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3149.報道比較2017.10.16

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中国の経済にかかわるニュースが、アメリカと同レベルに注目されるのが、これからの日常になるのは確実だ。日本の新聞よりも海外紙のニーズがさらに高まりそうだ。

Wall Street Journal
BAT対FANG、中国ハイテク勢の方が危険な理由 (2017.10.16)

中国の習近平国家主席は、1期目の5年に強力な既得権益にメスを入れた。だが中国ハイテク業界の野獣は、ここまで比較的無傷で生き延びている。アリババは表面上はアマゾンのようにも見えるが、配送の多くは外部に委託するなど、異なる点が多い。アリババの金融部門が手掛けるオンラインMMF(マネー・マーケット・ファンド)の「余額宝(Yu’e Bao)」は、たった4年で世界最大規模に成長した。BATはほぼ間違いなく、FANGより事業を多角化しており、往々にしてお互いに競合する。3社ともネットフリックスのように、ドラマやリアリティー番組などの娯楽コンテンツの配信に参入。また食品配送や映画チケットのオンライン販売などの分野でも競っている。中国政府が締め付けを一段と厳しくしている兆しが出ている。8月には、禁止されたコンテンツを配信し、公共の安全や社会秩序を脅かしたとして、ネット監督当局がテンセントやバイドゥ、アリババ傘下で「中国版ツイッター」と呼ばれる微博(ウェイボー)に罰金を科した。中国共産党機関紙の人民日報は7月、テンセントの人気スマホゲーム「王者栄耀」がユーザーを中毒に陥れているとして、若者層に有害だと批判した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今週、中国政府が国内の大手IT(情報技術)企業の株式1%を取得し、各社の経営に直接影響力を行使しようとしていると報道。テンセント、アリババ傘下の動画共有サイト運営会社「優酷土豆」などが対象で、国家の介入姿勢をあらためて印象づけた、としている。

人民網日本語版
IMF、中国経済伸び率の予想値を今年4回目となる上方修正 (2017.10.15)

国家通貨基金(IMF)は10月10日に、「世界経済展望報告」を発表した。同報告で、2017年の中国経済の伸び率の予想値を6.7%から6.8%に高め、2018年の予想値を6.4%から6.5%に上方修正したことがわかった。IMFが中国経済伸び率の予想値を上方修正したのは今年で4回目だ。IMFの首席経済学専門家のモーリス・オブストフェルド氏は、中国の今年上半期における経済成長の強さは中国政府が積極的な措置を取ったことに関係するとし、同時に監督管理層も貸付が成長をもたらすと同時に、潜在的なリスクをもたらすことに気づいたとした。中国は引き続き経済のモデル転換を進めるのと同時に債務と貸付の急速な増長をコントロールするべきだとアドバイスした。国家発展改革委員会副主任、国家統計局局長寧氏は10月10日に、国務院新聞弁公室の記者会見で、今年上半期、中国の国民経済は安定の中で成長し、好転、GDPが昨年同期比6.9%増で、伸び率が四半期8連続で6.7%-6.9%の間で維持していることを明らかにした。米国有名なシンクタンクである「ピーターソン国際経済研究所」(PIIE)のある高級研究員はこのほど、個人消費が引き続き強い勢いで成長しており、投資と輸出の成長ベースの鈍化によるマイナス影響をカバーしたので、今後数年にわたり中国経済は依然として6%-7%の伸び率を維持することができるという見方を示している、としている。

中国の経済にかかわるニュースが、アメリカと同レベルに注目されるのが、これからの日常になるのは確実だ。人民網は情報源としては物足りない面も多いが、無視していると機会を完全に失う。日本の新聞よりも見る価値は高まっている。
Wall Street Journalが中国系IT企業に着目しているという事は、それだけ中国系に投資が集まっている証拠であり、彼らの動向が経済に大きなインパクトを与えると認識しているからだ。ソフトバンクが似たように話題になる事はあっても、Yahoo!ジャパンや楽天にはそこまでのインパクトはない。すでにIT界でも日本より中国のプレゼンスの方が高い。Wall Street JournalはBATとFANGを比較しているが、ビジネスに相違があるのは当然で、リスク要因がBATの経営戦略よりは、中国共産党の方針にひどく左右されることを示唆している。トランプ政権も経済に政治リスクを負わせているが、中国政府のインパクトも大きそうだ。やがて中国政府の意思決定が、アメリカを越える日が来る。その時こそ、中国が世界経済の意思決定にアメリカ以上の主導権を握る日だろう。

