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3152.報道比較2017.10.19

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これが、これからの中国を見る未来像になるのではないか。中国は国家主義を進め、新聞を含めて何もかもが国家主導になる。結果、今までの成長は消え、窮屈な中国に戻る。アメリカは中国への懸念を強め、ロシア化に備える。日本は、進歩しない固定観念から抜け出せない。

人民網日本語版
世界は中国のサクセスストーリーの解読を切望 (2017.10.18)

中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)に、世界中のメディアの注目度が高まり続けている。中国大陸部外の記者1800人以上が党大会を取材。第19回党大会を通じて中国を解読することが、世界のメディアの一致した願望となっている。中国共産党は世界最大の与党であり、その影響力はとうに国境を越えている。現在、平和の欠損、発展の欠損、ガバナンスの欠損が全人類の直面する厳しい試練となり、ポピュリズムと反グローバル化思想が逆巻き、世界は不確定性を増している。過去5年、習近平国家主席は人類の前途命運と世界の発展の大勢を深く考え、洞察し、「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブを打ち出し、心を一つにして人類運命共同体を築き、協力・ウィンウィンを核心とする新型の国際関係を構築することを主張してきた……中国の案、中国の知恵は人類の前進の方向を明るくともした。世界は第19回党大会に注目し、これによって中国の将来の現実的ニーズを予測し、さらに中国が引き続き世界にプラスのエネルギーを与えることを期待している、としている。

Wall Street Journal
習主席の本音:一党支配維持が優先、改革は二の次 (2017.10.19)

中国共産党の習近平総書記(国家主席)は18日、この日開幕した5年に一度の第19回党大会で、経済のかじ取り役としての党の役割を断固とした口調で長々と擁護するとともに、市場原理に基づく一段の経済改革といったお決まりの文句を並べた。投資家は習氏の言葉を信じるべきだ。理論としては、ビジネスに精通した民間企業が国有企業の経営改革を支援するのがこの制度だ。だが支配株式の取得を伴わなければ、この方法がどう機能するのか理解しがたい。実際には、改革が民間起業家にもたらした恩恵の一部を国有企業が奪い返す仕組みに見える。習氏は「改革深化の全体目標は、中国の特性を踏まえた社会主義制度の改善と発展だ」とし、共産党の既存の信条をあらためて強調した。言い換えれば、改革は詰まるところ国家経済の柱を補強するためであり、これを解体するためではない。共産党中心の社会への回帰は、これまでの当局者の発言で浮き彫りになっている。2000年代終盤の中国国営メディアの常とう句はこうだった。「開放と改革がなければ、中国独自の社会主義はない」。だが幹部に「習近平思想」を学ぶよう促した最近の共産党の記事では、これが逆になっている。「中国独自の社会主義がなければ、開放・改革がもたらす進展はない」。投資家、そして世界全般にとって、向こう5年の優先課題に関する習氏の言葉は、すでに不吉な前兆だといえる、としている。

産経新聞・社説
習近平演説 強国路線の拡大に警戒を

中国共産党の習近平総書記(国家主席)が党大会の冒頭の活動報告で述べた内容である。過去5年間の成果として、「南シナ海での人工島建設を積極的に推進した」ことを挙げた。さらに、東・南シナ海での中国公船の活動活発化を念頭に「海洋権益の維持を有効に遂行した」とも述べた。力を背景に他国・地域の権益を侵し、それを政権の成果として誇る。そういう国がすぐ近くにいることを直視せねばならない。時間に及ぶ報告で、習氏は「社会主義現代化強国」の建設という目標も掲げた。こうした指導理念を党規約に反映し、自らの権威を高めるとみられている。その上さらに、今世紀半ばに人民解放軍を「世界一流の軍隊」にすると言い切った。日米の軍事力を圧倒する意味だろう。こうした中国の姿勢について、日米間で十分に協議し、対応を考えることが欠かせない。大会を経て選出される次期指導部は、習氏の側近らが占めることになろう。共産党独裁下で推し進められる「強国」路線に対し、これまでにも増して重大な警戒が求められる、としている。

