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3120.報道比較2017.9.17

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翻意は適切な説明とともに行われなければ不信を招く。

産経新聞・社説
小泉訪朝15年 長く残酷な日々に決着を

2002年9月17日、当時の小泉純一郎首相が訪朝して首脳会談を行い、北朝鮮の金正日国防委員長が初めて日本人の拉致を認め謝罪した。14年5月のストックホルム合意で北朝鮮は、拉致被害者を含む全ての日本人に関する全面的な調査の実施を約束し、同年7月には特別調査委員会が設置された。しかし、核・ミサイル問題での制裁措置を理由に委員会は解散し、これ以降、進展はない。横田さんの弟、拓也さんは今月訪米し、議員や国防総省の担当者に拉致問題解決への協力や、テロ支援国への再指定を求めた。家族は必死である。その思いに政府は十分に応えてきたか。安倍晋三首相は20日、国連総会で一般討論演説を行い、北朝鮮に対する圧力強化の重要性を訴える。この際、非道な拉致問題の解決へ向けても各国の協力を取り付け、被害者全員の解放、帰国へ道筋をつけてほしい、としている。

小泉氏の外交は素晴らしかったが、アメリカとの交渉を北朝鮮は期待してのことだったはず。なぜアメリカに北朝鮮との対話を前向きに進められなかったのか、反省が必要だ。日本がアメリカで外交で相手にされないのなら、なぜ中国にもっと強い外交を作らなかったのか。産経がいつも言う価値観とは真逆の発想があったから、当時の小泉氏は北朝鮮を訪問できた。アメリカは日本の外交戦略を認めなかったようだが、後悔しているのではないか。中国との関係が悪化することもなかった。小泉氏を大切な人物と位置づける安倍氏が、なぜその後、敵対的で孤立主義を取っていったのかは判らない。産経や読売は、なぜ安倍氏に加担したのか。いまさら、なぜ産経は小泉氏の外交を持ち上げるのか。固執は孤独を招くが、翻意は、適切な説明とともに行われなければ不信を招く。産経には大いに違和感を覚える。

毎日新聞・社説
東京都が禁煙条例策定へ 自治体こそ国の先導役に

他人のたばこの煙を吸う被害を防ぐため、東京都は公共施設や飲食店などを原則禁煙とする条例を策定する方針を示した。都の案では、病院や学校は敷地内、官公庁は屋内を全面禁煙、ホテルや事業所は喫煙室を除いて屋内禁煙とする。飲食店も禁煙とするが、面積30平方メートル以下のバーやスナックは全従業員が同意するなどの条件を満たせば喫煙可とする。違反した喫煙者や施設管理者には5万円以下の過料を科す。WHOは喫煙室を設けて分煙にしても受動喫煙を防ぐことはできないとして、「例外のない完全禁煙」を求めている。近年の五輪開催地・予定地であるロンドン、リオデジャネイロ、平昌では小さな飲食店も含めて屋内禁煙が法律や条例で定められており、罰則を設けているところもある。東京のような住宅や店舗の密集地が多数あるところでは、受動喫煙のリスクは相対的に高く、関心を持つ人も多い。外国からの観光客が飲食店での喫煙に苦情を言うシーンも時折見られるようになった。そうした自治体が独自に厳しい受動喫煙対策を取るのは理にかなっている。住民の健康や暮らしの安全は身近な自治体が率先して守るのが時代の流れだ。都の条例はその指標となるものを目指すべきである、としている。

おそらく、数の論理から考えれば、いまの喫煙者の人口と年齢構成を考えれば、喫煙可能な飲食店にして嫌われるより、全面禁煙で喫煙者を排除した方がビジネスとしては良い結果が出るのは明らか。喫煙マナーの悪さを指摘されやすい中国人でさえ、中国国内の喫煙への意識はノーに向かっている。あとは法が、喫煙をノーと明確に言うかだけのところまできて、ガラパゴスな発想の日本の政治家が醜態を晒しているだけだ。オリンピックだけなら東京都の条例で回避できるかもしれないが、観光立国のかけ声は嗤われるだろう。いま、見られているのはマナーや価値観の問題ではない。古い価値観を政治が適切にコントロールできない政治の無能さだ。