産経新聞・社説
衆院選と経済政策 回復実感得られる成長策語れ ユリノミクスは立ち位置を明確に

景気拡大は戦後2番目の長さになったといわれるのに、多くの国民に実感はない。賃上げが力不足で、将来の暮らしが見通せないこともあろう。そんな現状をいかに打開するか。衆院選で与野党が論じるべき経済・財政政策は、その具体的な提案である。自民、公明両党は、消費税率を2019年10月に8%から10%へと引き上げると同時に、増収分の使途を一部変更し、幼児教育の無償化などに振り向けるとした。10%への税率アップは安倍晋三首相が2度にわたって延期してきた。今回、予定通りに実施するとしたのは、国内外の景気好転が可能にするとの判断だろう。「ユリノミクス」を旗印とする希望の党は、金融緩和や財政出動に過度に依存せず、規制改革などで民間活力を引き出すという。金融・財政政策と比べ成長戦略が不十分と指摘される安倍政権との違いを際立たせたいのだろう。既得権益層が反発しようとも岩盤規制を打破するのか。その立ち位置を明確にしてほしい、としている。

昨日は意味不明なトランプ大統領来日という視点、そして一昨日は切れ味のいい主張だった。ブレる小池氏と似たように、今日はそれなりに冴えている。安定した品質を維持してくれればいいのだが。産経が本気で安倍政権が次回の消費増税をすると思っているのかは判らない。だが、2019年10月は、東京オリンピック前の最後の増税チャンス。ここを逃したら、増税はオリンピック後。通常なら景気が後退しやすい時期だ。もしそこまで延期したら、増税は無期延期に近く、財政懸念は海外から確実に国債売り、円売りを誘発するだろう。ということは、今回の増税は絶対条件に近く、凍結を主張する希望の党には明確な対案の提示は求めるべきだ。次の首相は、財政再建の大仕事をする人になる。いまのままなら、安倍氏も小池氏も役不足だ。

日本経済新聞・社説
17衆院選 現実直視し責任あるエネルギー政策を

エネルギーは社会を支え、供給が途絶えれば影響は大きい。聞こえのよいスローガンを唱えるだけでは困る。現実を直視してエネルギー利用の未来を展望し、責任ある政策を示してほしい。自民党は原発を「ベースロード電源」と位置づけ、再稼働についても原子力規制委員会による安全性の確認と地元同意を前提に進めるとした。前回の衆院選の公約とほとんど変わらず、原発を争点にしたくない姿勢も見てとれる。原発問題から逃げずに、再稼働がなぜ必要かを丁寧に説くべきだ。政策を見直すべき点がないかも検証が要る。太陽光や風力など再生可能エネルギーの目標はいまのままでよいのか。30年以降の原発比率や新増設はどうするのか。これらの点について方向性を示す必要がある。立憲民主党は原発ゼロを基本法で定め、希望の党も憲法で明記すると約束した。だがエネルギー利用は国際情勢の影響を受けやすく、政策には変化に対応できる柔軟さも要る。理念と政策は分けて考えるべきではないのか。安倍政権になり原子力政策について国民の声を聞く場は減っている。衆院選を機に各党が正面から向き合い、議論を深めてほしい、としている。

朝日新聞・社説
衆院選 憲法論議 国民主権の深化のために

朝日新聞の今春の世論調査では、憲法を変える必要が「ない」と答えた人は50%、「ある」というのは41%だった。自民党は公約に、自衛隊の明記▽教育の無償化・充実強化▽緊急事態対応▽参議院の合区解消の4項目を記した。一方で首相は、街頭演説では改憲を口にしない。訴えるのはもっぱら北朝鮮情勢やアベノミクスの「成果」である。朝日新聞の5月の世論調査で首相に一番力を入れてほしい政策を聞くと、「憲法改正」は5%。29%の「社会保障」や22%の「景気・雇用」に比べて国民の期待は低かった。首相はかつて憲法を「みっともない」と表現した。背景には占領期に米国に押しつけられたとの歴史観がある。「われわれの手で新しい憲法をつくっていこう」という精神こそが新しい時代を切り開いていく、と述べたこともある。憲法を軽んじる首相のふるまいは、そうした持論の反映のように見える。象徴的なのは、歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を、一内閣の閣議決定で「合憲」と一変させたことだ。改憲は政権の都合や、政党の数合わせでは実現できない。その是非に最後に判断を下すのは、私たち国民なのだから、としている。

