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3157.報道比較2017.10.24

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盛り上がる気になれなかった選挙への責任は、自らで取りたい。政治に期待しない分だけ、自立していきたいと心を新たにしているところだ。

朝日新聞・社説
自公3分の2 憲法論議 与野党超えて、丁寧に

衆院選で自民、公明両党が定数の「3分の2」を維持した。改憲の国会発議に必要な勢力を安倍首相は再び手にした。自民党は公約に自衛隊の憲法明記を盛り込んだ。首相は、自衛隊が違憲という論争がある状況に終止符を打ちたいと言う。「自民党内の賛成を得る段階ではないが、そういう観点から議論を進めていただきたい」と、9条改正に意欲を見せる。野党第1党となった立憲民主党は、違憲と位置づける安全保障関連法を前提とする9条改正には反対だ。首相はきのうの記者会見で、国会発議について「すべて(の野党)に理解を頂けるわけではないが、合意形成の努力を払うのは当然だ」と語った。国会の憲法審査会で、超党派による真摯で丁寧な議論を積み重ねる環境をつくれるかどうかが問われる。衆院選で示された自民党への支持は、必ずしも改憲への支持とは言えない。憲法論議が国民を分断するようなことはあってはならない、としている。

産経新聞・社説
安倍首相会見 「謙虚」と「慎重」は異なる

安倍晋三首相が衆院選後の記者会見で、これからの政権運営について謙虚な姿勢で公約実現を図っていくと強調した。国民の理解を得ながら、おごらず丁寧に政治を進めていく。政権が長期化するほど、強く意識すべき点であろう。その典型が憲法改正である。自民党が公約の重点項目に憲法改正を掲げたのを忘れたわけではあるまい。首相が個人的に述べたのではなく、政権与党として憲法改正の推進を約束した重みを踏まえる姿勢が必要だ。首相は会見で「私たちはできることしか言わない。これをわが党の矜持としてきた」と語った。9条改正をはじめ、緊急事態条項の創設など、国民の命を守る改憲に力を尽くしてもらいたい。森友・加計問題への対応で内閣支持率が一時急落した。謙虚さを失うことで、政策遂行が妨げられる事態を招いてはならない、としている。

日本経済新聞・社説
日本経済の持続力高める改革急げ

衆院選で与党の獲得議席が3分の2に達した。野党候補の乱立が有利に働いた面もあるが、安倍内閣は国政選挙5連勝で政権基盤を固め直した。日本が取り組むべき優先課題は、財政や社会保障制度の立て直しと成長力強化の両立である。政府・与党はその実現に集中的に取り組んでほしい。自民、公明両党は19年10月に予定する消費税率10%への引き上げに伴う増収分の使い道を変更し、幼児教育・保育の無償化などに振り向けると公約した。その結果、20年度に国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする目標は達成できなくなる。では基礎的財政収支はいつ黒字にするのか。そのために医療や介護などの社会保障制度をどう改革するのか。具体的な取り組みを盛り込んだ新たな財政健全化計画を早急につくる必要がある。発足からまもなく5年となる安倍内閣は、長期政権ゆえの「おごり」や「緩み」が目立っている。森友、加計両学園の問題では、首相官邸の働きかけや官僚の過度の忖度が影響したとの見方が浮上している。安倍内閣は目先の人気取り政策に目を奪われるのではなく、有権者から与えられた貴重な政治資本を有効に使うべきである、としている。

毎日新聞・社説
安倍首相の記者会見 謙虚をどう形にするかだ

首相は「今まで以上に謙虚な姿勢で、そして真摯な政権運営に全力を尽くさなければならない」と言いつつ、首をかしげざるを得ない発言があった。 一つは、学校法人「加計(かけ)学園」をめぐる国家戦略特区での獣医学部新設の問題だ。十分に説明し国民から理解を得られたと受け止めるか、との質問に首相は「国会審議をすべてご覧になった方にはかなりご理解いただけたものと思っている」と答えた。説明責任は果たし、この問題はもう終わったといわんばかりだ。もう一つは、憲法改正である。首相は選挙中、自ら改憲への支持を訴える場面はほとんどなかった。
共同通信の出口調査では、首相を「信頼していない」は51%で、「信頼している」の44%を上回った。首相に必要なのは、「謙虚」や「真摯」を口で言うだけでなく、具体的な形にすることだ、としている。

読売新聞・社説
安倍政権再始動 脱デフレへ成長力を強化せよ

安倍首相は記者会見で「ぶれることなく政治を前に進め、しっかりと結果を出す」と強調した。最優先すべきは、アベノミクスを強化し、デフレ脱却を完遂することだ。円高株安を是正し、企業業績や雇用は改善したが、その恩恵は一部にとどまっている。政府は、18~20年度を「生産性向上・集中投資期間」と定め、人工知能やロボット、医療分野などの情報技術(IT)への投資を促進する。いかに成長戦略を強化し、具体的な成果を生み出すか。大胆な規制改革で民間の資金や活力を最大限活用し、経済の好循環につなげることが大切だ。安全性の確認された原発の再稼働も着実に進めねばならない。財政再建にも注力すべきだ。20年度の基礎的財政収支の黒字化目標を取り下げた以上、それに代わる目標を示すことが欠かせない。経済成長による税収増への過大な期待は禁物だ。急増する社会保障費の抑制には、「痛み」を伴う改革も避けてはなるまい。首相は今回の自民党大勝で、来年秋の自民党総裁選での3選に弾みをつけた。「ポスト安倍」をうかがう岸田政調会長や石破茂・元幹事長は、それぞれ戦略の見直しを迫られよう、としている。