日本経済新聞・社説
新たな選挙互助会では支持は得られない

東京都の小池百合子知事に近い若狭勝衆院議員が主宰する政治塾が初会合を開いた。塾を踏み台に旗揚げする新党は政界の台風の目になりそうだ。気がかりなのは、どんな政策を進めたいのかが、まだよく見えないことだ。新たな選挙互助会づくりになってしまっては、有権者の支持は得られまい。若狭氏はすでに政治団体「日本ファーストの会」を発足させ、民進党を離党した細野豪志衆院議員らと会合を重ねている。政治塾を通じて発掘する新人候補を含め、次の衆院選に向けて、近く新党を立ち上げる意向だ。現時点では、有権者の期待度はさほど高くはない。日本経済新聞とテレビ東京の最新の世論調査によると、日本ファーストの会に「期待する」(42%)は「期待しない」(48%)を下回っている。外交・安保、経済再建、税・社会保障など国政の重要課題にどう取り組むのかを明確にしてもらわなければ、有権者も支持してよいものかどうかを判断できない。小池氏が国政にどうかかわるのかも知りたい。地方発の政党としてはすでに日本維新の会があるが、責任の所在がわかりにくいなどの問題が指摘されている。同じ轍は踏まないようにしてもらいたい、としている。

徐々に小池氏のうさん臭さに、メディアが注意を向けはじめた。橋下氏に似ているという表現は的を得ている。行き詰まったら政治を投げ出し、残された政治家は使い物にならない信念のなさを見れば、小池氏の政治手法も似た道をたどる可能性が高い。政治も事業も、最後は信念なのだが、信念もなく打算とテクニックで動く人たちが政治に蔓延り過ぎている。国力が落ちてきたら、外国が介入するのも時間の問題だ。いよいよ衰退も末期症状だ。

朝日新聞・社説
人づくり革命 言葉だけが躍っている

安倍内閣が「人づくり革命」を掲げた。女性活躍、1億総活躍、働き方改革に続く、4枚目の看板である。「人生100年時代」は、会議のメンバーにも選ばれた英ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授が著書で提唱した。長寿社会では、学び、働いて、一定の年齢になったら引退するという単線型の人生設計を変えるべきだという考え方だ。首相は「『人づくり革命』は内閣が目指す『1億総活躍社会』をつくり上げるうえでの本丸」と言う。確かに会議の検討課題は、昨年6月に政府がまとめた「1億総活躍プラン」の延長線上にあるものが多い。では、1億プランについて成果と残る課題を整理したのか。総括を欠いたまま次へ進むことを繰り返した結果、4枚の看板を4人の閣僚が1枚ずつ担うことになった。それぞれが個々の政策をどう分担し、責任を持つのかさえ判然としない。大切なのは政策の見せ方ではない。どんな社会を目指すのかを国民に示し、共有しながら、具体策を積み上げることだ、としている。

産経と読売が、朝日より先に批判していた話題。政権批判が強かった朝日よりも、応援していた産経と読売の動きの方が注目に値する。かけ声だけで政策は何ひとつ進まないのをアベノミクスから繰り返し、まだ同じやり方に、反発は強い。現政権の批判をやめて、野党を支援してはどうだろう?野党もまるで頼りないが…

