変化から、アメリカが自国でゴミを資源化する行動に出れば、またイノベーションは生まれる。消費も旺盛だが、エコロジーへの意識が高いアメリカならやりかねない。日本は、得意だったはずのエコロジー領域で主役になれる立場は完全に失っている。この10年、各国がどれだけ変化したかが判る事例だ。それにしていも…日本の衰えは激しい。中国の成長以上に。

朝日新聞・社説
習近平新体制 個人独裁へ歩むのか

5年前、党トップの総書記に就いた習近平氏は一貫して権力集中を進め、今回、党規約に自らの名を冠した「思想」を書き込んだ。この短期間で毛沢東、トウ小平に並ぶかのような権威づけがされるのは異例だ。最高指導部である常務委員や政治局員の人事でも習氏に近い人物が要所に配された。世界的には、グローバル化の波の中で欧米の自由民主主義の政治が混迷していることから、中国の一党支配による安定は、皮肉な強みとみられることもある。しかし、今の時代、どんな独裁も決して国の持続的な長期安定はもたらさない。北京では習氏をたたえる報道ばかりだ。この5年、生活水準の底上げが進み、習体制への支持は確かに厚い。それでも、毛沢東時代のような熱狂からは程遠く、多くの市民は冷静だ。飢える心配がなくなり、外の世界を広く知り始めた人々が、いつまでこの体制を容認し続けるか、やがて問われるだろう、としている。

産経新聞・社説
「習思想」の中国 異様な権力集中に備えよ

中国共産党の第19回党大会の閉幕を受けて、習近平党総書記(国家主席)の側近で固めた党最高指導部が選出され、2期目の習体制が始動した。特筆すべきは、自らの名を冠した「習思想」を党規約に盛り込んだことである。習氏は党大会で、南シナ海の人工島建設を「成果」と言い放ち、「海洋強国の加速」を鮮明にした。対外的にも、膨張主義が露骨さを増すということだ。今世紀半ばまでに米軍に比肩する「世界一流の軍隊」を築くと宣言したことは、アジア太平洋における米軍の軍事プレゼンスを追い越すとの決意表明である。経済規模を膨らませる中国が、軍事との両面で米国を凌駕する「世界最強国」となる。これが習氏の野望だろう。沖縄・尖閣諸島への野心も中国膨張主義の一環ととらえるべきで、南シナ海とともに東シナ海での脅威の高まりに備えるべきだ。南西諸島を守るための防衛力増強は喫緊の課題である。政府は年内に日中韓首脳会談を開催する調整を進め、安倍晋三首相は日中首脳の相互訪問を呼びかける。首脳会談の形式的な実施に意味はない。必要なのは、日本の国益や名誉、普遍的価値を守り抜く決意を相手に示すことだ、としている。

日本経済新聞・社説
中国の権力集中と習氏礼賛を懸念する

5年に1度の中国共産党大会では、既に別格の指導者である「核心」になった習近平総書記(国家主席)が党規約に自らの名を冠した思想を盛り込んだ。権力集中が一段と進み、人事でも最高指導部を含む政治局委員25人の過半数を習氏に近いメンバーが占めた。中国では習氏を礼賛する動きが目立ち、インターネット上での言論統制も厳しい。共産党は上場企業内に党組織を設け、管理を厳格にしている。政治、経済、社会の各方面で自由闊達な雰囲気が薄れつつあるのは大きな問題だ。習氏は党大会の演説で35年に現代化建設に基本的にメドをつけ、建国100年となる49年には米国に比肩する強国をつくるとした。30年以上も先までの計画にふれたのは極めて異例だ。習政権の基盤が固まれば対米、対日など対外政策も安定する可能性がある。中国内の権力闘争に左右されるリスクが減るからだ。日本側もこれをとらえて対中関係の改善を探る必要がある。とりわけ今年は日中国交正常化から45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年に当たる。この機会を逃すべきではない、としている。

毎日新聞・社説
習近平政権の新体制 強権を地域安定に生かせ

中国共産党の第19期中央委員会第1回総会で習近平国家主席(党総書記)が最高指導部の政治局常務委員会(7人)の主導権を握った。「習1強」体制の確立といえ、中国は「社会主義現代化強国」を目指し、「習近平時代」に入ることになる。「チャイナ・セブン」と呼ばれる新常務委員は側近の栗戦書中央弁公庁主任ら習氏に近い幹部が多数を占め、後継者の内定は見送られた。習氏の任期延長論もくすぶっている。習氏が「1強」の力を何に使うかが鍵だ。統制強化では経済活性化にはつながらない。むしろ既得権益を守ろうとする国有企業の改革が試金石だ。対外政策では外務省だけでなく、軍やエネルギー部門など海洋進出に前のめりな利益集団を統合した外交を進められるかが問われる。安倍晋三首相は今年、日本で日中韓首脳会談を開催し、来年訪中した上で習氏の訪日を実現させたいという考えを示している。北朝鮮の核・ミサイル開発で東アジア情勢が緊迫する中、日中のシャトル外交は地域の安定に資するはずだ、としている。