読売新聞・社説
中国共産党大会 習氏は覇権主義を強めるのか

5年に1度の中国共産党大会が開幕し、習近平総書記(国家主席)が演説した。1期目の総括と今後の方針を示す政治報告で、建国100年の2049年をめどに、「近代化した社会主義強国」を実現すると明言した。「総合的な国力と国際的な影響力で、世界のトップレベルの国家になる」とも強調した。看過できないのは、習氏が南シナ海の人工島造成や軍事拠点化を「成果」として挙げたことだ。昨年7月の仲裁裁判所判決は、南シナ海を巡る中国の主権の主張を全面否定している。「海洋強国」建設の名の下に、航行の自由の原則を脅かしている動きを肯定的に評価するのは容認できない。台湾についても、習氏は「いかなる形の分裂活動も打ち破る」と語り、強硬姿勢を見せつけた。中国は、毛沢東への過度の権力集中が混乱を招いた歴史から、「集団指導」を原則としてきた。習政権下で専制政治や社会の抑圧が進むことが懸念される、としている。

これが、これからの中国を見る未来像になるのではないか。中国は国家主義を進め、新聞を含めて何もかもが国家主導になる。結果、今までの成長は消え、窮屈な中国に戻る。アメリカは中国への懸念を強め、ロシア化に備える。日本は、進歩しない固定観念から抜け出せない。習氏の新たな5年がはじまるが、期待値は5年前より明らかに低い。権力は手にしたのだろうが、大切な国家が混乱の芽を内包し始めた。今までほど追い風のつづく中国にはなりそうもない。5年後の中国は、いまより大国になっているだろうが、加速度は今の半分以下だろう。ただ、今のままならアメリカよりも、もちろん日本よりも成長するのは確実だ。一度や二度の危機があっても、中国の大きさは世界一に向いつづける。問題は、その世界一の大国が国家主義を掲げることだ。

日本経済新聞・社説
17衆院選 具体策のない成長戦略では成長できぬ

経済協力開発機構(OECD)によれば、日本経済の実力である潜在成長率は0.7%程度である。人口が減るなかで実力を高めるには、生産性を上げねばならない。衆院選でその具体策をめぐる論戦がほとんどみられないのは残念だ。自民党は公約で、ロボット、あらゆるモノがネットにつながるIoT、人工知能(AI)などによる「生産性革命」を掲げた。着眼点は正しくても、スローガンだけが先行している印象だ。AIやIoTなどによる技術革新の促進を唱えているのは希望の党も同じだ。問題は「大胆な規制・社会変革」の中身がいまひとつ判然としないことだ。生産性上昇のカギを握るのは規制改革だ。新規参入を促して競争が活発になれば、民間の創意工夫で画期的な商品やサービスを生みやすくなる。それなのに規制改革の具体策といえば、日本維新の会が株式会社の農地所有の解禁や解雇紛争の金銭解決などを訴える程度だ。立憲民主党は「再生可能エネルギー・省エネ技術への投資」に力点を置き、規制改革を素通りしている。具体策のない成長戦略では、成長できない。各党は分配やバラマキに熱心な一方、ときに痛みも伴う構造改革から目を背けている、としている。

日経のITへの過剰期待はいつものことだ。スローガンだけが先行している政治はたしかに頼りないが、ITを呼吸のように感じている社会になっている時代に、ITを生産性の中核と未だに言いつづける日経の発想にも、同様の物足りなさを感じる。すでにITは必須になっている。ITを使えばうまくいくのではなく、新しいビジネスや社会の実現にITが力を貸す程度の感覚が適切だと思うのだが。テクノロジーはツールだ。目的ではない。

毎日新聞・社説
総選挙 北朝鮮の脅威 「国難」と言うのならば

北朝鮮の核・ミサイルの脅威が増大し、安倍晋三首相が「国難」と言う中での選挙である。が、その割にミサイル防衛(MD)をめぐる論議が熱を帯びないのはなぜだろう。万々が一、日本にミサイルが飛来した時の命綱のはずなのだが。各党の公約を見ると、自民党は「陸上配備型弾道ミサイル防衛システム(イージス・アショア)」の導入に前向きで希望の党もMDに言及している。だが、米軍と米防衛産業が開発を競うMDはどこまでミサイル迎撃に有効なのか、国民の判断材料はあまりに少ない。米国の実験を何度も見学した私は、MDには限界があり過信すれば外交を誤りかねないと考える。ミサイルの脅威を取り除く上で米国の科学者たちが重視したのはやはり外交だった。日本政府は危機を未然に防ぐ外交を強力に展開してきただろうか。高価なMDは国民の安全を確かに守れるのか。為政者が「国難」と言う時はそれらの点も問われるはずだ、としている。

外交と軍事を選択論や優劣で話しているのが、以前から感じる違和感だ。アメリカのティラーソン氏が言うように、選択肢は複数あり、常に変容する。優劣のあるものではない。迎撃を否定もせず、過信もしない。圧力も対話も並行して進めるのが原則だろう。毎日の言うとおり、国民に説明が不足しているのはストレスだ。だが、その理由も明らかだ。政治は誰も本質を理解していないだけだ。だから話せない、考えられない。北朝鮮問題は、いまの政党ならどこにやらせても大差ない。期待できる政党は皆無だ。

