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3127.報道比較2017.9.24

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日が沈む。衰退著しく。

日本経済新聞・社説
新型iPhoneが問う日本の競争力

米アップルがスマートフォン「iPhone」の新製品を発売した。スマートフォンは世界各地で普及が進み、市場の成長率は鈍っている。それでも毎年15億台近くが売れる製品であることに変わりなく、電子部品や素材といったメーカーへの影響は大きい。11月に売り出す高機能機種は高精細な有機ELディスプレーに韓国製を採用した。顔認証システムでは台湾メーカーの部品を多く使っているようだ。存在感が下がっている理由のひとつは技術開発力の低下だ。スマートフォン向けの有機ELディスプレーは韓国のサムスン電子がいち早く安定供給にこぎ着けたのに対し、シャープやジャパンディスプレイは出遅れた。研究開発費の分配にメリハリをきかせるといった取り組みが必要だ。日本メーカーも人材の育成を急ぎ、必要に応じて外部からも採用すべきだ。営業と開発など社内の異なる部門間で連携を深めることも提案力を高める近道となる。今後、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が普及し、自動車や産業機械といった分野でも電子部品の需要が高まるのは確実だ。成長市場を取り込むためにも競争力の回復を急ぐべきだ、としている。

日本企業に投資できるキャッシュがあるのに躊躇しているなら、ま完全に時代から取り残されているのだろう。厳しいと言われるAppleの取引条件。次に取引する会社がAppleより良い条件を出すだろうか?中国の企業がアメリカより優しい可能性は?どちらもノーだ。つまり、Appleが作ったのは新しいデバイスやサービスだけではない。これからのビジネスのルールも作ったのだ。このルールに適合できる企業は強くなり、次の時代のビジネスを牽引するが、取り残された企業は非効率で不確実な過去のビジネスとともに衰退していくことになる。生き残るには、自らが新しいやり方を創造する手もあるが、残念ながらソニーにさえリーダーシップは見えない。投資すればビジネスに追随できると考える日経は、金融緩和すれば景気が回復すると言う政府や日銀に似ている。時代は変わったのだが。

Wall Street Journal
中国のIT大手、「厄介者」扱いされる理由 (2017.9.22)

中国の出前アプリ大手3社が、社会的責任を巡って批判の矢面に立たされている。非営利団体が、大量の廃棄物を生み出し環境に害を与えているとして、餓了麼、百度外売、美団・大衆点評の3社を訴えている。北京の裁判所は今月、審理を始める判断を下した。批判が高まり始めたのは先月、3社を糾弾する記事がソーシャルメディアで拡散したことがきっかけだった。「出前が中国の次世代を破壊している」と題したその記事は、3社が成長を追求するあまり、すでに悪化している環境をさらに破壊していると非難。大手国営メディアが後追いし、数週間で新たな記事が相次いで掲載され、ソーシャルメディア上にはコメントが殺到した。百度は昨年、希少がんを患う大学生の死を巡って広く非難を受け、株価が急落した。大学生は百度で見つけた代替治療を受けたあとに死亡した。こうした顧客に対応する上で、出前サービスや他の多くのモバイルネット新興企業が頼るビジネスモデルが試されることになる。まずはスケールの拡大と市場シェア獲得に投資し、利益は後回しにするモデルだ、としている。

人民網日本語版
李克強総理「中欧関係の発展に生気と活力注入」 (2017.9.23)

李克強総理は22日、浙江省杭州市で開催中の第3回中国·中東欧諸国文化協力部長フォーラムに祝辞を寄せた。「中国と中東欧諸国は協力を展開して5年の間に多くの成果を収め、各国の国民がその恩恵にあずかってきた。それは、各国の友好の強い基礎があるためで、開放的、包容的姿勢で異なる文化、文明を互いに参考にし、取り入れ合うよう促進し、ウィンウィンの精神に基づいて、実務的な協力を推進し、共に発展、繁栄する道を実現している。『16プラス1協力』は深化を続け、中欧関係が一層網羅的に、深く発展するよう促進している」と成果を強調した。中国·中東欧諸国文化協力部長フォーラムは2年に1度開催されている。今年は中国文化部(省)と浙江省人民政府が共同で開催している、としている。

中国人はもう少し新しさに寛容で前向きだと思っていた。新しいものが間違っているなら怒りは当然だが、Wall Street Journalの記事を読む限り、怒りの対象は瑣末なことばかり。急進的な動きへの抵抗と、成功者への嫉妬が怒りの中心のような気がする。もし、その推測が正しいなら、中国の成長は日本同様、どこかで止まり、アメリカのようにはなれない。今の景気は官製景気で、人民網のような政府主導のバラマキに国全体がバブルを膨張させているだけだ。中国の成長は決断力と、働くことへのバイタリティで支えられてきたと信じていただけに、少し残念だ。出る杭を叩いていたら、やがて誰もリスクを取らなくなる。中国はもうリスクを嫌いはじめているのだろうか?

