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3122.報道比較2017.9.19

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Liberal Democratic Party of Japan, Abe

CC Attribution, Photo by MIKI Yoshihito via flickr

観測気球を上げなければ、恐くて解散もできなくなった安倍氏。そんな人にまだリーダーをやらせるのか?過半数は無理だろう。

朝日新聞・社説
新幹線の整備 熱に浮かされるな

整備新幹線は今、北海道と北陸、九州の3路線が工事中だ。すべて完成するのは30年度で、建設費は計3・3兆円を超す。このうち、福岡と長崎を結ぶ九州新幹線長崎ルートが壁に突き当たっている。国が進めてきたFGTの開発は約500億円を投じても安全上の問題が解決できず、目標の25年度までの導入は絶望的になった。運行主体のJR九州は7月、フリーゲージトレイン(FGT)の導入を断念し、全区間に新幹線用の線路を敷くフル規格化を求める考えを表明した。全線をフル規格にすれば建設費は倍増し、1兆円規模になりそうだ。国と地元の負担を増やすしかないが、納税者の理解は得られるのか。佐賀県は負担増に難色を示している。あまりに熱に浮かされていないか。故田中角栄元首相の「日本列島改造論」以来、新幹線や高速道路、空港の整備は着実に進んできたが、それが必ずしも地方衰退の歯止めにならず、むしろ東京一極集中を促した現実を直視してほしい。誕生から半世紀余りを経た新幹線は、もはや「夢の超特急」ではない。立ち止まり、考え直さねばならない、としている。

街、道路、鉄道、空港…何をやらせても公務員の仕事は結果が出なくなっている。便利になるだけではダメなのだ。公共財でも、せめてトントンの収益構造にしなければ。公務員に経営ができると期待する人はいない。時の票で選ばれる政治家は、さらに信用できない。雇用のつもりなら、減税や現金支給の方がよほど効果がある。無駄遣いは破滅のはじまりだが、地方はもう破滅がはじまっていると思える状況にある。なぜ止まれないのか、理由が知りたい。

産経新聞・社説
電気自動車 勝ち残る体制の整備急げ

次世代エコカーの本命候補に浮上したEVをめぐっては、熾烈(な開発競争が必至だ。ハイブリッド車(HV)で先行してきた日本勢は出遅れ気味だが、世界に冠たる日本の自動車産業の優位性を失うわけにいかない。それには、官民を挙げた開発体制の強化が欠かせない。トヨタ自動車とマツダがEV開発で提携したように、既存の枠組みにとらわれない柔軟な連携が問われる。日本の優れた部品技術を結集してもらいたい。ガソリン車をEVに置き換えるのは容易ではない。搭載するリチウムイオン電池の容量はまだ限られ、1回の充電での走行距離は長くない。販売価格も高く、充電スタンドの設置も課題である。必要な政府の後押しとしては、エコカー減税の拡充などのほか、電池技術の改良への支援策も講じられるべきだ。地域経済や雇用を支える自動車産業の浮沈は、日本の成長力を左右する。その危機感を持たねばならない、としている。

また官民…失敗の前提のような官民連携を推す産経の主張には賛成できない。日本の官民連携がうまくいかない理由は、責任感が失われることだ。誰もリーダーシップを取らない。結果をコミットしない。朝日が指摘した新幹線も、原因は責任を明示せずに技術を過信したことによる。税金が投入されると決まると、企業の責任感は異様に下がる。収益構造が極めて脆弱になり、赤字体質になりやすい。儲からない事業の未来はつづかないのは自明だ。なぜ儲かっている自動車産業を、儲からない仕組みにしなければならないのか?

毎日新聞・社説
首相が「冒頭解散」を検討 国民が見くびられている

安倍晋三首相が28日召集予定の臨時国会冒頭にも衆院を解散する方針を固めた。総選挙は「10月22日投開票」の日程を軸に政府・与党は調整に入っているという。首相の魂胆が透けて見えるのは、首相の所信表明演説や各党代表質問も行わずに解散する案が検討されていることだ。首相自身が渦中にある加計学園や森友学園問題は何も解明されておらず、引き続き国会の焦点だ。首相も先の通常国会終了直後は「今後、真摯に説明する」と約束していた。ところが、それを避けて解散に持ち込むのは、よほど疑惑を隠しておきたいからだろう。首相がそれでこの問題は忘れ去られると考えているのなら国民はなめられたものだ。2014年11月、消費増税先送りを理由に衆院を解散した時以上に大義はないと言うべきである。首相は米国から帰国後に最終決断するという。冒頭解散は国民不在の選択である、としている。

日本経済新聞・社説
首相は何を争点に国民の審判を仰ぐのか

安倍晋三首相が衆院を解散する意向を与党に伝えた。何を争点に国民の審判を仰ごうとしているのだろうか。任期を1年あまり残して総選挙に踏み切るからには、問いたいテーマがあるのだろう。憲法改正なのか、経済再生なのか。争点隠しと言われない選挙戦にしてもらいたい。選挙の争点は本来、与野党の論戦を通じて定まっていくものだ。しかし、急に解散が浮上し、10月22日の投票日まで約1カ月しかない短期決戦である。政策万般を漠然と論じていては、何のための選挙かがよくわからないうちに終わってしまう。衆院解散は首相の伝家の宝刀であり、歴代首相は勝てそうと思ったときに解散権を行使してきた。そうした判断力も政治家の重要な資質であることは否定できないところだ。とはいえ、与党にとっての損得だけで宝刀を振り回されては、有権者も鼻白むに違いない。森友・加計学園問題の疑惑隠し解散などと言われて損をするのは首相自身である、としている。