Wall Street Journal
安倍晋三首相の大きな勝利 (2017.10.23)

安倍晋三首相は22日の衆議院選挙で、3回連続となる圧倒的勝利を手にした。安倍氏は野党の足並みの乱れに乗じて解散総選挙に踏み切り、その賭けは成功した。それまで最大の野党だった民進党は2つに分裂。中道右派の「希望の党」と中道左派の「立憲民主党」はいずれも、経済を運営したり北朝鮮の脅威に対峙したりする力があると有権者に思わせることができなかった。有権者は安倍氏が信頼できる人物だと考えたようだが、その指導力については相変わらず疑っている。平和憲法の改定を目指す動きは評判が良くない。経済の潜在成長力を底上げする構造改革の公約も実現できていない。今年またも労働法制改革を断念した。景気回復の足取りは依然として弱く、安倍氏への信頼感を押し下げている。安倍氏は、東京都の小池百合子知事と小池氏が率いる希望の党から改革のアイデアを拝借するのが賢明だ。規制緩和や民営化や歳出削減を進めれば、企業は投資や雇用を進めたくなるだろう。安倍氏が改憲を実現するとともに党内の権力闘争を避けるのに必要な政治的資本を作り出すには、より力強い経済が必要だ、としている。

生活に直結する経済の話をしたのは日経と読売。憲法改正を気にする朝日。信頼や会見にこだわる産経と毎日。Wall Street Journalは分析の社説と、北朝鮮や中国への危機感が安倍氏が支持を得た理由だとの社説も載せている。

日本の民意が示した中国への警告 by Wall Street Journal

別の選択肢がなかっただけの状況を見ると、中国や北朝鮮への脅威論が安倍政権の支持になったというWall Street Journalの主張には賛同できない。アメリカが憲法改正を同盟国として期待しているなら、最初に日本に押し付けたと言われる憲法を、アメリカの都合で変えていくのはさらに違和感だ。時代に合わせて変える必要性は判る。むしろ変わらな過ぎるほど、条文の持つ制度よりは理念を深読みし過ぎて触れなくなってしまった気もする。70年、ずっと平和でいられたのは私は憲法のおかげではなく、幸運だったこと、アメリカも含めた国際社会が日本を認め、援護してくれたこと、日本国内が適切に自重してきたからだと思う。条文を変えることにこだわるよりは、平和を守る方に本当の努力を重ねて欲しいのだが、安倍氏はそういう発想をしないないのはすでに周知の事実だ。
経済は、財政を含めて、まさに火の車のはずだが、目標は先送り、まだバラマキ路線をつづける大義を与えてしまった。個人的には、こどもの教育費がこれからかかる立場なので、安倍氏の発想の恩恵を受ける立場なのだが、まるで喜べない。素直に打算で生きるべきなのだろうか?いずれにしても、盛り上がる気になれなかった選挙への責任は、自らで取りたい。政治に期待しない分だけ、自立していきたいと心を新たにしているところだ。

人民網日本語版
発展改革委が中国経済を説明 GDPは日本抜き倍増する (2017.10.23)

中国経済を読み解く際の最も重要な尺度の一つはGDPの変化だ。国家発展改革委員会の何立峰主任は同日の記者会見で、「2012年から2016年にかけて、中国経済の年平均成長率は7.2%となり、今年の第1四半期(1~3月)と第2四半期(4~6月)はいずれも6.9%、第3四半期(7~9月)は6.8%の成長ペースだった。こうした状況が続いていることを踏まえると、今年通年では(国内総生産<GDP>は)80兆元(1元は約17.2円)を超えると予想される」と述べた。10年に中国のGDPは39兆7千億元に達し、中国は日本を追い抜いて世界2位のエコノミーになった。何主任が中国の17年のGDPが80兆元を超えると予測したことは、中国が世界2位のエコノミーになった後、経済規模が倍増することを意味する。中国経済は規模が増加すると同時に、「質の向上」も達成した。何主任は記者会見で、「新業態が勢いよく発展し、たとえば滴滴出行の配車サービス、シェア自転車、またECや電子情報の発展と結びついた業態が次々に現れた」と述べた、としている。

中国にとって日本はまだライバルであり、目標だとは知らなかった。日本が迷走している間、確実に強さを増している。安定した政治基盤だけではない。目標が明確だからだろう。中国は貪欲に未来に手を伸ばす。そのための努力を怠らない。日本は、いつしか目標のために悪意を働くようになってきた。追い越された状況を、もう一度逆転させるのはラクではなさそうだ。

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