朝日新聞・社説
消費税の使途 選挙の口実に使うな

消費税率を10%に引き上げて得られる財源の使い道を変える方針を、安倍首相が固めた。約5兆円と見込まれる税収増のうち、国の借金返済にあてる約4兆円の一部を、教育無償化などに回すという。5年前に当時の民主党と自民、公明の3党で決めた「社会保障と税の一体改革」の枠組みを変える判断である。だから、国民に選挙で問う。首相は、近く予定する記者会見でそう説明するのかもしれない。財政の再建はどうするのか。首相は増税分の使途変更に加え、基礎的財政収支を20年度に黒字化する目標の先送りも表明すると見られる。とても目標を達成できそうにないことは、16年度の国の税収が7年ぶりに減少に転じたとわかった7月時点で明らかだった。「目標は堅持する」と言い続けたあげく、今になって断念するのは、「教育無償化に取り組むため」だと説明したいからか。経済成長に伴う税収増で財政も改善するとの主張が破綻し、それを取り繕うのが狙いだと言われても仕方あるまい。国民に納税を求め、それをどんな行政サービスに使うかを決めていく過程は、民主主義の根幹である。首相はそれをあまりに軽んじている、としている。

毎日新聞・社説
首相の冒頭解散戦術 公約サイクルも阻害する

安倍晋三首相が臨時国会冒頭で衆院を解散する方針を固めて以降、与野党は急ごしらえの選挙公約作りに追われている。自民党がこれまで党内でほとんど議論してこなかった消費増税分の使い道変更などを今度の公約に盛り込もうとしているのが典型的だ。政党が国民に約束する公約はそんな軽いものではないはずだ。公約が言いっぱなしだった反省から、こんな「公約(マニフェスト)サイクル」の必要性が叫ばれてきた。安倍政権発足後、その機運は薄れ公約はないがしろにされている。冒頭解散は野党の選挙準備不足を狙った戦術でもある。そんな思惑から、「突然」であることをむしろ重視する姿勢は、「公約サイクル」を阻害するものだと言えるだろう。加計学園や森友学園の疑惑隠しというだけではない。5年近い安倍政治を国会で検証することなく、改造内閣が何をしようとしているのかも示さずに選挙に突入するというのである。国会、そして主権者である国民を軽んじているというほかない。安倍首相の判断をどう見るか。解散のあり方を問う衆院選ともなる、としている。

正論。安倍氏は、この批判にどう答えるのだろう?

読売新聞・社説
日米金融政策 緩和正常化には目配りが要る

米連邦準備制度理事会(FRB)が、2008年のリーマン・ショック後の量的緩和策で買い入れた米国債などの保有資産について、縮小し始めることを決定した。金利急騰を招いて経済を冷え込ませないよう、FRBは数年をかけて、徐々に縮小規模を拡大する緩やかなペースを保つ方針だ。量的緩和からの正常化に道をつけるFRBの役割は重い。詳細に手法を説明するなど、丁寧な市場との対話が何より求められる。日銀は金融政策決定会合で、金融緩和策を維持した。マイナス金利や、国債保有残高を年80兆円をめどに増やす方針を継続する。日銀の国債保有残高は437兆円となり、発行額全体の4割を超えた。国債を大量に吸い上げた結果、市場の健全さを損なっているとの指摘が少なくない。米国を見ても、大規模緩和からの正常化は長い年月を要する。イエレン議長は来年2月、黒田日銀総裁は4月にそれぞれ任期満了を迎える。後任人事では、政府と一層緊密に連携し、粘り強く金融政策の正常化を進める能力が問われることになる、としている。

読売は投資や資産運用には何の興味もないようだ。興味深い視点はひとつもない。中央銀行の存在意義や、彼らが持つ経済へのインパクトを理解していないようだ。戦時中の新聞にますます似てきた。

産経新聞・社説
東芝半導体売却 意思決定の改革欠かせぬ

経営再建中の東芝が半導体子会社を日米韓連合に売却することをようやく決めた。売却益で債務超過の早期解消を目指すが、交渉は迷走して売却先が二転三転した。ここまで混迷したのは、同社の意思決定システムに問題があるからだ。連合には米投資ファンドのベインキャピタルや韓国のSKハイニックスなどが参加し、東芝メモリを2兆円で買収する。東芝も再出資して日本勢で議決権の過半を維持する。今年度末までに各国の独占禁止法審査を終える予定だ。売却先をめぐって経営陣の中でも意見が対立し、決着が大幅にずれ込んだ。これでは企業統治が正常に機能しているとは言えない。不正会計問題を契機に統治改革に取り組んできた同社だが、まだその途上にあると判断せざるを得ない。東芝の半導体技術が国際競争力を失えば、わが国産業界にとっても大きな損失だ。同社経営陣にはその自覚を持ってほしい、としている。

冒頭の日経が書いていたiPhoneに、東芝の部品はどれくらい使われているのだろう?数年前は、ハードディスクや基盤に日本企業の名前を見たものだが、その頻度は減る一方だ。だが、不思議と喪失感や哀愁はない。無責任な経営が見えたからだろう。残念だ。

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