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3121.報道比較2017.9.18

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解散?仕事しましょう。先に。

Wall Street Journal
EVは欧州車メーカーの救世主にならず (2017.9.15)

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が欧州自動車メーカーを対象に行った調査で、EVは依然として需要が小さく、ディーゼル車にすぐに取って代わることはないと各社がみていることが明らかになった。全ての企業がEVに投資しているが、当面はガソリン車の生産やディーゼルエンジンの排ガス対策技術に力を入れていくとしている。EVの高価格、充電ステーションの不足や使い勝手の悪さ、長距離走行に不向きな点に消費者は二の足を踏んでいる。自動車メーカーも長年、EV開発には消極的で、ディーゼル車から消費者を奪うほど魅力的な車種をほとんど販売していない。欧州でのディーゼル車の販売減少はエンジン工場の生産や雇用にほとんど、または全く影響しないとしている。大半の車種について、既にディーゼルとガソリンの両オプションを用意しているためだという。つまり、ガソリン車の需要が増えれば、メーカーは単にその生産を増やすだけのことだ。ドイツではVW、BMW、ダイムラー傘下メルセデス・ベンツの3社がディーゼル車を必死で擁護している。欧州連合(EU)の意欲的な地球温暖化ガス削減目標を達成するためにはディーゼル車が必要だというのが彼らの主張だ。ディーゼル車はガソリン車よりも二酸化炭素の排出量が少ない。その半面、死亡や呼吸器疾患の原因となる有毒な酸化窒素を排出するというデメリットもある。「こうした取り組みがどういう結果を生むにせよ、ディーゼルの立場ははるかに弱まると感じている」と述べた 、としている。

ディーゼルの収益をEVで上げるのが不可能なのは、Wall Street Journalが語るまでもなく明らかだ。それでもいまシェアを取りにいかなければ生き残れない切迫感が自動車業界に生まれている。いまの危機感どおりに時代はシフトしていく気がする。ディーゼルがフェードアウトし、ガソリンがかろうじて延命しながら、電気自動車が右肩上がりに台数を増やす。給油所の代わりに充電施設が増えた頃、発電や充電施設の渋滞が問題になるだろうが、それでもインフラが整っていけばボトルネックは解消される。水素燃料がもう一度注目されるには、水素を生産するのに有機反応のような、電力も化石燃料も使わないモデルができ上がらない限り不可能だろう。モビリティにも、エネルギーにも、ソフトウェアの時代が来る。日本に活躍の場はあるだろうか?

人民網日本語版
中国で今月末からビットコイン取引停止に (2017.9.15)

中国の仮想通貨取引所「ビットコイン中国」は14日に公告を出し、9月30日よりすべての取引を停止することを明らかにした。中国インターネット金融協会がリスク警告を発表し、ここ数年間にビットコイン、ライトコイン、各種イニシャルコインなどの「仮想通貨」が一部のインターネットプラットフォームで集中的に取引され、取引に関わる人数が徐々に拡大し、金融リスクや社会的リスクをもたらす危険性が看過できなくなったことを指摘した。ビットコインなどの「仮想通貨」は明確な価値の裏付けがなく、その取引市場は投機ムードが濃厚で、価格の変動が激しく、投資家は無計画に流れに乗って投機行為を行っており、資産の損失を招きやすいので、投資家はリスク防止の意識を強化する必要があるとし、特に注意すべき点は、ビットコインなどの「仮想通貨」がマネーロンダリング、麻薬の取引、密輸、違法な資金調達などの違法な犯罪行為のツールとしてますます利用されるようになっている点だとしている。ビットコイン中国のデジタル資産取引プラットフォームは本日よりユーザーの新規登録を停止し、また2017年9月30日よりすべての取引業務を停止するが、ビットコイン中国のその他の業務は引き続き通常通り運営する」とした、としている。