朝日新聞・社説
衆院選 辺野古の海 沖縄だけの問題か

沖縄における衆院選最大の争点は、引き続き米軍の普天間飛行場問題だ。名護市辺野古への移設阻止をかかげる翁長雄志知事を支持する「オール沖縄」勢力と、容認の自民候補者が4選挙区すべてで対決する。中央政府が強大な力を行使して、特定の自治体に重い負担を迫ってきたとき、その自治体はどう声をあげ、いかにして住民の生命や財産、環境を守るか。地方自治にとって根源的なテーマが問われている。たとえば政府はいま、辺野古の海底の形状を変える岩礁破砕を、知事の許可なしに進めようとしている。「地元漁協が漁業権を放棄する議決をしたので許可は不要だ」と説明する。しかしこれまで水産庁は、議決だけでは漁業権は消滅しないという見解を示していた。個々の自治体の声を聞いていたら話は進まない。国策なのだから我慢せよ。沖縄でやったのと同じことをするだけだ――。政府がそう言ったとき、地方はどうするか、何ができるか。「辺野古」が浮き彫りにするこの国の政治の姿は、衆院選で問うべき重大テーマである、としている。

朝日が沖縄に傾注しはじめた理由は何だろう?今まで朝日が沖縄問題を率先して取り上げた記憶はない。政権批判のための道具なら、従軍慰安婦の時と同じ後悔が朝日に宿る。言っている事は正論だが、政策論ではなく、政府批判になっているのがおかしい。沖縄が求めているのは陳情や応援ではなく、根本の解決のはず。政策に上がっていない政党があるなら指摘すべきで、現政権の避難だけでは生まれるものは少ないはずだ。

Financial Times
デフォルト目前、ベネズエラ救済を検討し始めたIMF (2017.10.17)

国際通貨基金(IMF)が今後あり得るベネズエラ救済に向けて準備を始めた。救済には年間300億ドル(約3兆3600億円)以上の国際支援が必要になる可能性があり、併せて世界でも特に複雑な債券のリストラ(再編)が行われ、IMFの規則が大きな試練に見舞われることになる。IMFのスタッフはこの数か月、仮に実現したら、大きな批判を浴びたギリシャへの関与より金銭的に規模が大きく、政治的に複雑になる可能性がある救済に向け、静かに数字を分析してきた。ベネズエラは15日に23州の知事選を実施した。事前の世論調査では、経済を3割以上縮小させた深刻な不況と、IMFの試算で年間1000%超にのぼるインフレのさなか、野党が政府を倒すと見られていた。ところが政府の支配下にある選挙管理委員会は16日、23州のうち17州で与党・統一社会党(PSUV)の候補が勝利したと発表した。野党は不正があったと批判し、選挙結果は受け入れないと述べており、ベネズエラ政府に対する国際的な制裁が強化される可能性が出てきた。IMFのプログラムは、緊縮と関連づけられてきた。だが、ベネズエラはすでに、劇的な消費の落ち込みに苦しんでいる。米ハーバード大学国際開発センター(CID)の経済学者、ミゲル・アンヘル・サントス氏は、「多くの意味で、最も痛みの大きい調整はすでに起きた」と話している。

産油国のベネズエラは、独裁者のチャベス氏がいなくなってから、完全にリーダーシップを失い、さまよっている。原油価格の下落、単純な反米姿勢がワークしなくなった後も、迷走をつづけ、デフォルト危機の噂は絶えない。すでに貸し付けている機関はリスクを認識して対策を高じていると思うが、現実となれば、それなりのインパクトはあるだろう。中国も反米の応援で資金をつぎ込んだはずだし、南米で協調していた国々へのインパクトもある。それでも、体制維持のためにデモで人が死ぬのに比べれば、金融破綻は直接、人命に影響を与えることはない。貧乏は病気より苦しいという人もいるが、死傷者が出る事態よりはましだ。産油国なら再生も不可能ではないだろう。政治が適切に機能するのに人命が奪われる事態が避けられるといいのだが。
規模の差はあれ、ギリシャとも似た状況を、また傍観者として参考にしている。日本にも、やがて似た事態は起きる。ダメなリーダーシップがガンになるのは確実だ。今の選挙を見ると、日本も似た状況に陥る。3.11に似た迷走を繰り広げるだろう。それでも、人命が犠牲になるよりはいいと考えるべきだろう。

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