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3147.報道比較2017.10.14

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本当に信念のある組織が政治に利用されているなら、今までのアメリカなら自ら改革を先導した。途中で降りるカードは使わなかった。降りればあらゆる発言力を失うからだ。最近のアメリカは孤立を恐れない。中国がこの椅子に座りたがるのは確実。アメリカもそれを受け入れるだろう。アメリカ依存でいればよかった日本は、今までと同じ発想でいいはずがない。

Wall Street Journal
米のユネスコ脱退は正しい第一歩 (2017.10.13)

国務省のヘザー・ナウアート報道官は、米国が2018年12月31日付でユネスコ(本部はパリ)を脱退し、正式な加盟国ではなくオブザーバーとして関与していくと発表した。理由として、「未払い金の増加に対する懸念」「抜本的な改革の必要性」「反イスラエル偏向が続いていること」を挙げた。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はツイッターで、「勇気ある道徳的な」決定をたたえ、自国も脱退すると述べた。ボコバ氏が2011年にパレスチナ自治政府のユネスコ加盟を認めたことから、米国はパレスチナを国家として受け入れる国連組織への資金拠出を禁じる法律を発動した。ユネスコによれば、米国には約5億5000万ドルの未払い金がある。ユネスコは7月、イスラエルの「マクペラの洞窟」などをパレスチナの世界遺産として登録すると発表した。政治的な行為だ。ニッキー・ヘイリー国連大使は12日、ユネスコが「数々のばかげた行為に携わって」きたと述べ、「シリアの独裁者バッシャール・アサドが平和的なデモの参加者を弾圧して殺害した後でさえ、ユネスコの人権委員会にアサド政権をとどめた」例を挙げた。ヘイリー氏は国連の平和維持活動の改革も求めており、改革が行われなければ米国が人権理事会を脱退する可能性をちらつかせてきた。ユネスコ脱退は良き第一歩だ、としている。

人民網日本語版
米国がユネスコ脱退決定を表明 (2017.10.13)

米国務省が同日発表した声明によると、ユネスコ脱退の理由は、ユネスコ予算分担費の滞納額の増加、機関の運営実態や反イスラエル的な姿勢への懸念が主としている。2011年10月末、ユネスコ総会で行われた採決で、パレスチナが正式加盟したことを受けて、米国とイスラエルは分担金の拠出を停止した。分担金の滞納額が膨らんだことにより、ユネスコは2013年11月、米国の総会における投票権を停止させた。ユネスコが公開したデータによると、米国の拠出金はユネスコ予算の分担率では約22%を占めていたが、投票権停止時にはその滞納金は2億2千万ドル(約220億円)にまで膨らんでおり、ユネスコは深刻な資金不足に陥っている。ユネスコは1946年に正式に設立した機関で、世界各国の国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と安全の促進に貢献している、としている。

政治利用が過ぎるとユネスコを批判して、政治的判断で脱退するアメリカ。それを称賛して理解するアメリカのメディア。ユネスコが政治に傾いていたのは事実だろう。だが、本当に信念のある組織が政治に利用されているなら、今までのアメリカなら自ら改革を先導した。途中で降りるカードは使わなかった。降りればあらゆる発言力を失うからだ。最近のアメリカは孤立を恐れない。自らが自由主義とグローバリゼーションを担っていたのに、カネが尽き、リーダーをやるのは割に合わないと判断したら、平然と撤退するようになってきた。これは、はじまりだろう。TPP、パリ協定、ユネスコ…どんどんアメリカは超大国を返上してしぼんでいる。中国がこの椅子に座りたがるのは確実。アメリカもそれを受け入れるに違いない。アメリカ依存でいればよかった日本は、今までと同じ発想でいいはずがない。ここで追随して日本もユネスコから降りるのだろうか?憲法を語る前に、考えるべき事がある。