ビットコインの未来を果敢に潰したのは中国だった。規制が厳しくなった頃から、ビットコイン・バブルは韓国や日本に狙いを移してきたが、投資目的で買っていたなら、損失を被った人もいるだろう。最近、ビットコインにはエスタブリッシュメントの攻撃が著しい。成功を収めた投資家は、銀行家のダイモン氏も、債券の帝王のガンドラック氏も笑い飛ばして「詐欺」と距離を置いている。日本も含めた各国政府は、当然のように徴税の意志を示し、既存の金融スキーム、商法に乗らなければ価値を認めるどころか、事業としても認めないし、保護も保証もしないと言い切っている。日本では野口悠紀雄氏がビットコインを持ち上げていたが、彼を含め、ビットコインを評価する人たちは通貨の革命だと持ち上げる。インターネット依頼の革命と。まあ…うまくいけばそうなるだろうが、PayPalが登場した時さえ、似た期待はあったが費えたことを意識しておきたい。PayPalの創業者には、いまのTeslaのイーロン・マスク氏もいた。彼がなぜeBayにPayPalを売却して、違う夢を追いはじめたのかが、答えのひとつのように思える。PayPalは、いまでも海外送金にかなりの利便性をもっている。決済も、たいていのeコマースで使える。クレジットカードとの融合はビットコイン以上だ。彼らも、共通通貨の概念を描いた時期はあった。何に抗えなかったかといえば、送金を各国通貨に替える時、当然ながら為替や金融の法規に準拠しなければならないということだ。ずっとPayPalのアカウントの数字が増えていき、そこから決済しているうちは気分がいいが、日本円に替えようとした時、手数料が発生する。為替のリスクが生まれる。ならば銀行のように利息を付ける?金融の法は、それを許さない。どの国の法規を守ればいいのか?すべての進出した国の法だ。それが、世界通貨と呼べるのだろうか?可能性はあるだろうが、難易度は高い気がする。ゴールドに似た価値を持つが、実体がない存在。有事になったらビットコインが価値を上げるかと思ったが、まだゴールドの方が人間には通用しそうだ。
ビットコインはマーケットとしての価格変動を煽ったが、各国は当然のように「そこで儲けた利益は徴税対象」と指摘する。投資対象ならボラティリティは魅力のひとつだが、通貨としてはリスクでしかない。ますます取引には使いにくくなる。中国が規制するなら、利用価値はさらに下がる。今のところ、ビットコインの未来はかなり怪しくなってきた。

朝日新聞・社説
年内解散検討 透ける疑惑隠しの思惑

安倍首相が年内に衆院を解散する検討に入った。28日召集予定の臨時国会冒頭に踏み切ることも視野に入れているという。解散を検討する首相の意図は明らかだ。小学校の名誉校長に首相の妻昭恵氏が就いていた森友学園の問題。首相の友人が理事長を務める加計学園の問題……。臨時国会で野党は、これらの疑惑を引き続きただす構えだ。冒頭解散に踏み切れば首相としては当面、野党の追及を逃れることができるが、国民が求める真相究明はさらに遠のく。そうなれば「森友・加計隠し解散」と言われても仕方がない。北朝鮮がミサイル発射や核実験をやめないなか、衆院議員を不在にする解散に大義があるとは到底、思えない。むしろ首相の狙いは、混迷する野党の隙を突くことだろう。野党第1党の民進党は、前原誠司新代表の就任後も離党騒ぎに歯止めがかからず、ほかの野党とどう共闘するのか方針が定まらない。7月の東京都議選で政権批判の受け皿になった小池百合子知事が事実上率いる都民ファーストの会は、小池氏の側近らが新党結成の動きを見せるが、先行きは不透明だ。十分な説明がないまま、疑惑隠しや党利党略を優先するようなら、解散権の乱用というほかない、としている。

産経新聞・社説
早期解散 危機克服への民意を問え

安倍晋三首相が早期の衆院解散・総選挙へ調整に入った。トランプ米大統領の来日が11月に予定されているため、10月下旬の投開票が有力だ。自民党と公明党が支える安倍政権は、集団的自衛権の限定行使の容認を柱とする安全保障関連法を整備し、それに基づいて自衛隊を運用している。同盟国である米国も歓迎している。核・ミサイル戦力を放棄しない北朝鮮に対し、圧力を強める方針も堅持してきた。これに対し、野党第一党の民進党は安保関連法は違憲だとし、廃止を唱えている。共産党は日米安保条約の廃棄も求めている。危機の時期の解散は、政治空白を招くため望ましくないとの意見がある。気を抜けない情勢であるのは確かだが、根本的解決に一定の時間を要する問題でもある。北朝鮮情勢を理由に総選挙を躊躇すれば相手の脅しに屈し、日本の民主主義がゆがめられる。そういう側面があることも認識すべきである。第二次大戦時でさえ日本と英国は総選挙を各1回、米国は大統領選を2回行っている。もとより、選挙活動に力を入れるあまり、政府の対応がおろそかになることは許されない。関係閣僚らの遊説が、ある程度制約を受けるのはやむを得まい、としている。

NHKも解散への思惑をニュースにしていたが、「観測気球を上げなければ不安」と安倍政権が思っている現れだ。過去は首相が表明する前に解散の文字が政府から明示されることはなかった。先に民意を読まないと勝てないと自民党も公明党も見ている。結果、社説は政治好きの2紙しか話題にしなかった。もう政治の誰にも興味がないというのが社会の本音だ。
安保で民意を問うというなら、北朝鮮の危機さえ利用して政権を維持しようと考えていると言っていい。姑息にも程がある。野党も頼りない。いまの小池氏のアプローチは、小泉劇場、橋下氏の時よりさらに悪い。信任が得られるとは思えない。結果、日本はアメリカ大統領選挙と似た様相になる。選べる人がいない。「あいつだけはイヤ」の戦いになる。いい人がいないのは、いつものことだが、ネガティブ・セレクションもここまで追い込まれると結果も投票率も読めない。その後、アメリカのような社会のメルト・ダウンが進むのだろうか?