全人代という、日本を越えて世界第2の大国になった中国の政治的意思決定の間、日本の新聞は選挙に時間を費やした。時計が止まったまま、全人代の分析をいま行っても、日本の政治のペースなら問題ないだろうが、海外紙ですでに「リスクに備えよ」のメッセージを知っていると、やはり日本の新聞の遅さには魅力を感じられない。

帝国化する中国、投資家は備え怠るな by Wall Street Journal

すでに人民網さえ、共産党礼賛を終えている。日本の遅さが際立っている。

Wall Street Journal
トランプ氏、イエレンFRB議長再任を依然検討 (2017.10.26)

ドナルド・トランプ米大統領は25日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事について、ジャネット・イエレン現議長の再任をまだ検討していることを明らかにした。トランプ氏はイエレン氏について「素晴らしい」とも語り、先週19日の大統領執務室での面談で2人は「とてもよい話し合い」ができたとした。その上で「われわれは明らかに非常にうまく行っている。市場を見てみるといい」と話した。トランプ氏は次期FRB議長にジェローム・パウエルFRB理事、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授(経済学)を含む数人を検討している、としている。

トランプ氏は議会で非公式にFRB議長を誰にすべきかの挙手を求めたと言う。

トランプ氏、FRB議長人選で上院議員に挙手求める by Wall Street Journal

FRB議長の選択が、これからの経済に大きな影響を与えることを認識してか、明らかに、決定を恐れている。今までのトランプ氏には感じなかった慎重さだ。今後の政治判断にも、似た姿勢を期待したい。

読売新聞・社説
立民と希望 安易な離合集散を繰り返すな

立憲民主党の躍進を踏まえ、民進党籍を残す無所属当選組には、立民党との合流志向を持つ議員が少なくない。衆院で統一会派の結成を模索する動きがある。民進党に残った参院議員にも、同党の再結集を求める声が出ている。立民党の枝野代表は両院議員総会で、「数合わせに関与すると誤解されれば、期待はどこかへ行ってしまう」と述べ、再々編に慎重姿勢を示した。当然である。公示前勢力を下回った希望の党の両院議員懇談会で、小池代表は「排除」発言について陳謝した。今後の党運営を国会議員に委ねる考えも示した。出席者からは辞任を求める声も上がったが、小池氏は代表を続投する意向を表明した。立民、希望両党が取り組むべきは、自らの組織を地道に拡大するとともに、現実的な政策を練り上げることである。徒に抵抗路線に陥らず、安倍政権に対して是々非々で臨む。こうした建設的な対応を取れるかどうかも問われよう、としている。

読売の主張は適切だが、もう選挙や政党の話題はニーズに合わない。頼りない野党よりは、メディアが政権を監視して欲しい。自民党寄りの読売には不可能だろうが。

Financial Times
ゾンビ思想:ブレグジットに関する根拠なき楽観 (2017.10.20)

ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)交渉が失敗し、英国経済に唐突なショックを与え、近隣諸国との関係を台無しにする可能性は極めて高い。最初のゾンビ思想は、移行の取り決めに進む前に(詳細ではないにせよ)離婚の大まかな条件を決めることにこだわることで、EUは理不尽な態度を取っているという考えだ。これと関係したゾンビ思想は、英国はEUに対して貿易赤字を出しているため、実は英国の方がEUよりも強い立場にある。英国が抜けてもEUは世界第2位の経済であり、2016年の経済規模は市場価格で英国のほぼ6倍にのぼっている。英国はいわば経済的超大国を相手に交渉しているわけだ。実際には、EUとの貿易を規定するすべての手続きを見直す必要がある。それには、英国をちょっとしたのけ者と見なすパートナー諸国からの熱心な協力が必要になる。英国を楽にしてやろうなどと一体誰が考えるだろうか。そのゾンビ思想が英国を、隣人にして自然なパートナーである国々との破滅的な離別に至らせた人々の方だ。これを訴えていくのは我々の権利だ。そして、我々は訴えていく、としている。

まだ英国はブレグジットを、こんな調子で話しているのか。これは危ない。中国よりもずっとリスキーだ。交渉のたびに事態はギリシャ危機より悪くなるだろう。日本の財政もいっしょだが、政治は本気で仕事をしていない。政治家こそ成果報酬にすべきだ。

Comments are closed.