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3144.報道比較2017.10.11

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意味のない選挙を、意味のない報道が判りにくさを助長している。最後まで、真面目に取り組んだ人が評価されるのは、今の日本でも変わらず通用する。本当のことを言っているのは誰だ?それだけで誰を選ぶかを決めた方が良さそうだ。

朝日新聞・社説
衆院選 安倍政権への審判 民意こそ、政治を動かす

衆院選が公示され、22日の投開票に向けた論戦が始まった。選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問題の追及の場を消し去る。憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を無視した「自己都合解散」である。だが解散は、思わぬ野党再編の引き金をひいた。民進党の崩壊と、小池百合子・東京都知事率いる希望の党の誕生だ。この衆院選の最大の争点は、約5年の「安倍1強政治」への審判である。そして、それをさらに4年続けるかどうかだと。加計学園に絡む「総理のご意向」文書、財務省と森友学園の交渉記録……。国会で存在を追及されても「記憶がない」「記録がない」で押し切る。政権にとって不都合な証言者には容赦なく人格攻撃を加える。国会最終盤には「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切って採決を強行する挙に出た。1強のおごりの極みである。日本は今、岐路に立つ。少子高齢化への対応は。米国や近隣国とどう向き合うか。原発政策は……。各党が何を語るかに耳を澄まし、語らない本音にも目をこらしたい。納得できる選択肢がないという人もいるだろう。それでも緊張感ある政治を取り戻す力は、有権者の一票にこそある。自分のためだけではない。投票は、子どもたちや将来の世代への責任でもある、としている。

産経新聞・社説
衆院選公示 複数の選択肢ないままか

国のかじ取りを担う指導者は誰か、よって立つ理念や政策は何かを提示しあうことが、戦いの軸となるべきだ。ところが、希望の党の小池百合子代表は、議員定数の過半数の候補者を擁立しながら、自らの出馬を見送った。首相指名の候補も、あらかじめ決めていない。小池氏が、自民党と連立政権を組む可能性について否定していないのも、責任ある姿勢とはいえない。選挙結果によって判断する要素は残るだろう。だとしても、まず自らが選挙後の政権の姿を描いてからの話ではないか。自民党など与党は、戦う相手が枠組みを明確に構築できないのをみて、安堵していないか。安倍首相は北朝鮮危機や少子高齢化を国難と位置づけ、その突破を掲げて解散に打って出たことを忘れてはならない。その具体的な処方箋を示し、国民の理解を得ることができなければ、たとえ政権を継続できたとしても、危機を効果的に乗り切っていける保証はないからである、としている。

日本経済新聞・社説
17衆院選 次世代に責任ある経済政策論議を

衆院総選挙が10日公示され正式に選挙戦がスタートした。衆院解散に打って出た安倍晋三首相は、2019年10月に予定する消費税の使途拡大について国民に信を問うとしているが、選挙戦では経済政策の全体像に踏み込んで議論すべきだ。安倍首相は、19年10月に消費税率を予定通り上げるが、その増収分5兆円強のうち約2兆円を教育の無償化などへの新規歳出に充てるという。この結果、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を20年度に黒字化する財政健全化の目標も先送りした。与党の消費税の使途変更も、本来は財政健全化に充てるべき税収を新規歳出に回す政策で、実質的に赤字国債を出すのと変わらない。与党案でも財政規律は緩んでいるのに、消費増税凍結という野党の主張はさらに無責任といわざるを得ない。希望の党は増収策として、企業の内部留保への課税を掲げているが、経済政策としても、財源確保策としても問題のある政策だ。業績が好調な企業がもっと賃上げや投資にお金を使うように促すことは重要だが、増税を使って圧力をかける手法には問題がある。国会議員の定数・報酬削減や行政改革など希望の党や日本維新の会が主張する「身を切る改革」も教育無償化の財源としては不十分だ。安倍政権は成長戦略を掲げたが、規制改革や働き方改革など生産性向上につながる構造改革は金融緩和や財政出動に比べると歩みが遅い。希望の党が、既得権益やしがらみを排した規制改革の推進を訴えているのはもっともだ。今後の選挙戦で各党は、消費税を上げる、上げないという問題だけでなく、10年、20年先も見据えた日本経済のあるべき姿とそこへの道筋についての議論を深めてほしい、としている。

毎日新聞・社説
日本の岐路 衆院選がスタート 「よりまし」を問う12日間

「与党の自民・公明」か。「希望の党・日本維新の会」か。「共産・立憲民主・社民」か--。選挙直前になって二つの新党が誕生し混迷してきた選挙の構図は、主にこの3グループの選択となった。今回は安倍政権の約5年の実績をどう評価するのか、そして安倍政権が4年後の2021年秋まで続くことを是とするのか、しないのかが焦点だ。「安倍1強」状態が続く中、安全保障法制や「共謀罪」法はじめ、与党が数の力で強引に法律を成立させる国会運営が繰り返されてきた。一方、希望の党は大きな焦点だった小池百合子代表(東京都知事)の出馬は見送られた。総選挙後の首相指名選挙で誰に投票するかは、結果を見てから考えるという。安倍政権を倒すという目標は明確だが、仮に安倍首相が退陣した場合には、自民党との連携も否定していないように見える。こうしたあいまいさは政権を担うとアピールしている政党として、有権者に対して無責任だ。「安倍1強」の継続か、自公政権の下での首相交代か、野党の政権奪取か。難しい選択だが、どんな政治状況になるのが、よりましなのか。私たち有権者は考えていきたい、としている。