憲法に原発ゼロと書くとは、バカな話だ。何でも拳法の話にするのは、まるで憲法改正という手続きだけを、功績のために絶対にしたいと聞こえる。小池氏の主張がどんどん陳腐に聞こえる。日経の言うとおり、エネルギー政策の話や、教育費の話を憲法に書く意味などない。政策で法案として必要な時に通せばいい。何でも憲法に突っ込むのをやめさせて欲しい。エネルギー政策は、憲法とはまったく無関係だ。

読売新聞・社説
安全保障 北朝鮮への備えを冷静に語れ

安倍首相は、衆院解散を「国難突破解散」と命名した。北朝鮮問題への対応について、国民の信を問う姿勢を強調する。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は7日の党中央委員会総会で、核開発を続けると明言した。「反米対決戦を総決算する」との強硬姿勢も崩していない。軍事的圧力は欠かせないが、トランプ流の暴言には不安を抱かざるを得ない。首相は、米国の先制攻撃まで支持すると受け取られるような言動は慎むべきだ。「国難」という以上、首相には「対話か圧力か」といった二者択一的な議論を排し、国民の分断を回避する努力が求められる。朝鮮半島有事が現実味を帯びてくれば、政府は、国民を守るため新たな対応を迫られる。自民党は公約で、自衛隊による在留邦人救出の態勢構築や能力向上を挙げた。麻生副総理は、武装難民が日本に流入する危険性にも言及した。政府・与党は、様々なケースを想定し、総合的な対策を検討しておくことが重要だ。北朝鮮対応で、自衛隊は米軍と共同で警戒活動を行うなど、緊密に連携している。安保関連法に基づく米艦防護や給油で日米の信頼関係はかつてなく高まった。安保関連法を廃止すれば、日米関係は悪化し、日本の抑止力も弱まる。廃止論は疑問である、としている。

政権よりの主張が多い読売だが、昨日につづき、安倍氏への批判的な内容。この姿勢なら安心して読売にも期待できる。読売のバランスは、世論に添った姿勢というところだろうか?調査では、世論は自民党の支持率は高いが、安倍氏の再任には批判的だ。政策の検証を、ひきつづきニュートラルな視点でつづけて欲しい。

毎日新聞・社説
教員の長時間勤務改善 必要な仕事の絞り込みを

教員が本業である授業に専念できるようにする改革が必要だ。中央教育審議会の特別部会が、教員の働き方を早急に改革するよう求める緊急提言をまとめた。タイムカードやICT(情報通信技術)を使った勤務時間把握や学校への留守番電話設置、部活動の休養日設定などを例示した。「今できること」はすぐに実行するよう文部科学省や教育委員会に求めている。「教員の仕事には切れ目がない」という学校文化があり、勤務時間管理の意識は希薄だ。校長らが目視などで退勤時刻を確認している小中学校が6割、何もしていない学校が1割を占めている。タイムカードやICTの導入は、管理職の意識改革を促す点でも有効だろう。長時間勤務は、教育の質にも影響を及ぼしかねない。時間管理のみならず、中学校での長時間勤務の主因といわれる部活動の対応も重要だ。休養日を設けたり、外部指導員の力を借りたりすることも積極的に進めるべきだろう。2020年度からは小学校で英語が教科になり、授業時間もさらに増える。子供たちに質の高い授業をするためにも、必要な仕事を絞り込むことが何より重要だ、としている。

今日もまた、いじめ問題で中学生が自殺した。毎日の問題意識の内容は理解できるが、教員への失望もまた多い。教員の過労状態の是正とともに、学校の閉鎖的な環境、旧態依然とした価値観を見直して欲しい。こどもが自殺するのは、過労死以上の問題だ。あっていい話の限界を越えている。

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