産経新聞・社説
衆院選と社会保障 逃げずに「痛み」を求めよ 高齢者対策をなぜ論じない

日本の危機克服の一環である。何を優先し、絞り込むべきか。各党は「痛み」を伴う改革から逃げてはならない。社会保障に関する論戦は、安倍晋三首相が打ち出した幼児教育・保育の無償化が中心となっている。しかし、まず解決策を示すべきは高齢者の増加に伴う伸びへの対応ではないか。その議論が聞こえてこないのはどういう訳か。「高齢者の高齢化」が進んでいる。大病や要介護状態になりやすい75歳以上の人口は、1750万人に及ぶ。90歳以上が200万人を突破した。各党の政権公約は、目先の充実策には熱心だが、サービスの縮小や負担増について踏み込んだ記述は乏しい。「このままでは国家自体が立ちゆかなくなる」という危機意識があるのだろうか。財源の不明確さも残る。自民党は「消費税10%」で保育の質まで確保できるのか。希望の党や日本維新の会は、消費税凍結を主張している。「身を切る改革」で捻出するというが、毎年1兆円ほど伸びる社会保障費をどれだけ賄えるというのだろうか。いまの日本には、聞こえのよい言葉を語っている余裕はない。将来世代へのつけ回しをいかに食い止めるか。将来を見据えた具体案の語り手を見極めたい、としている。

日本経済新聞・社説
全世代よりメリハリの社会保障に

年金や医療・介護、生活保護を含む社会保障の課題は、少子化と高齢化・長寿化が同時に加速するなかで制度の持続性を高めることに尽きる。給付の野放図な膨張を抑える制度改革と社会保険料・消費税の一体改革を通じた必要財源の確保が欠かせない。今年度、厚生年金の保険料率はついに関係法が定める上限の18.3%に達した。給付抑制という痛みを高齢有権者に求める改革の実現には本来、与野党が大きな線で合意するのが望ましい。高齢者医療の財源の一部を現役の働き手と事業主が負担する健康保険料から召し上げるやり方は、限界に来ている。保険原理が働きにくいこの層への医療費は本来、消費税増税で賄うのが筋だ。介護サービスの需要増大にはどう応じるのか。たとえば外国人材をもっと生かす手立てを各党はわかりやすく説明してほしい。主婦の就労意欲をそぐ税・年金改革も待ったなしである。また与党が掲げる低所得層への高等教育の無償化に、経営努力が足りない国公立校や学校法人を延命させるおそれはないだろうか。欧州主要国は若者の社会保障を拡充させつつ年金や医療の効率化に余念がない。国の財政が破綻の危機に直面する日本に、全世代にいい顔をする社会保障はなじまない。大切なのはメリハリである、としている。

産経は読売ほど自民党に迎合しない。社会保障に関しては冷静に自民党のやり方を批判している。こういう建設的な主張をしている時の産経には、北朝鮮、韓国、中国に目を背けたくなるほど激烈な感情はない。いつもこうあって欲しい。日経の発想も産経に近い。どちらも、もはや現役への負担では高齢者を支えられないという当然の発想からはじまっている。もうすぐ定年を迎えるであろう社説を担当するようなベテランが、数年前に定年して年金をもらっている団塊の世代と呼ばれる層に詰め寄る。それほど現場は逼迫し、間もなく会社を去る立場として、もう自分の後輩にこの重荷を背負わせるのは酷だと認識しているようだ。自分がラクをする以上に、後輩の苦しむ姿は見たくないと思うほど、今の現役世代の苦しさは常軌を逸しているのだろう。政治はきっとそんな雰囲気を察知していない。高齢者に与すれば票を得られると見ている。高齢者が孫の苦しむ姿を見たら、年金を求める声は一気に減るだろう。その臨界点を、今回の選挙は越えてはじめている気がする。