読売新聞・社説
衆院選公示 安倍政権の「信任」が問われる

第48回衆院選が公示された。定数465に対し、1200人近くが立候補した。自民、公明両党が過半数の233議席を上回れば、安倍首相は続投する意向を表明している。希望の党は、小池代表が出馬を見送り、候補者も235人と、過半数にぎりぎり達するにとどまった。小池氏は「候補者が全員当選というわけではない」とも語っており、希望の政権獲得は見通せない。失速感は否めまい。選挙の性格が、政権選択から安倍政権の信任に変わってきた、と言える。首相は福島市で演説し、「北朝鮮の脅威」に対する国際社会の連携を訴えた。「話し合いのための話し合いは意味がない」と述べ、圧力強化の必要性も強調した。小池氏は東京都内で演説し、消費増税の「延期」を主張した。増税分の一部を教育無償化などに使途変更する首相の意向を「しょぼい話」と切り捨て、「安倍1強政治を変えよう」と呼びかけた。選挙は民主主義の根幹だ。教育、雇用など、若者に身近な争点も多い。関心のある公約の各党の政策を比較するなどして、貴重な1票を適切に行使してもらいたい、としている。

国内紙の横並び休刊日明け。連休中に各紙は調査に基づいた支持率えお発表していた。自民党が強く、希望の党は失速気味だ。うやむやな方針では、支持は集まらないのは明確になった。小池氏には方針変更、政策転換、説明のいずれかが必要だ。自民党が支持を集めているわけではないのも明らかで、敵失が優位になったに過ぎない。小池氏以外の野党にも政策の論理的な裏付けが説明できればチャンスはある。自民党は政策を固めるつもりはないだろう。批判より前に、すべき仕事がある。
新聞も休み明けに論理的な話をしているのは日経くらいで、あとは感情と是非論に終始している。意味のない選挙を、意味のない報道が判りにくさを助長している。最後まで、真面目に取り組んだ人が評価されるのは、今の日本でも変わらず通用する。本当のことを言っているのは誰だ?それだけで誰を選ぶかを決めた方が良さそうだ。

人民網日本語版
中米の対話堅持は世界にとって幸い (2017.10.10)

初の中米法執行・サイバーセキュリティー対話が米国で成功裏に行われ、今年4月の中米首脳会談で決まった外交・安全保障対話、包括的経済対話、法執行・サイバーセキュリティー対話、社会・人・文化対話の4つのハイレベル対話制度が全面的に始動した。中米はそれぞれ世界最大の発展途上国と先進国であり、世界第2、世界最大のエコノミーでもある。両国共通の利益と責任は枚挙にいとまがない。だが同時に、中米は一方は共産党の指導する社会主義国家、もう一方は「民主主義の灯台」を自認する資本主義国家だ。一方は台頭する大国であり、もう一方は守成する大国だ。中米間の相違と溝は大変際立ち、誰の目にも明らかだ。中米間の最も深層かつ厄介な問題は戦略面の相互信頼の欠損だ。これはなおさらに対話を通じて埋める必要がある。中華民族の偉大な復興はすでに進行形であり、阻むことのできない歴史的潮流でもある。現在中国と米国は共に500年来の世界の大変動の中にある。中国に代表される途上国と新興国の集団台頭が国際構造を変えている。これは中米両大国にとってチャンスであると同時に試練であり、双方は積極的かつ実務的姿勢で世界の大変動と中米関係の新構造を直視し、扱い、交流と対話に立ち返る必要がある。中米の対話堅持は、溝を直視するものであり、協力に狙いがあり、溝を回避し、問題の解決を先送りにするものではない。問題を前に、双方は一朝一夕を争う緊迫感を持つ必要があると同時に、急いては事をし損じるとの道理をわきまえる必要もある。対話・意思疎通・調整のたゆまぬ継続と強化を継続して初めて、様々な妨害を排し、両国関係が制御不能にならず、道をそれないようにする助けとなる。対話の堅持は、中米にとって良好な相互作用を実現する重要な道であり、それ以上に世界にとって幸いな事だ、としている。

対話だけで、随分と誇張している。自分の言いたい事のために報じている。中国は発展途上国、両国には溝があって当然…と、自国に優位になる思惑が見える。対話したくなくなる主張だ。このところ人民網に論理的で期待できる主張が多かっただけに残念だ。

Wall Street Journal
株主を「欺く」テスラ、その逃れられぬ現実 (2017.10.10)

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、テスラはモデル3の大部分を手作業で製造していると報じた。これは、テスラが7-9月期の生産台数が目標の1500台を80%以上、下回ったと発表してから1週間足らずのことだ。テスラは、目標未達は「生産上のボトルネック」が原因と説明。6日には、モデル3の問題への対処と、ハリケーンによって甚大な被害を受けた米自治領プエルトリコの復興支援のために、新しい電動トラックの発表イベントを11月に延期すると明らかにした。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はリスクテイカーとして知られるが、それゆえにウォール街のアナリストや投資家に好かれている。しかし、意欲的な目標を設定することと、株主を欺くことは紙一重だ。テスラはその微妙な境界線に少しずつ近づいている。モデル3の7-9月期の生産ペースは1日平均わずか3台だった。マスク氏は、生産目標を据え置いた8月に、9月末までの目標達成は難しいことを知っておくべきだった。投資家は、テスラが自動車市場を独占することへの期待から、同社の価値を約600億ドルとはじき出している。だが、テスラが利益が出るほど十分な製品を生産できなかったら、それは幻想に終わるだろう。テスラ、そしてウォール街はそろそろ現実を認めるべきだ
、としている。

先日の記事の正当性を主張したいようだ。相当の批判をテスラと応援者から得たのだろうか。マスク氏がWall Street Journalに勝つ方法はシンプルだ。10月の生産を好転させればいい。Wall Street Journalさえ、それを望んでいるだろう。今のところ、まだマスク氏の評判は落ちていない。ただ、残されている時間はそう多くはない。持って年内。2018年になっても応援する株主は半減するだろう。

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