読売新聞・社説
衆院解散意向 首相は具体的争点を明示せよ

倍首相が、衆院解散・総選挙に踏み切る意向を固めた。「10月10日公示―22日投開票」の日程を軸に調整している。首相が解散を決断したのは、一時は急落した内閣支持率が回復傾向にあることがある。民進党は離党ドミノで混乱している。小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員らによる新党結成の動きも緒に就いたばかりだ。野党の準備が整う前の方が有利だという戦術面の判断もあろう。経済政策アベノミクスに関する評価も問われよう。景気は緩やかに回復しているものの、力強さを欠いている。成長戦略をどう強化するのか。2019年10月の消費税率10%への引き上げを予定通り実施するのか。各論を深めることが大切である。安倍自民党は国政選に4回連続で大勝している。だが、今回は、政権の驕りと緩みが問題視されており、決して楽観はできまい、としている。

昨日、解散の話題を載せなかった3紙が追った。内容に大差はない。観測気球を上げなければ、恐くて解散もできなくなったのが安倍氏の本心だろう。そんな人にまだリーダーをやらせるのか?過半数は無理だろう。

Wall Street Journal
トランプ氏、国連の官僚主義を批判 (2017.9.19)

ドナルド・トランプ米大統領は18日、国連は官僚主義的な体質を改め、人々に一段と注力すべきだとの考えを示した。国連改革に関する会議で発言した。「いずれの加盟国も、軍事的、金銭的に不相応な負担を負わないよう確実にしなければならない」と指摘。米国に偏り過ぎているとする国連への拠出金について、加盟国で一段と公正な負担を求める立場を示した。会議に同席していた国連のアントニオ・グテレス事務総長に対しては、同氏が組織や運営面における改革に前向きな姿勢を示していることに謝意を示した。外交筋によると、トランプ、グテレス両氏はイランの核合意やパリ協定などでは意見が対立するが、国連をより効率的で影響力のある組織にするという目標では一致しているもようだ。トランプ大統領は19日、国連総会で初の演説を行う予定、としている。

官僚主義の批判は、どの業界でも好意的に見られる話題。トランプ政権はパリ協定からの離脱を見直す準備もあるらしい。懐柔に傾くのは北朝鮮問題のためだろうか?全体に戦略があっての事なら興味深いが、期待は禁物だ。

人民網日本語版
朝鮮半島核問題 中国の立場は是非が明らか (2017.9.18)

中国の崔天凱駐米大使は現地時間15日、朝鮮半島情勢について国内外のメディアのインタビューに応じた。崔大使は「朝鮮半島核問題における中国の立場は是非がはっきりとしており、終始一貫している。中国は朝鮮半島の非核化実現に終始尽力し、一貫して国連安保理決議の全面的で完全な履行に最大限の努力を尽くすとともに、平和的交渉による問題の解決推進に尽力している」と表明した。「中国が朝鮮を核保有国と認めることはない。朝鮮半島核問題をしっかりと解決する中国の決意は揺るぎないものだ。核兵器が朝鮮に安全をもたらすことはない。同様の論理は日韓にもあてはまり、核兵器が彼らに安全をもたらすことはなく、地域情勢を悪化させるだけだ。各国が共に問題の厳粛さをはっきりと認識することを希望する」と表明した、としている。

アメリカは、中国に言った方がいい。「中国は対話を望むが、行動はなにもしていない」と。北朝鮮は、望むだけで対話がはじまる国ではない。対話のために核兵器を開発する国だ。その危機感を中国と共有した方がいい。圧力に固執するアメリカも再考は必要だが、中国は行動が足りな過ぎる。

Financial Times
カタルーニャ州独立問題、時間切れが迫る妥協の模索 (2017.9.13)

スペイン内戦(1936~39年)後にフランシスコ・フランコが打ち立てた独裁体制が終わって間もない1977年、スペインのバルセロナでは、そのフランコによって奪われたカタルーニャの自治の回復を求め、約100万人が参加する大行進が行われた。党派を超えた連帯が晴れやかに示され、スペインの民主主義への移行をけん引する合意の形成でカタルーニャが主導的な役割を担っていくことがうかがえる催しだった。しかし、それからちょうど40年の月日が流れた今日、状況は様変わりしている。ラホイ氏は選挙に勝って政権を握ると、現状維持と分離独立との中間にあたるやり方(複数の世論調査によれば、カタルーニャ自治州民の過半数はこれを受け入れると見られる)を議論することを拒んだ。すなわち、財政面の自治の拡大――バスク州のように地方政府が独自の税を徴収し、あらかじめ合意しておく一定割合をスペイン国庫に納める方式――とさらなる権限の委譲についての話し合いを拒否したのだ。投票をめぐる対決の決着まで、あとわずか2週間だ、としている。

40代の私が知る中で、独立運動で分裂して、それなりに平静を維持しているのはソビエト連邦の崩壊くらいだ。プーチン氏は最悪の事実と捉えているようだが、分裂、独立はストレスも障壁も統合より大きい気がする。事例が少ないのも躊躇させる要因だろう。アメリカが見せる分裂、ブレグジットを控える英国でのスコットランドの心情とともに、スペインのカタルーニャもいつも話題に上がる独立願望の強い地域だ。信念だけでも、経済合理性だけでも、独立が過半数を超えるのは難しい。それでも、ブレグジットのようなきっかけがあれば、分裂は促進する。もし、分裂から成功事例が生まれれば、加速するに違いない。

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