朝日新聞・社説
衆院選 アベノミクス論争 「つぎはぎ」の限界直視を

2012年末の就任時、安倍首相は「強い経済を取り戻す」と訴え、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」を掲げた。この「3本の矢」自体は、不況時の標準的な政策といえる。ただ、賃金と消費の伸びはいまだに勢いを欠く。物価上昇率2%というデフレ脱却の目標は実現のメドがたたない。経済の実力を表す潜在成長率も、微増にとどまっているようだ。その結果、「10年間の平均で名目3%、実質2%」という当初の成長率目標の達成は見通せないままだ。一方で、異次元の金融緩和政策を担った日本銀行は、巨額の国債を抱え込み、将来の金利上昇時に大きな損失を抱えるリスクを膨らませている。そもそもアベノミクスが掲げた経済再生は、成長の回復が主眼で、当初は分配の視点がほとんどなかった。次第に働き手や低所得者により配慮するような姿勢も見せ始めたが、成長力を高める一環といった位置づけが強く、分配面で社会的公正をめざす視点はいぜんとして弱い。理念を伴わず、野党の主張を横目に、政策をつぎはぎしているだけにみえる。個々の政策を貫く、経済社会についてのビジョンがなければ、何を優先するかが混乱したり、修正が必要なときに対応を誤ったりしかねない。成長と分配についてどんな見取り図を描いていくかが、何よりも問われている、としている。

朝日は政策論ではなく、感情で安倍政権批判に徹している。こうなると、あまり読みたいと感じないし、説得力はゼロだ。感情を排除して欲しい。

読売新聞・社説
憲法改正 「国のあり方」広く論議したい

憲法改正は、国の最高法規をより良い内容にする試みであり、各党が正面から取り組むべき重要課題だ。活発かつ真剣な論議を期待したい。自民党は公約に、自衛隊の明記、教育無償化、緊急事態条項の創設、参院選の合区解消の4項目の改正を目指す方針を明記した。抽象的な表現にとどめた前回衆院選と比べて大幅に踏み込んだ。政権党として、9条改正を主要公約に挙げたのは初めてである。高く評価したい。希望の党の公約は、「自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法のあり方を議論する」と訴える。情報公開や地方分権、一院制の導入などにも言及した。立憲民主党は、首相の解散権の制約や国民の「知る権利」の議論は進めるとしつつ、「安保法制を前提とした9条の改悪に反対」すると訴える。もともと「護憲」を掲げる共産、社民両党は、9条改正への反対姿勢を強めている。国民投票で過半数の賛成を得るという改正の高いハードルを踏まえれば、より多くの党の合意を形成することが望ましい。選挙結果が、9条改正の可否に影響を与えるのは確実だ、としている。

冒頭のユネスコの話を、自民党や読売はどう見るのだろう?憲法を語る前に、大事なのは国をどうしたいかだ。辻褄の合わない自衛隊の存在を50年以上も放置したのを、整合性と政治的な功績のためだけに憲法を改正したいのなら、順序が違う。あるべき国の姿の議論を徹底的にした上で、条文にするのが普通だろう。憲法改正が党の悲願とか、アメリカに押し付けられた憲法が気に入らないという前に、自分たちの国がどうあるべきかを考えた話をして欲しい。

毎日新聞・社説
総選挙 国際環境の変化 世界の潮流を見据えたい

昨年は英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を選択し、「米国ファースト」を掲げるトランプ米大統領が当選した。一方、フランスでは今年、新党を起こしたマクロン氏が既存の2大政党や排外主義的な色彩の濃い右派勢力を破って大統領に就任した。うねりの中心にあるのは中国やインドなど新興大国も加わって世界全域に広がるグローバリズムと、インターネットに代表される情報革命を中心とした技術の飛躍的な進歩だろう。格差の拡大や移民への反発がナショナリズムや保護主義に結びつき、ネットを通じた情報の拡散は選挙戦の様相を一変させた。世論が二分され、対立が深まっているのも特徴だ。米英では内向きの選挙結果に失望の声も広がった。逆に今年の仏独の選挙ではEU擁護派が多数を握った。他国の選挙結果が国境を越えて相互に影響を与える現象もみられる。対北朝鮮での日米連携は重要だ。しかし、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱し、温暖化対策にも否定的なトランプ政権に追随するだけでは日本の主体性が問われる。総選挙は新たな国際情勢に対応して日本を前進させる政権を選ぶ場でもある。日本の良さを守るためにも、国際環境の変化という視点を失わずにいたい、としている。

毎日は世界の潮流に流されるような票を投じるのだろうか?私なら、誰にも流されない票を自らの意志で投じたい。難しい言葉を並べているが、何を言いたいのだろうか?念仏のようだ。

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