毎日新聞・社説
人づくり革命と人生100年会議 看板変えて何をするのか

政府は新たな目玉政策に掲げた「人づくり革命」を具体化する議論に入った。舞台とする有識者会議は「人生100年時代構想会議」だ。方向性に異論は少ないだろう。日本の教育に対する公的支出は先進国で最低水準だ。無償化の推進は、家庭の経済事情による教育格差を是正し、少子化対策にもつながる。問題は、同じような中身の政策を以前にも看板として打ち出し、課題をしっかり検証しないまま、新たな看板を持ち出したことだ。奨学金拡大や高齢者雇用は、政府が昨年策定した「ニッポン1億総活躍プラン」にも盛り込まれている。会議は年内に中間報告、来年前半に基本構想をまとめるという。時間は短く、大風呂敷を広げた結果、どれも生煮えで終わりかねない。成果が十分に出ないまま、次々と変えてきた。従来政策の課題を検証しなければ、効果的な対策も立てられないはずだ。幼児教育の無償化だけでも1兆円超が必要だ。課題の検証も深い議論もないまま、看板に名を借りた大盤振る舞いに走ってはいけない、としている。

どこの新聞も同じ主張で面白みに欠けるが、それだけ政権は求心力を失い、アベノミクスという名でやってきた政治手法が完全に破綻したことの現れだろう。それでも強引に進める勇気さえ、いまの支持率なら安倍氏にはないだろう。それでも解散?失敗した時の醜態は、第一次安倍内閣より悲惨だろう。

読売新聞・社説
郵政株追加売却 企業価値高める展望が必要だ

国が約8割を保有する日本郵政株の一部が、月内にも追加売却される。日本郵政が東証に上場した2015年11月以来、1年10か月ぶり2回目となる。日本郵政は傘下の事業会社に、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を持つ。郵便事業はほとんど儲からず、利益の大半を銀行と生保の金融2社が稼ぐ。民営化法は、日本郵政が金融2社の株をできるだけ早期に全て売却することを規定している。残る郵便事業を、どう再構築するか。答えはまだ見えない。国際業務や新分野への進出では外部人材の登用を進めるなど、柔軟な発想が求められよう。政府の郵政株売却益は、東日本大震災の復興財源となる。2度の売却による計2兆8000億円規模に加え、22年度までにさらなる売り出しによって、計4兆円の財源確保を目指す。その達成のためにも、日本郵政は重い責任を負っている、としている。

なんで郵政の経営が叩かれなければいけないんだろう?政治が自分たちの都合で決めただけのスケジュールだというのに。郵政の経営にさえ、あまりに政治が関与し過ぎだ。それで生保事業も収益が悪化していることを読売は知っているのだろうか?問題はゼロ金利と、GPIFに迎合する投資先の振り替えだ。はやく株式を政治が手放して自由になることを願う。そうすれば、今よりはまともな経営になるだろう。

日本経済新聞・社説
広がる「観光公害」へ対策を急ごう

一部の観光地で、訪問客の増加により地域の生活に支障が出始めている。道路の渋滞や交通機関の混雑、マナー面の摩擦などが住民の間に不満を生み、「観光公害」という言葉も使われ始めた。これ以上深刻化する前に、現状の把握と総合的な対策を急ぎたい。観光客は世界中で増えている。欧州では反観光運動が起こり、受け入れ抑制に乗り出す都市も現れた。民泊の普及で空き家が減り家賃が上昇したことも反観光ムードを生んでいる。外国人観光客が急増した日本でも摩擦や弊害への対策は急務といえる。こうした事例や実情を踏まえ、政府はまず、どういう問題が、どの程度の深刻さで広がっているのか、実態を把握してはどうか。各地の情報を共有できれば、自治体がそれぞれの実情に応じ、具体策を工夫するときに役立つ。住民の不満の裏には、コストやマイナス面だけを負担させられているという意識もあろう。観光収入の増加を目に見える形で地元に還元する仕組みを作るのも一案かもしれない。同じ悩みを持つ世界の町に、日本ならではの解決策を発信したい、としている。

インバウンドを持ち上げ、民泊を新しいビジネス・モデルと称賛していた日経が、またフラフラと奇妙な主張をしはじめた。観光立国と言い出し、フランスのように人口以上の観光客の流入を目指していたのに、爆買いのような軽薄なビジネスが収縮したら、もう弊害論。この程度の困難で政治に動けと言う時点で、官製景気だったのだろう。
世界中から似た話は聞こえてくるが、彼の地で疎まれている中に、日本人も当然のように含まれている。観光で稼ぐ国は、観光で遊ぶ国でもあり、お互い様と思える発想がなければ観光立国など言えるはずがない。

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