読売新聞・社説
日印首脳会談 海洋安保で戦略関係を深めよ

安倍首相がインドを訪問し、モディ首相と会談した。国際法に基づく「航行の自由」「阻害されない通商の自由」の重要性を訴える共同声明を発表した。共同声明は、安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」と、モディ氏のアジア重視の「アクト・イースト(東方で活動する)政策」の連携を訴えた。東南アジアからインド、アフリカに至る地域を発展させるため、両国の政策が相乗効果を上げることが重要である。東南アジア各国との協調も欠かせない。インドが「一帯一路」構想に背を向けるのは、覇権主義的な行動への警戒感が強いためだろう。海上自衛隊と米国、インド両海軍は7月、インド洋のベンガル湾で共同訓練を実施した。中国の独善的な活動を牽制するには、日米印の海洋安保協力を計画的に拡大することが有効である。インド人の日本語教師を5年間で1000人育成するため、インドの100高等教育機関に講座を開設することでも合意した。草の根レベルの相互理解や日本企業の進出に役立とう。日印関係を長期的に発展させる布石としたい、としている。

中国だけを意識してインドと付き合うなら、間違っている。インドは中国に対抗心は当然あるが、協力する部分は強く手を結んでいる。読売が中国に抱くほどの固執した拒絶感はない。中国の時代が来た時、次に世界一を目指すのはアメリカではなくインドだ。その未来を見てインドを意識するなら素晴らしいが、目先の中国脅威の対抗策にインドに期待するなら、機能しなくなるだろう。どこかで梯を外される。いまでもアメリカに中国を優先されて困っているのと似たことが、次は中国やインドで起きるだけ。大局観が欲しい。

Wall Street Journal
ロヒンギャ危機、アルカイダの脅威も浮上 (2017.9.14)

ミャンマー軍がイスラム系少数民族ロヒンギャの村落で掃討作戦を展開し、数十万人のロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れている問題は、2つの国際組織の関心を引いている。国連安全保障理事会と国際テロ組織アルカイダだ。国連安保理は13日、ロヒンギャ問題を話し合う会合を開いた。アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政府とともにミャンマーを統治している軍指導部は、ロヒンギャ問題で民族浄化を行っていると非難されている。これに対しミャンマー側は、軍は「過激派武装組織」であるアラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)と戦闘しているのだと主張している。ノーベル平和賞受賞者のスー・チー氏はロヒンギャ危機への対応について国際社会から厳しい目を向けられているが、ミャンマー政府は同氏が9月後半にニューヨークで開催される国連総会への出席を見送り、国内の治安問題に専念すると発表した。一方、アルカイダの中央指導部はイスラム教徒に対し、ミャンマーに行き、ロヒンギャを「財政的、軍事的、物理的に」支援するよう呼び掛けた。軍による一掃作戦の前には、ラカイン州には約100万人のロヒンギャが住んでいた。ミャンマー政府は、ロヒンギャについてはバングラデシュからの不法入国者と見なしており、市民権を付与せず、学校教育や医療も施していない。「(ARSAは)治安部隊を挑発し猛反撃を受けることは分かっていた。しかしそれによって、ロヒンギャ社会はミャンマーからますます離反してARSA支持に向かい、世界が再びラカイン州での軍の虐待に注目するようになると判断した」、としている。

これでスー・チー氏の国際的なプレゼンスは完全に失われた。彼女が求めた民主化には本当の自由も法治もなかった。せっかく開かれ、経済復興の芽が見えはじめただけに、残念だ。

人民網日本語版
トランプ大統領年内訪中の準備で中米が合意 (2017.9.15)

楊潔チ国務委員は13日、米国のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、クシュナー大統領上級顧問とホワイトハウスで会談した。双方は中米関係及び関心を共有する国際・地域問題について意見交換した。また、上層部及び各レベルの意思疎通を強化し、協力を拡大し、習近平国家主席の招待によるトランプ大統領の年内公式訪中の準備作業を共に仕上げ、中米関係の健全で安定した前向きな発展を推し進めることで合意した、としている。

日本にも年内訪問で調整しているらしい。意味のある外遊になると期待する人はいないだろう。就任当初の注目された首脳会談が懐かしい。まだ半年前のことだ。アメリカの衰退スピードは速い。

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